このブログについて

 高齢親の囲い込みとは、認知症や要介護状態にある親について、一部の家族が「親を守る」という名目で、面会、連絡、医療・介護情報、財産管理、施設との連絡窓口を独占し、他の家族を遠ざけていく状態をいいます。

 

 親を守ることは大切です。
 しかし、その言葉が、親本人の意思を見えにくくし、家族を排除し、情報や財産の出入口を一人が握るために使われるなら、それは保護ではなく支配に近づきます。

 

 このブログでは、高齢親の囲い込みを、個人批判ではなく家族内支配の構造として考え、親の尊厳と家族関係を守るために何が必要かを考えていきます。

 

 

高齢の親が施設に入ったり、病院に通ったり、介護サービスを利用したりすると、家族と専門職との連絡が増えていきます。

 

施設職員。
病院。
ケアマネジャー。
地域包括支援センター。
訪問介護事業所。
成年後見人。

 

 

こうした人たちは、親の生活を支える重要な存在です。

ところが、その連絡窓口を一人の家族だけが握ると、家族内の力関係が大きく偏ることがあります。

 

 

窓口を持つ人は、情報を持つ人になる

 

施設や病院との連絡窓口になると、親の情報が自然と集まります。

 

体調。
認知機能。
服薬。
転倒や入院。
介護サービスの内容。
面会の可否。
今後の生活方針。

 

これらの情報は、本来、親本人の利益のために共有されるべきものです。

しかし、窓口を一人が独占し、他の家族に情報を渡さない場合、その人は親の生活全体をコントロールできる立場になります。

 

何を伝えるか。
何を伝えないか。
誰に会わせるか。
 

誰を「問題のある家族」として説明するか。

窓口を握る人は、親の情報だけでなく、親をめぐる物語まで握ってしまうのです。

 

 

専門職も一人の家族の説明に影響される

 

介護・医療・福祉の専門職は、親本人の生活を支えるために努力しています。

しかし、家族関係の全体像までは見えないことがあります。

特に、連絡窓口が一人だけの場合、専門職はその人の説明を前提に判断せざるを得ません。

 

「あの家族に会わせると本人が混乱する」
「あの家族は親に悪影響を与える」
「あの家族とは関わらせない方がいい」

 

そのように説明されれば、専門職側も慎重になります。

しかし、それが本当に親本人の利益に基づく説明なのか、家族内の対立による一方的な説明なのかは、外からは簡単に判断できません。

だからこそ、専門職に対しても、複数の家族から情報が届くことが重要です。

 

施設名や病院名を教えないという問題

 

囲い込みが強くなると、親がどこにいるのかすら教えられないことがあります。

 

施設名を教えない。
病院名を教えない。
担当者を教えない。
ケアマネの名前を教えない。

 

これでは、他の家族は親の状態を直接確認できません。

もちろん、親本人の安全やプライバシーへの配慮は必要です。
しかし、正当な理由なく情報を遮断し、他の家族を完全に排除することは、親本人の利益にかなっているのか慎重に考える必要があります。

 

親の生活場所を知らされない。
親の病状を知らされない。
親の介護方針を知らされない。

 

この状態は、家族間の不信を深めるだけでなく、親本人の意思が見えなくなる原因にもなります。

 

連絡窓口は「権力」になる

介護の世界では、連絡窓口という言葉は事務的に聞こえます。

しかし、家族内の対立がある場合、連絡窓口は大きな権力になります。

 

情報を握る。
説明を握る。
専門職との関係を握る。
他の家族の印象を握る。
親本人へのアクセスを握る。

 

この状態が長く続くと、他の家族は親との関係を断たれ、親の人生から押し出されていきます。

そして、後になって相続や遺言、財産管理の問題が出たとき、情報を握っていた人だけが有利な立場に立つことがあります。

だからこそ、施設・病院・ケアマネとの連絡は、できるだけ透明であるべきです。

家族ができること

もし連絡窓口を一人の家族が独占していると感じたら、まずは冷静に記録を残すことです。

 

いつから情報が共有されなくなったのか。
誰に問い合わせたのか。
どのような返事だったのか。
施設や病院に直接連絡できたのか。
断られた場合、その理由は何だったのか。

 

また、専門職に連絡する場合は、感情的な非難ではなく、親本人の利益を中心に伝えることが大切です。

 

「相手が悪い」と言うより、
「親本人の状態を正確に把握したい」
「親本人の意思を尊重した形で関わりたい」
「家族間の情報共有が不十分で困っている」
 

と伝える方が、第三者には届きやすくなります。

 

