高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。


私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。

 

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57.会えない苦しみは“愛している証拠”

 

こんにちは。
高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。

私のもとには、日々たくさんの方からご相談が寄せられます。
 

その中で最も多い悩みのひとつが、「親に会いたいのに会えない」という苦しみです。

 

「母が施設に入ったと聞きましたが、兄が“会わせない”と言います。」
「父と最後に会ったのは半年以上前です。今、どんな様子なのかもわかりません。」
「電話をしても“もう関わらないでほしい”と切られてしまいました。」

こうした言葉を聞くたびに、胸が締めつけられる思いがします。

 

そして、多くの方がこう続けます。

「こんなに苦しいのは、私が弱いからでしょうか……?」

いいえ。決してそうではありません。
今日は、この「会えない苦しみ」が何を意味しているのかを一緒に考えてみたいと思います。

 

 


会えない苦しみは、自然で健全な感情

 

親に会いたいと思うことは、人としてごく自然な感情です。
それは親子という関係が持つ、深い情緒的なつながりから生まれます。

  • 幼い頃、手をつないで歩いた思い出
  • 病気のときに看病してくれたぬくもり
  • 誕生日に笑顔で祝ってくれた日の記憶

こうした時間が、親と自分を強く結びつけています。

 

だからこそ、会えない現実は「大切なものを失った」ような感覚を生みます。
これは心理学でいう「愛着の喪失反応」です。

 

大切だからこそ、離れたときに強く苦しむ。
それは心が健全に働いている証でもあります。

つまり、あなたが今感じている苦しみは、決して「弱さ」ではなく、「愛している証拠」なのです。

 


苦しみの裏にある「愛情の強さ」

 

ご相談者の中には、涙ながらにこう語る方もいます。

「もう何日も眠れません。母が今どんな状態なのか考えると、不安で胸が苦しくて……。」

これは、それだけ親を深く想っているということでもあります。
 

会いたいという願いは、愛情が強いほど大きくなるものです。

逆に、もし親にまったく関心がなければ、会えなくても心はそれほど揺れません。
 

苦しみが強いということは、それだけ親を大切に思っている証拠なのです。

苦しみの強さ = 愛情の深さ

この視点を持つだけで、自分を責める気持ちが少し軽くなることがあります。

 

 


「会えない」という現実が突きつけるもの

 

親に会えない状況は、想像以上に心を揺さぶります。
そこには、いくつかの複雑な要素が絡んでいます。

 

1. 安否がわからない不安

施設や病院で過ごしている親の様子がわからない。
電話もつながらない――この「わからなさ」が不安を増幅させます。

 

2. 拒絶されているような感覚

きょうだいなど第三者から「会わせない」と言われると、
「親に拒絶されているのではないか」という思いが生まれます。

 

3. 時間が戻らない切なさ

親が高齢であればあるほど、
「もう一度会える日は来るのか」という焦りや恐怖が強くなります。

この3つが重なり合うことで、苦しみは深まり、心は限界に近づいてしまいます。

 


自分を責めないで

 

会えない苦しみが長く続くと、多くの方が自分を責めてしまいます。

「私がもっと優しくできていれば……。」
「あのとき母にあんな言い方をしなければ。」
「きょうだいとの関係を壊した私が悪いんだ。」

 

しかし、どうか覚えておいてください。

あなたが悪いわけではありません。

 

家族の対立や「囲い込み」の問題は、あなた一人が原因で起きるものではありません。
そこには長年の家族関係や、制度の複雑さ、多くの事情が絡んでいます。

親に会いたいという気持ちは、むしろ自然で健全な愛情なのです。

 

 


会えない時間を「つながりの時間」に変える

 

会えない現実を変えるのは簡単ではありません。
でも、会えない時間をまるごと苦しみで埋め尽くしてしまうと、心が持たなくなります。

 

そこでおすすめしたいのは、「つながりを感じる行動」を少しずつ取り入れることです。

 

1. 手紙を書く

たとえ直接渡せなくても、想いを言葉にして書くことで、心が少し整理されます。

「お母さん、元気ですか。今日はお母さんの好きだった花を飾りました。」

こうした短い文章で十分です。

 

2. 親との写真を見返す

写真は、過去の幸せな記憶を呼び覚ます力があります。
涙が出ても構いません。
それは、親子の絆が今も生きている証です。

 

3. 誰かに話す

信頼できる友人や専門家に気持ちを話すだけで、孤独感が和らぎます。
「わかってもらえた」という感覚は、心を支える力になります。

 


「会えない苦しみ」を味方にする

 

苦しみは、時に私たちを押しつぶしそうになります。
しかし、その苦しみは「親を愛している」からこそ生まれたものです。

 

会いたいのに会えない
だからこそ、心は親を強く求める

 

この気持ちがある限り、親子の絆は切れていません。
むしろ、物理的に会えない今こそ、絆が試されているのかもしれません。

 

 


まとめ:苦しみは愛情の裏返し

 

「会えない苦しみ」は、あなたが親を深く愛している証です。
その苦しみを感じること自体が、親子の関係が生きている証拠でもあります。

 

今日お伝えした大切なポイントを振り返ります。

  1. 会えない苦しみは自然で健全な感情
  2. 苦しみが強いほど、愛情も深い
  3. 不安・拒絶感・時間の焦りが複雑に絡み合って心を揺さぶる
  4. 自分を責めず、できる小さな行動で「つながり」を保つ
  5. 苦しみは、親子の絆が今も続いている証拠
     

最後に

 

もし今、あなたが会えない苦しみに押しつぶされそうになっているなら、
その苦しみを恥じる必要はありません。
 

それは、あなたが親を深く愛しているからこそ生まれた感情なのです。

どうか、その愛情を否定せずに抱きしめてあげてください。

 

そして、会えない現実の中でもできる小さな行動を一つずつ積み重ねていきましょう。

その行動は、必ずあなた自身を支え、親への想いを守る力になります。

 

会えないことは悲しい。
でも、その悲しみの深さは、愛の深さそのもの。

そのことを胸に刻みながら、今日を生きていきましょう。

 

 

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