MARYSOL のキューバ映画修行

MARYSOL のキューバ映画修行

【キューバ映画】というジグソーパズルを完成させるための1ピースになれれば…そんな思いで綴ります。
★「アキラの恋人」上映希望の方、メッセージください。

『イノセンシア』の主人公、フェルミン・バルデス・ドミンゲスのことは、キューバでも本作やフェルナンド・ペレス監督がホセ・マルティの少年~青年時代を描いた映画『José Martí: El ojo del canario』で知ったという人も多いのだとか。

 

★フェルミン・バルデス・ドミンゲス(1853~1910年)

・外科医・ジャーナリスト

・ホセ・マルティ(1853~1895年)とは小学校時代からの学友で、後にキューバ独立運動の同士となる。

 ちなみに2人は〈志願兵部隊に入隊した仲間を背教者とみなした〉ことを罪に問われ、1869年に共にスペイン軍事法廷で裁かれ、マルティは6年、フェルミンは6か月の禁固刑に処される。

つまり、本作の事件の2年前に、同様の目に遭っていたわけで、この事実は『イノセンシア』の冒頭の台詞で示唆されている。

 

 

・本作の事件で6年の禁固刑を言い渡されるが、恩赦により釈放、スペインに追放される(1872年)。

 スペインで大学を終え、キューバに帰国。

 

彼が本作の事件について書いた本「El 27 de noviembre de 1871」は、まずスペインで出版され、その後さらに補完された版が、1887年にキューバで出版された。

 

・8人の遺体を発掘した彼は、その後彼らのための霊廟を建設(1890年)

 

 

 

・キューバ革命党(1892年創立)および同党の機関紙「パトリア」に参加

・解放軍大佐 (1896年12月)

・1907年に創設された「ハバナ愛国評議会」に参加し、米国とキューバの併合運動に反対する。

今年のラテンビート映画祭(第17回)の公式サイトがオープンしました!

http://www.lbff.jp/

 


作品一覧を見ると、オーストリアの監督出身のフーベルト・ザウパー監督がキューバで撮ったドキュメンタリー『エピセントロ~ヴォイス・フロム・ハバナ~』を始め、観たい作品がいっぱい!


さらに、イベントも。
「井上雄彦とガウディのバルセロナ」&「ハビエル・マリスカルとハバナの歴史」

この2つの展覧会をスペイン大使館で同時開催(入場無料)。
異国の街に恋した画家の眼差しを通して、バルセロナとハバナの魅力に触れるまたとないチャンスですね。
マリスカルといえば、『チコとリタ』がなつかしい!会場(大使館)で上映してくれないかなぁ。

ところで、今年のラテンビートはオンライン開催ですが、オープニング作品(11月19日)のみ新宿バルト9で上映です!

   
その作品『Forgotten we'll be』は、ベストセラーになったコロンビアの小説(実話)を映画化したものだとか(監督と主役はスペイン人)。
詳細については、アリババ女史のブログ記事がお薦めです。

最後にもう一度、最後のお願いです。
ラテンビート映画祭オンライン化のためのクラウド・ファンディングは締め切りまであと9日!
目標額達成まであともう少し。ぜひ皆さまのお力をお貸しください。🙇‍♀️🙏🙇‍♂️

https://motion-gallery.net/projects/lbff2020

 

 

『イノセンシア』 2018年/キューバ/121分/歴史ドラマ

            *イノセンシアとは無罪・無垢の意味。

             

監督:アレハンドロ・ヒル

脚本:アミルカル・サラッティ

撮影:アンヘル・アルデレテ

音楽:ファン・アントニオ・レイバ、マグダ・ロサ・ガルバン

 

出演:ヤスマニー・ゲレロ(フェルミン)、ルイス・マヌエル・アルバレス(アナクレト・ベルムデス)、フスト・セサル(ホセ・デ・マルコス)、レイニエル・ディアス(アンヘル・ラボルデ)、カルロス・ブスト(アロンソ・アルバレス・デ・ラ・カンパ)、アンヘル・ルス(ファン・パスクァル)、アマウリ・ミラン(カルロス・ベルドゥゴ)、リカルド・サアベドラ(エラディオ・ゴンサレス)、

