MARYSOL のキューバ映画修行

MARYSOL のキューバ映画修行

【キューバ映画】というジグソーパズルを完成させるための1ピースになれれば…そんな思いで綴ります。
★「アキラの恋人」上映希望の方、メッセージください。


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恒例の、しかも今年は15周年となる「ラテンビート映画祭」の前半が終わりました。

私はオープニングセレモニーを含め、以下の作品を鑑賞しました。

『エルネスト』と『アワ・マン・イン・トーキョー』(この2本は2度目の鑑賞)

『相続人』

I Hate New York

『カルメン&ロラ』

『サビ』

『アブラカダブラ』

 

以下、メモです。

①ゲストたち@オープニングセレモニー

今回のゲストは、日本から『エルネスト』の阪本順二監督と主演のオダギリジョー。LGBT活動家の東小雪さん。

スペインから、『カルメン&ロラ』のアランチャ・エチェバリア監督、『アブラカダブラ』のパブロ・ベルヘル監督、『I Hate New York』のグスタボ・サンチェス監督。

 写真は映画祭FBから拝借

 

各監督からは上映作品の簡単な紹介がありました。

そのなかで特に印象に残ったのが『カルメン&ロラ』のエチェバリア監督で、「初恋の忘れがたい衝撃」を強調。

その言葉を胸に刻んで、後日作品を拝見したのですが、すぐに納得!

互いに惹かれ合う17歳の女の子たちが瑞々しくて、まぶしくて、素敵でした!

(でもロマ社会という閉鎖性のなかで、ものすごいタブー視されてしまうのですが)

 

おっと、話が逸れましたが、オープニングセレモニーを始め上映後のQ&Aは、ゲストの方と直に触れ合える貴重な場。

どんなにネットで映画が見られるようになっても、このライブ体験に優るものはありません!

ラテンビート、来年もその先も頑張って!!

 

LGBT

前半に上映された映画のほぼ半分がLGBT系作品だったため〈偏向気味では?〉という声も聞かれましたが、『カルメン&ロラ』にしろ『相続人』にしろ、レスビアンという関係よりも、前者は「初恋」もしくは「人を好きになることの普遍性」、後者は「自立」もしくは「中年女性の自我の目覚め」がテーマとして際立ち、人間ドラマとして心に深く刻まれました。 

また、ロマ社会(カルメン&ロラ)やパラグアイ(相続人)を垣間見られたという点でも興味深い鑑賞体験になりました。

 

I Hate New York』も10年という歳月をかけて取材したドキュメンタリーですが、対象への敬意ある作品からは、学ぶ点が多いといつもながら感じます。

3日夜の上映後は、監督のお友達も登壇しお話して下さり、ゴージャスでした。

 こちらの写真も映画祭FBから拝借

 

③ブラジル映画

今回からラテンビート映画祭はブラジル映画祭も兼ねるようで、前半では『サビ』が上映されました。

『サビ』は、SNSが発達した現代ならではの問題を扱っていて、国境を超えた普遍的な作品として、ぜひ一般公開して欲しいと思いました。幅広くお勧めしたい作品。

横浜では1123日(金・祝)にブルク13で上映されます。

 

さて、東京(新宿バルト9)でのラテンビート映画祭。後半は9日(金曜)から

ブラジル系映画3本を皮切りに、ヴィム・ヴェンダース監督の『ローマ法王フランシスコ』や、『彷徨える河』に続くシーロ・ゲーラ監督の『夏の鳥』、アンゴラ内戦を描いた『アナザー・デイ・オブ・ライフ』など期待作が続きます。

この機会をぜひお見逃しなく!

 

詳しい情報は、映画祭HPで。http://lbff.jp/ 

FBやツイッターにも情報満載なので、ぜひチェック&フォローを!

