高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。


私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。

 

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60.あのとき親と話しておけば…という後悔のケア方法

 

こんにちは。
高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。

 

日々ご相談を受ける中で、多くの方が涙ながらに口にされる言葉があります。

 

「もっと早く母と話しておけばよかった。」
「父と本音を語り合う時間を持たないまま、会えなくなってしまいました。」
「施設に入る前に、いろいろ確認しておけばよかったと悔やんでいます。」

 

親が高齢になると、体調や判断力が急に変化することがあります。
そのとき初めて、「あのとき話しておけばよかった」という後悔が一気に押し寄せてくるのです。

 

今日は、そんな「親と話せなかった後悔」にどう向き合い、少しずつ心を癒していくかについてお伝えします。

 


親と話せないまま迎える日々が残す「心の痛み」

 

親子の会話は、ただのやり取りではありません。
それは、お互いの存在を確かめ合い、つながりを深める大切な時間です。

 

だからこそ――

  • 親に伝えたい想いがあった
  • 相談したいことがあった
  • 感謝を言葉にしたかった

そのどれもが叶わないまま、親との関係が閉ざされてしまうと、心には深い痛みが残ります。

特に次のような場面で後悔は強まります。

  1. 親が突然入院したとき
    もう会話できない状態になり、伝えたいことが言えなくなる。
  2. 施設や病院で面会制限が続いたとき
    会えない時間が積み重なり、「伝える機会」を失ってしまう。
  3. 親が認知症で意思疎通が難しくなったとき
    もう昔のように話せない現実を突きつけられる。

「もっと前に言っておけばよかった」
そんな後悔が、心を締めつけます。

 

 


後悔は「愛情の証」

 

まずお伝えしたいことがあります。
それは、後悔するのは、親を大切に思っていたからこそだということです。

 

もし親との関係に全く関心がなかったなら、後悔は生まれません。
後悔が強いほど、それは親を想う気持ちが深かった証でもあるのです。

 

「あのとき話しておけば…」
この想いは、あなたが親との絆を大切にしていた証拠です。

 

後悔を完全に消そうとせず、「これは私が親を愛していた証なんだ」と認めてあげることが、癒しの第一歩になります。

 


後悔を和らげるための3つのケア方法

 

ここからは、具体的に心をケアするためのステップをご紹介します。
少しずつ取り入れることで、後悔が静かに和らいでいきます。

 


1. 想いを「言葉」にして出す

 

心の中で繰り返すだけでは、後悔はますます大きくなります。
言葉にして外に出すことが大切です。

  • ノートに書く
  • 手紙を書く(渡せなくてもOK)
  • 声に出して話してみる

例えば、こんな風に書いてみましょう。

「お母さん、本当はあのとき、こう言いたかったんだよ。」
「お父さん、ありがとう。あなたのおかげで今の私がいます。」

 

これは誰に見せる必要もありません。
自分のために言葉を紡ぐことで、心の中にたまった想いが少しずつ整理されていきます。

 

 


2. 仏壇や写真に語りかける

 

もし仏壇や写真があれば、それに向かって話しかけてみましょう。

 

「今日はこんなことがあったよ。」
「あのとき言えなかったけど、ありがとう。」

 

これは心理学でいう「継続する絆(continuing bonds)」という行為です。
亡くなった後も、親との関係は形を変えて続いていきます。
語りかけることで、心の中にあるつながりを感じやすくなります。

 


3. 第三者と想いを共有する

 

後悔は、一人で抱え込むとどんどん重くなります。
信頼できる友人やカウンセラー、専門家に話すだけでも、心が少し軽くなります。

 

「親に会えなかった後悔なんて、誰もわかってくれない。」

そう思うかもしれませんが、実は同じ経験をした人は多くいます。
 

自分の気持ちを言葉にすることで、「私だけじゃないんだ」という安心感が生まれます。

 

 


後悔を「感謝」に変えていく

 

後悔は時間を戻すことができないからこそ苦しいものです。
でも、その後悔の中には必ず感謝の気持ちが隠れています。

  • 「あのとき伝えられなかった感謝」
  • 「もっと一緒に過ごしたかったという想い」
  • 「親と過ごした時間への愛情」

後悔の言葉を少しずつ感謝の言葉に変えてみましょう。

「話しておけばよかった」から
「話したかったほど、大切に思っていたんだ」へ。

この視点の変化が、心を静かに癒してくれます。

 