高齢親の囲い込みは、密室で進みます。

だからこそ、施設・病院・ケアマネとの関係を一人に独占させないこと。
 

親本人の情報が、できるだけ透明に扱われること。
複数の目で親の生活を見守ること。

 

それが、親の尊厳を守るために必要なのです。

 

 

 


 

プロフィール

 

高齢親の囲い込み解放コンサルタント 白岩俊正

白岩会計事務所 代表/公認会計士・税理士/株式会社みらい 代表取締役

〒422-8005 静岡市駿河区池田616-2パレス葵102

お問い合わせはまずはメールで release.advisor@gmail.com

 


 

~ 他ブログのご紹介 ~

 

当ブログ主宰 しらいわ は他のブログも作成しています。併せてご覧ください。
 

ー 更新中 ー

1.  高齢親の囲い込み 解放アドバイザー  ~ 介護が必要になった高齢親が自分以外のきょうだいに囲い込まれて会えなくなった方へ~

2. きょうだいモラハラ ~大人になっても兄弟姉妹からいじめ、嫌がらせを受けていませんか?
3. リフレーミングの魔法 ~ 生きることが24倍軽くなる考え方のこつ ~ 出来事を変えずに“見方”をそっと入れ替え、心の自由度を高めるブログ。

4. ごみ拾い日記 Toshi Shiraiwa【静岡】~週に1~2回、ひとり or グループで静岡市内のごみ拾いをしています。その様子、心境など


ー 休止中ー
1. 自己愛性ハラスメント対策室  ~ 感情的な人に振り回されている方向け~

2. 家族心理学・家族療法スクール オンライン ~ 家族関係に悩む方や支援職のための学びの場。家族との距離の取り方や関係性の見直しに役立つ知恵を、心理学の視点から発信

3. あなたのメンタルを守りたい (休止中)~心が少し軽くなるメンタルケアの情報を発信中~

4. インナーチャイルド解放コーチ しらいわとしまさ (休止中)幼少期の心の傷が未処理のため大人になっても生きづらさを感じる方へ

5. 感情の地図 〜EQナビゲーターが届ける“心の航海術”(休止中)~感情と向き合う「心の航海術」を発信中

このブログについて

 高齢親の囲い込みとは、認知症や要介護状態にある親について、一部の家族が「親を守る」という名目で、面会、連絡、医療・介護情報、財産管理、施設との連絡窓口を独占し、他の家族を遠ざけていく状態をいいます。

 

 親を守ることは大切です。
 しかし、その言葉が、親本人の意思を見えにくくし、家族を排除し、情報や財産の出入口を一人が握るために使われるなら、それは保護ではなく支配に近づきます。

 

 このブログでは、高齢親の囲い込みを、個人批判ではなく家族内支配の構造として考え、親の尊厳と家族関係を守るために何が必要かを考えていきます。

 

 

 

高齢親の囲い込みで、よく使われる言葉があります。

 

 

「親が会いたくないと言っている」
「親が嫌がっている」
「会うと混乱する」
「親のために会わせない」

 

 

この言葉を言われると、他の家族は非常に苦しくなります。

 

本当に親がそう思っているのか。
それとも、誰かがそう言っているだけなのか。
 

確認したくても、そもそも会わせてもらえない。

この状態が続くと、親本人の意思はどんどん見えなくなっていきます。

 

親の意思は大切である

 

まず大前提として、親本人の意思は大切です。

 

親が本当に会いたくないと言っているなら、その気持ちは尊重されるべきです。
無理やり面会させることが、親の負担になる場合もあります。

 

しかし問題は、親本人の意思が本当に確認されているのか、という点です。

 

誰が聞いたのか。
いつ聞いたのか。
どのような状況で聞いたのか。
他の家族がいない場所で聞いたのか。
誘導的な聞き方ではなかったのか。
認知症や体調不良の影響はなかったのか。

 

こうした点を確認しないまま、「親が会いたくないと言っている」という一言だけで面会が止められてしまうのは、とても危ういことです。

 

 

「代弁」と「支配」は紙一重

 

高齢の親が弱っていると、家族の誰かが代わりに説明する場面はあります。

 

病状を説明する。
施設との連絡をする。
本人の希望を伝える。

 

それ自体は必要なことです。

しかし、代弁者を自称する人が、常に親の言葉を独占し、他の家族に直接確認させない場合、代弁は支配に変わることがあります。

 