 


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 映画「エルネスト」は、チェ・ゲバラが革命政府使節団として1959年7月に来日、広島をゲリラ訪問するシーンで始まるが、彼が某映画会社(特定できず)を訪問した事実はあまり知られていない。チェに商談を依頼したのは、革命政権発足後まもなく創設されたキューバ映画芸術産業庁(以下ICAIC(イカイック))初代長官、アルフレド・ゲバラ(チェと同じ苗字なのは偶然。以下A・ゲバラ)で、撮影所建設の打診と日本映画の配給が主な案件だった。

新生キューバが早くから日本映画に関心を持っていたことを示す逸話だが、実際、A・ゲバラが60年に発表した行動計画には〈日本映画のもつ詩的な魅力や新しい映画話法を知らずにいることは愚かしい。最も大事なレッスンとなる〉と記されている。

 

 あいにく商談は成立しなかった。だが8年後の67年、ICAICから二人の幹部が来日。映画の買い付けと日本映画視察のため一ヵ月滞在した。このとき買い付けた「座頭市地獄旅」がキューバで大ヒット! ハリウッド映画とは真逆のヒーロー(背が低く美男でなく、むさ苦しいうえに酒飲みの博徒で目が見えない)。そんな市が、唯一の取柄の剣技で大活躍するアクション映画はたちまちキューバ人を魅了した。

ICAICがなぜ「座頭市」を選んだのかは謎だ。ハリウッド的ヒーローに代わるモデルを求めていた、という説もあるが定かではない。いずれにせよ、以後キューバで公開された「座頭市シリーズ」は16本を数え、勝新太郎はキューバで最も有名な日本人となった。

 

 一方ICAICで好評を博したのが、黒木和雄の「とべない沈黙」。詩的で瑞々しい魅力もさることながら、商業映画と一線を画している点が注目された。評判を知った山本満喜子(日本キューバ文化交流協会)と竹中労(評論家)の熱心な後押しもあり、黒木は革命十周年を記念する初の合作映画の監督に指名され、翌年、わずか7名のチームでキューバに渡った。現地では、プロデューサー、通訳、脚本アドバイザー、移動用車2台と運転手のほか、宿泊、食事などの便宜がICAICから無償で提供された。

ちなみに、半世紀後の合作「エルネスト」は、日本のキノフィルムズとキューバのRTVコメルシアルとの共同製作。後者は、ソ連東欧崩壊後、キューバが経済危機の只中にあった94年、予算削減と外貨獲得を兼ねて国営ラジオ・テレビ局から枝分かれした会社だ。良質で人気の高い番組製作で内外から評価されている。

 

さて、黒木がキューバに渡った68年は、二人の「エルネスト」がボリビアで亡くなった翌年。「英雄的ゲリラの年」と命名され、死しても尚チェの精神は鼓舞されていた。完成した「キューバの恋人」69)からは、そんな当時の革命的熱気が今も伝わってくる。

ストーリーは、津川雅彦演じる日本の船乗りアキラが休暇で訪れたハバナで見かけたマルシア(演じるのは当時16才の素人俳優)に一目惚れするも、彼女はチェに倣いゲリラ兵として旅立ってしまう、というもの。

黒木は、マルシア役の〝女優〟を招きプロモーションを行い、自身の独立プロによる自主上映という形で公開した。だが、日本のノンポリ青年がゲリラ志願の女兵士を追いかけ、キューバを縦断するロードムービーは、学生運動に沸く当時の日本では「反革命」「国辱映画」呼ばわりされ、興業は失敗に終わった。一方、キューバでは一度も上映されず、ICAICの記録にも残らなかった。

2006年、黒木監督の訃報で映画の存在を知ったマリオ・ピエドラ(ハバナ大学教授)は、教え子で国営テレビのディレクターだったマリアン・ガルシアの協力を得て、当時の関係者に取材を始める。ガルシアはそれをドキュメンタリー「アキラの恋人」として12年に完成させた。タイトルが「アキラの―」となっている理由は、主人公へのオマージュと、津川に対するキューバ側スタッフの好感の証だ。津川自身もメールを通して取材に応じ、日本側の唯一の証言者となった。キューバ側の証言者も映画人が中心。彼らは作品のドキュメンタリー的価値に注目し、これを高く評価した。

