日本は移民拡大をやめられるのか? | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

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まずは移民系のニュースから紐解いていきます

 具体的な数字で論じられているニュースがありましたので、そちらから色々考えていきましょう。

外国人労働者「100万人突破」で日本が直面する「移民問題」(時事通信)

 外国人労働者の数がついに100万人を突破した。厚生労働省が1月27日に発表した「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」によると、2016年10月末時点の外国人労働者数は108万3769人と、1年前に比べて19.4%増加、4年連続で過去最多を更新した。

 この調査は、年に1回、すべての事業主に、外国人労働者の氏名、在留資格、在留期間などを確認してハローワークに届け出ることを義務付けているものをまとめたものだが、実は届け出していない事業者も多く、実際にはこれをはるかに上回る外国人が働いているとみられる。しかし、届け出に基づく公式な統計でも100万人を突破したことで、企業の人手不足が外国人労働者によって補われている実態が鮮明になった。(後略)

 全文はわりと長めですが読む価値はあると思います。さて、重要な部分の概要を抜き出してから考察を始めたいと思います。

外国人労働者数の増加率

2013年:5.1%

2014年:9.8%

2015年:15.3%

2016年:19,4%

国別で増えた外国人労働者

中国:2012年に29万6千人→2016年34万人4千人(年に2.5~6.9%)

ベトナム:2012年に2万7千人→2016年17万2千人(年に39.9%~79.9%)

※上記が主に増えたのだそうです。

外国人労働者の資格割合

身分に基づく在留資格

外国人労働者に占める割合:2012年45%、2016年38%

専門的・技術分野の在留資格

ほぼ18%

技能実習

ほぼ19%強

資格外活動

2012年15.9%、2016年22.1%(人数は10万8千→24万と激増)

 この中で日本に永住資格を持つのは「身分に基づく在留資格」のみだそうです。この数字ですが注意が必要で、記事中の数字を集めたのですけれども「全体数が増加している」ので「外国人労働者の中で割合が低下している」としても実数は増えているであろうということです。

http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/17/dl/17-1-1-2_06.pdf(厚労省の資格別の推移グラフ)

 

 冒頭の記事では結論だけを書きますと、このように書いておられます。

  ドナルド・トランプ米大統領の誕生で、移民排斥のムードが世界を覆っている。だが、トランプ氏がことさら問題にするのも「不法移民」だ。日本のように基本的な方針を明確にせず、場当たり的な対応を続ければ、なし崩し的に外国人労働者が増えていくことになる。それこそ、日本人が最も恐れる「移民問題」に違いない。

 まず日本の移民に対する基本方針が定まっていない、というのは資格外活動が激増しているという点からもそうなのでしょう。全体数が増えているという点については安倍政権の移民推進政策が根源といえますが、一方で安倍政権は「移民入れない、あれは移民じゃない」と強弁しているわけですから、つまりはそもそも論として「移民受け入れをどうするのか?」という議論がなされていない。従って移民に対しての方針が定まっていないという観察は当たっているでしょう。

 記事の筆者は「方針が定まってないのに、場当たり的に対応してどうするねん!」ということで、移民受け入れ、もしくは受け入れないにしても国民的議論を事実に基づいて決定しないことにはどーにもならんぞ?という警鈴を発していると思われます。

 

 では移民拡大の素地となっている問題は何か?というと記事が指摘するように人手不足を移民で埋めようとしているという場当たり的実態にあります。ではなぜ人手不足か?というと日本の人口構造の変化によって2030年までは恐らく生じるであろう構造的問題であるわけですが、1つ注意しなければならないのは予測としてはこの人口構造のねじれは2030年以降に自動的に解消するということです。

 団塊世代の定義は1947年~49年生まれということでいわゆるベビーブームというやつでしょう。そして日本人の平均寿命は80歳。しかるに2030年あたりには平均的には団塊世代は少なくなり、人口構造のいびつさ、いわゆる高齢化という話は一定程度収まるものと思われます。

 社会保障費の増大にしても、高齢化問題にしてもあとわずか12年程度の期間でおおよそ自然と解決する問題であるという認識は必要でしょう。

 

