事故を防ぐのは、心の安全から。

 

心の安全設計室
心の安全コンサルタント

 

安田伸也です。

 

安田伸也

 

何をしてもうまくいかない。

 

この先、自分はどうなってしまうのだろう。

 

そんなふうに感じているときは、目の前の困難が大きな「壁」のように見えることがあります。

 

でも、その壁は、本当に行き止まりなのでしょうか。

 

約10数年前、わたし自身もうつ状態の中で先が見えなくなっていた時期がありました。

 

今回は、トーマス・エジソンの言葉をきっかけに、困難の捉え方と、小さな一歩を踏み出すことについて考えてみたいと思います。

「困る」ことは新しい世界を発見する扉かもしれない

「困るということは、次の新しい世界を発見する扉である」
発明家トーマス・エジソンの言葉です。

 

もしかしたら、今のあなたにとって、心に響くものがあるかもしれないと思い記事にしました。

 

約10数年前のわたしもそうでしたが、うつ状態にいると、毎日が灰色に感じられ、先が全然見えないように感じることもあります。

 

何をしても上手くいかない気がして、どこに向かえばいいのかわからなくない。

 

そんなときに、この「困る」という感情をただの辛さとして見るだけではなく、次に繋がるステップだと捉えることは出来ないでしょうか?

 

もしかしたら、今の状況は新しい世界を見つけるための「扉」かもしれないのです。

困難の中にこそ、成長のチャンスがあるかも...

困難の中にこそ、成長のチャンスがあるかも...

 

エジソンが電球を完成させるまでに、実は1,000回以上も失敗を繰り返した話、聞いたことがありますか?

 

普通だったら、そこで諦めてしまいそうですが、彼はこう言っています。

 

「私は失敗したのではない。うまくいかない方法を1,000通り発見したのだ」と。

 

まあ、強がりかもしれませんが、彼にとって失敗は、次の成功へのヒントだと捉えていたのです。

 

この話を自分に当てはめてみると、どうでしょう?

 

もしも、今、あなたが感じている「うまくいかない」「辛い」という感情も、もしかしたら次のステップに進むためのサインかもしれません。

 

私たちは困難に直面すると、それが永遠に続くような気がしてしまいますが、実はその裏には、成長や変化の種が隠れていることがあるんです。

 

止まない雨は無いように、明けない夜もありません。

 

少しの勇気で、新しい扉が開くのです。

大きく変わらなくても、小さな一歩なら踏み出せる

もちろん、うつ状態の中で「変化しよう!」なんて簡単に言われても、そんなにすぐには動けないですよね。

 

大きな変化を求めるのは無理でも、小さな一歩ならどうでしょう?

 

例えば、いつもより少し早く起きてみるとか、外に出て空気を吸ってみるとか、本当に小さなことでもいい。

 

エジソンの言葉を思い出してみてください。

 

困るという感情や不安は、新しい可能性を開く扉の前に立っているというサインかもしれません。

 

「今はしんどいけど、これが終わったら少し景色が変わるかも」って、そう思えるだけで、ほんの少し心が軽くなりませんか?

「変化」は次の扉を開くサインかもしれない

今、あなたにとって「変化」と聞いて思い浮かぶのは何でしょう?

 

何かに挑戦したいと思う気持ちが湧いてきたり、逆に少し休むことが必要だと思ったりするかもしれません。

 

それもまた、次の扉を開くための大事なサインなんです。

 

しかし、変わること、そして自分を信じることって、簡単ではありませんよね。

 

特に、うつ状態のときには、自分の気持ちがどんどん重く感じられてしまうこともあります。

 

でも、エジソンのように「困難」は単なる壁ではなく、次のチャンスに繋がる扉だと思うことができれば、少しずつ勇気が湧いてくるはずです。

出来ないところではなく、出来ているところを見る

出来ないところを見るのでは無く、出来ているところに目を向けましょう。

 

焦る必要はありません。

 

ゆっくりでいいんです。

 

小さな一歩を踏み出すたびに、少しずつ新しい扉が開いていきます。

 

そして、その先には、今まで見えていなかった新しい世界が待っているかもしれません。

 

今、あなたの目の前にはどんな扉があるのでしょうか?