では、なぜ映画は陽の目を見なかったのか? 原因の一端は、次の史実にあるかもしれない。

黒木がキューバで撮影中の68年8月20日、キューバ革命の方向性を変える事件が起きた。ソ連率いるワルシャワ条約機構軍が、自由化を進めていたチェコスロバキアに侵入したのだ。〈ベトナムを支援すべきなのにチェコに向かう戦車を揶揄する風刺画〉。黒木はそれを作品に挿入した。それはキューバの国民感情を象徴していた。当時のキューバはソ連と距離を置こうとしていたのだ。〈武力でラテンアメリカを帝国主義から解放する〉。それがチェとフィデルの共通目標だった。だが、そのフィデルがソ連の侵攻を支持した。革命のターニングポイントだった。

 

チェコ事件の直前に封切られたキューバ映画の名作がある。エドムンド・デスノエス原作の小説をトマス・グティエレス=アレアが映画化した「低開発の記憶-メモリアス-」である(以下「メモリアス」アレア)。黒木はこの映画をICAIC試写室で小田実と見て、共に強い印象を受けている。

主人公セルヒオは、プチブル出身で作家志望の38歳。時代背景は61年~62年のミサイル危機まで。マイアミに去る両親や妻と別れ、ハバナの瀟洒なマンションに独り残った彼は、革命後の社会を観察し綴る。「至る所に後進性が刻印されている」「人々は自分の頭で考えず、()()に代わってもらっている」と。

知識人も革命に参加し行動することが鼓舞された時期、内省的な主人公は、弱虫、卑怯者と見なされた。だが今、セルヒオに共感する人は多い。すでにデスノエス(79年に亡命しNY在住)の続編小説をベースに、米国から祖国と資本主義社会を観察する「セルヒオの手記―ユートピアからの亡命」10、ミゲル・コユーラ)という映画が、新世代のキューバ人監督によって撮られている。残念ながらキューバではごく限られた機会にしか上映されないが、各国の映画祭やアメリカの複数の大学で紹介され、ICAIC時代後の潮流〈自主製作映画〉を語るうえで必見の作品になっている。

 

デスノエスは「メモリアス」について、「我々キューバ人はドン・キホーテ的だ。ハムレットを見習うべきだ」と言う。ハムレットは殺された父の復讐を果たそうとするが、実行に至るまでに逡巡し何度も真相を確かめようとする。72年に「メモリアス」の原作小説を英語版から翻訳した小田実も「作者は、主人公のためらいに、ある決意をこめているように見える」「革命は必要だ。しかし自分は自分だ。どちらもかけがえのないものとしてある」と書いている。

革命を振り返り、デスノエスは「薔薇は見るだけなら色の幻覚だが、手で掴めば残酷な棘だ」と言ったが、「メモリアス」を含め、キューバ映画からは革命の痛みが伝わってくる。チェ・ゲバラは〈新しい人間〉として〈自己犠牲の精神〉を説いたが、キューバ映画において〈新しい人間〉は今も論議を呼ぶテーマだ。チェやフィデルが革命の光を象徴しているとすれば、映画が表現するのはその影の世界。マチズモ、同性愛者迫害、異なる意見への不寛容、移民と別離、アンゴラ派兵の傷痕―。

だが、映画は革命を否定しているのではない。より良い社会建設には健全な批評行為が不可欠だというICAICの基本姿勢に根差しているのだ。

 

革命と共に生まれたキューバ映画の中核を成したのは、革命前の社会を批判的に描いた30分のドキュ・ドラマ「エル・メガノ」55)を撮った青年たち。ICAIC初代長官となるA・ゲバラ、ローマで映画制作を学んだアレアとフリオ・ガルシア=エスピノサ67年に来日したうちの一人)等だ。「エル・メガノ」は、ハバナ大学で上映会をするや、軍の情報局に没収された。その指示が、実はアメリカ大使館から出たものだったと知ったエスピノサは、「真の独立なしに自分たちの映画は作れない」と悟った。

