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2009-11-21 10:20:46

民主党政権と経済問題

テーマ:日本経済関連

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早くも再生回数10000!【大道無門 #197】ゲスト:三橋貴明(経済評論家・作家)


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 チャンネル桜「日本よ、今...「闘論!倒論!討論!2009」  経済討論第8弾!民主党政権と経済問題」に出演しました。
 http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1541
◇パネリスト:
 上村シーラ千賀子(シスコシステムズ上級管理職・早稲田大学、秋田大学講師)
 田代秀敏(エコノミスト・ユーラシア21研究所研究員)
 廣宮孝信(経済評論家・作家)
 藤井厳喜(国際問題アナリスト)
 三橋貴明(経済評論家・作家)
 宮崎正弘(作家・評論家)
◇司会:水島総

 この話に入る前に、まずはこれらの記事から。

「鳩山株安」の不安 「成長戦略見えぬ」売りの要因
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20091120-OYT8T00444.htm
 19日の東京株式市場で、日経平均株価(225種)が約4か月ぶりの安値水準まで下落し、株価の低迷が続いている。市場では景気回復が腰折れする「二番底」への警戒感が広がっているほか、金融機関などによる「増資ラッシュ」も投資家の売りを誘っている。鳩山政権の経済政策に対する不安感もあり、世界の中で日本市場の回復の遅れが目立っている。(後略)』

「ドン引きされる日本」TOPIX年初来変化率ついにマイナスに
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=1120&f=business_1120_091.shtml
 日本の株式市場全体の値動きを表すTOPIX(東証株価指数)の年初来変化率が、今週ついにマイナスに落ち込みました。
■2009年 G7の主要株価指数の年初来変化率(11月18日時点)
 アメリカ : +22.87%
 カナダ : +29.65%
 イギリス : +20.48%
 ドイツ : +20.32%
 フランス : +18.96%
 イタリア: +19.91%
 日本 : -1.07%
 日本を除くG7諸国はいずれも今年すでに2割~3割程度株価が上昇中です。(中略)
 ちなみに、日本のほかにも、主要国のなかでもう1カ国だけ、2009年の株式市場がマイナスに陥っている国があります。どこだと思いますか?2009年、世界の主要国のなかで、株価がマイナスなのは、経済破綻危機がささやかれる日本と、もうひとつは、本当に経済が破綻してしまったアイスランド。この2カ国だけです。』

 サーチナにまで「日本とアイスランドだけです。」などと書かれてしまいましたが、株価が下がっているのがこの両国だけなのは間違いないので、反論できません。

主要国の株式指標推移 2009年11月21日時点
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_25.html#Stock  】

 鳩山内閣成立までは、他の主要国と同じように回復していた日本株価が、その後「レフト・アローン」状態になっている様子がわかります。
 なぜ、民主党政権で株価が落ちるのか。散々に(総選挙前から)本ブログで語り、選挙後は各紙も批判を始めたように、民主党が「成長戦略がない中で、支出削減に奔走している」のが最大の原因でしょう。
「成長しません。(GDPの構成要素である)政府支出は削ります」
 と、政府が言っている国の株式に投資するもの好きな人は、あまりいないということです。
 タイミングよくチャンネル桜で「民主党政権と経済問題」の討論がありましたので、これは是非見て頂きたいと思います。なぜならば、今回の討論は珍しくメンバーの議論が噛み合い、日本経済が抱えている問題を完璧に解き明かしたためです。
 特に、藤井さんと、田代さんと、わたくしの三名が、珍しくきれいに噛み合いました。