Aさんのケース:言えなかった「ありがとう」

 

50代女性のAさんは、母親が突然入院し、そのまま会話ができないまま旅立ってしまいました。

 

「母に一度でいいから“ありがとう”と言いたかったんです。でも、その機会を失ってしまいました。」

Aさんは深い後悔に苦しみ、毎日涙が止まらなかったそうです。

 

そこで、カウンセリングの中でAさんは「母への手紙」を書くことにしました。

便箋に、母に伝えたかった想いを一つずつ丁寧に書き出していきます。

書き終えた後、Aさんは涙を流しながらこう語りました。

 

「言えなかった“ありがとう”を、今やっと伝えられた気がします。」

その日から少しずつ、Aさんの表情は穏やかになっていきました。

 


これから親と向き合うために

 

もし、まだ親がご健在であれば、今日からでも小さな会話を重ねていきましょう。
「いきなり本音を語る」必要はありません。
日常のちょっとした会話からで構いません。

  • 「今日は寒いね。」
  • 「最近はどうしてる?」
  • 「ありがとう。」

これらの言葉が、後悔を減らすための第一歩になります。

 

 


まとめ:後悔は愛情の裏返し

 

「あのとき親と話しておけば…」という後悔は、とても深く、簡単には消えません。
しかし、その後悔は、親を大切に思う気持ちがあったからこそ生まれたものです。

 

今日お伝えした大切なポイントを振り返ります。

  1. 後悔は、愛情が深かった証拠
  2. 言葉にして外に出すことで心が整理される
  3. 仏壇や写真への語りかけで、親との絆を感じる
  4. 第三者に話すことで孤独感が和らぐ
  5. 後悔を少しずつ感謝の言葉に変えていく
     

最後に

 

親との会話は、人生にとってかけがえのない宝物です。
 

それが叶わなかった後悔は、簡単には消えません。

けれど、その後悔を抱えて生きることは、同時に親への深い愛情を抱き続けることでもあります。

 

どうか、自分を責めずに、その想いを少しずつ外に出していってください。
 

そして、これからの日々を「感謝」とともに生きていけるよう、優しく一歩ずつ進んでいきましょう。

 

「あのとき話せなかったけれど、今、心で伝えているよ。」

その想いは、きっと親の心にも届いています。

 

 

 

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59.“親の老い”にきょうだいが向き合えなかったことへの怒り

 

こんにちは。
高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。

 

私のもとには、日々さまざまなご相談が寄せられます。
その中で、とてもよく耳にするのがこの言葉です。

 

「どうして私ばかりが親の現実を背負わなければならないのか。」
 

「兄弟姉妹はみんな見て見ぬふりをしてきたのに、いざ問題が起きたら文句ばかり言います。」
 

「親が弱っていくのが怖くて向き合えなかった気持ちはわかる。でも、あまりにも無責任すぎる。」

 

親の老いは、ゆっくりと、しかし確実に進んでいきます。
それを正面から受け止めることは、誰にとっても容易ではありません。

 

しかし、その現実から目を背け続けた結果、親ときょうだいの関係が壊れてしまうことがあります。

 

今日は、「きょうだいが親の老いに向き合わなかった」という現実が生む怒りと悲しみ、そしてその気持ちを少しでも整理するためのヒントについて考えてみます。

 

 


親の老いに直面したときの心の揺れ

 

親が高齢になると、これまで当たり前だったことが少しずつ変わっていきます。

  • 物忘れが増えてきた
  • 体力が落ち、外出を控えるようになった
  • 病気や怪我が増えた
  • 経済的な管理が難しくなってきた

これらは、親が「老い」という人生の新しい段階に入ったサインです。

 

しかし、いざそれを目の当たりにすると、多くのきょうだいが戸惑いを覚えます。
 

中には、現実を認めたくない気持ちが強く、「親はまだ大丈夫」と自分に言い聞かせてしまうことも少なくありません。

 

これは自然な心理反応であり、誰にでも起こりうるものです。
けれど、現実を直視しないまま時間が経つと、問題はさらに大きくなってしまいます。

 