革命政権樹立後、フィデル・カストロは大学時代から親交のあったA・ゲバラに映画庁創設を任せる。「エル・メガノ」の仲間を中心に人材が集結した。映画に関する全てを管轄するICAICは、支配的だったアメリカの商業映画からスクリーンを解放。多様性をポリシーに世界の秀作を上映した。また、商業主義を否定すると同時に、社会主義リアリズムも否定した。そのためソ連を範と仰ぐ教条派と絶えず抗争があったが、フィデルの支持もあり、他の文化機関に比べ表現の自由を確保し得た。その好例が、世界的に評価の高い〈映画ポスター〉だ。ICAIC製作のポスターは、映画を宣伝という商業目的から解放し、個性あふれる芸術作品を生んだ。3千点に及ぶコレクションは、先ごろユネスコの「世界の記憶」に登録された。ちなみにICAIC製作のニュースフィルムも8年前に登録されている。

音楽面では69年に「ICAIC音響実験グループ」を創設。映画音楽だけでなく、ヌエバ・トローバ(新しい歌)と呼ばれる一大ムーブメントを起こし、国内外から絶大な支持を得た。

〈灰色の5年〉と呼ばれる7176年。革命のソ連化が進み、文化が委縮するなかでも、アーティストを庇護し、批評精神を失わなかった。だが76年に文化省が創設されると、ICAICは省内に組み込まれ独立性を失う。さらに81年のスペインとの合作『セシリア』(日本未公開、ウンベルト・ソラス)に端を発する論争で教条派の攻撃に屈し、A・ゲバラはパリに左遷される。80年代のキューバ映画が凡庸なのはそのせいだという。しかし89年の組織替えでICAICは庁として復活し、91年にはA・ゲバラが長官に返り咲く中で、『不思議の村のアリス』(90未、ダニエル・ディアス=トーレス)や「苺とチョコレート」93、アレア)などの問題作や秀作を生んだ。とは言え、折しも社会主義圏崩壊を受け、経済はどん底状態。資金は合作に頼らざるを得なくなり、この状況は現在も続いている。

他方、技術の進歩は自主製作映画を可能にした。その結果、テーマもスタイルも多様化した。キューバ初のゾンビ映画、「ゾンビ革命―ファン・オブ・ザ・デッド―」11、アレハンドロ・ブルゲス)では「エルネスト」でホアキンを演じたアレクシス・ディアス・デ・ビジェガスが怪演している。

ここで話を俳優に移すと、アレクシス同様、活躍めざましいのが、「エルネスト」でホセを演じたアルマンド・ミゲル。最近の話題作に軒並み出演している。ハシントを演じたダニエル・ロメーロ=ピルダインは『ホセ・マルティ カナリアの目』(11未、フェルナンド・ペレス)でデビュー。成長した姿には目を見張る。医大の学長を演じたパトリシオ・ウッドはベテラン俳優。父のサルバドール(故人)と共に今やキューバ映画の顔だ。

 

映画が繋ぐ日本とキューバ。最後に紹介するのは「東の狼」 。河瀬直美プロデュース、藤竜也主演で、監督はキューバの新鋭カルロス・キンテーラ。内容的に「キューバの恋人」と重なる部分があるらしい。昨年「なら国際映画祭」で上映されたが、新たに手を加えた完成版ができたと聞く。両国での公開が待たれる。

 

参考 

・「一九六〇年代から七〇年代のキューバにおける日本映画の存在と受容」と題するピエドラ教授の講演が、明治学院大学言語文化研究所発行「言語文化第31号」に掲載されている。

・キューバにおける「座頭市」の人気については、「すばる」2013年1月号(集英社)掲載の「キューバ人のヒーロー『座頭市』」(ピエドラ教授講演)に詳しい。

・「アキラの恋人」の製作過程や考察を記した拙稿が「立教大学ラテンアメリカ研究所報 第41号」に掲載されており、ウェブ上(立教大学学術リポジトリ)でも読める。

https://rikkyo.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=6396&item_no=1&page_id=13&block_id=49