クラウディア・トマス(ローラ)、エクトル・ノア(志願兵団隊長)、ヤディエル・フェルナンデス(ハバナ知事)、ヤレミス・ペレス(フェルミンの妻)、オスバルド・ドイメアディオス(フェルナンデス・クバス教授)、フェルナンド・エチャバリア(エラディオの父)、ネストル・ヒメネス(セバスティアン=印刷所長)、ヤイレナ・シエラ(アロンソの母)、パトリシオ・ウッド(検事)、カレブ・カサス(軍司令官カプデビラ)、サムエル・クラストン(墓堀人・クラウディオの父)、ホルヘ・エンリケ・カバジェロ(クラウディオ)、エドウィン・フェルナンデス(志願兵)、カルロス・ソレル(志願兵)、ライ・クルス(マヌエル・アラウホ)、オマール・アリ、ホルヘ・トレト、ニウ・ベントゥラ、

 

あらすじ(ネタバレ含みますが、キューバ人なら了解済みの史実なので)

スペイン植民地下のキューバ。1871年11月、医学部の1年生たちが不当な嫌疑で逮捕され、そのうち8人(16才~21才)が予期せぬ結末の犠牲者となる。犠牲者らの学友で共に収監されていたフェルミン・バルデス・ドミンゲスは、釈放後、仲間の遺体を探し出そうと手を尽くすと同時に、彼らの無実を証明しようとしていた。そして遂に16年後、彼の執念が実る。歴史的事件に基づくフィクション。

 

受賞:2018年ハバナ映画祭にて観客賞、審査員特別賞、シグニス賞(カトリックメディア協会)など

 

 

シネ・チャプリンでのお披露目上映には、政府高官を含む多数の観客が来場し、立ち見まで出る人気!

エンディングで一斉に起きた拍手はいつまでも鳴りやまなかったそうです。

そして、本作はその後何か月もキューバ中の映画館を満員にし、社会現象と化したとか。

2020年度スペイン・ゴヤ賞キューバ代表作(受賞は成りませんでしたが)。


見どころ

 腐敗した植民地の行政官たち 

 東部から迫り来る独立の機運を、恐怖で押さえつけようとする志願兵隊の横暴 

 見せしめの血祭りの犠牲となる罪のない学生たち。彼らの家族の焦燥と無力感

 不当な裁判に、威厳ある態度で学生を弁護するカプデビラ司令官

 果たして、真の愛国者とは誰か?

 

映画のメッセージ

*監督 

 ・フェルミンは〈誠実さ〉と〈決して諦めない強い意志〉を象徴している。

 ・本作を通して現在と対話し、若者たちを受け入れて欲しい。

 

*オスバルド・ドイメアディオス(クバス教授役)

 この物語は、世界のどこででも、いつの時代にも起こり得る。そのことを観客に認識してもらいたい。

 『イノセンシア』は、野蛮・非道に直面した物語りなのだ。

 

*Marysolとしては、「自由なキューバ」を求める“反乱者”の姿が、「変化」を求める現代のキューバの若者たちに重なりました。

 

付録:鑑賞の手引き&トリビア

★  フェルミン・バルデス・ドミンゲス

本作を鑑賞するにあたり、主人公のフェルミンが、キューバ独立の使徒ホセ・マルティの同志で、しかも2人とも「医学生の事件」の2年前にスペインの軍事法廷で裁かれ、有罪になった事実を知っていると、さらに説得力とその後の歴史的展開への理解が増します!

 

☆ アバクア

医学生の一人、アロンソが〈黒人の乳母がいたこと〉〈乳母の子は兄弟のような存在で、アバクアについても知っていること〉を明かしますが、なぜアバクアに言及したのでしょうか?

アバクアとは、アフリカ起源の男性のみの秘密結社ですが、1868年(事件の3年前)に東部で始まった「第一次独立戦争」が、奴隷を解放し、独立戦争への参加を促したことを示唆するためではないかと考えますが、どうでしょう?

