びっくりするようなことが書いてあったので、またまた袴のことを。

 袴は馬乗袴が正式です。
 行燈袴を用いるのは「略式」であると同時に「家格」の問題や、用途の問題となります。
 客として行き、袴付(寄付・待合のこと)で袴を着けるのであれば、行燈で構いません。
 しかし、家から着けていくのなら当然「馬乗袴」でなければなりません。

 行燈袴は外を歩くためのものではないからです。

 外を歩くときは着流しで、茶席に入る時は袴を着けるというのであれば、行燈が相応しいと言えましょう。

 しかし、お手伝いの方は、行燈袴は控えた方が好いでしょう。
 これは、坐った時に、袴の後ろ裾がほかの人の邪魔になったりするからです。
 また、スカートより空気の入りやすい構造ですから、ばふっっとなってしまうのです。

 もちろん流儀によって「行燈袴」と言われているところもあるかとは思いますが、私がいろいろ尋ねたところ(呉服屋からいろいろな方面にご確認いただきました)

 ご宗家では「行燈袴でなければいけないとか馬乗袴でなければいけないという決まりはない」とのお返事を呉服屋さんからいただきました。
 当流では「仙台平」を正式とする(あたりまえですが)<行燈・馬乗の決まりはない

 行燈は、そもそも「馬に乗らない町人のために作られた袴」でして、武士は常に馬乗でした。
 祝い事のためだけに着けたため、歩くことを考慮されていない作りなんですね。

 階段を行燈で上り下りするには、ちょっと厳しいことはお分かりいただけるかと思います。
 これが馬乗だと非常にスマートです。

 行燈でいいや!と思われていた方、是非、考え直していただけると幸いです^-^
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