尚、「アキラの恋人」(日本語字幕付き)の上映会等のご希望があれば、拙ブログを通してご連絡いただきたい。

ブログ「MARYSOLのキューバ映画修行」URLhttps://ameblo.jp/rincon-del-cine-cubano/

・「セルヒオの手記―ユートピアからの亡命」は2014年の「キューバ映画祭inサッポロ」で日本語字幕付きで上映された。

 

 

 


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憲法改正の議論が進むキューバで「同性婚の容認」が日本のメディアでも話題になっており、先日の朝日新聞の記事に「灰色の5年間(1971~76年)の同性愛者を扱った映画が大ヒットし、問題が認識されるようになった、とありましたが、

その映画が『苺とチョコレート』。
https://ameblo.jp/rincon-del-cine-cubano/entry-12267785599.html

マリオ・ピエドラ教授のコメントと併せて、この機会に再読いただければ幸いです。
https://ameblo.jp/rincon-del-cine-cubano/entry-12267927656.html?frm=theme

            

また、同記事のなかに「革命は黒人や農民、女性の解放を目指したが、同性愛者は視野になかった」とありますが、むしろ革命的(軍国主義的)モラルが奨励されるなかで同性愛者が迫害されていったのです。

https://ameblo.jp/rincon-del-cine-cubano/entry-12312991860.html

 

60年代~70年代といえば、今と違い、世界的にも同性愛者を見る目は偏見に満ちていましたが、再教育のための労働キャンプ収容や公職追放、逮捕・投獄という事態はキューバ革命の負の面でした。
 

先日のキューバ倶楽部の「憲法改正をめぐるトークイベント」で大使館の方が流ちょうな日本語で「誰もが同性愛者に偏見をもって迫害していたわけではない」と言っておられましたが、マスメディアが報じない(報道も共産党の支配下にある)なかで、社会の問題を積極的に取り上げ、国民の関心を喚起し、コミュニケーションを図ってきたのがICAIC(キューバ映画芸術産業庁)でした(過去形?)。

キューバで映画が人々の信頼を得てきた理由が、ここにあります。

 

参考記事:
https://ameblo.jp/rincon-del-cine-cubano/entry-12314032833.html
https://ameblo.jp/rincon-del-cine-cubano/entry-12377476949.html?frm=theme


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       恒例のとことんキューバ音楽♪ vol.17 のお知らせです!

 

           

   

 

   *Marysolより

   当日はラテンビート映画祭とぶつかってしまいます…。

   私は涙をのんで、ラテンビートに行く予定。ごめんなさい! 本当に残念😢


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とっても見たかったキューバ映画、『セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!』が12月1日から日本全国で公開
公式サイト:http://sergiosergei.com/

 

                  

本作は、アカデミー賞とゴヤ賞(スペイン)のキューバ代表作に選ばれています!
しかも、主演は目ヂカラが忘れがたいトマス・カオ。

12月が楽しみ!!

 


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11月1日から始まるラテンビート映画祭でも上映が決定した『エルネスト』

昨晩、Twitter経由で、阪本順治監督がハバナでインタビューを受けている映像を見ました。

「スペイン語に吹き替えられていて分からない」という声があったので、訳してみました。

 

プレンサ・ラティーナ・テレビ

 

ナレーター及びインタビュアーは、Lianet Cruz Paretaさん


今ハバナの映画館で日本の映画「エルネスト」が上映されています。
ボリビアでチェの隊員として戦ったゲリラ、ジョー
(注:正しくはフレディ)・マイムラの人生に想を得ています。
そこで、プレンサ・ラティーナは監督の阪本順治氏にお話を伺います。

 

Q: どのようにしてマイムラのことを知り、映画化することにしたのですか?

S: もうすでに有名で、皆が知っている人を描くことは、私にとってあまり意味がありません。逆に、闇に埋もれ、知られていない人やその人生、目的を達成するために努力した人を描くことが好きです。
私は4年前にフレディ・マエムラのことを知りました。無名の日系人で、チェと共に戦い、チェと共に亡くなりました。それで彼のことを描こうと決めました。

 

Q: 映画の大部分は、彼のハバナ時代です。なぜこの時代を映画の中心に据えたのですか?