 

それを開くのは、他の誰でもない、あなた自身です。

まとめ|焦らず、ゆっくり、新しい扉を開いていく

困難の中にいるときは、目の前にある問題が、この先もずっと続いていくように感じることがあります。

 

そんなときに、無理に大きく変わろうとする必要はないのだと思います。

 

今できていることに目を向けてみる。

 

そして、できそうなら小さな一歩を踏み出してみる。

 

困難を「行き止まり」ではなく、「新しい世界につながる扉かもしれない」と捉えてみる。

 

焦らず、ゆっくりでいい。

 

その小さな積み重ねの先に、今はまだ見えていない景色があるのかもしれません。

もう、頑張りすぎなくていい。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

この記事が、今、目の前の困難に悩んでいる方にとって、出来ていることに目を向け、小さな一歩を考える切っ掛けになれば嬉しく思います。

 

筆者プロフィール|安田伸也

心の安全設計室代表・心の安全コンサルタント。元海上保安官・潜水士。

 

海上保安庁に約35年間勤務し、潜水士、巡視船航海士、巡視艇船長などを経験。海難救助、転覆船や沈没船の捜索、領海警備、密漁船や密輸船への対応など、3,000件以上の事件・事故に関わってきました。

 

一方で、在職中には職場の人間関係やコミュニケーションに悩み、約20年間、うつやパニック障害などのメンタル不調を繰り返しました。退職後に心理学やコーチングを学び、自分自身の心を整える方法を身につけました。

 

現在は心の安全コンサルタントとして、建設業、建築業、製造業などの安全大会や企業研修で、事故防止、心理的安全性、職場のコミュニケーション、メンタルヘルス、傾聴、コーチングなどをお伝えしています。

 

「自死ゼロ・事故ゼロの世界を創り、笑顔で働く人を増やす」ことを使命に活動しています。

 

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安田伸也です。

 

安田伸也

 

明日が来ることを、わたしたちは当たり前のように思ってしまいます。

 

でも、海難救助の現場では、その「当たり前」が突然失われる場面があります。

 

海上保安庁で35年間勤務し、多くの事故現場に立ち会ってきたからこそ、わたしの心に残っている言葉があります。

 

今日一日を生きること。

 

辛いとき、悲しいとき、大変なことがあったときにこそ、思い出してほしい言葉について、今日はお伝えしたいと思います。

「今日という日は、昨日亡くなった人がなんとしてでも生きたかった1日」

「今日という日は、昨日亡くなった人がなんとしてでも生きたかった1日」
「世界一ふざけた夢の叶え方」から

35年間の海難救助で向き合ってきた命

わたしは、35年間海上保安庁という役所で、海難救助に関わってきました。

 

その間、数え切れないくらいの事故現場に立ち会いました。

 

そして、数え切れないくらいの亡くなった方達とも対面しました。

 

家族や親しい人達との別れの言葉を交わすことも許されずに、あの世に旅立つ。

 

無念だっただろうな。

生きることを許されているわたし達ができること

だからこそ、生きることを許されているわたし達は、今日一日を生きることを大切にしなければならない。

 

そう思うんです。

 

生きていれば

 

大変なこともある。

 

辛いこともある。

 

悲しいこともある。

大変な日も「明日は明日の風が吹く」

だけど、明日は明日の風が吹く。

 

そう考えて、今日一日を生き抜く。

 

そうすれば、見える世界も変わってきます。

辛いときに思い出してほしい言葉

大変なこと。

 

辛いこと。

 

悲しいこと。

 

そんなことがあった時。

 