「見て見ぬふり」をした結果、誰か一人に負担が集中する

 

ご相談を受けていると、多くの場合、きょうだいの中で「一番親に近い人」が急激に負担を背負わされるケースが目立ちます。

  • 同居している長女が、介護を一手に引き受ける
  • 実家の近くに住む息子が、通院や買い物の手配を担う
  • 一人だけが親の意思決定を迫られる立場になる

このように、誰か一人に責任が集中すると、次第にその人の心は疲弊していきます。

 

そして、ふと周囲を見渡したときにこう思うのです。

 

「なぜ、私ばかりがこんなに大変な思いをしなければならないのか。」

「親の老いはみんなの問題なのに、どうして私一人が現実を背負っているのか。」

 

この思いは、やがて怒りへと変わります。

 

 


怒りの裏側にある本当の気持ち

 

怒りは、とても強いエネルギーを持つ感情です。
しかし心理学的に見ると、怒りの奥には必ず別の感情が隠れています。

それは多くの場合、悲しみや孤独感です。

  • 「本当は一緒に支えてほしかった」
  • 「私だって親を一人で背負いたくなかった」
  • 「家族として協力できると信じていたのに」

これらの気持ちが裏切られたとき、人は深く傷つきます。
そして、その傷つきが怒りとなって表に出てくるのです。

 

つまり、きょうだいに対する怒りの本質は、「一緒に向き合ってほしかった」という願いが叶わなかった悲しみなのです。

 


きょうだいが現実から逃げる理由

 

もちろん、きょうだいの側にも言い分があります。
多くの場合、きょうだいは意図的に無責任であろうとしているわけではありません。

 

親の老いに向き合えない背景には、次のような理由があります。

  1. 恐怖心
    親が弱っていく現実を見るのが怖くて、直視できない。
  2. 罪悪感
    「自分は何もできていない」という思いが強すぎて、かえって距離を取ってしまう。
  3. 忙しさや生活上の事情
    仕事や育児に追われ、関わる余裕がない。
  4. 家族関係のわだかまり
    過去の親子関係やきょうだい間の確執から、関わること自体を避けてしまう。

こうした要素が複雑に絡み合い、「見て見ぬふり」という行動につながるのです。

 


怒りを少しずつ整理するために

 

「なぜ私ばかりが……」という怒りは、簡単に消えるものではありません。
 

しかし、次のようなステップを意識することで、少しずつ心が整理されていきます。

 

1. 自分の感情を「言葉」にする

怒りを心にため込むと、ますます苦しくなります。
まずはノートに書き出してみましょう。

  • 何に怒っているのか
  • どんな言葉をかけてほしかったのか
  • 本当はどうしてほしかったのか

書き出すことで、自分の本当の気持ちが少しずつ見えてきます。

 

2. 第三者を交える

きょうだい同士だけで話すと、感情的なぶつかり合いになりやすいものです。
ケアマネジャーや地域包括支援センター、専門家など、中立的な立場の人に入ってもらうことで、話し合いがスムーズになります。

 

3. 役割分担を「見える化」する

誰がどの負担を担うのかを具体的に紙に書き出すと、不公平感が減ります。
「漠然と頼られている」という状況が変わるだけで、心の重荷が少し軽くなります。

 

 


Aさんのケース:一人で背負った介護

 

50代女性のAさんは、母親が認知症と診断された頃から介護を一手に担ってきました。
 

遠方に住むきょうだいは、最初こそ「何かあったら言ってね」と言ってくれたものの、実際にはほとんど関わってくれませんでした。

 

「母が徘徊して夜中に探し回ったときも、兄は“そっちで何とかして”の一言でした。」

 

Aさんは疲労と孤独で限界を迎え、ある日こう叫んでしまったそうです。

「どうして私だけがこんなに大変な思いをしてるの!?みんなで母を支えるって言ったじゃない!」

 

その後、ケアマネジャーを交えた話し合いで、兄妹それぞれの事情を共有しました。
兄も妹も、母の老いに向き合うことが怖くて、現実から逃げていたことがわかりました。

 

「兄妹が完全に分かり合えたわけではありません。でも、あの日、初めてお互いの気持ちを知ることができました。」

Aさんは涙を流しながらそう語ってくれました。

 