S: 彼の政治的意見などに焦点を当てると、考えを共有しない人は離れてしまい、映画に興味をもってもらえないのではないかと懸念したからです。逆に、実際に彼がそうだったように、若いフレディが医学を学び、最も困っている人々を助ける医者になる、という期待を胸にキューバに来て、授業に出る。その大学時代に恋をする。当初、フレディが戦っているシーンを最後にもってこようかとも考えましたが、それではアクション映画を売ることになってしまう。それは私の意図するところではありませんでした。

 

Q: 各地での映画の評判はどうでしたか?

S: 映画はボリビアで上映されました。どう受け取られるか、特にフレディのご家族の反応に関心がありました。鑑賞後、直接コメントをもらいました。ご家族はとても感謝してくれました。なぜなら彼らが知らないフレディが描かれていたからです。フレディは国を出て、キューバに医学を学びに来て、そのあと二度と戻りませんでした。亡くなったことさえご家族は知らなかったのです。これは私にとって誇るべき最初のコメントになりました。
次に、日本ですが、チェ・ゲバラは日本でよく知られていますが、マエムラは知られていません。映画の目的は、チェと共に戦って亡くなった日系人がいることを知ってもらうことでした。このメッセージを日本の観客に伝えることは、映画の意義のひとつだと考えています。

 

Q: 出来栄えに満足していますか?

S: 個人的に満足しています。全力を尽くし、最大の努力を払って完成させました。また、撮影プロセスにも満足しています。日本とキューバが合作するなかで、私が感情を爆発させることも多々ありました。撮影中は問題もたくさんありました。しかし、日本のチームとキューバのスタッフが一緒になって、困難を克服していくのを見ました。無いものは自分たちで作るなどして乗り切る経験は、これまでしたことがありませんでした。

 

キノフィルムとRTVコメルシアル制作の本作は、2017年の広島国際映画祭で平和特別賞(注:ヒロシマ平和映画賞)を受賞しました。

2000年に日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した阪本監督によれば、『エルネスト』は、キューバとの合作プロジェクトの始まりかもしれないとのことです。

 

関連記事:https://ameblo.jp/rincon-del-cine-cubano/entry-12382818348.html?frm=theme


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ドイツのオルデンバーグ国際映画祭で、キューバ初のサイコホラー映画、¿Eres tú, papá? が好評を博したと知り、急ぎ紹介します。

                                                  

 

トレーラー

 

タイトル: ¿Eres tú, papá? (訳:あなたはパパなの?)/2018年/107分/キューバ・イギリス合作
オフィシャルサイト:https://www.erestupapa.com/news.html

 

監督・脚本:ルディ・リベロン=サンチェス(オルギン出身) 

         
出演:ガブリエラ・ラモス(リリアナ)、ホルヘ・エンリケ・カバジェロ(カルロス)、リン・クルス(アリーナ)、オスバルド・ドイメアディオス(エドゥアルド)、エスリンダ・ヌニェス(カリダー)  


ストーリー
キューバの田舎の粗末な小屋で両親と暮らす13歳の少女リリアナ(リリ)の前から、ある日父エドゥアルドが姿を消してしまう。支配的だった父の不在は母子を解放するはずだったが、動揺したリリは霊の力を借りて父を取り戻そうとする……。

 

プロダクション・ノート
基本的には低予算の自主制作映画だが、イギリスのUK Film Tax Reriefとコラボし、キューバのRTコメルシアルからも若干の資金協力を得ている。

ホラー映画はキューバでは、これまでほとんど製作されたことのないジャンル。
監督いわく「ホラー映画ファンだけでなく、キューバに関心のある人にも見てもらいたい。ステレオタイプのキューバではなく、別の側面が描かれているからだ。キューバの熟練したスタッフに恵まれ幸運だった。今年のハバナ映画祭での上映を期待している」。
   