三橋「日本のGDPは↓このような構成になっている。今や、純輸出は0.14%でしかない。
【日本の名目GDP百分比 2008年版】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_17.html#JPGDP2008
 この状況で、『ムダを削る』などと言って政府支出(政府最終消費支出及び公的固定資本形成)を削減しているのだから、GDPがマイナスになって当たり前だ」
藤井「日本のGDP成長を見ると、個人消費は他の支出項目に従属して成長する。すなわち、日本の成長は『設備投資』『政府支出』『純輸出』の三つの動向にかかっているわけだが、純輸出は今の状況では伸びない。この状況で企業が設備投資を拡大するはずがない。ということは、政府支出を拡大する以外の手段は存在しないということになる」
三橋「政府支出拡大のボトルネックになっている『財政危機説』だが、最初に武村蔵相(当時)が95年国会で『日本財政危機宣言』をして以降、日本政府の負債は、↓この通り二倍以上に拡大した。
【1995年武村正義元蔵相「財政危機宣言」以降の日本政府の負債】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_24.html#Takemura
 にも関わらず、国債金利は逆に低下している。要するに、日本は財政危機というのは嘘ということだ」
田代「日本の問題は財政危機云々ではない。三橋氏の図の通り、長期金利が低迷していることだ。低金利こそが問題なのだ。そもそも『節約』では成長できないというのは、経済学のイロハのイだ」
三橋「そしてなぜ低金利なのかといえば、↓この通り銀行に貸し出しきれない預金が余っているからだ。
【国内銀行 貸出金・実質預金・預金超過額 (単位:十億円)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_23.html#Kashidashi01
 すなわち、需要不足こそが問題なのであって、政府の財政危機などではない」
藤井「日本の需要不足、つまりデフレ・ギャップは、数百兆円に及んでいると考えられている。すなわち、政府の財政拡大こそが唯一の解決だ」

 こんな感じで、各人が図を(わたしだけじゃないです)駆使しながら、「財務省の嘘」「マスメディアの嘘」「民主党の嘘」を暴露しまくり、日本経済の道を描き出すことができたのです。正直、今までテレビに出演した中で、
お願いです! 見てください!
 と、心の底から思ったのは初めてです。(過去の出演は、見て欲しい気持ちと、恥ずかしい気持ちが半々)

 はっきり言って、今晩放送となる「民主党政権と経済問題」をNHKが放送すれば、冗談抜きに「歴史が変わる」とさえ思ってしまうほどです。
 民放も、この番組をチャンネル桜から購入し、全国放送しちゃえば、相当に視聴率取れると思います。いや、マジで。

 さて、明日はいよいよ切羽詰ってきた新聞の話。

いい加減、メディアも「民主党の経済政策はダメだ(というより、そんなもの存在しない)」と認めなければ、自分たちが破綻だぞ、と思った方は、
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2009-11-20 09:36:47

通常経済復帰へのプロセス

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 「民主党政権で日本経済が危ない!本当の理由」早くもamazonが在庫切れ起こしているので(ウガーッ!)、楽天ブックスに変更します。(http://books.rakuten.co.jp/rb/item/6239265/  )
 重要なニュースが続いているので、本日は久しぶりにダイジェスト方式で。
 といいつつ、以前から本文で取り上げたかったこちらの件。

【鳩山由紀夫vs.鳩山由紀夫 自らの献金問題を厳しく追及!!】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8824199
【鳩山由紀夫vs 鳩山由紀夫】
http://www.youtube.com/watch?v=W0aqYXwJL8g&feature=player_embedded

 この動画作成した人、天才です(笑w 凄すぎます。拡散、拡散!
 というわけで、本日の「Daily故人献金ニュース!」

政治とカネ、政権直撃か 土地購入資金も不透明 小沢氏裏金疑惑
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/091119/crm0911190205003-n1.htm
 民主党の小沢一郎幹事長にゼネコンからの裏金疑惑が18日、東京地検特捜部の捜査で浮上した。鳩山由紀夫首相は資金管理団体「友愛政経懇話会」の“故人献金”問題で、元公設秘書が特捜部に政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で刑事告発された上に事情聴取を受けるなど周辺捜査が続いており、鳩山政権を「政治とカネ」の問題がダブルで直撃する可能性も出てきた。(後略)』

小沢氏側に1億円提供』 水谷建設首脳 04~05年収支報告書記載なし
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009111902000095.html
 重機土木大手「水谷建設」(三重県桑名市)の経営トップが東京地検特捜部の調べに対し、「民主党の小沢一郎幹事長側に二〇〇四年十月と〇五年四月ごろ、計一億円を提供した」と供述していることが関係者への取材で分かった。(後略)』

鳩山首相の選挙経費にも「不自然な点」自民・村田氏
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091119/plc0911191941012-n1.htm
 鳩山由紀夫首相の偽装献金問題を追及している自民党の村田吉隆衆院議員は19日、札幌市で記者会見し、平成17年衆院選でのポスター代などの経費として、公費負担の上限額をそのまま北海道選挙管理委員会に報告するなど不自然な点が見つかったと発表した。(後略)』