「怒り」を自分の味方に変える

 

怒りは、決して悪い感情ではありません。
それは「本当はこうしてほしかった」という大切なサインなのです。

  • 親を一緒に支えたかった
  • 負担を分かち合いたかった
  • 家族として向き合いたかった

この願いを無視せず、言葉にして伝えることが、前進への第一歩です。

 

 


まとめ:怒りの根底にある「親への愛情」

 

きょうだいが親の老いに向き合わなかったことへの怒り――。
その根底には、親を大切に思う気持ちがあります。

 

今日お伝えしたポイントを振り返ります。

  1. 親の老いは誰にとっても直視するのがつらい現実
  2. 目を背けた結果、誰か一人に負担が集中する
  3. 怒りの裏側には「一緒に向き合ってほしかった」という願いがある
  4. 第三者を交えた話し合いで感情を整理し、役割分担を明確にする
  5. 怒りは「愛情の裏返し」であり、未来への行動のエネルギーにもなる
     

最後に

 

怒りは、親を想う気持ちが強いからこそ生まれる感情です。
その怒りを無理に消そうとせず、少しずつ言葉にして外に出していきましょう。

 

「私は一人で背負いたかったわけじゃない。」

その本音を伝えることで、少しずつ家族の対話が始まります。
 

怒りが悲しみを癒し、やがて親を想う優しい力に変わっていくことを願っています。

 

 

 

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58.亡き父の仏壇に、まだ話しかけていますか?

 

こんにちは。
高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。

 

相談を受けていると、ときどきこんな言葉に出会います。

 

「父が亡くなってから、毎日仏壇に手を合わせて話しかけています。」
「もう三回忌が過ぎたのに、まだ“おはよう”とか“いってきます”と声をかけてしまいます。」
「こんなことを続けていていいのだろうか……と、自分でも迷うんです。」

 

このようなご相談を受けるたびに、私はこうお答えしています。

「話しかけることは、決しておかしなことではありません。それは心が自然に求めている、大切な行為なんですよ。」

 

今日は、亡き父の仏壇に話しかけることについて、その意味や心への影響を考えてみたいと思います。

 

 


亡き人と「対話」することの意味

 

大切な人を亡くしたあとも、心の中ではその人とのつながりは続いています。
心理学ではこれを「継続する絆(continuing bonds)」と呼びます。

 

「亡くなったからといって、愛情や関係性が消えるわけではない。」

 

仏壇に話しかけるという行為は、この「継続する絆」を保つための自然な行動なのです。

  • 「おはよう」と声をかける
  • 今日あった出来事を報告する
  • 悩みを打ち明ける
  • 感謝を伝える

これらはすべて、心が大切な人を失った喪失感を少しずつ癒していくための大切なプロセスです。

 


亡き父への想いが強くなるとき

 

父という存在は、多くの人にとって特別です。

厳しくも頼もしく、人生の節目で支えてくれた存在――その人がいなくなった現実を受け止めるのは簡単ではありません。

 

特に次のような時期には、亡き父への想いが一層強くなります。

  1. 初盆や命日など節目の日
    その日が近づくたびに、父との思い出が鮮明によみがえります。
  2. 自分の生活の変化があったとき
    子どもの進学や結婚、仕事の転機など「父にも伝えたかった」という気持ちがあふれます。
  3. 親族との対立が起きているとき
    相続や介護をめぐるトラブルがあると、「父がいてくれたら……」という思いが強まります。

これらの出来事は、父の不在を改めて実感させるため、仏壇に語りかける行為が一層増えることもあります。

 

 


「まだ話しかけている自分」を責めないで

 

多くの方がこう言います。

「もう一年も経つのに、まだ父に話しかけている私はおかしいでしょうか?」
「親戚から“そろそろ気持ちを切り替えなさい”と言われました。」

しかし、どうか自分を責めないでください。

 

大切な人を失った悲しみは、時間で一律に癒えるものではありません。
一年経ったから、三年経ったからといって、突然「もう大丈夫」になるわけではないのです。

 

むしろ、仏壇に話しかけることは心を落ち着かせる自然な行為です。
それは、父との関係を大切に思う気持ちの現れであり、決して弱さではありません。

 


