財政悲観派は降伏主義者

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読者の皆様は、最近、「日本はもうお終い。巨額の国債を整理し、財政赤字体質から脱するには大増税が不可避。国民は増税から逃げるな! 積極財政論者は国民を騙すな! 経済成長なんて諦めろ! 破滅的な事態を覚悟しろ!(# ゚Д゚)」というトンデモ論を耳にしたことはおありだろうか?

日本悲観論や増税不可避論の類いは、これまでも緊縮主義者からさんざん吹聴されてきたが、緊縮教の布教に行き詰まり、焦りを感じているのか、近ごろ彼らの口調も、少々トゲのあるものに変わってきた。

日本破滅宿命論を唱える狂信者が経済成長を嫌うのは勝手だが、それを他人に強要するのはお門違いも甚だしいし、そんなに破滅ごっこをしたいなら、東北や山陰の寒村でも買い取って緊縮教徒を集め、終末世界へのカウントダウンを楽しむ百物語でも騙り合ってはいかがか。

さて、今回のエントリーでは、醜悪な日本破滅宿命論の妄言を取り上げ、個々に誤りを指摘していきたい。

【妄言①】
経済成長率は落ちているのに。国債発行額は増える一方。これは経済成長できない分を借金でごまかし続けてきた証拠。これが日本の現実だ。こんなのがもつわけない。

【指摘①】
・本来なら他国に負けぬくらい経済成長できたはずなのに、緊縮主義者たちが“日本は財政危機”という大嘘を吹聴し、財政支出を邪魔してきた。こうした政府の緊縮姿勢が民間部門に伝播し、消費や投資がいいだけ削られてきた結果として起きたのが、経済の衰退と巨額の赤字国債なのだ。

・20年以上の緊縮財政による政策経費の抑制が、民間部門の消費や投資を委縮させ「GDP低迷+赤字国債増加」という双子の赤字を生んだ。これこそが緊縮主義者のもたらした日本の厳しい現実だ。

・そもそも、“カネを使わずに経済成長しろ”、“いや、経済成長なんて諦めろ”、“日本人は大増税を甘受すべき”、こんな支離滅裂な呪文を唱え続けておいて、日本経済がもつわけなかろう。

【妄言②】
高齢人口だけが増え,社会保障費の負担は増大する一方で成長率は落ちていく。
なのに,「経済成長すれば何とかなる」と思い続け、歳出に見合う増税から逃げ、借金でごまかし続けた。ちゃんとコツコツ増税していれば、これほど借金が積みあがることはなかった。

【指摘②】
・歳出に見合う増税? コツコツ増税? このバカは、いったい何が言いたいのか?
 国民や中小企業は20年不況で塗炭の苦しみを負ってきたのに、ぺたんこの財布からコツコツ税を毟り取る逆噴射政策を採っていたら、いまごろ日本のGDPは400兆円割れしてドイツに抜かれ、40歳台以降の若者はすべてロスジェネ化していたに違いない。

・なんといっても、税金、とりわけ消費税は、消費や投資へのキツいペナルティーだ。消費と投資は経済活動の大黒柱(GDPの構成項目を見れば一目瞭然)ゆえ、そこへの課税強化は経済活動の首を絞めるのと同じこと。

・経済成長を嫌い、“増税こそが唯一の解決策”と唱えるのは、経済が何を以って駆動するのかをまったく理解できていないポンコツの証拠だ。

【妄言③】
政府は、歳出が増え続ける中で、なぜ所得税と法人税を減税し、消費税を増税したのか? それは「経済成長すれば何とかなる」と勘違いしたせいだ。

【指摘③】
・直接税の減税と間接税の増税に文句があるのなら、素直に高額所得者の所得税率や法人税率の引き上げと消費税の撤廃を訴えればよいだけ。

・そもそも、「所得税・法人税の減税+消費税の増税」への文句から、経済成長すれば云々の流れに至るつながりが意味不明。

・所得税&法人税の最高税率引き下げと消費増税を推し進めた緊縮派や新自由主義者の狙いは、経済成長ではない。ただ単に、高額所得者や大企業といった“インナーサークル(自分たちとお仲間)”の私腹を肥やし、そこで生じる負担を一般大衆に付け替えたかっただけのこと。そんなことも解からないのか?