 小沢の件と鳩山の件は、分けて考えるべきだと思います。小沢のやっていることは、ある意味で田中政治の伝統で、目的は権力維持というわけです。それに対し、鳩山の方は・・・こいつは単に「全てにだらしない。特に金にだらしない。」というだけのような気が致します。
 金にだらしなく、あらゆることが適当で、ついでに他人に嫌われるのが耐えられない、と。要するに、政治家になるべき人間じゃなかったのでしょう、本人のためにも、日本のためにも。

経産相、GDPフライング発表 意識の低さ露呈…批判続出
http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200911180086a.nwc

 昨日のチャンネル桜の収録(詳しくは明日)で、上村さんが、
「欧米の企業では、ブラックアウト(報道管制)期間があり、それを破った人は即座に解雇される。日本の企業は少し甘いが、その感覚が政治にまで持ち込まれた感じ。これでは、日本は他国から一切信用されなくなる」
 と言っていましたが、その通りだと思います。
 ブラックアウト期間とは、決算発表の二週間前(わたしがいた某ITベンチャーの場合)から、メディアとの接触や決算に関する発言が禁止される時期のことです。下っ端だったわたくしのところにも、決算が近づくと、きちんと「今からブラックアウト期間に入るぞ!」というメールが送られてきました。
 日本の企業の状況は知りませんが、直嶋正行経済産業相ほど意識が低いはずがありません。要するに、民主党政権とは色々な意味で「素人政権」ということなのだと思います。


返済猶予法案を与党が採決強行 自公欠席で衆院通過へ
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091119/plc0911191945013-n1.htm

 この法案、採決の手法も問題ですが、内容も問題が多すぎます。
 要するに、銀行に中小企業に対しロールオーバー(繰り延べ)をさせたいわけですが、その際の条件などを明確化しておらず、運用責任を銀行に丸投げしています。しかも、借り手サイドにとっては、
『あの法律』を使った・・・・」
 という情報が広まると、間違いなく企業としての信用力が低下してしまいます。それ以前に、繰り延べしたところで、最終需要が拡大していない以上、真の意味で「延命」に過ぎないわけです。しかも、一年間のロールオーバーと引き換えに、銀行に対する信用を低下させてしまうことになります。
 例えば、政府系金融機関の融資拡大ならまだ分かるのですが、そうではなく、民間銀行に対し、
「ロールオーバーさせてやってくんない?」
 と問いかけているわけです。これが「必ずロールオーバーしろ!」とやると、民間の財産権侵害になってしまうため、「ヌルい」内容、すなわち「ロールオーバーしてやってくんない?」にしたのだと思いますが、これでは何もしない方がまだマシな気がします。
 結局のところ、最終需要が拡大しない現状がある限り、どのような対策も「小手先」もしくは色々な意味で整合性が取れないものになってしまうということです。

OECD:日銀はデフレと闘うべきだ-国債購入増額などの量的緩和も
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aBJ53.eUo2do
 経済協力開発機構(OECD)は19日公表した日本経済に関する見通しの中で、日本銀行は基調的な物価上昇率が確実にプラスになるまで、現行の低金利政策の維持と効果的な量的緩和措置の実施を確約することを通じ「デフレと闘うべきだ」との見解を示した。 (中略)
 報告書では、日本の景気の持ち直しとOECD加盟国の中で最悪の財政状況などを踏まえると、追加的な財政刺激策は正当化されないとし、新政権が予定している新たな歳出の財源は他の歳出削減で賄うべきだとの見解を示した。さらに、信頼できる詳細な中期財政再建プログラムを策定した上で、いったん景気回復が定着すればそれを実行に移すことが不可欠だと強調した。 』

