【夕顔189-2】思考力重視の問題ほど…
古文になかなか勉強時間を費やすことができない人。
ぜひこのブログで、ムダなく効率的に
古文を学んでいってくださいね♪
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光源氏は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下した。帝の後妻である藤壺宮(ふじつぼのみや)が亡き母に似ていると聞き、思い焦がれるようになる。
ただ今、「4.夕顔(ゆうがお)」の巻。中流階級の空蝉(うつせみ)との仮初めの恋を経て、現恋人の六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)にも、正妻の葵上(あおいのうえ)のもとにも心が向かないでいる光源氏は、惟光(これみつ)の実家の隣家にひっそり住まう、夕顔の君に心惹かれ、こっそり通うようになりました。いざよう月の中、光源氏は夕顔を廃院に連れ出し、2人で時を過ごします。
【今回の源氏物語】
「かくまでたどり歩きたまふ、をかしう、さもありぬべきありさまにこそは」と推し量るにも、「我がいとよく思ひ寄りぬべかりしことを、譲りきこえて、心ひろさよ」など、めざましう思ひをる。
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☆ 今回の古文オリジナル問題~文法~ ☆
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「かくまでたどり歩きたまふ、をかしう、さもありぬべきありさまにこそは」と推し量るにも、「我がいとよく思ひ寄りぬべかりしことを、譲りきこえて、心ひろさよ」など、めざましう思ひをる。
問)傍線部の説明として、正しいものには○、間違っているものには×をつけよ。
1.「さ」は、指示副詞で、夕顔の君が美しい容貌であることを示唆している。
2.「ぬ」は、打消の助動詞「ず」の連体形である。
3.「べき」は、婉曲の助動詞「べし」の連体形である。
4.「に」は、原因を表す格助詞である。
5.「こそは」の後には、「あらむ」が省略されている。
今年度のセンター古文で出てきたのがこの形式の問題☆
(ㆁωㆁ*)
古文は、基本的に読解問題中心に、
選択肢をヒントにして文脈判断…なんてマニュアルもありますが、
今後、新テスト導入に伴い、
思考力・判断力重視になっていけば、
上のような、選択肢をヒントにできないような設問も
増えていくと思われます。
(灬ºωº灬)
たしかに、
知識重視ではなく、思考力重視と言われますが、
でも知識あっての思考力です!
(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)
ただし、その知識は、
単語を500も600も覚えればいいってもんじゃありません。
【さもありぬべし】
【連語】
…きっとそうであるだろう。きっとそうであるに違いない
*Weblio古語辞典より
このような連語を知っていたところで、
上のような問題は解けませんよね!
とにかく、
高校で学ぶ、基本的な助動詞の知識は
完璧に押さえておくこと!
今回のポイントは、
「ぬべし」の識別です!
「ぬべし」の「ぬ」が、確述用法であるとともに、
「べし」の文法的意味が
【ス・イ・カ・ト・メ・テ】
(推量・意志・可能・当然義務・命令・適当勧誘)
であることも、きっちり覚えておく必要があります。
あと、中学でも習う【係り結びの法則】☆
(。´・∀・)ノ゙
「こそ(は)」の後には、
「あらめ」が省略されるのが一般的!
ならば、「―に・あり」という形でもあり、
「に」は、断定の助動詞なんですね!
1.「さ」は、指示副詞で、夕顔の君が美しい容貌であることを示唆している。(○)
2.「ぬ」は、打消の助動詞「ず」の連体形である。
(×⇒強意の助動詞「ぬ」終止形)
3.「べき」は、婉曲の助動詞「べし」の連体形である。
(×⇒当然の助動詞「べし」)
4.「に」は、原因を表す格助詞である。
(×⇒断定の助動詞「なり」連用形)
5.「こそは」の後には、「あらむ」が省略されている。
(×⇒「あらめ」の省略)
いいですか。
思考力重視の問題ほど、
基本的な知識は完璧に!
(σ・∀・)σ
正解
1 ○ 2 × 3 ×
4 × 5 ×