亡き父に語りかけることで得られるもの

 

仏壇に向かって語りかけるとき、私たちは単に過去を懐かしんでいるわけではありません。
そこには、次のような大切な効果があります。

 

1. 感情を整理できる

言葉にして話すことで、心の中に渦巻く感情が少しずつ整理されます。
これは心理療法でも使われる「カタルシス(心の浄化作用)」に似ています。

 

2. 安心感を得られる

「父は見守ってくれている」という感覚が、日常を生きる支えになります。
これにより、孤独感や不安が和らぎます。

 

3. 自分を保てる

悩みや決断を父に語ることで、「自分は一人ではない」という実感が持てます。
これは心の安定にとても大きな意味があります。

 

 


話しかけるときのちょっとした工夫

 

もし仏壇に話しかけるときに心が少し重たくなるときは、次の工夫を試してみてください。

 

1. 「ありがとう」を最初に伝える

日々の報告をする前に、「今日も一日ありがとう」と一言添えるだけで、心が少し柔らかくなります。

 

2. 一日一つだけ

話したいことがたくさんあっても、一度に全部伝えようとせず「今日はこれだけ」と決めると気持ちが整理されます。

 

3. 父が喜ぶものを一緒に置く

父が好きだった花やお菓子を仏壇に供えることは、父との絆をより深く感じさせてくれます。

 


Aさんのエピソード:父との会話を続ける日々

 

50代女性のAさんは、父を突然亡くしました。
それ以来、毎朝仏壇に向かって話しかけているといいます。

「おはよう、お父さん。今日は天気がいいよ。」
「昨日は孫が学校で頑張ったんだよ。」

 

最初は涙が止まらず、言葉にならなかったそうです。
しかし続けるうちに、心が少しずつ落ち着いていったと話してくれました。

 

「父と会話しているような感覚があるんです。
本当に返事が聞こえるわけではないけれど、私の気持ちはちゃんと届いている気がして。」

 

Aさんにとって、その時間は父とのつながりを確かめる大切な儀式になっているのです。

 


語りかけることが「前に進む力」になる

 

「いつまでも父にすがっていてはいけない」という声を耳にすることもあります。
 

しかし、私はこう考えます。

父に語りかけることは、すがることではなく「前に進むための力」になる。

 

人は、大切な存在を完全に手放すことはできません。
だからこそ、「今もつながっている」という感覚を持ちながら、少しずつ現実を生きていくのです。

 

これは決して後ろ向きなことではありません。
むしろ、前を向くために必要なプロセスなのです。

 

 

まとめ:亡き父は、今も心の中にいる

 

亡き父に仏壇を通して語りかけることは、決して不自然なことではありません。
それは、父を想う愛情の表れであり、あなたの心を支える大切な営みです。

 

今日お伝えしたポイントを振り返ります。

  1. 仏壇に話しかけることは「継続する絆」を保つ自然な行為
  2. 「まだ話している自分」を責める必要はない
  3. 語りかけることで感情が整理され、安心感を得られる
  4. 小さな工夫で心がさらに軽くなる
  5. それは過去にすがるのではなく、前に進むための力になる
     

最後に

 

父がこの世を去ってしまっても、あなたと父の関係は消えません。
それは、形を変えて心の中に生き続けます。

 

「お父さん、今日もありがとう。」

その一言が、あなたの一日を支え、これからの日々を穏やかにしてくれます。

 

どうか、安心して語りかけ続けてください。
その言葉はきっと、亡き父の心にも届いています。

 

 

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57.会えない苦しみは“愛している証拠”

 

こんにちは。
高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。

私のもとには、日々たくさんの方からご相談が寄せられます。
 

その中で最も多い悩みのひとつが、「親に会いたいのに会えない」という苦しみです。

 

「母が施設に入ったと聞きましたが、兄が“会わせない”と言います。」
「父と最後に会ったのは半年以上前です。今、どんな様子なのかもわかりません。」
「電話をしても“もう関わらないでほしい”と切られてしまいました。」

こうした言葉を聞くたびに、胸が締めつけられる思いがします。

 