 OECDから非常に象徴的な見通しが発表されました。まず、
「日銀はデフレと闘うべきだ-国債購入増額などの量的緩和も 」
 これについては、心の底から賛成です。日銀はデフレと闘うべきです。しかし、
「追加的な財政刺激策は正当化されないとし、新政権が予定している新たな歳出の財源は他の歳出削減で賄うべき」
「景気回復が定着すればそれを実行に移すことが不可欠だと強調」
 この二つは明らかに矛盾しているわけです、
 歳出削減をしながら景気回復させるなど、現在の日本では絶対にできません。と言うか、この「二兎追い」方式で、物の見事に失敗したのが、橋本政権と小泉政権なわけです。
 そもそも「日銀がデフレと闘う」ということは、国債買取を増やすというわけで、それはすなわち「日本政府が国債を発行する余地がある」ということを意味していると思うのですが。。。
 「政府が国債を発行」⇒「政府が支出拡大」⇒「日銀が国債買取」⇒「デフレ脱却と景気回復の達成」 なぜこの「通常経済復帰へのプロセス」がダメなのか、さっぱり分かりません。財政健全化など、「デフレ脱却と景気回復の達成」、すなわち通常経済への復帰の後に、ゆっくりと考えればいいのです。
 結局、IMFはもちろんOECDですら、「通常経済」と「恐慌経済」の区別がついていないというのが、世界の現実というわけです。

確かに、なぜこのプロセスがダメなのか、さっぱり分からない、と思ってしまった方は、
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2009-11-19 10:06:58

指標の罠

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 アスコム社「民主党政権で日本経済が危ない!本当の理由  http://www.amazon.co.jp/dp/4776205734/  」発売開始です。昨晩(深夜)、出版社から「店頭の出足絶好調です!」というメールを頂戴いたしました。ありがとうございます。
 店頭の出足が好調ということは、タイトルの勝利なのでしょうか?

 来週土曜日(28日)、またまた三橋は街頭に出撃します。
【草莽崛起】 日本解体阻止!!守るぞ日本! 国民大行動 平成21年11月28日(土)】
http://www.ch-sakura.jp/topix/1290.html
 わたくしは12:00-14:00の部に出ますので、何卒よろしくお願い致します。
 また、12月及び1月に、「講演&サイン会」が予定されています。(それぞれ全く別の企画として)こちらの方も随時お知らせしていきますので、何卒応援のほどよろしくお願い致します。

 さて、日本の第3四半期(7-9月期)のGDP成長率が発表されました。大方の予想通り、好調を維持していますが、何しろここまでは事実上、麻生政権です。問題は今四半期からですが、さすがに今年一杯は何とかプラス成長でいけるのではないかと予想しているのですが・・・・。
 
日本のGDP(対前期比年率換算)推移
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_24.html#GDP

 折角なので、日本のGDP成長率(対前期比年率換算)の推移をグラフ化してみました。改めて流れを見ると、アメリカの不動産バブルを発端とする世界同時好況の局面は、安倍政権後期には実際には終わっていたようですね。その後の福田政権時は、何となく余韻で持っていたのが、後半には息切れし、リーマンショックで完全に失速したと。

 GDPに関する各報道を見て、大変気になったことがあります。
 GDP成長率と一口に言っても、実は沢山の種類があります。名目GDP対前期比成長率、実質GDP対前期比成長率、名目GDP成長率(対前期比年率換算)、実質GDP成長率(対前期比年率換算)、名目GDP対前年比成長率、実質GDP対前年比成長率・・・・・などなど。
 すなわち、GDP4.8%成長と言っても、それが何を意味するのか、報道の見出しだけだと、よく分からないのです。と言うよりも、読者を混乱させるような報道になっているわけです。

7~9月期実質GDP、年率4.8%成長 政策が下支え
http://woman.nikkei.co.jp/news/article.aspx?id=20091117ax005n1
 内閣府が16日発表した7~9月期の国内総生産(GDP)の速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比1.2%増、年率換算では4.8%増となった。2四半期連続のプラス成長で、2年半ぶりの高い伸びを記録した。輸出や個人消費が伸び、設備投資も増加に転じた。ただ国内外の経済対策の効果が大きく、景気持ち直しの持続力には不安が残りそうだ。政府は物価の下落が続く「デフレ」を警戒しており、2009年度第2次補正予算案の具体化を急ぐ。(後略)』

 日経新聞のGDPに関する報道は、きちんと「実質値」「名目値」「前期比」「前期比年率換算」を書いており、4.8%は「対前期比の年率換算の実質GDP成長率だよ」と明記しています。まあ、
「お前らは麻生政権以前は、対前期比の年率換算の数値など報道しなかっただろ・・・」
 という突っ込みはしたくなりますが。
 国内メディアが「対前期比年率換算の数値を大々的に使い始めたのは、リーマンショック後の08年第4四半期からです。どう考えても、麻生バッシングを兼ね、センセーショナルなマイナスの数値を見出しとして掲げるために、わざわざ年率換算の数値を使い始めたのだとしか思えません。
 とは言え、それ以降もきちんと年率換算の数値を使っているので、まだマシですが。(プラス成長になったら、対前期比に戻すと思っていました。


