【夕顔3-2】平安時代の建具2
源氏物語イラスト訳のあいです
――――――――
今回の源氏物語
――――――――
この家のかたはらに、桧垣といふもの新しうして、上は半蔀四五間ばかり上げわたして、簾などもいと白う涼しげなるに、をかしき額つきの透影、あまた見えて覗く。
訳と内容が不明確の人は、まずイラスト訳からどうぞ☆
夕顔3のイラスト訳はこちら
では今日も、一気に行ってみましょぉ~♪
ヽ(○・▽・○)ノ゙
これまでのあらすじ
天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏。
ただ今、「4.夕顔(ゆうがお)」の巻です。源氏が新たな恋人、六条御息所の所に通っていた夏の頃の話。源氏の従者である惟光の母は、光源氏の乳母でもありました。この乳母が病に臥して尼になったため、源氏は五条まで見舞いに出かけます。その時、ふと源氏は、わびしいたたずまいの隣家に目を向けました。
――――――――――――――――
今回出てきた『源氏物語』の重要建具
――――――――――――――――
この家のかたはらに、檜垣といふもの新しうして、上は半蔀四五間ばかり上げわたして、簾などもいと白う涼しげなるに、をかしき額つきの透影、あまた見えて覗く。
さあ!
ここでも建具がたくさん出てきましたよ~!
(●‘∀‘●)ノ"
1つ1つ、追ってまいりましょう
【名詞】
檜(ひのき)の薄板を網代(あじろ)のように斜めに編んで作った垣根。築地(ついじ)に比べ、貧しい人の家の構えであった。
半蔀 【はじとみ】
【名詞】
「蔀(しとみ)」の一種。上下二枚に分け、下半部は格子または鰭板(はたいた)などとして固定し、上半部は蔀にして外側へつり上げるようにしたもの。
すだれ 【すだれ】
【名詞】
細くけずった竹やあしの茎などを糸で編み、上から垂らして室外との隔てや、日よけ、部屋の中の隔てなどに用いたもの。牛車や輿(こし)などの、出入り口に垂らしたものもいう。[季語] 夏。
*「学研全訳古語辞典(Weblio辞書)」より
大弐の乳母の家の隣に、
「檜垣といふもの新しうして」
とあります。
上の辞書的意味からすると
貧しくわびしいたたずまいのようですね
次に光源氏の目に映った「半蔀」は、
以前に「蔀(しとみ)」として出てきた、
廂の間と簀子縁との間の仕切り戸のことです。
ここでは、光源氏から見た、
隣家の家の中のようすを表したものでしょう。
(o´・ω・`o)ノ
簾(すだれ)は、
今でも日光よけに用いますね♪
外側から立てかける簾ではなく、
上の写真のように、内側から吊すタイプの簾が、
半蔀の内側にかかっているようです。
その簾の白く漏れる光の中に、
美しい女のシルエットが見えていたんですね。
(*・ω・*)
今回の建具は、古文常識☆
特に意味が分からなくても、得点に関わらないかもしれませんが、
イメージ湧かせて読んでいくと
状況がスムーズに入ってきます。
ヽ(゚◇゚ )ノ