【妄言④】
日本の生産年齢人口は、人類史に例を見ない勢いで減っていく一方で高齢者は増えていく。
2025年に団塊の世代が後期高齢者になるが、それは通過点だ。後期高齢者数のピークは2054年。つまり、巨額の社会保障費が必要になり、これから先の未来は今までよりもっとお金がかかる。

【指摘④】
・生産年齢人口減少と高齢化という課題を前に、シッポを巻いて逃げようとするなら、この先、偉そうに経済を騙るのは止めるべき。

・その程度のことにビビッて未来を放棄するのか? 
先の大戦で我が国は310万人もの(生産年齢人口に近い)若い命が失われ、そのせいで日本の男性人口は、昭和15年の3,629万人から昭和20年には3,389万人へ激減してしまった。おまけに終戦時は、空襲による破壊やひどいモノ不足で我が国の供給力はメタメタに破壊され尽されるという大惨事に直面していたが、当時の日本人は、想像を絶する困難にもめげることなく、果敢に供給力の回復に取り組み、奇跡的と称賛される高度成長を成し遂げた。もし、終戦直後の日本人が、生産年齢人口の縮小に怯える臆病者ばかりだったなら、いまごろ我が国はバングラディッシュやパプア・ニューギニアにも劣る後進国としての地位に甘んじていただろう。

・ちょっと発想を変えれば、「高齢人口の増加=消費者の増加」とも言え、本来なら需要不足の我が国に害を及ぼすものではない。高齢化が何かとお荷物視されるのは、低所得層の高齢者の増加と、労働分配率の抑制による質の高い労働環境の不足が潜在失業者の労働市場への流入を阻害していることによるものだ。

・巨額の社会保障費など問題ではない。いくらでも造れる“カネ”で済む事など問題とは呼べない。社保負担を家計や企業に付け回す悪習を改め、国債や通貨増刷で財源を宛がってやれば、巨額の社会保障費は、民間事業者にとって膨大かつ超長期的なビジネスチャンスに生まれ変わる。

【妄言⑤】
日本は既にあり得ないぐらい巨大の債務(国債)を抱えている。こんな闘いは,勝てるわけがない。

【指摘⑤】
・筆者には、自国通貨建ての内国債を前にして、いったいどうやれば債務不履行を起こせるのか適切な方法が見当たらない。通貨発行権を持つ日本政府が日本円の返済に窮するなんて、どう考えてもあり得ない。この状況で不履行を起こすのは、“砂漠のど真ん中で溺れろ、豆腐の角に頭をぶつけて死ね”と命令される以上に難解だ。

・緊縮主義者の連中は、国債残高を見るだけで闘いを放棄するつもりのようだ。まぁ、お金が債務に見える変わり者なら、生活困窮に苦しむ国民を見捨て、何の努力もせず簡単に白旗を上げるだろう。だが、国債発行や通貨増刷による財源確保で積極財政を打とうとする論者は“闘い”の成否を別の次元から俯瞰している。本当の闘いとは、国債減らしに熱中して国民を恫喝することではなく、国債や貨幣(ツール)を活用し、生産力や供給力という大切な国富の維持向上に尽力することを指す。「国債償還=増税強制=本当の戦い」というレベルの低いヒロイズムに浸るのは周回遅れのバカだけ。