「親がそう言っている」
「親はあなたに会いたくない」
「親に聞いたら嫌だと言った」

 

そう言われても、他の家族は確認できません。

 

親の言葉が、本人の意思なのか。
代弁者の解釈なのか。
あるいは、都合よく切り取られたものなのか。

そこが見えなくなります。

 

親本人の意思を守るためには、むしろ複数の目が必要です。
家族、施設、医療・介護関係者、場合によっては成年後見人や第三者が関与し、できるだけ透明な形で確認する必要があります。

 

 

会わせない理由が変わっていく場合

 

囲い込みが疑われるケースでは、面会を断る理由が少しずつ変わっていくことがあります。

 

最初は「体調が悪い」。
次に「混乱する」。
その次に「親が嫌がっている」。
さらに「施設にもそう言われている」。

しかし、具体的な説明はない。
診断書や施設の正式な見解もない。
面会方法の調整案も出てこない。

 

このような場合、問題は「面会できないこと」だけではありません。

問題は、説明が不透明なまま、他の家族が親から遠ざけられていることです。

 

面会が難しいなら、短時間でもよいはずです。
直接面会が難しいなら、電話や手紙、オンライン面会という方法もあります。
体調に配慮するなら、医師や施設と相談しながら条件を整えることもできます。

 

 

それでも一切の接点が遮断されるなら、そこには別の意図があるのではないかと考えざるを得ません。

 

 

「親のため」という言葉を検証する

 

「親のため」という言葉は、とても強い言葉です。

それを言われると、他の家族は反論しにくくなります。

 

「親のためなら仕方ない」
「自分が悪者なのかもしれない」
「無理に会いたいと言うのは自己中心的なのかもしれない」

 

そう思わされてしまうこともあります。

しかし、本当に親のためなら、説明責任があってよいはずです。
 

本当に親のためなら、他の家族を一方的に悪者にする必要はないはずです。
本当に親のためなら、親本人の意思を透明に確認する努力があってよいはずです。

 

親のためという言葉は、検証されるべき言葉です。

 

 

記録するべきこと

 

「親が会いたくないと言っている」と言われた場合、感情的に反論する前に、記録することが大切です。

 

いつ、誰が、そう言ったのか。
親本人から直接聞いたのか。
その場に誰がいたのか。
面会を断る具体的理由は何か。
代替案は提示されたのか。
施設や医師の判断なのか、家族の判断なのか。

 

こうした記録が、後で大きな意味を持つことがあります。

高齢親の囲い込みでは、親の意思が見えなくなることが最大の問題です。

 

だからこそ、私たちは問い続ける必要があります。

それは本当に親本人の自由な意思なのか。
それとも、誰かが親の言葉を使って、家族関係を管理しているのか。

 

この問いを持つことが、囲い込みを見抜く第一歩になります。

 

 

 

 


 

プロフィール

 

高齢親の囲い込み解放コンサルタント 白岩俊正

白岩会計事務所 代表/公認会計士・税理士/株式会社みらい 代表取締役

〒422-8005 静岡市駿河区池田616-2パレス葵102

お問い合わせはまずはメールで release.advisor@gmail.com

 


 

~ 他ブログのご紹介 ~

 

当ブログ主宰 しらいわ は他のブログも作成しています。併せてご覧ください。
 

ー 更新中 ー

1.  高齢親の囲い込み 解放アドバイザー  ~ 介護が必要になった高齢親が自分以外のきょうだいに囲い込まれて会えなくなった方へ~

2. きょうだいモラハラ ~大人になっても兄弟姉妹からいじめ、嫌がらせを受けていませんか?
3. リフレーミングの魔法 ~ 生きることが24倍軽くなる考え方のこつ ~ 出来事を変えずに“見方”をそっと入れ替え、心の自由度を高めるブログ。

4. ごみ拾い日記 Toshi Shiraiwa【静岡】~週に1~2回、ひとり or グループで静岡市内のごみ拾いをしています。その様子、心境など


ー 休止中ー
1. 自己愛性ハラスメント対策室  ~ 感情的な人に振り回されている方向け~

2. 家族心理学・家族療法スクール オンライン ~ 家族関係に悩む方や支援職のための学びの場。家族との距離の取り方や関係性の見直しに役立つ知恵を、心理学の視点から発信

3. あなたのメンタルを守りたい (休止中)~心が少し軽くなるメンタルケアの情報を発信中~

4. インナーチャイルド解放コーチ しらいわとしまさ (休止中)幼少期の心の傷が未処理のため大人になっても生きづらさを感じる方へ

5. 感情の地図 〜EQナビゲーターが届ける“心の航海術”(休止中)~感情と向き合う「心の航海術」を発信中

高齢の親を守ることは、とても大切なことです。

 