この言葉を思い出して、今日一日を生きてみましょうよ。

 

「今日という日は、昨日亡くなった人がなんとしてでも生きたかった1日」

まとめ|今日一日を大切に生きる

人生には、大変な日も、辛い日も、悲しい日もあります。

 

そんなとき、遠い未来のことまで考えようとすると、余計に苦しくなってしまうこともあります。

 

だからこそ、まずは今日一日。

 

今、生きているこの一日を大切にする。

 

海難救助の現場で多くの命と向き合ってきた経験があるからこそ、わたし自身も忘れないようにしたいと思っています。

 

大変なときこそ、明日のことを考えすぎず、今日という一日を生きてみる。

 

そんな一日の積み重ねが、自分の人生になっていくのではないでしょうか。

もう、頑張りすぎなくていい。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

この記事が、辛いことや悲しいことがあったときに、少しだけ立ち止まり、「今日一日を生きる」ということを考える切っ掛けになれば嬉しく思います。

 

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心の安全設計室代表・心の安全コンサルタント。元海上保安官・潜水士。

 

海上保安庁に約35年間勤務し、潜水士、巡視船航海士、巡視艇船長などを経験。海難救助、転覆船や沈没船の捜索、領海警備、密漁船や密輸船への対応など、3,000件以上の事件・事故に関わってきました。

 

一方で、在職中には職場の人間関係やコミュニケーションに悩み、約20年間、うつやパニック障害などのメンタル不調を繰り返しました。退職後に心理学やコーチングを学び、現在は心の安全コンサルタントとして、建設業、建築業、製造業などの安全大会や企業研修で、ヒューマンエラーと事故防止、心理的安全性、職場のコミュニケーション、メンタルヘルス、傾聴、コーチングなどについてお伝えしています。

 

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安田伸也です。

 

安田伸也

 

「人に迷惑をかけてはいけない」

 

そう思って、仕事も家庭も一人で頑張りすぎていませんか?

 

人に頼ったり、失敗したりすると、「迷惑をかけてしまった」と自分を責めてしまう。

 

でも、人は本当に誰にも迷惑をかけずに生きていけるのでしょうか。

 

今回は、「人に迷惑をかけてはいけない」という思いから少しだけ自分を解放し、人に頼ることや支え合うことについて考えてみたいと思います。

人は他人に迷惑をかけずに生きることはできない

「人は他人に迷惑をかけずに生きることはできない」

 

あなたは、この言葉を聞いてどう感じましたか?

 

少しホッとしないでしょうか?

 

家族や同僚に迷惑をかけないように、いつも一生懸命頑張っている皆さん。

 

毎日の仕事、家庭、そして自分の健康。

 

いくつもの「責任」を抱えながら、そのすべてを完璧にこなそうとする姿勢、本当に素晴らしいと思います。

 

でも、その反面「私の頑張りが足りないんじゃないか」「家族にも職場にも迷惑をかけたくないのに…」と、自分を責めてしまうことも多いのではないでしょうか。

 

でもね。

 

よく考えてみてください。

 

人は他人に迷惑をかけずに生きることはできないのです

 

実は誰もが、知らず知らずのうちにお互いに迷惑をかけ合って生きています。

 

そして、それは悪いことではないと、わたしは思うんです。

 

むしろ「迷惑をかけ合う」からこそ、そこに支え合いが生まれるんじゃないでしょうか?