【妄言⑥】
「経済成長すれば財政問題も解決する」とかとぼけたことを言うな! うそをつくな。もうそんな次元じゃねえだろ。

【指摘⑥】
・増税で財政問題を解決する、つまり、1000兆円を超える国債を税だけで償還せねばと思い込むのは、知性に欠けるただのバカ。仮に、消費増税で国債全額償還しようとすれば、年50兆円×20年(利払い分は無視)として、今よりさらに税率を25ポイント程度引き上げるする必要がある。消費税率が33~35%にもなる世界だ。当然、高額商品や高付加価値商品の需要は吹っ飛びトヨタは国内工場を閉鎖せざるを得なくなるし、Amazonの配送センターも閑古鳥が鳴くだろう。日本のモノづくりは壊滅、昭和恐慌を凌駕する大不況となり、失業率は二桁どころか30%くらいになるかもしれない。生産年齢人口の縮小をはるかに上回るスピードで失業者が増え社会問題が深刻化する。(運送業界の人手不足解消と外国人労働者の激減という効果はあるかもしれないが…)

・安易な増税は財政問題を解決できないどころか、財政問題や社会問題を修復不可能なレベルにまで破壊する。

【妄言⑦】
日本財政は破綻しないという財政楽観論者が、この国をボロボロにした。

【指摘⑦】
・盗人猛々しいとは、まさにこのこと。
緊縮財政で消費や投資の蛇口を絞り、消費増税で内需の原資を奪ってきた緊縮主義者こそが我が国を世界で唯一の非成長国に没落させ、ロスジェネ世代や少子化という悲劇を招き日本をボロボロに壊した張本人だ。己の不明や失態を棚に上げ、正論を吐く論者に責任を擦り付けようとする彼らの姑息さや卑怯さに反吐を吐きかけたい気分だ。

【妄言⑧】
財政楽観論に頼るな。国民に耳の痛いことを言え、嫌われるのを覚悟で誰かが本当のこと(増税不可避+社会保障費削減)を言え、国民に見たくない現実を突きつけろ。
そうでないと,また同じ過ちが繰り返される。

【指摘⑧】
・国民を痛めつける安っぽいヒロイズムに恍惚感を覚えるバカは、財政支出を怠った日本だけが“世界で唯一の非成長国”という汚名をかぶり、それを横目に財政支出を増やした他の先進諸国が順調に成長を遂げてきた“現実”にきちんと向き合うべき。

・「甘え癖のついた国民に耳の痛いことを言うべき」なんて偉そうにしているが、何のことはない、“面倒事に関わりたくない、国民を前に向かせる努力をしたくない、自分は汗をかきたくない”と逃げ腰の怠け者が、負担を他人に押し付けたいがために醜い言い訳をしているだけだ。

・国家的困難に立ち向かう勇気と、それを打破しようとする気概のない逃げ腰の卑怯者は、国家再建にとって重荷にしかならない邪魔者や害虫ゆえ、はっきり言って日本から出て行ってもらいたい。

【妄言⑨】
文句があるなら、オレの本を読んでから批判しろ。

【指摘⑨】
・これは、自説に自信のない臆病者の常套句。
 安っぽい啖呵を切ったところで、まともに相手する者は誰もいない。ただで読めるブログやSNSならまだしも、高いカネと貴重な時間を費やしてクズ本を買う奇特な暇人など何処にもいない。

・何時間もかけてくだらないポエムを読まずとも、目次や帯の宣伝文句を見れば、それがクズ本か否か一目瞭然だ。Amazonの解説文を見て、「“増税”の必要性に切り込み、財政改革、社会改革の構想を大胆に提言する、著者渾身の一冊」とか、「以前からハイパーインフレ、日本財政の崩壊を予測してきたが、いよいよそのXデーが間近に迫ってきた」といった腐臭漂う謳い文句が目に入ってきた瞬間にクソ本確定で、読む気も失せる。

・第一、いまどき本を読んだくらいで自説を180度転向させるおめでたい奴などいない。異見を持つ相手の本に目を通すとしたら、それは相手を理解するためじゃなく、論理の矛盾点や粗を探し、攻撃材料や反証用の材料を揃えるためでしかない。

・いい年こいた大人なら、その程度の社会の狡さや残酷さを勉強しておかないと、思わぬところで恥をかくぞとアドバイスしておきたい。




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