 と思ったら、今読んだ監督インタビューで「アバクアが学生たちを救い出そうとしたという証言があり、現段階では史実かどうか分からないが取り入れた」とのこと。

 

★ エウセビオ・レアル氏の貢献

日本語字幕(分かり易かった!)に出ませんでしたが、エンディングで本作がエウセビオ・レアル氏(今年8月に他界)に捧げられていることが明らかにされています。

これについて監督は、「事件について深く知ったのは、90年代にエウセビオ・レアルと仕事をしたことがきっかけ」で、1992年にドキュメンタリー『イノセンシアス』(10分)を撮ったこと;現代のハバナで19世紀のシーンを撮る困難に「エウセビオ・レアルが可能性を開いてくれた」と感謝しています。

 

今朝、ラテンビート映画祭のプロデューサー、アルベルトから久しぶりに電話がありました。
用件を話し終えたあと、雑談になり、「ところでラテンビートのWikipedia見たことある?」と訊かれたので「え~?ないよ。どうして?」と訊くと、「すごく詳しく紹介されてる。嬉しいけど、個人的にしか話したことのない事まで書かれているから、誰が書いたのかスゴク不思議」とアルベルト。「へぇ、誰だろう?あとで見てみるね」と言って、電話を切ったあとWikipediaをチェックしたところ、なんと立教大学ラテンアメリカ研究所報/第38号(2009年)に書いた「アルベルト・カレロの講演再録」が参考文献になっていて、嬉しい驚きでした!(ただし、2009年のデータまで)

ラテンビート映画祭@Wikipedia



上の写真は、2011年のゲスト、津川雅彦さんを迎えて(アルベルトと私)
オープニング上映は「キューバの恋人」でした。


そう、所報に書くにあたっては、アルベルト本人にシツコク取材したので“ごく少数の人しか知り得ない”彼の経歴や映画祭にまつわるエピソードなども確かに書きました。
それが、Wikipediaの役に立てたなんて、本当に書いて良かった!! 光栄です!

それにしても、どなたが執筆して下さったのでしょう?
2010年以降のこともしっかり記録して下さっているし、写真も掲載されていて充実!
惜しむらくは、2016年以降の記載がないこと。
どなたかぜひ続きを書いてください。
そして、オンラインに移行する2020年、初のクラウド・ファンディング実施のことも!

ちなみに、アルベルトは現在募集中のクラウドファンディングについて「こんなに多くの人が協力してくれて、すごく感謝しているし、非常に責任を感じている」と言っています。

でも、まだ目標額(150万円)に達していないし、私としては「まだまだ知られていないし、もっと協力してくれる人がいるはず」という期待が拭えません。 残り17日‼
どうか、ラテンビート映画祭の歴史が今年だけでなく、来年も再来年も続くよう、皆さまのお力をお貸しください。
日本で唯一の貴重な映画祭です!

   

『魂は屈しない』 (原題:INSUMISAS) 2018年/キューバ・スイス合作/96分/字幕:英語
息子の消息を追って訪れたキューバで スイス人医師が挑んだ、社会と己の運命への抵抗


監 督    フェルナンド・ペレス、ラウラ・カサドール
詳細はこちら

監督情報

京都ヒストリカ国際映画祭 
シアター上映スケジュール 11月1日(日)16:00- 
オンライン上映スケジュール 11/2[月]-11/8[日]まで 

詳細は、京都ヒストリカ国際映画祭HPで。
 

エピセントロ ~ヴォイス・フロム・ハバナ~ (原題:EPICENTRO) 2020年

ハバナで暮らす人々のリアルな日常を追いながら、彼らの本音に迫っていく。

*2020年サンダンス映画祭ワールドシネマ・ドキュメンタリー部門で最優秀賞受賞。


監督:フーベルト・ザウパー


 

ラテンビート映画祭(11月19日〜12月19日/変更の可能性あり)

★ ラテンビート映画祭、クラウド・ファンディング実施中❣

https://motion-gallery.net/projects/lbff2020

 

日本にいながらにして、日本語字幕付きで、スペイン・ポルトガル語圏の最新の話題作が見られる貴重な映画祭!
残り18日! 目標額まであともう一歩!ぜひご協力をお願いします。

10月21日、18時~キューバ映画『イノセンシア』が、セルバンテス東京で上映されます。
申し込みはこちら
以下、同Peatixサイトより
キューバ文化の日を記念し、キューバ大使館のご提供により映画上映会を開催します。