 

認知症がある。
身体が弱っている。
施設に入っている。
医療や介護の判断が必要になる。

 

そうした状況では、家族の誰かが中心になって動かなければならない場面があります。

 

しかし、その「親を守る」という言葉が、いつの間にか別の意味を持ち始めることがあります。

 

親を守るためではなく、
親に会える人を決める。
 

親の情報を知れる人を決める。
親の財産を管理する人を決める。
 

施設や病院との連絡窓口を一人で握る。

 

そこまで進むと、それは単なる介護の分担ではなく、高齢親の囲い込みに近づいていきます。

親を守ること自体は悪くない

誤解してはいけないのは、親を守ることそのものが悪いわけではない、ということです。

 

 

親の体調が悪いときに面会を調整する。
混乱を避けるために、短時間の面会にする。
医師や施設と連絡を取り、親の生活を支える。

 

 

これは必要なことです。

 

 

問題は、その判断が一人の家族だけに集中し、他の家族に説明されず、親本人の意思も確認できない状態になることです。

 

 

 

「親のため」と言いながら、
実際には他の家族を排除している。
 

「親が嫌がっている」と言いながら、
その親の言葉を誰も直接確認できない。
 

「自分が全部やっている」と言いながら、
情報共有や説明責任を果たさない。

 

 

ここに、囲い込みの危うさがあります。

「出入口」を握る人が現れる

高齢親の囲い込みでは、しばしば一人の家族が「出入口」を握ります。

 

親に会えるかどうか。
電話できるかどうか。
施設名を教えるかどうか。
病状を伝えるかどうか。
通帳や印鑑がどこにあるか。
遺言や財産処分について何が起きているか。

 

これらの情報が一人に集中すると、他の家族は親の状態を直接確認できなくなります。

そして、親本人もまた、知らないうちに人間関係を狭められていくことがあります。

 

 

 

親を守るとは、親を孤立させることではありません。
親を守るとは、親の人間関係を一人の家族が管理することでもありません。

親本人の意思、尊厳、安心、自由な交流を守ること。
 

 

それが本来の「親を守る」ということではないでしょうか。

 

 

囲い込みは、家族喧嘩では終わらない

高齢親の囲い込みは、外から見ると「きょうだい喧嘩」に見えることがあります。

しかし、実際にはもっと深い問題を含んでいます。

 

親の尊厳。
認知症や判断能力。
介護情報。
財産管理。
相続。
遺言。
施設や病院との関係。
成年後見制度。

 

これらが複雑に絡み合います。

だからこそ、「家族の問題だから」と放置してよいものではありません。

 

一人の家族が親を囲い込み、他の家族を排除し、情報を独占する状態が続けば、親本人の意思が見えなくなっていきます。

 

 

そして、後になってから、
 

「あのとき親は本当はどう思っていたのか」
「なぜ情報が共有されなかったのか」
「財産や遺言はどのように決まったのか」
 

という問題が噴き出します。

 

最初に必要なのは、怒鳴ることではなく記録すること

囲い込みに気づいたとき、人は強い怒りを感じます。

 

それは当然です。
 

親に会えない。
説明されない。
悪者にされる。
情報を遮断される。

 

その苦しみは、経験した人にしかわかりません。

ただ、そこで感情的にぶつかるだけでは、相手に「やはり会わせない方がいい」と言う材料を与えてしまうことがあります。

だからこそ、まず必要なのは記録です。

 

いつ、誰が、何を言ったのか。
面会を求めたのに、どう断られたのか。
施設や病院との連絡はどうなっているのか。
親本人の意思は誰が、どのように確認したのか。

 

記録は、怒りを社会に伝わる言葉へ変える作業です。

高齢親の囲い込みは、単なる家族内の感情問題ではありません。
親の尊厳と家族関係をめぐる、社会的な問題です。

 

だからこそ、私たちはこの問題を言葉にし、記録し、考えていく必要があります。

 

 

 


 

プロフィール

 

高齢親の囲い込み解放コンサルタント 白岩俊正

白岩会計事務所 代表/公認会計士・税理士/株式会社みらい 代表取締役

〒422-8005 静岡市駿河区池田616-2パレス葵102

お問い合わせはまずはメールで release.advisor@gmail.com

 


 

~ 他ブログのご紹介 ~

 