 では2030年に人口構造のねじれが解決したとして、それまでに増大した移民はどうするのか?というのが移民拡大における最大の問題の1つになるでしょう。たとえば政府が社会保障費が抑制された分+アルファを財政出動するという方針でしたら問題は起こりにくいでしょうけれども、もしも「社会保障費が抑制されたのでその分は支出も抑制しよう」となったらどうなるか?当然ながら需要は減少するわけですからデフレ継続+少ない仕事を移民とシェアするという流れになりかねません。

 実際にシンガポールが移民抑制に舵を切ったのは2013年ですけれども、その大きな理由としては「移民が国民の仕事を奪っている」という不満にあったそうです。

 グローバリズムで上下の対立、もはや階級対立と表現しても差し支えない世界情勢の中で、移民受け入れというのはさらに労働者に分断を自動的にもたらすわけです。つまり国民労働者vs移民労働者という対立構造です。上は笑いが止まらんでしょうな。軍事学的に各個撃破と分断は非常に正しい戦略でありますからね。

日本は移民拡大を止められるのか?

 一つ事の解決策を端的にお示ししますと、人手不足というのはそもそも「問題ではない」と認識するべきです。なぜならば人手不足=労働者に有利な労働市場状況=所得のアップ圧力、ですからね。所得のアップ=需要の増加、個人消費の増加につながるのならば、すなわち企業の売上は確実に増加するはずですのでむしろウィンウィンでありますよ。

 あの日銀の審議委員すら「実質所得の上昇が始まらないのは、人手不足の不足が原因」と明言しておられますから、そもそも人手不足を大多数の国民は「解消するな!俺達の利益になるんだから!」というべきです。この点において人手不足を解消しようとする移民増加は、本質的には国民にとっては何の利益ももたらさないどころか、競合相手を増やす愚策と捉えるべきものなのです。

 

 「そんなことはいっても人手不足はどうするんだ!」と叫ぶのは経営者だけで結構です(笑)経営者でも自営業者でもない人が心配する話じゃありませんし、ぶっちゃけていうならばこの手の「経営者目線で考えろ!」的な発想そのものがおかしいわけです。自らの首を絞めてどうするよ、労働者諸君。

 

 さて、移民拡大を止められるのか?移民を拡大するか、それとも制限するか?は純粋な国内問題でありますので、日本国内でそのような結論が出れば何の問題もありませんが、「人手不足」をさも問題のように報じるマスメディア、そしてそれを真に受ける人々という図式が成り立っている以上、またもや日本は「存在しない問題」をウンウンと考えさせられるわけです。「クニノシャッキンガー」と同じく。

 では「クニノシャッキンガー」はどうなったか?段々と「そんなものは存在しない」と主張する人も増え始めましたけれども、それも20年以上経ってようやくという話ですから、この移民問題についても同様に同じくらいの時間がかかってさらに結論が出せていない、方針が打ち出せていないということは十二分にありえます。

 しかも移民問題というのは不可逆なものであり、受け入れたものを「よし、じゃあ出て行け」とはなかなか出来ないものですから、早急に方針を決めて移民を制限するというのが長期視点に立ったときの最適解だと思います。最適解とはなかなか出来ないから最適解なわけですけれども(笑)

 

 移民というのは日本社会の様々なところ、それこそ生活にも関わる大問題でありますから色々なアプローチで考察し、そして反対することが必要なのではないか?と思います。それが世論の3割~5割でも占めればなんとかなるんじゃなかろうか?と思います。果てしなく遠いですが、何もやらないよりはマシというわけですね(笑)

 

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本日の男の料理 キュウリと人参の塩昆布あえ

 水菜などの葉物でやることが普通ですが、本日はキュウリと人参、そしてハムで試します。

材料

  • きゅうり
  • 人参
  • ハム
  • 塩昆布
  • 薄口醤油(塩気が足りなければ)

調理手順

  1. きゅうり、人参、ハムを千切りもしくは細切りにします。千切り用のスライサーなどを使ってもOK
  2. ボールに1を入れて塩昆布であえて、10分程度おいて味をなじませたら出来上がり!

 ごはんの友としても、そしておつまみとしても優秀ですよっと。

 

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