映画『イノセンシア』
アレハンドロ・ヒル監督、2018年制作、121分、キューバ、日本語字幕付

あらすじ
1871年11月、キューバ。医学部の1年生たちが不当な嫌疑で収監されるが、そのうち8人だけが予期せぬ結末の犠牲者となる。 16年後、犠牲者らの友人で刑務所仲間のフェルミン・バルデスは彼らの無実を証明するため闘う。
新しい手がかりが 彼を隠された真実に導く。実話に基づくこのストーリーは19世紀ハバナを揺るがせた事件のひとつである。

Marysolより
とても観たかった作品なので楽しみです。

ハバナ市内に、犠牲になった医学生の碑があります。

ちなみに、造られたメンバーのひとり、マリオ・コユーラ氏(故人)はミゲル・コユーラ監督の父親です。

https://ameblo.jp/rincon-del-cine-cubano/entry-10035430288.html

 

 

最近、キューバ映画人がネット上で盛んに意見交換しているテーマが《シネ・インデペンディエンテ=自主製作映画》。

先日もここで《シネ・インデペンディエンテ》の敏腕プロデューサー、クラウディア・カルビーニョの発言を紹介しましたが、今回も彼女のインタビュー記事(2019年9月@トゥルーズ映画祭)を要約して紹介します。

 

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革命後のキューバはラテンアメリカや世界の映画を語る際に欠かせない国だったが、1990年代の"非常時(経済危機)"以降、その存在は縮小してしまった。

この状況を打破しているのが、クラウディア・カルビーニョが開拓した自主製作映画の新回路。

国家が映画に関わる全回路を独占しているキューバで、国家に頼らず、世界を相手に資金調達をしている。

アレハンドロ・ブルゲス監督の「ゾンビ革命」(2011)や、カルロス・レチューガ監督の作品はこうして撮られた。もっとも、レチューガの作品は検閲に引っかかったが。

          

彼女の活躍は、キューバ国内に留まらない。すでに、スペインのイシアル・ボジャイン監督の『Yuri』を始め、フィクション、ドキュメンタリー双方で経験を積んできた。

それでも「毎回、毎回が戦いで、キューバの実情を話すと外国の友人たちに笑われる」

 

★ ICAIC独占とその問題点

「大半のラテンアメリカ諸国には、映画法や、公的もしくは私的資金援助のメカニズムがあるが、キューバには全くない」

 

創設から60年を経たICAIC(キューバ映画芸術産業庁)は、創設時の映画法のもと、大プロデューサーとして君臨している。公式路線から外れる作品に資金を出すことはないし、撮影許可の権限も有する。ちなみに彼女のプロダクション(注:キューバに私企業は存在しないとして、彼女は会社という言葉は使わない)は、これまで(資金の)要請をしたこともなければ、援助を受けたこともない。

 

「ラテンアメリカの歴史において、かつてキューバは前衛的で重要な役割を果たした。ある意味、光だった。だが、今は取り残された存在だ。公的資金にも、私的資金にもアクセスする術がない。なぜなら社会主義の国に私企業はないからだ。資金の調達は外国、つまり合作に頼るしかない」

 

★ 検閲と〈パケーテ・セマナル=週刊オーディオ・ビジュアル・パッケージ〉

「キューバ国民は映画好き。ハバナ映画祭のときには、行列が5区画に渡ることさえある。自国だけでなく、ヨーロッパ、ラテンアメリカの映画も見る。入場料は非常に安くて2ペソ。ユーロに換算すると10セント。演劇やコンサートに行くより安い。自国の映画にアクセスし易いのは、良いことだから支持する。が、国民の収入が製作や配給を後押しするメカニズムが全くない」

 

「ICAICのメカニズムは民主的ではない。なぜなら、内容にハードルを設けたり、コントロールするからだ。検閲により見られない映画もある。それは、政府関係者の偏見のせいだ。その上、キューバの映画館はすべて政府が所有しており、他で映画を観る術がない。唯一の代替回路となるのが海賊版で、USBに内外の映画をコピーし、毎週配達する〈パケーテ〉というサービスがある。映画への助成はないが、検閲はある」

 

レチューガ監督の『サンタとアンドレス』は検閲により上映されなかったが、国民は〈パケーテ〉で見ることができた。製作者の立場からすると「観客が泣いたり笑ったりする場に立ち合えないことは、非常に悲しい」

 

★ 束の間の活気(雪解け)

