【夕顔190-3】古文単語「ものむつかし」
古文の勉強は、単語や文法などにこだわりすぎると
マジおもしろくないけれど…
結局その知識がなくっちゃ、読めませんよね~;;
源氏物語イラスト訳 重要古語
【古文単語の覚え方】
1.現代語から想像して覚える
2.漢字のイメージで覚える
3.ゴロを利用して丸覚えする
の3つのどれかで覚えます。
今回は、【漢字のイメージ】で覚えましょ♪
【今回の源氏物語】
たとしへなく静かなる夕べの空を眺めたまひて、奥の方は暗うものむつかしと、女は思ひたれば、端の簾を上げて、添ひ臥したまへり。
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今回出てきた古文単語
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■【たとしへなく】…ク活用形容詞「たとしへなし」連用形
※【たとしへなし】…たとえようもない
■【静かなる】…ナリ活用形容動詞「静かなり」連体形
■【夕べ】…夕方
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【を】…対象の格助詞
■【眺め】…マ行下二段動詞「眺む」連用形
※【眺(なが)む】…ぼんやりと眺める
■【たまひ】…ハ行四段動詞「たまふ」連用形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【て】…単純接続の接続助詞
■【奥(おく)】…廃院(邸)の奥
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【方(かた)】…方面
■【は】…提示の係助詞
■【暗う】…ク活用形容詞「暗し」連用形ウ音便
■【ものむつかし】…うす気味悪い
■【と】…引用の格助詞
■【女】…ここでは、夕顔の君のこと
■【は】…提示の係助詞
■【思ひ】…ハ行四段動詞「思ふ」連用形
■【たれ】…存続の助動詞「たり」已然形
■【ば】…順接確定条件(理由)の接続助詞
■【端(はし)】…外に近いところ。縁側
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【簾(すだれ)】…日よけのすだれ
■【を】…対象の格助詞
■【上げ】…ガ行下二段動詞「上ぐ」連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【添ひ臥(ふ)す】…添い寝する
■【たまへり】…~ていらっしゃる
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
※【り】…存続の助動詞「り」終止形
◇ 今回は「たまへり」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「ものむつかし」 ☆
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たとしへなく静かなる夕べの空を眺めたまひて、奥の方は暗うものむつかしと、女は思ひたれば、端の簾を上げて、添ひ臥したまへり。
問)傍線部の解釈として最も適当なものを1つ選べ。
1.邸の奥の方は暗くてなんだかうす気味悪い。
2.邸の奥の方は暗くてなんとなく静かである。
3.邸の奥の方は暗いけれど奥行きがある造りだ。
4.邸の奥の方は暗いけれど理にかなった造りだ。
5.邸の奥の方は暗いが何とも言えず風情がある。
【ものむつかし(物難し)】
【形容詞:シク活用】
①なんとなく嫌である。なんとなくうっとうしい
②薄気味悪い
*Weblio古語辞典より
「むつかし」といえば、
眉間にシワ!
でしたよね
それに「もの―」という接頭語がついたのが、
この「ものむつかし」☆
「もの」がついてもつかなくても、
「むつかし」は、漢字の「難」をヒントに
マイナス・イメージの古語として押さえておきます。
ヽ(*'0'*)ツ
1.邸の奥の方は暗くてなんだかうす気味悪い(○)。
2.邸の奥の方は暗くてなんとなく静か(×)である。
3.邸の奥の方は暗いけれど奥行きがある(×)造りだ。
4.邸の奥の方は暗いけれど理にかなった(×)造りだ。
5.邸の奥の方は暗いが何とも言えず風情がある(×)。
ちなみに…
ア.邸の奥の方は暗くてなんだかうす気味悪い。
イ.邸の奥の方は暗くてじめじめとうっとうしい。
こんな選択肢なら、どっちが正しいでしょう?
(゚Д゚≡゚Д゚)?
アの場合――
夕空を眺めた光源氏は、
奥の方を怖がっている夕顔の気持ちを察して
縁側の簾を上げたままで床についた…。
うん。
この文脈はOKですよね!
イの場合――
夕空を眺めた光源氏は、
奥の方がジメジメうっとうしいと思っている夕顔の気持ちを察して
縁側の簾を上げたままで床についた…。
…ん?
たしかに、奥の方はうっとうしいのかもしれませんが、
直前までの和歌などで見られた夕顔の不安や、
この後の不気味なストーリー展開には
あまり、関係ないような気が…;;
正解…1
たとしへなく静かなる夕べの空を眺めたまひて、奥の方は暗うものむつかしと、女は思ひたれば、端の簾を上げて、添ひ臥したまへり。
● 過去記事リンク
■むつかし
■添ひ臥す
■たまへり
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