Marysolより
主役リリ(リリアナ)を演じたガブリエラ・ラモスは、オルデンバーグ映画祭で「シーモア・カッセル賞」を受賞。

                 
ガブリエラ・ラモスといえば、 『ラストデイズ・イン・ハバナ』のジュシレディ役で印象的なデビューを飾り、スペイン・マラガ映画祭で「ベスト助演女優賞」を獲得したばかり。上の写真を見て、成長した姿に嬉しい驚き! 新世代のキューバ映画の顔になるでしょうね。

 


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今年は「日本人キューバ移住120周年」ということで、日経の32面にはこちらの記事が。

            筆者、森村あずさ氏が、サルサを通じてキューバと出会った経緯や、現地の音楽家たちとの交流、音楽の溢れるハバナの様子などを生き生きと綴っておられます。
個人的には特に映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』で有名になったピアニスト、ルベン・ゴンサレスとの交流が印象的!
また、2011年10月のオマーラ来日は、森村氏のプロデュースだったんですね。
来月下旬にはキューバのほか、メキシコ、ドミニカ共和国で、オルケスタ・デル・ソルとチカ・ブーンが公演するそうです。
きっと現地で中南米移民に贈る歌「虹の架け橋」(作曲=森村献、スペイン語歌詞=エリック・フクサキ、日本語歌詞=宮沢和史)を歌われるのでしょうが、一足早く10月1日に都内のライブでお披露目されるそうです。

 

☆もうひとつの記事は読売新聞6面。

 なんと、フランシスコ・ミヤサカさんが写真入りで紹介されていました。
ミヤサカさんは、1968年に黒木和雄監督がキューバで『キューバの恋人』を撮ったときに通訳をされた方。

日本の大学で学ばれた経歴もあり、日本語は達者なようです。
『キューバの恋人』に関わったキューバ側関係者に取材したドキュメンタリー『アキラの恋人』でも大活躍しています。

ちなみに娘さんも映画研究に携わっているようで、拙ブログでも彼女の記事を紹介したことがあります。
 

ところで同記事には「アニメ人気」についても書かれていますが、コスプレにはしゃぐキューバの「オタク」の写真を目にする度に、どうして「新しい人間」は育たなかったのか?と考えてしまいます。

            

             写真はこちらの記事から拝借

 

最後に、是枝監督がスペインのサンセバスチャン国際映画祭で「生涯功労賞」を受賞したニュース(日経)。

                   
キューバと関係ないかもしれませんが、私は監督の『誰も知らない』を観たのがハバナ映画祭だったうえ、観客もまばらな、冷房の効きすぎた映画館で一人淋しくスクリーンを見つめながら、「隣に誰が住んでいるかも分からないような、無関心で冷たい人間関係」って、キューバ人にはゼッタイ理解できないだろうなぁ、と寒々しい思いになったものです。

その点、『万引き家族』はぬくもりが感じられましたね。
なにはともあれ、是枝監督、おめでとうございます!

 


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とても楽しかったし美味しかった、充実のギリシャ・ツァーから帰って早2週間が経とうとしています。
ブログもずいぶんお休みしていました。
書きたいことはアレコレあれど、まとめる時間がなくてスミマセン。
この状況、もしかすると、あと1ヵ月くらい続くかもしれませんが、
とりあえず、今日は大事なお知らせのみアップします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

第15回ラテンビート映画祭の開催場所と日程が決まりました。

【開催場所&日程】
  新宿バルト9:11月1日(木)~4日(日)、9日(金)~11日(日)
  梅田ブルク7:11月17日(土)、18日(日)
  横浜ブルク13:11月23日(金・祝)~25日(日)

 

オフィシャルサイト:http://lbff.jp/

 

今年はどんな映画が見られるのか、楽しみです。

キューバ映画もぜひ入れて欲しいなぁ。

 

★追記

とりあえず上映が決まっている作品については、アリババ女史のブログをご参照ください。

鑑賞前も後も、いつも頼りにしているブログです!

 


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恒例の「とことんキューバ音楽」 。

16回目のテーマは、「キューバ男性歌手の本流」

今月15日(土)17時スタートです。

 

詳細はこちら↓をご覧ください。

 

 

*私事になりますが、明日から1週間ほど旅行に行きます。

  ブログは2週間くらいお休みします。

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