『荒野に希望の灯をともす』:聴診器と鶴橋(ツルハシ) | MARYSOL のキューバ映画修行

MARYSOL のキューバ映画修行

【キューバ映画】というジグソーパズルを完成させるための1ピースになれれば…そんな思いで綴ります。
★「アキラの恋人」上映希望の方、メッセージください。

「戦争を始める理由は正義だ」という言葉があります。
多くのキューバファンにとって、正義の闘いために銃をとったチェ・ゲバラは英雄です。
が、《武力闘争》に共感できない私は、他のモデルを探していました。
そして、見つけました! しかも日本に!

中村哲医師です。
  

   (写真は毎日新聞)


中村医師は、35年にわたりパキスタンとアフガニスタンの僻地の人々に医療を施し、アフガニスタンで干ばつが起きると、白衣を脱ぎ、自らツルハシをもって(専門外の)用水路建設に着手し、試行錯誤の末に、干からびた大地を《自然の恵みをもたらす大地》へと変え、子供たちを飢えや栄養失調から救い、祖国に戻る難民たちに希望を与え、何十万人もの命を支えました。

ご存じのように、2019年12月、用水路建設現場に向かう途中、凶弾に倒れ、亡くなられましたが、今 中村医師の活動をまとめたドキュメンタリー映画が東京をはじめ、日本各地で上映されています。
日本の人々にはもちろん、世界の人々に中村医師の活動と思想を知ってもらい、平和を守り、暮らしを支えあう営みについて考えてもらえれば、と切望します。

荒野に希望の灯をともす
公式サイト:劇場版『荒野に希望の灯をともす』 (ndn-news.co.jp)

 


Marysolよりもう一言
実は、私は同じタイトルのDVDを持っているので、映画館には行っていなかったのですが、この投稿を用意するなかで初めてDVDと劇場版とは〈内容が一部ちがう〉ことを知りました。

2020年12月にNHKで放映された中村医師のドキュメンタリー「良心を束ねて河となす」も素晴らしい内容で、本作と合わせて見てもらいたいと思ったのですが、谷津賢二監督は、同ドキュメンタリーの撮影で「ATP総務大臣賞」を受賞なさっていました。
劇場版も見てみたいです。

 

9月1日追記

…というわけで、映画館にも行ってきました。
私の持ってるDVDに「良心を束ねて河となす」がミックスされている感じがしましたが、さらにラストに新たなシーン《中村医師亡き後の現地の様子》が付け加えられていました。
上映後、客席から拍手が起こり、満席の場内に広がる感動が確認できました。

中村医師の言葉:
「暴に対して暴を以て報いるのは、我々のやり方ではない。」

この言葉の背景がわかる記事

「65万人の命を救った日本人医師」

 

追記(2022年10月13日)

アフガンに「ナカムラ」広場 式典にタリバンも出席
2022/10/13

引用元:https://nordot.app/952929480636530688


【カブール共同】アフガニスタンやパキスタンで農業や医療支援に携わり、アフガン東部ジャララバードで2019年12月に殺害された中村哲医師=当時(73)=の功績をたたえるため、事件現場の近くに「ナカムラ」と名付けられた広場が完成、式典が11日に行われた。イスラム主義組織タリバン暫定政権の関係者や市民が参加し、中村さんの死を悼んだ。地元メディアが12日報じた。
 事業費は約860万円で、ほほ笑む中村さんの写真と名前を記した碑を設置。崩壊した旧民主政権時に計画され、昨年8月のタリバンによる実権掌握で一時停止したが、タリバン暫定政権が中村さんの活動を評価し再開した。

 

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