 

「お互い様」なのです。

 

ここで、どうして自分を責めてしまうのか、その理由を考えてみましょう。

なぜ「迷惑をかけないように」と思うのでしょうか

なぜ「迷惑をかけないように」と思うのでしょうか。

 

そこには「ちゃんと役割を果たしたい」という責任感や、他人を思いやる優しさが根底にあるからですよね。

 

ですが、その強い思いが反転してしまうと、少しでも思い通りにいかないときに自分を責めてしまう原因になりがちです。

 

例えば、家庭での役割や職場での成果に関して、「どちらも完璧にしなくちゃ」とプレッシャーを感じていると、どちらか一方がうまくいかないときに「私はどちらもダメだ…」と自己否定に陥ってしまうこともあるでしょう。

 

でも、まず覚えて欲しいのは、
「あなたは十分頑張っている」ということ。

 

家族や同僚のために頑張る気持ちはとても、尊いものです。

 

それがあなたの価値を証明しているのかもしれません。

 

しかし、その頑張りを認めてあげられるのは、自分しかいないんですよ。

「迷惑をかけること」を受け入れてください

「迷惑をかけること」を受け入れてください。

 

人間は完全ではありませんし、すべてを完璧にこなすこともできません。

 

間違いも犯します。

 

だからこそ、お互いに迷惑をかけ合うのは自然なことだと思うのですが、いかがでしょうか?

 

けして、「迷惑をかけて当然だ」なんて開き直れと言っているわけではないので、誤解しないでくださいね。

 

そんな頑張っている姿は、周りの人も見ています。

 

だから、家族や職場で何かのミスをしてしまったとしても、きっと周りは理解してくれるでしょう。

 

たとえば、「家事ができなかった日」があったとしましょう。

 

そのときに家族があなたの代わりに家事をしてくれるかもしれません。

 

それが家族の関係を深めるきっかけになることだってあると思うんです。

 

同じように、職場でも小さなミスがあったときに、同僚が助けてくれると「自分は独りじゃないんだ」と実感できたことはありませんか?

 

そもそも、「迷惑」は人によって違います。

 

だから、何が迷惑で何が迷惑で無いのかの基準がハッキリしていないのではないでしょうか?

「迷惑をかけたくない」という罪悪感を和らげる3つの方法

では、どうすれば「迷惑をかけたくない」という思いから来る罪悪感を和らげることができるのでしょうか。以下の3つを試してみてください。

1,「ありがとう」を言う

1,「ありがとう」を言う
誰かに助けてもらったときには、感謝の気持ちを忘れないことです。

 

「ありがとう」と伝えることで、助けてもらったことをポジティブに捉えることができ、自分を責める気持ちが少し和らぎます。

2,期待値を下げる

2,期待値を下げる
「何が何でも完璧にやりたい」という思いが罪悪感につながることもあります。

 

少しだけ期待値を下げて「今日は7割でもよしとしよう」と考えると、肩の力が抜けて、自然と他人に頼ることができるようになるかもしれません。

3,小さな成功を認める

3,小さな成功を認める
日々の小さな成功を認めることも大切です。

 

「今日は会議を上手くまとめられた」「家事をしっかりこなせた」といった小さな達成感を積み重ねることで、自己否定の気持ちも和らいでいくはずです。

「人は不完全だからこそ協力できる」

海外では、
「人は他人に迷惑をかけずに生きることはできない。だから、あなたも人から迷惑をかけられても許してあげなさい」
そう教えるところもあるそうです。

 

最後に、アルフレッド・アドラーのわたしの大好きな言葉を紹介します。

 

「人は不完全だからこそ協力できる」

まとめ|迷惑をかけることと支え合うこと

誰にも迷惑をかけず、仕事も家庭もすべて完璧にこなそうとすれば、自分を追い込んでしまうことがあります。


 

人は不完全だからこそ、ときには誰かに助けてもらい、ときには誰かを助けながら生きています。

 

「迷惑をかけてしまった」ではなく、「助けてもらった。ありがとう」と考えてみる。

 

そして、自分が助けてもらった分、誰かが困っているときには自分が力になる。

 

そんな「お互い様」の関係が、家庭でも職場でも、安心して人に頼れる関係につながっていくのではないでしょうか。

もう、頑張りすぎなくていい。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

この記事が、「人に迷惑をかけてはいけない」と頑張りすぎている方にとって、人に頼ることや自分を認めることについて考える切っ掛けになれば嬉しく思います。

 