そして、多くの方がこう続けます。

「こんなに苦しいのは、私が弱いからでしょうか……?」

いいえ。決してそうではありません。
今日は、この「会えない苦しみ」が何を意味しているのかを一緒に考えてみたいと思います。

 

 


会えない苦しみは、自然で健全な感情

 

親に会いたいと思うことは、人としてごく自然な感情です。
それは親子という関係が持つ、深い情緒的なつながりから生まれます。

  • 幼い頃、手をつないで歩いた思い出
  • 病気のときに看病してくれたぬくもり
  • 誕生日に笑顔で祝ってくれた日の記憶

こうした時間が、親と自分を強く結びつけています。

 

だからこそ、会えない現実は「大切なものを失った」ような感覚を生みます。
これは心理学でいう「愛着の喪失反応」です。

 

大切だからこそ、離れたときに強く苦しむ。
それは心が健全に働いている証でもあります。

つまり、あなたが今感じている苦しみは、決して「弱さ」ではなく、「愛している証拠」なのです。

 


苦しみの裏にある「愛情の強さ」

 

ご相談者の中には、涙ながらにこう語る方もいます。

「もう何日も眠れません。母が今どんな状態なのか考えると、不安で胸が苦しくて……。」

これは、それだけ親を深く想っているということでもあります。
 

会いたいという願いは、愛情が強いほど大きくなるものです。

逆に、もし親にまったく関心がなければ、会えなくても心はそれほど揺れません。
 

苦しみが強いということは、それだけ親を大切に思っている証拠なのです。

苦しみの強さ = 愛情の深さ

この視点を持つだけで、自分を責める気持ちが少し軽くなることがあります。

 

 


「会えない」という現実が突きつけるもの

 

親に会えない状況は、想像以上に心を揺さぶります。
そこには、いくつかの複雑な要素が絡んでいます。

 

1. 安否がわからない不安

施設や病院で過ごしている親の様子がわからない。
電話もつながらない――この「わからなさ」が不安を増幅させます。

 

2. 拒絶されているような感覚

きょうだいなど第三者から「会わせない」と言われると、
「親に拒絶されているのではないか」という思いが生まれます。

 

3. 時間が戻らない切なさ

親が高齢であればあるほど、
「もう一度会える日は来るのか」という焦りや恐怖が強くなります。

この3つが重なり合うことで、苦しみは深まり、心は限界に近づいてしまいます。

 


自分を責めないで

 

会えない苦しみが長く続くと、多くの方が自分を責めてしまいます。

「私がもっと優しくできていれば……。」
「あのとき母にあんな言い方をしなければ。」
「きょうだいとの関係を壊した私が悪いんだ。」

 

しかし、どうか覚えておいてください。

あなたが悪いわけではありません。

 

家族の対立や「囲い込み」の問題は、あなた一人が原因で起きるものではありません。
そこには長年の家族関係や、制度の複雑さ、多くの事情が絡んでいます。

親に会いたいという気持ちは、むしろ自然で健全な愛情なのです。

 

 


会えない時間を「つながりの時間」に変える

 

会えない現実を変えるのは簡単ではありません。
でも、会えない時間をまるごと苦しみで埋め尽くしてしまうと、心が持たなくなります。

 

そこでおすすめしたいのは、「つながりを感じる行動」を少しずつ取り入れることです。

 

1. 手紙を書く

たとえ直接渡せなくても、想いを言葉にして書くことで、心が少し整理されます。

「お母さん、元気ですか。今日はお母さんの好きだった花を飾りました。」

こうした短い文章で十分です。

 

2. 親との写真を見返す

写真は、過去の幸せな記憶を呼び覚ます力があります。
涙が出ても構いません。
それは、親子の絆が今も生きている証です。

 

3. 誰かに話す

信頼できる友人や専門家に気持ちを話すだけで、孤独感が和らぎます。
「わかってもらえた」という感覚は、心を支える力になります。

 


「会えない苦しみ」を味方にする

 

苦しみは、時に私たちを押しつぶしそうになります。
しかし、その苦しみは「親を愛している」からこそ生まれたものです。

 

会いたいのに会えない
だからこそ、心は親を強く求める

 

この気持ちがある限り、親子の絆は切れていません。
むしろ、物理的に会えない今こそ、絆が試されているのかもしれません。

 

 


