Tempo rubato

アニメーター・演出家 平松禎史のブログ


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前々回の投稿でご紹介した山本幸三議員の提言に続いて自民党内から別な提言が出てきました。

 

消費増税「2年延期を」 二階総務会長、首相に提言

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS23H5E_T20C16A5PP8000/

『2017年4月に予定する消費税率の10%への引き上げを19年4月まで2年間延期することなどを求める提言を行った。会談後、記者団に「首相は前向きに捉えていると感じた」と語った。デフレ脱却を進めるため、総額10兆~20兆円規模の財政出動が必要とも進言した。』​

 

自民・山本氏ら:消費増税は予定通り実施、当面10%で打ち止めを

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-05-20/O7FJEO6JIJV901

 

両者を簡単に比較してみましょう。

【山本提言】

・予定通り消費税を10%に増税

・3年間限定の財政出動(16年に10兆+熊本震災に5兆~10兆。17年に10兆、18年に7兆)

 

【二階提言】

・消費税増税は2年間延期

・総額10~20兆円の財政出動。(単年度か2年度?)

 

「山本提言」については前々回書いたので簡単に復習を。

増税したのではマイナス効果が続くので財政出動しても滅殺されて額面ほどの効果は出ません。

’13年の10兆円補正予算が’14年の増税で滅殺された実例から明らかです。

あの時より状況は悪くなっているので財政出動を3年続けても増税がそれ以上続くわけなので効果はない(または一時的)と判断せざるを得ません。

 

「二階提言」はどうでしょうか。

増税を2年延期。その上で財政出動10兆~20兆行うなら効果は期待できます。

一度だけなのか。複数年度なのかわからないのが不安材料ですが「延期+複数年度財政出動」なら過去の例からして効果は確実にあるでしょうね。

しかし、山本氏が述べたように、3年後に増税されることがわかっていたら消費を増やさず預金する人のほうが多いでしょう。8%の消費税はのしかかったままなのですから。

5%に減税するのが良いと思うけど、それが無理ならせめて「凍結」で今後上がらなくしなければ、財政出動の効果で所得が増えても、消費や長期的な投資(車や家など大きな買い物)は活発にならないでしょう。

それでも「山本提言」よりはマシだと思います。

 

なぜか消せない「消費税増税」の選択肢

どちらの提言も消費税増税の選択は健在です。

予定通りやるか、3年後にやるかの違いです。

 

「山本提言」は

予定通りに増税して、財政出動で悪影響を減らす戦略。

「二階提言」は

財政出動を先行させて、増税できる環境を作ろうとする戦略。

 

と言い換えてさしつかえないと思います。

先か後かの違いだけで「とにかく消費税増税を」と考えているらしいことに違いはありません。

同じなのです。

 

両者の提言に含まれていないのは、プライマリーバランス黒字化目標の停止、です。

 

政府支出を削減し、財政規律を守らねばならないという固定観念です。

緊縮財政主義が「とにかく消費税増税を」と思い込ませる原因と言えます。

 

税の役割

消費税は公平な税制と言われます。

富裕層から低所得者まで買い物に対して公平に税率がかかりますからね。

しかし、可処分所得(所得から消費に使える分)が少ない低所得者層にとって、消費税は不公平なものとなります。

加えて、社会保障に全てが還元されない現状ではさらに不公平です。

 

税金には、景気のスタビライザー効果があると言われます。

景気が加熱しすぎてインフレが行き過ぎるのを防ぐためです。

所得税など累進課税の税金では富裕層や大企業で税率が高くなるのでスタビライザー効果が出てきます。

 

しかし、消費税にはそのような効果は薄く、デフレ期に行えば大多数の国民に消費を抑制させ、景気を冷えこませるだけになります。

 

所得税や法人税の増税は、富裕層や大企業の反対が大きくなります。

献金を受けている政治家は、大票田を持つ企業や団体などが反対すれば所得税や法人税には手を付けられない。(法人税は消費税と反比例して減税されている。)

 

大多数の一般庶民なら、「国の借金で財政破綻!」「震災復興や社会保障のために増税を!」「痛みを分けあいましょう!」というスローガンで、コロッと「それならしかたない…」と納得させられます。

実際、これまでそんなスローガンが繰り返されてきましたよね。

 

というわけで、プライマリーバランス黒字化目標を見直さないかぎり、一時的に景気を良くする政策も、結局は「消費税増税のため」になってしまうのです。

「国民のため」にはならない。

 

お金の使い方も、大企業や外国人が得をする構造改革・規制緩和の成長戦略なるものに流れるのではダメです。国民に還流する割合が薄く国外に流れる可能性が高い。既にそうなりつつありますが。

政府がやるのなら、いまはインフラ整備、老巧インフラの更新に公共事業を増発することです。

設備投資で生産性を高める減税を行えば尚良い。

人手不足なので人員確保には賃金を上げることになる。

継続的に仕事があれば上げられます。

自然災害の被害を小さくするための需要、仕事は山程あります。

公共事業関連の仕事は土建屋さん以外にも幅広い。

 

続いて民間分野が活発化すれば全体的に税収が増えて消費税など上げる必要はなくなります。

 

経済成長や国民生活の安定より、PB黒字化が大事で増税したい政治家や学者は嫌かもしれませんがね。

 

 

いまのところ、「増税凍結+複数年度財政出動」を提言している政治家・政党はないと思います。

実績はあっても徹底的にやったことはない。

しかし、挑戦する価値は十分あります。

 

・PB黒字化目標に固執した増税路線

 「予定通り増税+単年度財政出動」(失敗例。デフレ悪化ほぼ確実)

 「予定通り増税+複数年度財政出動」(失敗例からしてデフレ継続)

 「増税延期+単年度財政出動」(3年後にデフレ化?)

 「増税延期+複数年度財政出動」(ややマシ?)

=====越えられないカベ=====

・PB黒字化目標の破棄

 「増税凍結+複数年度財政出動」

 

PB黒字化目標を見直さないかぎり

「いつかは消費税増税」「増税のための一時的景気回復」になります。

税収が足らないので少し景気回復させて増税。また景気悪化で税収減。

税収が足らないので少し景気回復させて増税。また景気悪化で税収減。

…を繰り返すことになるでしょう。

 

このループから脱するには一票を持つ有権者が、PB黒字化目標、緊縮財政のためのスローガンにだまされないで

「政府は国民のために金を使え!」

と訴えることだと思います。

 

 


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