これは、カウンセリングや講座でよく聞く言葉です。けれど私は、いつも心の中でこう問い返しています。
——本当に振り回されているのは、感情なのでしょうか?
それとも、感情との“つきあい方”を、まだ教わっていないだけでは?
感情は、人生の迷いの中で静かに灯る羅針盤のようなもの。
この記事では、感情が持つ本質的な「役割」に光を当て、生存本能と社会適応という2つの視点から、感情の存在理由を解き明かしていきます。
それは、自分の心と、よりよく対話するための“最初の一歩”になるはずです。
動画解説
(作成途中)
■ 感情とは「生きる力の言語」
感情とは、私たちの中に古くから備わる“心のセンサー”です。
それは目に見えず、手に触れることもできませんが、確かに私たちを動かし、支え、生かしているもの。
喜び、怒り、悲しみ、恐れ──
こうした感情は、ただの気分やムードではなく、人生という航海を生き抜くための“内なる声”なのです。
■ 第1の役割:感情は「生存」を守るアラーム
原始の時代、私たちの祖先は野生の猛獣や自然の脅威の中で生きていました。
その中で、いち早く危険を察知し、瞬時に行動を決める必要があった。
そのとき活躍していたのが、「感情」という原始的なアラートです。
恐怖が私たちに逃げろと告げ、怒りが身を守れと叫び、嫌悪が毒を遠ざけます。
このように感情は、思考よりも早く、身体を動かし、命を救ってきた「サバイバルツール」だったのです。
現代を生きる私たちにも、なおこの機能は根強く残っており、心身の安全を守るために日々働いています。
たとえば、満員電車で不快になるのも、実は“心の領域”を侵されたという感情的反応です。
気づかぬうちに、感情は今日もあなたを守っています。
■ 第2の役割:感情は「社会」をつなぐ架け橋
人間は“社会的な存在”です。
ひとりでは生きられない私たちにとって、感情は他者との関係性を築くための「接着剤」でもあります。
嬉しさを共有することで、喜びは何倍にも膨らみます。
悲しみを打ち明けることで、癒しや支えが生まれます。
怒りは「それは許せない」という境界線を示し、愛は「あなたが大切です」というメッセージを届けてくれる。
感情があるからこそ、私たちは人と人の間に橋を架け、信頼や共感という“見えない絆”を育むことができるのです。
■ 感情は「取り扱うもの」ではなく「聴くもの」
多くの人が、感情は“コントロールすべきもの”と思い込んでいます。
けれど、感情は制御する対象ではなく、まず「聴く」ものです。
それは、あなた自身の深層から届いた“手紙”のようなもの。
怒りの裏にある本音は?
悲しみが教えてくれる、大切にしていたものとは?
感情に耳を傾けることで、私たちは自分の内側と出会い直すことができます。
EQ(感情知性)とは、感情を敵とせず、パートナーとして迎える知恵なのです。
■ おわりに:感情と共に歩く人生へ
感情は、不安定で、扱いにくくて、時に厄介に見えるかもしれません。
けれどその奥には、あなたを守り、導こうとする確かな意図が宿っています。
「感情とともに生きる」ことは、「自分の人生を自分で舵取りする」ことに他なりません。
静かに心の声に耳をすませることで、人生は少しずつ整い、豊かさと温かさを取り戻していくのです。
今日、あなたの心はどんな声を届けてくれているでしょうか。
その声に、どうか、静かに、優しく、耳を傾けてみてください。
次回のテーマは、「感情に飲み込まれないための3つの視点」。
感情との距離感を学びたい方は、ぜひ続けてご覧ください。
ブログのご紹介
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1. EQモンスター対策室 ~感情的な人に振り回されている方向け~
2. あなたのメンタルを守りたい ~心が少し軽くなるメンタルケアの情報を発信中~
3. インナーチャイルド解放コーチ しらいわとしまさ 幼少期の心の傷が未処理のため大人になっても生きづらさを感じる方へ
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