まとめ:苦しみは愛情の裏返し

 

「会えない苦しみ」は、あなたが親を深く愛している証です。
その苦しみを感じること自体が、親子の関係が生きている証拠でもあります。

 

今日お伝えした大切なポイントを振り返ります。

  1. 会えない苦しみは自然で健全な感情
  2. 苦しみが強いほど、愛情も深い
  3. 不安・拒絶感・時間の焦りが複雑に絡み合って心を揺さぶる
  4. 自分を責めず、できる小さな行動で「つながり」を保つ
  5. 苦しみは、親子の絆が今も続いている証拠
     

最後に

 

もし今、あなたが会えない苦しみに押しつぶされそうになっているなら、
その苦しみを恥じる必要はありません。
 

それは、あなたが親を深く愛しているからこそ生まれた感情なのです。

どうか、その愛情を否定せずに抱きしめてあげてください。

 

そして、会えない現実の中でもできる小さな行動を一つずつ積み重ねていきましょう。

その行動は、必ずあなた自身を支え、親への想いを守る力になります。

 

会えないことは悲しい。
でも、その悲しみの深さは、愛の深さそのもの。

そのことを胸に刻みながら、今日を生きていきましょう。

 

 

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高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。


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56.兄弟姉妹が敵になったようでつらいときに

 

こんにちは。
高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。

 

私が日々ご相談を受けている中で、最も多いテーマのひとつが「きょうだい間の対立」です。
 

親が高齢になり介護や財産管理が必要になったとき、本来なら協力し合うはずのきょうだいが、まるで敵同士のように対立してしまう――。

その現実は、想像以上につらく、深い孤独感を伴います。

 

「昔は何でも話せた兄だったのに、今は敵のように感じます。」
「妹と一緒に母を支えていきたかったのに、今は私を排除しようとしてきます。」
「親をめぐる話し合いが、こんな戦いになるなんて思いませんでした。」

このような声が、私のもとにはたくさん届きます。

 

今日は、きょうだいが敵のように感じるほど関係が悪化してしまったとき、どう心を保つかについて一緒に考えていきたいと思います。

 

 


なぜきょうだいと争ってしまうのか

 

きょうだいの間で対立が起きる背景には、いくつかの共通した原因があります。

1. 親をめぐる「価値観の違い」

  • 施設に入れるか、自宅介護を続けるか
  • 誰が費用を負担するか
  • 親の財産をどう管理するか

これらのテーマには「正解」がありません。
それぞれが「親のためを思っている」からこそ、互いの価値観がぶつかり、対立が深まります。

 

2. 過去から続くわだかまり

子どもの頃からの親の愛情の偏りや、きょうだい間の競争心が、親の介護や相続という場面で一気に噴き出すことがあります。

「昔から母は妹ばかり可愛がっていた」
「ずっと私が我慢してきた」

こうした感情が、話し合いを複雑にします。

 

3. 誰かが「主導権」を握ろうとする

一人のきょうだいが親の通院や財産管理を担うと、「自分が決める」「他は口を出すな」という構図が生まれやすくなります。
これが「囲い込み」の問題にもつながります。

 


信じていた相手が敵のように見える苦しみ

 

きょうだいは、人生で最も身近な他人です。
幼い頃は一緒に遊び、時にはケンカをしても、どこかで「家族だから大丈夫」という安心感がありました。

だからこそ、関係が壊れたときの衝撃は計り知れません。

 

「兄は味方だと思っていたのに、まるで私を追い出そうとしている。」
「妹から“お母さんに近づくな”と言われ、裏切られた気持ちになりました。」

 

このような出来事は、親との距離以上に、きょうだいとの関係をめぐる深い喪失感を生みます。

心理学では、こうした感情を「二重の喪失」と呼びます。
 

親とのつながりを失う悲しみと、きょうだいとの信頼関係を失う悲しみ。
この二つが同時に押し寄せるため、心が耐えきれなくなるのです。

 

 


「敵」ではなく「対立する立場」

 

ここで、少し視点を変えてみましょう。
きょうだいは本当に「敵」なのでしょうか?

