うずらのブログ

うずらのブログ

積極的な財政金融政策による豊かで成長力に満ちた社会を目指します

最近のインフレにより国民の生活苦や中小零細企業の収益圧迫はますます深刻化しています。

しかし、この苦境を打破する政策として“財政政策”を訴える声は依然として小さく、わずかに国民民主党から「国民全員への10万円給付(インフレ手当支給)、再生エネルギー賦課金徴収停止、GS税トリガー条項凍結解除」などといった提言があったくらいで、インフレ退治策として財政政策を積極的に活用しようとする意見は皆無に近い状態です。

昨今のインフレ基調には、
・20⁻30年前から順調に成長し続けてきた日本以外の諸国との需要力の差異
・エネルギーや食糧、基幹素材・原材料などの価格高騰(投機や相場操作に起因するものが多いのが実情ですが…)
などの要因から、今後も高水位で推移する見通しが高く、日本単独の努力による価格操作(引き下げ)は100%不可能でしょう。

であれば、物価上昇を上回るスピードで家計所得や企業収益を持続的に伸ばしつつ、技術革新や生産性向上、輸入物資の内製化や自給率UPに取組むことでインフレ耐性を高めるしかないのは自明の理と言えます。

家計や企業の消費力や需要力を可及的速やかに強化し、生産力や供給力を高度化するための研究投資や人材育成投資を推し進めるためには、当然“おカネ”が必要になります。

しかし、30年不況に苛まれてきた日本では、家計や中小零細企業は、拠出できるカネをそもそも所持しておらず、数百兆円単位に上ると思われる経済復興資金を捻出する役割を担えるのは政府しかありません。

私は、政府が発行や創造の権限を有し、国民共有の資産である“貨幣(おカネ)”を積極的に民間経済に供与することで国内全体の所得を引き上げ、それを基点とする旺盛な需要を喚起し、人材力・技術力・生産力の高度化や強靭化の糧にすべし、と繰り返し主張してきました。

ですが、国家が発行するカネを自分の財布と心得違いする連中や、世の中に出回るカネが増えると奢侈贅沢が蔓延して国民が堕落するとかハイパーインフレになるといった嫉妬や妄想に駆られた愚者たちは、財政政策を忌み嫌い、政府から国民へと貨幣が手渡されるのを邪魔しようとします。
(反緊縮界隈に巣食う一部の反BIカルトもその類いですが…)

『やはり「我々はみな死んでしまう」...財政政策に日本を成長させる力など最初からない』
(加谷珪一/経済評論家)
https://www.newsweekjapan.jp/kaya/2022/09/post-201.php
「日本経済が八方塞がりの状態に陥っている。(略) 景気がなかなか良くならないことから、経済政策に期待する声は大きいが、日本の場合、経済の仕組みそのものに問題があり、一般的な経済政策では十分な効果を発揮しない可能性が高い。財政や金融といった経済政策は、一時的な需給ギャップの解消など、短期的な経済の「目詰まり」を解消するためのものであって、持続的な成長を促すものではない。(略) 長期的な成長の原動力となるのは、供給サイドにおける3つの要因、すなわち、労働力(人口)、資本、そしてイノベーションである。(略)日本経済の低迷は、生産性が伸び悩んでいることが主要因であり、その背景にイノベーションの停滞があることは間違いない。(略) 一連の状況を打開しなければ、小手先の経済政策をいくら実施しても、持続的な成長モードにはシフトしないだろう。イノベーションを活性化させるのに必要なのは、財政出動や金融緩和といった経済政策ではなく、企業の活動を活性化させる産業政策である。画期的な商品やサービスが登場すれば財布のひもが一気に緩むことは、iPhoneなどの例を見れば明らかである。(略)」

加谷氏が言いたいのは次の2点だろう。
①財政政策や金融政策なんてのは、経済問題の目詰まりを一時的に解消するためだけの“カンフル剤”であって、それらに経済を持続的に成長させる力はない
②日本経済停滞の主因は生産性の低迷であり、規制改革による民間主導のイノベーション促進こそが最重要なんだ

はいはい解りました。いつもの財政政策カンフル剤論とイノベーション万能論ですね…
もういい加減、聞き飽きましたよ。

加谷氏は、「日本経済はあらゆる政策を総動員したにもかかわらず、30年間ゼロ成長が続いてきた」と財政金融政策を腐していますが、金融政策はともかく、財政政策は総動員どころか30年間ずっと“全員待機or復員”状態でしたよね?

むしろ、会社法や証券取引法をはじめ弛緩すべきではなかった法を改悪し、野放図な規制緩和や市場開放をしまくった結果、日本経済は世界でたった一つの「非成長国」に成り下がったわけです。

彼のセリフを拝借すると、「日本経済はあらゆる規制緩和や市場開放といったイノベーション促進策を総動員したにもかかわらず、30年間ゼロ成長が続いてきた」というのが実情なのです。
加谷氏のお好きな勉強法でトライし続けた挙句、“何度やっても0点の答案しか返ってこなかった”という現実を直視してもらわねばなりません。

彼のように、「財政政策は所詮カンフル剤だ!」という大馬鹿論を吐く輩は後を絶ちませんが、そうした妄想に縋り、財政政策の蛇口を閉めた結果、実体経済に出回る実用的な貨幣量が減り、流通速度が停滞してしまい、彼が大好きなイノベーションの萌芽が根こそぎ摘み取られてしまったのは、壮大なる皮肉と言えましょう。

イノベーション信者という愚かな生き物は、
「カネが無くても規制改革さえすればイノベーションは生まれるはず!」
「イノベーションにより良い製品ができれば、必ずどこかの誰かが買ってくれるはず!」
と小学生みたいな夢を騙りたがります。

加谷氏も「画期的な商品やサービスが登場すれば財布のひもが一気に緩むことは、iPhoneなどの例を見れば明らかである」と鼻息荒くイノベーションを礼賛していますが、何のことはない、iPhoneが売れた分だけ他の品目に廻すべきカネが減り、他の分野からイノベーションの芽を奪い取っているだけに過ぎません。

マクロ経済は非常な世界であり、マクロ全体に行き渡るカネの量が増えない限り、局所的な成功は他社の死滅や犠牲を意味します。
iPhoneが爆発的に売れてイノベーションの寵児として称賛される陰で、需要を奪われた外食産業や音楽業からがひっそり衰退しているだけに過ぎません。

マクロ経済全体を拡大させ、そこに暮らす国民や経済活動を担う中小零細企業の活動エネルギー量を引き上げねばならないのに、イノベーション信者たちの視点は極めて矮小且つ局所的でしかありません。

彼らは、本来常食や主食であるべき財政政策をおやつや贅沢なスイーツ程度としか見做していませんが、それがそもそもの誤りのもとです。

「財政政策なんて、国民を甘やかすだけのスイーツみたいなもんだろ!あんな贅沢なものをしょっちゅう食わせてると、国民は贅肉でぶくぶく太るだけで不健康だ!もっと負荷を与えてダイエットさせろよ!筋肉質の体質こそ至高!骨太の改革だ~!」と国民に無茶なダイエットを強いた結果が、
①平成・令和30年不況で世界唯一の成長から見放された国
②四半世紀もの間給料が上がらない国
③東南アジアから安物買いの観光地と見下される国
という惨憺たる敗戦だったのです。

財政政策を蔑ろにしがちなイノベーション信者たちには、カネが絶対的に足りない世界でどうやってイノベーションを実現するのか?という、永遠に答えが見つからない問題から一秒でも早く足抜けするよう注意を促したいですね。