ノルマンディー地方を旅して二日目は、小さな可愛い村で宿泊。
Route du Cidre、シードル街道を抜けて向かっていきます。
りんごのマークが可愛い表示!
森の中という感じなのですが、実は前回ブログにあるドーヴィルの海岸から30分くらいです。
着いたのは、これまた可愛いレンガの一軒家。
ここはフランスでいう民宿、Chambre d'hôte(=シャンブルドット)です。
インターネットでの評判がとてもよく、
ここに泊まってみたくなったのです。
駐車場に車を停めるとすぐにオーナーの女性が出てきてくれました。
笑顔がステキ。握手してくれました。
私たちの旅程について話したり、明日の朝食の時間を聞かれたりしたあと、お部屋に通してくれました。
このオーナーの方のもっと詳しいお話は翌朝知ることになりました。
とても素敵な方です。
お部屋は居心地のよい上質な家具で設えられていました。
屋根裏部屋の傾斜を利用したバススペースがロマンチック!
インテリアはなんともいえない明るいグレーで統一されていました。
こうした中間色のセンスがすごく好き。
この日は私たち、朝からフル稼働して疲れたのでまずは一休みです。
シードルはジュースのようにごくごく飲んでも酔わないのが最高!笑
こちらのシャンブルドットにはレストランがないので、
夕食は700m歩いたところにあるレストランをすすめられました。
のどかな一本道を歩いていきます。
草の匂いがして、小さい頃から記憶にのこる山形のおばあちゃんの家を思い出しました。
田舎の匂いは、日本もフランスも同じなんだなあ。
昼間は暑かったのですが、夜はやはり少し冷えます。
店内が暖かくてほっとしました。
前菜はカキのバター蒸しです。
メインに何をいただいたのかは、記憶にありません笑
シードルを飲み過ぎたのではなく、
写真を撮っていなかったうえに、まだまだ時差ぼけが解消されずとても眠くて…。
食事を終えて部屋に帰ると、すぐに眠りました。
翌朝はあの素敵な浴槽で朝風呂からスタート。
老舗香水会社・ガリマールのアメニティーがそろっていたので、
嬉しくなりました。泡風呂にするとさらにとてもいい香りだったんです!
(4年前にはガリマールのほかにフラゴナールなど、老舗香水会社の里であるグラースを訪れています→★)
そしてお風呂からあがると、焼きたてパンのいい香り!
下におりていくと、
まるで友人宅でおもてなしを受けるような居心地よい食堂に、
丁寧なテーブルセッティングと朝食が準備されていました。
パンはオーナーのシルヴェーヌさんが毎朝自分で焼いているといいます!
ナプキンは紙ではなく、刺繍付きの上質な布製。
きちんとアイロンが当てられていて、なんだか朝食に使うのがもったいないくらい。
ジャムも自家製で4種類。
シルヴェーヌさんは地元ノルマンディー出身だそうで、このジャムはご実家のレシピ。
ご当地のシードルで作ったジャム、フランボワーズにルバーブ、いちじくとすべて美味しかったです。
シードルのジャムは初めて。リンゴの香りとともにはちみつのような味がしました。
フランスの朝食はどこのホテルでもハムとチーズがかならずありますが、
やはりこちらでも。
そしてこちらはやはりシルヴェーヌさんお手製のフルーツサラダです。
「シルヴェーヌさんは、この準備をすべて一人でこなしているんですか?毎朝何時に起きるんですか?」と聞くと
6時よ、と笑顔で答えてくれました。
6時?意外に遅くないですか?
前日の夜に準備をやっておくのかなあ。
パンを焼いてテーブルをセットして、自分
の身支度をして…私なら間に合わないかも!
シルヴェーヌさんは、
パリの五つ星ホテルで長年働いたあと、この一軒家を購入しシャンブルドットを始めたそう。
それまでのキャリアとご自身のセンスを生かして理想のシャンブルドットを作ったんですね。
なんてセンスがいいんだろう。
こういうセンスに出会うとき、本当に胸がときめきます。
お庭も散策してみました。
リンゴの木。
そしてプールもあります。(朝は涼しくて入れそうにないけど!)
特筆すべきは色とりどりのお花!
あじさいも!(あとで知りますが、少なくともノルマンディー、ブルターニュではあじさいは珍しくないみたいで沢山咲いていました。)
リンゴの木からは時折ぼとっ!と音がして
行ってみると実が落ちたりしていました。
リンゴ大好きな子どもが嬉しそうに拾って並べていました。
大好きすぎて我慢できず、一瞬の隙にぱくっ!
あのー、落ちたリンゴなんですけど…。
結局ここに並んでいるすべての実を一口ずつぱくぱくしていました。
まあいいか!ナチュラルで!
まだまだゆっくりここにいたいなあ…と思ったけど、
見所の多いこの地方だからこそ、旅程はキツキツ。
チェックアウトの時間になってしまいました。
シルヴェーヌさんにお願いして、写真を撮っていただきました!
凛としたテキパキした口調もかっこいいシルヴェーヌさん。
朝食の準備を一人でやっているだけでなく、
お部屋の準備も(シーツやタオルや…数え上げればきりがない仕事)
すべてこなしていることに脱帽です。
帰りの駐車場で、
「ひとりでこのシャンブルドットをやっていらっしゃることに
私はすごく驚きました。」と言うと、
シルヴェーヌさんは、
「やることは毎日山ほどある。でもすごくagréable(=快適)なの。」
と。
そして素晴らしいインテリアやあの老舗香水会社のアメニティーも
「すべて自分で選んでいる。」と。
とにかくシルヴェーヌさんのすべての理想と夢が詰まった、
集大成を感じたシャンブルドットでした。
一生忘れない、尊敬する女性でした。
このあとは、ここからほど近い、
「フランスでいちばん美しい村」のひとつを訪ねました。
それはまた!
★★★
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