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心の安全設計室代表・心の安全コンサルタント。元海上保安官・潜水士。

 

海上保安庁に約35年間勤務し、潜水士、巡視船航海士、巡視艇船長などを経験。海難救助、転覆船や沈没船の捜索、領海警備、密漁船や密輸船への対応など、3,000件以上の事件・事故に関わってきました。

 

一方で、在職中には職場の人間関係やコミュニケーションに悩み、約20年間、うつやパニック障害などのメンタル不調を繰り返しました。退職後に心理学やコーチングを学び、現在は心の安全コンサルタントとして、安全大会や企業研修で、ヒューマンエラーと事故防止、心理的安全性、職場のコミュニケーション、メンタルヘルス、傾聴などをお伝えしています。

 

「自死ゼロ・事故ゼロの世界を創り、笑顔で働く人を増やす」ことを使命に活動しています。

 

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安田伸也です。

 

安田伸也

 

事故が起きそうになったとき、私たちはつい「危ないことをするな」「もっと気をつけろ」と注意したくなります。

 

もちろん、それも必要です。

 

でも、本当に事故を防ぐために必要なのは、叱ることだけなのでしょうか。

 

今回は、わたしが海上保安部の係長をしていた頃に経験した、水上オートバイの漂流事故のお話です。

 

幸い無事に救助された事例ですが、

 

そこには

・焦りによる判断ミス

・「今まで大丈夫だった」という油断

・そして部下を指導するときの大切な視点

が隠れているように思います。

台風接近中に起きた水上オートバイ漂流事故

とある海上保安部の係長をしていた時のお話。

 

台風が接近しているある日、港の沖合に水上オートバイと人が流されて、助けを求めていると警察から通報がありました。

 

その海域は、港を出てすぐの所で何千トン何万トンの船が行き交う大型船の航路筋です。

 

中には巨大船と言われる長さが200メートル以上ある船もいます。

 

長さ200メートルの船というと、高層ビルを横倒しにしたくらいの大きさです。

 

いくら船が厳重に見張りをしていても、大きな船の上から泳いでいる人を見つけるのは至難の業。

 

また見つけたとしても、大型船はすぐに避航動作を取る(避ける)ことができません。

 

非常に危険な状況です。

 

 

 

 

わたしは、すぐに潜水士を乗せた救助艇を向かわせると共に、その海域近くの漁協へ連絡。

 

救助へ向かって貰いました。

 

ほどなく、漁協から要救助者は水上オートバイと共に無事救助され、事務所にいるとの報告がありました。

 

わたしは部下と一緒に車で事情聴取をするため、漁協事務所へ向かいました。

 

事務所で彼らから話を聴くと、仲間数名で海岸で水上オートバイで遊んだ後、水上オートバイを砂浜の沖に錨を静めて停泊させ、浜辺でバーベキューをしていたそうです。

 

ふと気がつくと、折からの台風の強風で水上オートバイが沖合に流されていくのに気がつき、1人が慌てて泳いで取りに行ったとか。

 

しかし、沖合の潮に流されて水上オートバイにたどり着くこともできず漂流。

 

それを見ていた仲間が、警察へ通報したとのことでした。

 

台風が接近して風も強いのに、海辺で遊ぶのは非常識だと、わたしは、彼らに少々厳しくお灸を据えました。

 

事情聴取が終わり、彼らを帰した後で、彼らがあまりにシュンとしていたので、少々不思議に思いました。

 

そこで、漁協の人に訊いたところ、彼らがこの事務所に着いてから、お灸を据えられるのはわたし達で3度目だとのこと。

 

1回目は、通報した地元の警察官。
2回目は、救助艇で救助に向かった潜水士達。
3回目が、わたし達とのことでした。

 

思わず笑ってしまいました。

 

しかし、彼らも自然の怖さが身に染みたと思います。
ホント助かって良かったな。

 

と思いました。

 

この事故事例から何が学べるでしょうか?

