香川県 三豊市

 

「旅に出て4」 が出来た。例によって長短32篇のエッセイをテーマごとにまとめてそれぞれに簡単な説明をつけた。4冊を合わせると120篇以上のエッセイを紹介したことになる。それぞれに思い出があるが、我ながらよく書いたものと思う。埋もれていた文章に新しい読者が現れることを願っています。(エッセイのタイトルをクリックすると読めます)

 

 コロナウィルスの感染が依然として収まらず、安心して出歩くことができる日がいつになったら来るのか今もって見通しが立たないのは残念では済まない思いだ。歳をとった者にはコロナで失われた数年は取り返しのできない数年だからだ。

 

 ウクライナのロシアとの戦いは今日で半年になる。戦いは始めるよりも終らせる方が難しいと言う。日本の経験に照らしてもそう思う。東京大空襲・沖縄戦・原爆投下といった悲惨な犠牲を出さないで戦争を終らせることはできなかったのだろうかと今も思う。

 

 日本をはじめウクライナを支援している国々は、支援を続けながらもどうしたらこの戦いを終らせることができるかを真剣に考える時に来ているのではないだろうか。

 

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埋もれた過去

むかし道今昔…奥多摩湖ができる前の道を歩き、ダム建設前後の小河内村の人たちを思う

ニシン漁幻影…昔ニシン漁で栄えた北海道の江差から小樽までの沿岸を訪ねる

浅間山大やけ…天明の大噴火(1783)の実情を現地に訪ね、雲仙普賢岳の噴火(1990)と重ねて考える

憲法草案の眠っていた土蔵…明治時代の憲法制定以前に理想の憲法を求めて必死に勉強した若者たちのこと

田舎が潰れる時…明治末に東京郊外に移り住んだ徳富蘆花と郊外の都市化をめぐって

 

戦争と死

日本が見えない…若くして戦場に散った竹内浩三の遺した詩をめぐって

東京大空襲…原爆に匹敵する犠牲者を出した東京大空襲の中心地を歩く

 

石川啄木

記憶と記録…啄木没後に刊行された『回想の石川啄木』の土岐善麿の序文をめぐって

不平なく…啄木晩年の親友土岐哀果(善麿)の詩歌集『不平なく』をめぐって

 

若山牧水

牧水祖父の生地…牧水の祖父健海の生地を所沢市(埼玉県)に訪ねる

牧水の故郷…牧水の生地東郷村坪谷(宮崎県)を訪ねる

 

永井荷風

荷風の詩碑…東京千住の浄閑寺にある荷風の詩「震災」の詩碑をめぐって

荷風の遺書…葬式・墓石無用と繰り返した荷風だが、実際にはどうなったか

観潮楼址の詩碑…森鴎外の邸宅址の庭にある荷風筆の鴎外の詩碑について

 

會津八一

幻影 “かすがのに” の歌碑…歌集『鹿鳴集』の巻頭歌を刻んだ歌碑とその建立場所をめぐって

新薬師寺の歌碑…新薬師寺の會津八一最初の歌碑をめぐって

 

京都の一遍上人

釈迦堂…かつて一遍らに貴賤上下の人たちが群がった釈迦堂の今

因幡堂…今の因幡堂を訪ねて一遍のことを思う

市 屋…西本願寺近くの市屋での一遍上人のようすについて

 

木喰上人のこと

木喰上人の故郷…木喰上人の故郷丸畑(山梨県)訪ね、上人と故郷の人たちとのことについて

驚くべきパワー…長岡市(新潟県)の宝生寺に木喰仏を訪ねる

 

安曇野の美術館にて

豊科近代美術館にて…彫刻家高田博厚の現存するほぼ全作品を収蔵する美術館にて

碌山美術館にて…美術館を訪ねて碌山と高村光太郎・相馬黒光とのことをめぐって

続・碌山美術館にて…美術館の入口にある碌山の作品「労働者」をめぐって

 

沖縄にて

見えない世界…先祖とのつながりを大切にする沖縄での見聞をめぐって

泡ガラスのこと…廃ビンを利用した沖縄ガラスの中の泡ガラスについて

イギリスも沖縄もおいしい…イギリスの駅前食堂で食べた定食、沖縄のおいしいものをめぐって

 

旅に出て

ウイーンの思い出…ウィーンの美術史美術館、ザルツブルクのモーツァルト生家のことなど

若狭と古都…東大寺のお水取りと若狭(小浜)との関係について

鎌倉大仏と大仏殿…鎌倉大仏の大仏殿はいつなくなったのか。その謎について考える

シャツ雑草に…信州青木村の古塔と栗林一石路の句碑をめぐって

用を足す…日本や世界での用を足す(トイレ)をめぐる話