Tempo rubato

アニメーター・演出家 平松禎史のブログ


テーマ:

 

前代未聞の殺人事件が起こってしまいました。

 

「辞めさせられ腹立った」 19人“刺殺”で逮捕の男

http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000080031.html

『植松聖容疑者(26)は26日未明、相模原市緑区の障害者施設に侵入し、入所者を刃物で刺して殺害しようとした疑いが持たれています。この事件で、19歳から70歳の入所者の男女19人が死亡し、26人が重軽傷を負いました。』

 

植松容疑者は今年2月に衆院議長宛てに手紙を渡していたそうです。

全文を記載した毎日新聞の記事を読みましたが、登録しないと回数限定なのでこちらで。

園名挙げ「障害者470人抹殺」 衆院議長宛て手紙に

http://www.asahi.com/articles/ASJ7V66QNJ7VUTIL054.html

 

容疑者は施設で働いていた介護職員だったそうだ。

手紙の全文や報道されている犯行の様子を読むと、非常に冷静かつ冷徹に入居者を殺害したことが伺えます。

「辞めさせられ腹立った」という供述のわりに、発作的な怒りや恨みで及んだものとは思えない。

それがかえって恐ろしい。

 

容疑者は手紙で、意思の疎通ができないような重度の障害者は安楽死させるべきだと説いています。

家族も、施設の職員も疲れ果てもはや不幸しか生まない存在なのだ、と。

 

現場を知らないボクとしては理解に苦しみますが

介護従事者の知り合いは、殺人は断じて許されないものの、重度の障害者をめぐる家族や職員の苦労に関しては同情の気持ちがわかざるを得ないことを吐露していました。

重労働と報酬の不釣合い。人を相手にしている感覚の喪失、など…。

 

容疑者は、まず二施設を襲い、数百人を殺すことを示唆してます。

計画を完遂した後には自首すると書いていますが、刑期は2年。出所後の生活を保証するように求めるなど身勝手な姿勢がうかがえる。

 

一方的な正義感を燃やしていたのでしょう。

殺人が非道なことと承知で、しかし結果的には正義と理解されるに違いないという考えがあったからこそ、出所後の生活保障を臆面もなく求められたのだと思う。

 

彼の言い分の一部に同情や共感の余地があったとしても、殺人という恐怖でもって自身の主張を実現しようとするのは、テロです。

 

 

全く別の事柄ですが、IS…自称イスラム国が繰り返すテロも、一方的な正義感を固く信じて大量殺人を行うのは共通しています。

 

紛争地帯から逃れてきた難民・移民を社会不安やテロの温床になるからと排除しようとする論理にも、部分的に正しい主張があるものの、排除することには賛同しかねるという意味で、共通していると思えます。

(自国民を最優先するために一定の制限は設けるのは正当だと思います。)

 

 

多くの人が共有可能な一部を拡大し、多くの人が許容できない非道な行いを正当だと塗り固め、堅く信じて行動を起こしてしまう心理。

 

このような病理は、彼だけに特有のものだろうか?

テロリストや差別主義者、排外主義者など極端な人々に特有のものだろうか?

 

共感を呼びそうな一部を拡大してスローガンを繰り返すポピュリスティックな手法は、日本でも世界でも、政治を舞台に頻繁に行われています。

与野党問わず、です。

そのようなスローガンに引き寄せられる人々が多数存在する。

一方的な正義を容認してしまう(容認されると思わせる)隙があちこちにある。

 

世界中、多くの人々が無意識に持っているもの、心の深層に降り積もっている闇…が、圧力に耐え切れずに、あちこちで火山のように噴き出しているのかもしれない。

 

どうすれば止められるのだろう・・・。

 

 

被害者のご冥福を祈ります。

 

 


人気ブログランキングへ

AD
いいね!した人  |  コメント(4)  |  リブログ(0)

AD

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。