当ブログ主宰 しらいわ は他のブログも作成しています。併せてご覧ください。
 

ー 更新中 ー

1.  高齢親の囲い込み 解放アドバイザー  ~ 介護が必要になった高齢親が自分以外のきょうだいに囲い込まれて会えなくなった方へ~

2. きょうだいモラハラ ~大人になっても兄弟姉妹からいじめ、嫌がらせを受けていませんか?
3. リフレーミングの魔法 ~ 生きることが24倍軽くなる考え方のこつ ~ 出来事を変えずに“見方”をそっと入れ替え、心の自由度を高めるブログ。

4. ごみ拾い日記 Toshi Shiraiwa【静岡】~週に1~2回、ひとり or グループで静岡市内のごみ拾いをしています。その様子、心境など


ー 休止中ー
1. 自己愛性ハラスメント対策室  ~ 感情的な人に振り回されている方向け~

2. 家族心理学・家族療法スクール オンライン ~ 家族関係に悩む方や支援職のための学びの場。家族との距離の取り方や関係性の見直しに役立つ知恵を、心理学の視点から発信

3. あなたのメンタルを守りたい (休止中)~心が少し軽くなるメンタルケアの情報を発信中~

4. インナーチャイルド解放コーチ しらいわとしまさ (休止中)幼少期の心の傷が未処理のため大人になっても生きづらさを感じる方へ

5. 感情の地図 〜EQナビゲーターが届ける“心の航海術”(休止中)~感情と向き合う「心の航海術」を発信中

高齢親の囲い込みは、単なる手続の問題ではありません。

そこには、人間の心理が深く関わっています。

 

 

なぜ、一部の家族は親をめぐる面会、情報、財産、連絡窓口を握ろうとするのか。

なぜ、他の家族を悪者にし、説明責任を避け、親の代弁者のように振る舞うのか。


もちろん、すべてのケースを一つの心理で説明することはできません。

 

介護負担

過去の家族関係

経済的不安

相続への期待

親からの承認欲求

きょうだい間の競争心

 

など、さまざまな事情が絡み合います。それでも、囲い込みをする人には、いくつかの共通する心理構造が見えることがあります。



### 「自分だけが分かっている」という思い込み


囲い込みをする人は、自分だけが親のことを分かっていると考えることがあります。

 

自分が一番近くにいる。

自分が世話をしている。

自分が苦労している。

他の家族は何もしていない。

だから、自分に決める権利がある。

 

この感覚は、ある程度までは自然なものかもしれません。実際に介護や手続を担っている人には負担があります。

 

 

 

しかし、その思いが強くなりすぎると、

 

「自分が親の意思を代弁できる」

「他の家族に知らせる必要はない」

「自分の判断に従うべきだ」

 

という方向に進みます。ここから、支配が始まります。




### 弱さを隠すための主導権
 

囲い込みをする人は、強い人に見えることがあります。

 

面会を止める。

情報を出さない。

施設や病院との窓口を握る。

他の家族に強い言葉を使う。

 

しかし、その内側には、不安や弱さがある場合もあります。

 

 

他の家族に関わられると、

 

自分の管理が問われる。

親が別のことを話してしまうかもしれない。

財産管理について説明を求められるかもしれない。

自分が正しいと思って進めてきたことが、第三者に検証されるかもしれない。

 

 

そうした不安から、さらに情報を閉じ、他の家族を遠ざけることがあります。

 

主導権を握ることが、自分を守る手段になっているのです。




### 他の家族を悪者にする構造
 

囲い込みをする人は、しばしば他の家族を悪者にします。

 

あの人は親を混乱させる。

あの人は財産目当てだ。

あの人は何もしていない。

あの人には会わせない方がよい。

 

他の家族を悪者にすれば、自分が親を守る人として立ちやすくなります。これは、自己正当化の構造です。

 

自分が面会を止めているのではない。

親を守るために仕方なく止めている。

 

自分が情報を出さないのではない。

他の家族が信用できないから出せない。

 

このように、支配的な行動が「保護」の言葉で包まれていきます。

 



### 説明責任から逃げる心理
 

本当に親のために行動しているなら、説明できるはずです。

 

なぜ面会を制限するのか。

親本人の意思はどう確認したのか。

財産管理はどうなっているのか。

施設や病院にはどのように説明しているのか。

 

しかし、囲い込みが強まると、説明はあいまいになります。

 

 

答えない。

話をそらす。

感情的に反発する。

相手を悪者にする。

「自分がやっている」とだけ言う。

 

