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アニメーター・演出家 平松禎史のブログ

 


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第二期も制作決定。2023年放送開始です。詳細は後日!

 

 

 

岡田麿里監督作品『アリスとテレスのまぼろし工場』

副監督で参加しています。

 

 

お楽しみに!

 

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「税は財源ではない」は、前衆院議員で税理士経験を持つ安藤裕氏がツイッターデモでハッシュタグを付けてツイートを推奨する運動をおこない、トレンド入りを繰り返しているなど広がりを見せています。

 

しかし、ネット上の認識と世間一般のそれが一致しない現象は税に関しても同様で、「税は財源である」と信じる人はいまだに大多数で、「税は財源ではない」への抵抗感はまだまだ強い。

 

「国は国民から税を集めて社会保障や公共事業や経済対策をやっている。」

「政治家は税で食っている。」

「だから税は、政治家の生殺与奪や国政を動かす国民の力であって、手放してはならない。」

このような認識が根強いのではないかと思います。

なので消費増税への反対論は元々強くなく、前回、前々回とも増税時期が近づくに連れ賛成多数になったのも納得がいきます。

そして、最近の朝日新聞の世論調査でも、「消費税10%を維持すべき」57%もあることにも納得がいくのです。

 

10%への増税で、税収は社会保障費に使われると説明があったにもかかわらず、実際には8割が国債の償還費_つまり、借金返済_に使われることが問題になった。安倍総理(当時)は、5割程度に抑えて残りを確実に社会保障費へと説明したが、依然として消費税収の半分しか「財源」になっていないと知っているのに、廃止はもとより減税も賛成多数にならない。

国は国民から集めた税で様々な政策を実行しており、国民は税を払うことによって政治家に意見できるのだと信じている。合わせて、国債を発行したら税で返さねばならない。だから、国債発行を増やしてはならない…と信じていると思わざるを得ません。

善良で真面目な人ほどそう信じ込んでしまうようです。

 

貨幣と財政の客観的な説明を知っていれば、これらのすべてが事実ではなく、誤解であることがわかります。

 

この誤解によって何が起きているのか。

 

消費税が5%から10%へと倍増したにもかかわらず、年金や社会保障は弱体化が止まらない。

そもそも、消費税によって景気は悪化し、所得は上がらない。

国債発行額を減らしているのに、増税が止まらない。

過去最高の税収を実現しているのに、暮らしはちっとも楽になっていない。

少子化が止まらないので年金や社会保障の将来不安は募るばかり…

 

なぜなのか。

 

税は財源ではないからです。

徴税は作り出したお金を消滅させること。

 

財源は政府の財政支出・国債です。

お金を作り出し、国民に資産をもたらします。

 

財政支出・国債発行が足らないから、生活は苦しくなり、潰れる中小企業が増え、格差は拡大し、少子化が止まらないのです。

 

しくみを理解すれば、簡単に理解できるはずなのです。

 


 

貨幣と財政のしくみは、少々ややこしいのは確かですが、難解な量子力学理論に比べればずっとやさしい。算数がわかれば基本的な理解に問題ありません。

10年前に比べれば、正確な理解に近づいている人は(ボクも含め)増えてはいますが、政策転換を起こすには程遠い少数派です。

なぜなのか。

「税は財源である」の背景に、「わたしたちの血税」という観念があり、国民が政治を動かすために手放してはいけない力なのだという集団的な心理がある。なので、どれだけ理論的理解を広めようとしても行き詰まってしまう。消費税は維持されてインボイスのような実質増税が決められ、さらに増税され、「防衛税」など新たな税が作られ、我々の所得はどんどん削られていっても、結局は「やむを得ない」と諦めることになってしまうのです。

これまでずっとそうでしたからね。
 

理論的な理解を広めることも大切ですが、税によって政治に意見する力を得ているという誤解を解くことも、同時に大切だと思います。

 

このあたりを深堀りしていくと、日本人は「国」をどう考えているのか、という問題に突き当たります。佐藤健志さんが問題にしている歴史認識です。密接に関連する問題なのですが、貨幣や財政への誤解と歴史認識を確認し改めていくことの同時作業は、なかなかしんどいものがあります。

ボクの場合は、歴史を訪ねる好奇心と経済問題は元々別な興味だったので、かなり時間をかけて積み重ねてきました。なので、相互に関連することに気がつけば全体的な理解に広げていくのはそう難しいことではありませんでした。加えて、これまた別な興味から読んでいた心理学関係の書籍からも多くのヒントを得られた。たまたまですが、仕事で扱う「物語」への関心とコンステレートしているのかもしれません。

 

貨幣と財政のしくみ。日本という国の成り立ちと歩んできた経路、そして国民との関係。

短く見積もっても70年、長く見積もれば1300年以上積み重ねられ、誤解が広く定着してしまっている問題です。

短期間に、大多数が、適正な理解を深めるのはほとんど不可能です。

時間が必要。

 

短期間に大転換を起こそうとすれば「革命」のように、大変な弊害を伴います。

 

デフレ不況以降、リーマンショックなど金融危機、東日本大震災やロシア−ウクライナ戦争、あるいは北朝鮮のミサイルや中国の台湾侵攻など、これまで起きたことやこれから起こり得ることで日本人が目覚め、転換を実現できるのではないか………という期待は叶っていません。

したがって

このまま政府が財政支出を増やさずに増税などの国民負担を重ねていき、経済はどんどん衰退して国民の多くが貧困化を実感するようになる。その時には、政策転換を引き起こす大きな動きが起こるだろう………この期待も叶うとは思えないのです。

今のままでは、ね。

 

足場を固める準備が必要です。

 

今、理解されなくても、抵抗されても、考えつづけ言いつづける根強い努力が必要です。

 

安倍政権時に消費増税が延期されたように、消費税そのものもインボイスも、国民の大多数が「やめてくれ」と声を上げれば廃止するのは不可能ではないのです。

 

「税は財源ではない」

税は、貨幣価値の担保。増やしたくないものを減らす機能。経済格差の是正。再分配の目安。

これらのために必要です。

しかし、減らしてはいけないものに税を課し、経済格差を広げてしまう税は間違いです。

それが(日本の)消費税です。

 

冒頭述べた安藤裕氏の消費税解説をご覧になって、自分の認識が確かなものかどうか再確認してみましょう。

 

 

 

 

 

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佐藤健志著

 

 

 

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