 

考察してみましょう。

1,焦ると、人は目の前のことしか見えなくなる

水上オートバイが流されていくのを見た瞬間、その人の頭の中は、

 

「早く取りに行かなければ」

 

という思いでいっぱいになったのでしょう。

 

台風が接近していること。

 

風が強いこと。

 

沖合へ向かう潮があること。

 

大型船の航路が近いこと。

 

泳いで追いつけない可能性。

 

そんな危険性が、全く見えなくなっていたのだと思います。

 

強い焦りや怒り、不安が生まれると、人の視野は狭くなります。

 

だからこそ、緊急時には、すぐ行動する前に一度立ち止まり、

 

今、自分がしようとしている行動で、危険がさらに大きくならないか。

 

と考えることが大切なんじゃ無いでしょうか?

 

そのためには、普段から現場の危険を洗い出し、
「もしこうなったらこうする」
と対策を決めておくことです。

 

もちろん、想定外の事も起きることもあるでしょう。

 

しかし、思い付く限りの想定はしておくべきです。

2,「今まで大丈夫だった」は、安全の根拠にならない

おそらく彼らは、台風が接近する日に初めて海で遊んだわけではないと思います。

 

これまでも水上オートバイを沖に停め、浜辺でバーベキューをして、何事もなく帰っていたのかもしれません。

 

その経験が、

 

「今回も大丈夫だろう」

 

という油断につながった可能性があります。

 

しかし、海は、その日によって風も潮も波も変わります。

 

ましてや、当日は台風が接近しているという状況。

 

前回まで事故が起きなかったことは、今回も安全だという証明にはなりません。

 

これは仕事の現場でも同じです。

 

「いつもやっているから大丈夫」ではなく、「いつもと違う所はないか」を確認する。

 

その姿勢が必要です。

3,何度も叱るより、何を学んだかを確認する

彼らは、警察官、潜水士、そしてわたしから、合計3回お灸を据えられました。

 

シュンとしていたのも当然ですね。

 

少し笑える話ではありますが、ここからは指導のあり方も考えられます。

 

同じことを何度も叱られると、本人の意識は、

 

「次から気をつけよう」

 

ではなく、

 

「早く説教が終わらないかな」

 

に変わってしまうことがあります。

 

大切なのは、叱った回数ではありません。

 

本人が、

  • ・何が危険だったのか
  • ・どこで判断を間違えたのか
  • ・次はどう行動するのか

を理解したかどうかです。

 

ですから、部下の方を指導する際は、

 

「今回、一番危険だったのは何だと思う?」

 

「同じことが起きたら、次はどうする?」

 

と質問し、本人の言葉で振り返ってもらうのが大切です。

 

叱って終わるより、自分で教訓を言葉にした方が、次の行動につながりやすいでしょう。

事故防止で大切なのは「次はどうするか」を考えること

この事故から学べることをまとめてみましょう。

 

・焦ったときほど、立ち止まって冷静に考える。
・過去の安全は、未来の安全ではない。
・叱るだけでなく、本人に考えてもらい、次の行動を具体化する

 

一言でまとめるなら、

 

事故防止で大切なのは、ヒヤリハットの報告上がったときには「危ないことをするな」と叱ることだけではありません。
なぜ危険な状況になってしまったのかを振り返り、次に同じ状況になったときの行動を具体的に決めておくことなのです。

 

ミスをした部下を指導する際に本当に必要なのは、叱ることより、「次はどうするか」を本人と一緒に考えることではないでしょうか。

 

まとめ

事故やヒヤリハットが起きたとき、原因となった人を叱るだけでは、同じような事故を防げないことがあります。

 

「なぜ、その行動を取ったのか」
「どこで判断を間違えたのか」
「同じ状況になったら、次はどうするのか」

 

そこまで本人と一緒に振り返り、次の行動につなげる。

 