2015年から16年、キューバと米国が国交回復すると、米国のプロダクションが企画を携えて馳せつけた。

「多くのキューバ映画人が米国のプロダクションに協力し、国内の映画産業は息を吹き返した。それまで仕事がなかったし、たとえあっても小規模だったから。我々は国際的なプロダクションにサービスを提供した。だが、トランプ大統領に替わって、せっかく開いた花がしぼんでしまった」

 

参考:『ワイルド・スピード』ハバナロケの様子

 

Marysolよりひと言

前回の発言同様、プロデューサーの彼女にとって主要な問題は〈資金調達〉もしくは〈助成金〉。

もちろん、「ICAICのメカニズムが民主的ではない」などの批判もしていますが。

一方、ネットでは、別の論点からのICAIC批判も(論者の数だけ)あり、今後も紹介していきたいと思っています。

尚、〈映画法改正の必要性〉については、このダラナス監督の意見が参考になると思います。

今日、国分寺にある居酒屋さん、キノキュッヘのマスターから

〈波多野哲郎監督の訃報〉を伝えるメールが届きました。

昨日(10月2日)朝、亡くなられたそうです。

謹んでお悔やみ申し上げます。


  


氏の本職は映画監督ではありませんが、キューバファンにはドキュメンタリー映画『サルサとチャンプルー』の監督として有名。私ももちろん見ました。パノプティコンという監獄や、移民一世の島津三一郎さんのことを知ったのも、このドキュメンタリーのおかげだったと思います。

その数年後、キノ・キュッヘさん(毎月映画イベントをお店で開催)に呼んでいただき、確か《キューバにおける『座頭市』の人気》の話(だったかな?)をしたとき、波多野先生がお見えになり、面識を得るという光栄に預かりました。私も先生のイベント、確か『国民の創生』の上映とトークに伺いましたが、それが最後でした。
そういえば、4年前の「ラテンビート映画祭」では『サルサとチャンプルー』がオープニング上映され、監督もトークをして下さったはず。
束の間でしたが、“キューバ愛”が結んでくれた忘れがたいご縁でした。
感謝の気持ちと共に、あらためてご冥福をお祈りいたします。

※尚、FBの友人、キューバの映画研究家がウェブ上に編纂しているENDAC(映画大百科事典)で、キューバで撮影された日本の作品をリストアップしているので、以下の情報をスペイン語で投稿しました。

サルサとチャンプルー(ドキュメンタリー)
制作・監督 波多野哲郎/2007年/100分/Digital BETACAM

波多野哲郎氏は、キューバの日系人を取材したドキュメンタリーを監督した。
2000年に撮影開始、完成までに7年かかった。なぜなら波多野氏の職業は、映画監督ではなく、大学で映画を教える教授だからだ。
だが「長い歳月をかけて撮影したおかげで4世代に渡って取材できた」と氏は言う。
また、氏によれば、キューバの日系人に関する研究はあまりなされてこず、第二次大戦中に日本人成人男子全員がパノプティコン式の監獄に強制収容された事実を知って驚いた、と記している。
とはいえ、波多野監督の意図は、日系人がいかにキューバの人と土地に馴染み、混ざり合っていったかを描くことにあった。そのためにキューバと沖縄を選んだ。スペインとアフリカとアメリカの文化が混ざるキューバに対し、沖縄には琉球、中国、日本、そしてアメリカの文化も混じっているからだ。
本作は、起源から隔てられた人々、離散を強いられた人々への賛歌である。

 

備忘録を兼ねて/★劇場公開 オンライン上映

★ 『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』
  10/2より全国順次公開!
  ウルグアイ元大統領ホセ・ムヒカと日本の知られざる秘話を描くドキュメンタリー  

  公式サイト:https://jose-mujica.com/

 


★ 『エマ』 

  パブロ・ラライン監督(チリ)最新作!
  10.2㈮シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、ヒューマントラスト有楽町、

  kino cinéma、立川髙島屋S.C.館ほか全国公開

  公式サイト:http://synca.jp/ema/

 


 ベネズエラ映画祭オンライン/ Venezuelan Film Festival Japan
  10月8日~16日

  視聴方法(料金)や作品情報についての詳細は下記のサイトでチェック!
  公式サイト:https://venfilmfestjapan.com/ 

 

