【夕顔53-3】古文単語「もの思ふ」 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔53-3】古文単語「もの思ふ」

源氏物語イラスト訳重要古語ですラブラブ 

 

古文単語でよく出題されるのは、


チェックボックス1.古典特有語

   …現代にない古語。


チェックボックス2.古今異義語

   …現代と意味の異なる古語。


チェックボックス3.死語的現代ワード

   …受験生世代はほぼほぼ使わない語。



…ですが、今回の古語は、

現代にもある…はずの感情動詞☆

 

はい、ではいってみましょぉ~♪

٩(๑•̀∇•́๑)و

 

夕顔53のイラスト訳はこちら

 

【今回の源氏物語】

「…もの思へけはひある人びと忍びうち泣くさまなどなむしるく見えはべる

聞こゆうち笑みたまひ、「知らばや思ほしたり

 

 

――――――――――
今回出てきた古文単語
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■【もの思ふ】…もの思いにふける

■【る】…存続の助動詞「り」の連体形

■【けはひ】…ようす。面影

■【し】…サ変動詞「す」の連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【ある】…ラ変動詞「あり」の連体形

■【人びと】…女房たち

■【も】…添加の係助詞

■【忍び】…バ行四段動詞「忍ぶ」の連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【うち泣く】…ちょっと泣く

■【さま】…ようす

■【など】…婉曲の副助詞

■【なむ】…強意の係助詞

■【しるく】…ク活用形容詞「するし」の連用形

※【しるし】…はっきりしている

■【見え】…ヤ行下二段動詞「見ゆ」の連用形

※【見ゆ】…見える

■【はべる】…ラ変動詞「はべり」の連体形

※【はべり】…丁寧の補助動詞惟光⇒光源氏

■【と】…引用の格助詞

■【聞こゆ】…「言ふ」の謙譲作者⇒光源氏

■【君(きみ)】…源氏の君。光源氏

■【うち笑(え)む】…ほほえむ

■【たまひ】…ハ行四段動詞「たまふ」の連用形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞作者⇒光源氏

■【て】…単純接続の接続助詞

■【知ら】…ラ行四段動詞「知る」の未然形

■【ばや】…願望の終助詞

■【と】…引用の格助詞

■【思ほす】…「思ふ」の尊敬作者⇒光源氏

■【たり】…存続の助動詞「たり」の終止形

   アップ

単語の意味文法的説明です。

「重要古語一覧」もご参照ください。
 

 

―――――――――――――
今回の古文単語 「もの思ふ」 ☆

―――――――――――――

 

もの思い――

 

 

 

「もの思いをする」

「もの思いに沈む」

「もの思いにふける」

というのは、

 

今でもよく気持ちが分かる、感情動詞だと思います。

 

 

【ものおもふ(物思ふ)】

【自動詞:ハ行四段活用】

 

…もの思いにふける。思い悩む

 

 (『学研全訳古語辞典』(Weblio古語辞典)より)

  

 

なので、こういう古語って、

特にむずかしいものではなく、

 

覚えるべき重要古語ともいえませんよね;

(*・ ェ ・*)ノ

 

 

「もの思い」というニュアンスで

重要な古語と言えば……

 

【こころづくし(心尽くし)】

【名詞】

…あれこれ深く気をもむこと。もの思いをすること

 

【ながむ(眺む)】

【他動詞:マ行下二段活用】

…ぼんやり見やる。ぼんやりもの思いにふける

 

 ※学研全訳古語辞典(Weblio古語辞典)より

  

 

 

 

 

 

ところが……

 

 

先日、高3受験生に、

「心づくし」の意味を意味を確認したところ、

 

「もの思いをすること」って覚えていても、

「もの思い」が、なんのコトなのかワカラナイ!

(((((゚Д゚ ;))))

 

…という受験生が、1人や2人でないのにビックリしました。

ゲロー

 

 

 

 

 

また、単語テストなどで、

「うちながめて」などの訳を書いてもらうと、

 

「ぼんやりもの思いにふけて」

 

…(`・д´・ ;)!!

 

「ふけて」って…何?ゲッソリ

 

 

 

 

…こういう受験生は、

ただ単に、暗記中心で勉強しても、

まったく国語力が伸びていきません;;

(ノд-。)

 

 

 

古文の学習を通して、

言葉をしっかり理解しながら覚えていくこと。

 

そういう勉強の仕方こそが、

どの教科でも通じる、本当の学力につながるのです。

٩(๑•̀o•́๑)و ☆ 

 

 

 

 

 

 

 

 

ではここで、大学入試レベルの問題☆

    サゲサゲ↓   サゲサゲ↓

「…もの思へるけはひして、ある人びとも忍びてうち泣くさまなどなむ、しるく見えはべる」

と聞こゆ。君うち笑みたまひて、「知らばや」と思ほしたり。


問)傍線部の様子の説明として最も適当なものを選べ。

1.あちらこちらに気を遣っている様子。

2.何か心にかかっている様子。


3.大切な人のことをずっと思っている様子。


4.何か考え事をしていらっしゃる様子。

 

5.ぼんやりと外を眺めていらっしゃる様子。  

 

 

 

 

 

 

 

 

…選択肢4と5は、尊敬語が入ってますね;;

 尊敬の助動詞、ありましたっけ?

 

 

 

 

 

 

正解……

 

 

 

【空蝉(第3章)】の一気読みはこちら⇒

【源氏物語イラスト訳】の冒頭はこちら⇒

 

【今回の源氏物語】

「…もの思へけはひある人びと忍びうち泣くさまなどなむしるく見えはべる

聞こゆうち笑みたまひ、「知らばや思ほしたり


 

過去記事リンク

もの―(接頭語)

る(「り」「る」の識別)

り(完了の助動詞)

けはひ(気配)

し(識別)

て(接続助詞)

人びと

しのぶ

うち泣く

さま(様)

など(副助詞)

なむ①  なむ②

しるし

見ゆ  見ゆ②

はべり

と(格助詞)

きこゆ  きこゆ②

君(光源氏)

うち~(接頭語)

たまふ  たまふ②

ばや(終助詞)

思ほす

たり(助動詞)  たり②

 

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