 問題は、海外諸国に関するGDPの報道です。

GDP:ユーロ圏実質0.4%成長 6四半期ぶりプラス--7~9月
http://mainichi.jp/select/world/news/20091114ddm008020044000c.html
 欧州連合(EU)統計局は13日、09年7~9月期のユーロ圏16カ国の域内総生産(GDP)の実質成長率(季節調整済み、速報値)が、前期比0・4%増(4~6月期は0・2%減)だったと発表した。08年1~3月期以来6四半期ぶりにプラス成長に転じた。政府の景気刺激策などを支えに景気が最悪期を脱したことを示した。
 ドイツが0・7%増(前期は0・4%増)と、2四半期連続でプラス成長となったほか、フランスも0・3%増(同0・3%増)とプラス成長を維持。イタリアも0・6%増とプラス成長になった。』

 毎日が掲載したユーロ圏の実質GDP成長率の記事ですが、この数値は「対前期比」です。すなわち、年率換算ではないのです。ちなみに、ロイターも同じように対前期比のみで記事を書き、それがあちこち(niftyとかgooニュースとか)に転載されています。
 わたくしが調べた限り、ユーロ圏のGDP成長率の記事において、日本と比較可能なように年率換算の数値を載せていたのは、唯一、日経新聞のみでした。
 第3四半期の主要先進国の「実質GDP対前期比年率換算」の数値を比較すると、以下の通りになります。

■日本:4.8%
■アメリカ:3.5%
■ドイツ:2.8%
■フランス:1.2%
■イタリア:2.4%
■イギリス:マイナス1.6%
■EU全体:1.6%

 ちなみに、対前期比成長率から年率換算の値を導き出す公式は、
年率換算実質GDP成長率(%)={(1+四半期ベース実質GDP成長率)4乗-1}×100
 となっています。
 EU全体で言えば、{(1+0.004)4乗-1}×100=1.60962%となります。こんなややこしい計算式は、普通の人は知らないでしょう。
 しかし、毎日やロイターの記事に乗っている欧州のGDP情報を、年率換算の数値で大々的に発表されている日本やアメリカと比べたい場合は、上記の通りユーザ側が「計算」しなければならないわけです。
 もちろん、毎日やロイターは「欧州連合統計局が、対前期比でしか発表していないから・・・・」と言い訳するでしょう。しかし、財務省の「国の借金、国民一人辺りの借金」同様に、単に報道発表を転載するだけなら、記者も新聞社も不要なのです。
 要するに、本当に新聞社は「ユーザ・ニーズ」を意識していないと、つくづく思ったわけです。
 一口に経済指標(GDP! 貿易収支! 外貨準備高! 国の借金!などなど)といっても、そこには「統計的な罠」が潜んでいるわけです。そういう部分まで含めて、国民に「正しい情報」を伝えることこそが、マスメディアの本来の役割だと思うのです。
 現実には、日本のメディアは共産独裁政権のものであろうとも、報道発表を垂れ流しにし、しかも、報道する情報の取捨選択を行っています。かつては、その「報道発表」を入手することが、記者クラブに属する記者やテレビ局員でなければ難しかったわけですが、今や新聞報道の前に、一般ユーザがWebで入手できる時代です。
 そう考えたとき、「情報ソースの独占」という面における環境が激変したにも関わらず、以前と同じように報道発表をコピペするだけの新聞各社が苦境に陥るのも、無理もないと思ってしまいます。
 逆に考えると、誰でも入手できる報道発表に、きちんと「付加価値」をつけて報じることができれば、新聞社よりも顧客ニーズをつかめる可能性が高いわけです。この種の「新聞社の問題」を見ると、すぐにわたくしの頭の中に「ニーズ」だとか「ビジネスチャンス」という単語が浮かんできてしまうのでございます。

 さて、それでは本日の午後はチャンネル桜に赴き、廣宮さん(だけじゃないけど)と民主党の経済政策について話してきます。


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