ヒヤリハットを単なる失敗で終わらせず、次の事故を防ぐための学びに変えていくことが大切なのではないでしょうか。

もう、頑張りすぎなくていい。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

この記事が、ヒヤリハットやミスが起きたとき、ただ叱って終わるのではなく、「次はどうするか」を一緒に考える切っ掛けになれば嬉しく思います。

 

筆者プロフィール|安田伸也

心の安全設計室代表・心の安全コンサルタント。元海上保安官・潜水士。

 

海上保安庁に約35年間勤務し、潜水士、巡視船航海士、巡視艇船長などを経験。海難救助、転覆船や沈没船の捜索、領海警備、密漁船や密輸船への対応など、3,000件以上の事件・事故に関わってきました。

 

一方で、在職中には職場の人間関係やコミュニケーションに悩み、約20年間、うつやパニック障害などのメンタル不調を繰り返しました。退職後に心理学やコーチングを学び、現在は心の安全コンサルタントとして、安全大会や企業研修で、ヒューマンエラーと事故防止、心理的安全性、職場のコミュニケーション、メンタルヘルス、傾聴などをお伝えしています。

 

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安田伸也です。

 

安田伸也

 

先日、品川にある東京海洋大学楽水会館で、海に関係する仕事をされている方々に向けて、事故防止の講演をさせていただきました。

 

そこで改めて感じたのが、私たちの暮らしを支えている「海」と、そこで働く人たちの存在を、もっと多くの人に知ってほしいということでした。

 

元海上保安官として約35年間、海の現場に関わってきた私だからこそ伝えられることがある。

 

今回の講演をきっかけに、そんな新しい想いが湧いてきました。

海に関わる方々へ事故防止の講演

先日、品川にある東京海洋大学楽水会館にて、事故防止の講演をさせていただきました。

 

 

一般社団法人 海洋調査協会様のお招き。
https://www.jamsa.or.jp/

 

参加者のみなさんは、海に関係のあるお仕事をしている方々。

 

仲間という感じがして、とても楽しい時間でした。

もっと海上保安庁や海のことを知ってほしい

そして、改めてもっと海上保安庁や海のことを多くの人に知って欲しいという想いが湧いてきました。

 

海に関連する仕事をしていないと、なかなか普段目にしないので興味を持てないと思います。

私たちの暮らしを支えている海の仕事

だけど、日本は島国なので、多くの資源を輸入に頼っている。

 

そして、その資源の輸送はほとんど船、海運です。

 

また日本の家庭を支えているのは水産資源。

 

漁師さん達が命がけで働いているくれているおかげです。

元船乗りとして感じた歯がゆさ

しかし、そこで働く人々にあまり光が当たっていないのは、元船乗りとしても歯がゆいし、悔しい。

 

そう感じました。

 

だから、自分に何ができるだろうか?

海難や事件・事故から学んだことを伝えていく

そう考えたときに、わたしが見てきた多くの事件事故や海難から学んだ事を伝えていこうと思いました。

 

また新しいコンテンツを作ります。

まとめ|海の現場で学んだことを次の世代へ

今回、海に関係する仕事をされている方々の前で事故防止についてお話ししたことで、改めて自分の原点に気づきました。

 

普段の生活では見えにくくても、海では多くの人たちが働き、私たちの暮らしを支えています。

 

そして私は海上保安官として、さまざまな事件や事故、海難の現場を見てきました。

 

そこで経験したこと、失敗したこと、学んだことを、これからの事故防止や安全につなげていく。

 

それが今の自分にできることなのだと思います。

 

これから、海や海上保安庁、そして海難や事故防止についても、少しずつお伝えしていきたいと思います。

 

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

この記事をきっかけに、普段はなかなか目にすることのない海の仕事や、そこで安全を守りながら働いている人たちのことを、少しでも身近に感じていただけたら嬉しく思います。

 

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