 

実は、きょうだいの多くは最初から悪意を持っているわけではありません。
それぞれが「親を守りたい」「自分が正しいことをしている」という思いで行動しているのです。

 

つまり、「敵」ではなく「意見が激しく対立している立場」なのです。

 

もちろん、相手の言動が理不尽に感じることもあるでしょう。
ですが、相手を完全な悪者としてしまうと、ますます話し合いが難しくなります。

 


自分の感情を整える3つのステップ

 

きょうだいとの関係が壊れてしまったとき、まず大切なのは自分の心を保つことです。
ここでは、感情を整えるための3つのステップをご紹介します。

 

1. 感情を「事実」として認める

  • 怒り
  • 悲しみ
  • 裏切られた寂しさ

これらの感情は、すべて自然なものです。
「こんな気持ちを持つ自分はダメだ」と否定せず、
「私は今、こう感じているんだな」と受け止めてあげましょう。

感情を否定せずに認めることが、冷静さを取り戻す第一歩です。

 

2. 言葉にして書き出す

頭の中でぐるぐるしている思いを、紙に書き出してみましょう。
感情が整理され、客観的に自分を見ることができるようになります。

 

3. 第三者に相談する

家族だけで話し合うと、感情がぶつかり合って解決しにくくなります。
ケアマネジャー、地域包括支援センター、専門家など、
中立的な立場の人に入ってもらうことが効果的です。

 

 


Aさんのケース:妹との断絶

 

50代女性のAさんは、母親の介護をきっかけに妹との関係が崩れていきました。

「最初は一緒に母を支えようねって言ってたんです。でもいつの間にか、妹が母を囲い込むようになって……。」

 

Aさんが母に会おうとしても、妹はこう言います。

「お母さんは疲れるから、来ないで。」

 

Aさんは妹に何度も電話をかけ、手紙も送りましたが、返事はありません。
やがて妹のことを「母を奪った敵」としか見られなくなっていきました。

 

しかし、専門家を交えた話し合いの場で、妹が涙ながらにこう語ったそうです。

「私も母を守りたくて必死だった。でも、どうしたらいいか分からなくて……。」

 

この言葉を聞き、Aさんは少しだけ妹の立場を理解できたといいます。

「妹を完全に許せたわけじゃないけれど、“敵”ではなく“同じ母を想う立場”なんだと思えたんです。」

 


「距離を取る」という選択肢

 

もし今、きょうだいとの関係がどうしてもつらいなら、一時的に距離を取ることも大切です。
無理に話し合いを続けて心が壊れてしまっては、元も子もありません。

  • 直接の連絡は一旦控える
  • 書面や第三者を通じて必要最低限のやり取りをする
  • 自分の生活を優先する期間を持つ

これは「逃げること」ではなく、自分を守るための大切な手段です。

 

 


心が軽くなる視点

 

最後に、心が少し軽くなる考え方をお伝えします。

  1. 親をめぐる対立は、愛情の裏返しでもある
    互いに親を大切に思うからこそ衝突することもあります。
     
  2. きょうだいもまた「親の子ども」である
    あなたと同じように、きょうだいも親への想いと葛藤を抱えています。
     
  3. 完全な和解を目指さなくてもいい
    すぐに仲直りする必要はありません。
    少しずつ距離を調整していくことが大切です。
     

まとめ:敵ではなく、同じ親を想う人

 

きょうだいが敵のように感じるとき、その痛みは深く、孤独を伴います。
しかし、その裏には共通する想いがあるはずです。

「親に幸せでいてほしい。」

この一点は、たとえ意見が違っても変わらないものです。

 

今日お伝えしたことをまとめます。

  • きょうだいとの対立は、価値観や過去のわだかまりから生まれる
  • 相手を完全な「敵」と決めつけず、「対立する立場」として見る
  • 自分の感情を認め、整理する
  • 必要であれば第三者を介し、距離を取りながら関わる
     

最後に

 

きょうだいとの関係が壊れたとき、人は深い悲しみと孤独を感じます。
しかし、それはあなたが親を想っている証拠でもあります。

どうか自分を責めずに、まずは自分自身の心を守ってください。
 

そして、少しずつ冷静さを取り戻したときに、相手を見る目も変わることがあります。

きょうだいは敵ではなく、同じ親を愛する者同士。

その視点を心の片隅に持ちながら、今日を生きていきましょう。

 

 

 

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