★ 『おもかげ』(スペイン・フランス合作)

  10月23日~
  スペインの新鋭ロドリゴ・ソロゴイェン監督が、2017年に製作しアカデミー賞短編実写映画賞にノミネートされた短編「Madre」をオープニングシーンとして使用し、息子を失った女性の“その先”の物語を描き出す。

  第76回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門に出品され、エレナ役のマルタ・ニエトが主演女優賞を受賞。
 公式サイト:http://omokage-movie.jp/

 

 

 

 第17回ラテンビート映画祭
  11月19日〜12月19日(変更の可能性あり)
  クラウド・ファンディングへの協力もぜひ!
  公式サイト:  http://www.lbff.jp/

 

 
★ 『エイブのキッチンストーリー』
   ブラジル人監督フェルナンド・グロスタイン・アンドラーヂの新作映画 (舞台はアメリカですが)
   11月20日より日本公開!
    公式サイト:https://abe-movie.jp/


★ 『サウラ家の人々』
  スペインの巨匠、カルロス・サウラの創作の秘密と人生に迫る 
  11月21日公開
      公式サイト:http://www.pan-dora.co.jp/sauras/

 

 

※尚、本作の公開に合わせて『カラスの飼育』『ブニュエル~ソロモン王の秘宝~』『フラメンコ・フラメンコ』『J:ビヨンド・フラメンコ』のサウラ監督4作を上映する特集上映も新宿K’s cinemaで開催されるそうです。

 最後になってしまいましたが、今、東京・新宿のK's cinema では『セノーテ』を上映中
  メキシコ、ユカタン半島洞窟内にある泉セノーテの神秘を追ったドキュメンタリー
  公式サイト:http://aragane-film.info/cenote/

 

 

キューバ映画の新しい潮流《シネ・インデペンディエンテ》(インディペンデント映画)を牽引する、若き敏腕プロデューサー、クラウディア・カルビーニョ


☆経歴
1983年、ハバナ生まれ
高等芸術院(ISA)でプロデュースを専攻
多くの優れた短編やドキュメンタリー作品に関わるほか、メキシコとスペインのテレビ番組製作に参加
2006年、インディペンデント映画のための製作集団「プロダクション・キンタ・アベニーダ」(2004年にインティ・エレーラとアレハンドロ・ブルゲスにより設立)に参加
2013年、「バラエティ」誌で“ラテンアメリカの期待される才能”の一人に選出される

同年、ファティ・アキン監督の『消えた声が、その名を呼ぶ』のキューバ側のプロデューサ―に抜擢される
2020年、カルロス・レチューガ監督と「カチータ・フィルムズ」を設立


☆主なプロデュース作品
フィクション:
『ゾンビ革命』(2011年)、『MELAZA』(2013年)、『サンタとアンドレス』(2016年)、『Yuli』(2018年)
『El extraordinario viaje de Celeste García』(2018年)

ドキュメンタリー:
『Habana Muda』、『Hotel Nueva Isla』、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス』(2017年)(ライン・プロデューサー)、『A media voz』(2019年)

キューバの《シネ・インデペンディエンテ》について語るカルビーニョ
 
 

☆要旨
キューバの場合、インディペンデント映画とは国家的機関であるICAIC(キューバ映画芸術産業庁)とICRT(キューバラジオ・テレビ局)以外で製作された映画を指す。
また、商業映画や娯楽映画と異なり、複雑で、分かり易くはないが、非常に誠実な映画、作家性のある映画、芸術映画、ゲリラ的映画、コミットする映画、政治的映画、社会的映画と言える。

インディペンデント映画の製作には、あらゆる文化、芸術がそうであるように、助成が必要だ。その意味で、創設されたばかりの「キューバ映画振興基金」は、我々にとって新たな希望を意味する。革新への期待、新世代の声の期待、新しいテーマや美意識への期待が込められているからだ。

そして、この基金は映画人や関係者、関係機関が粘り強く働きかけてきた成果でもある。

拙ブログ参考記事:https://ameblo.jp/rincon-del-cine-cubano/entry-12488305710.html

 

 

女性であるがゆえに見下されたこともあったが、プロデュースという仕事は女性に向いているし、満足している。だが、キューバでもマチズモをテーマに議論したり、映画でも取り上げるべきだと思う。