これは、説明責任を果たすと自分の立場が揺らぐ可能性があるからかもしれません。説明しないことで、支配構造は維持されます。



### 小さな支配権への執着
 

家族の中で大きな成功体験や承認を得られなかった人が、親をめぐる場面で主導権を握ることがあります。

 

親に会えるかどうかを決める。

情報を出すかどうかを決める。

施設との窓口になる。

財産管理を握る。

 

これは、家族内で得られる小さな権力です。しかし、その小さな権力は、他の家族にとっては深刻な問題になります。

 

親に会えない。

親の状態が分からない。

財産管理が不透明になる。

親本人の意思が見えなくなる。

 

 

 

「親を守っているのは私だけ。他の人は何も分かっていない」

 

 

高齢親の囲い込みを行う人は、しばしばこのような強い言葉を口にします。

 

なぜ、彼らは親を独占し、他の家族を排除しようとするのでしょうか。

そこには、単なる「親への愛情」だけでは説明できない、複雑な心理が隠されています。

 

最終回となる今回は、囲い込みをする人の内面にある心理的背景について考えます。

 

 

 

不安と防衛本能

 

囲い込みの根底にあるのは、強い「不安」です。

 

親の衰えを目の当たりにし、自分が親を失うことへの恐怖。

あるいは、親の介護という重責を一人で背負い込む中で、「自分がしっかりしなければ親がどうにかなってしまう」という過度な責任感。

 

これらの不安が、親を自分の管理下に置くことで安心を得ようとする「防衛本能」として現れます。

 

外部の人間(他の家族を含む)を排除するのは、自分の管理体制を乱す「脅威」だと感じてしまうからです。

 

 

劣等感の裏返しとしての承認欲求

 

意外に思われるかもしれませんが、囲い込みをする人の中には、強い劣等感を抱えているケースが多く見られます。

 

他の兄弟姉妹が社会的に成功していたり、

親から高く評価されていたりする場合、

 

「自分は介護を通じて親に貢献している唯一の存在だ」という自負を持つことで、自分の価値を証明しようとします。

 

親を独占することは、彼らにとって「自分が必要とされている」という強烈な承認を得る手段なのです。

 

説明責任の回避

 

囲い込みをする人は、しばしば説明を拒みます。

 

相手を悪者にする。

「自分がやっている」とだけ言う。

 

これは、説明責任を果たすと自分の立場が揺らぐ可能性があるからかもしれません。説明しないことで、支配構造は維持されます。

 

 

小さな支配権への執着

 

家族の中で大きな成功体験や承認を得られなかった人が、親をめぐる場面で主導権を握ることがあります。

 

親に会えるかどうかを決め、情報を出すかどうかを決め、施設との窓口になり、財産管理を握る。

 

これは、家族内で得られる小さな権力です。

しかし、その小さな権力は、他の家族にとっては深刻な問題になります。

 

親に会えない。

親の状態が分からない。

財産管理が不透明になる。

親本人の意思が見えなくなる。

 

囲い込みをする人にとっては小さな主導権でも、奪われる側にとっては親との関係そのものを失う問題なのです。

 

 

 

心理を理解することと、許すことは違う

 

囲い込みをする人の心理を考えることは、その行為を許すことではありません。なぜそうするのかを理解することで、対応を冷静にするためです。

 

感情的にぶつかるだけでは、相手はさらに閉じるかもしれません。

 

だからこそ、

 

記録を残す。

説明を求める。

第三者を入れる。

親本人の意思を確認する。

面会、情報、財産、連絡窓口を一つずつ整理する。

 

囲い込みをする人の心理に巻き込まれず、構造として見ることが大切です。

 

 

 

高齢親の囲い込みは、親を守るという言葉の裏側で、

 

家族内の不安

劣等感

承認欲求

財産期待

主導権欲求

 

が絡み合って起きることがあります。だからこそ、個人攻撃で終わらせてはいけません。

 

問うべきなのは、その人の人格だけでなく、親をめぐる情報と出入り口が一人に集中していないかという構造です。

 

親を守るとは、誰か一人が親を独占することではありません。

 

親本人の意思

尊厳

人間関係

財産

生活

 

が、透明で説明可能な形で守られることです。

 

 


 

プロフィール

 

高齢親の囲い込み解放コンサルタント 白岩俊正

白岩会計事務所 代表/公認会計士・税理士/株式会社みらい 代表取締役

〒422-8005 静岡市駿河区池田616-2パレス葵102

お問い合わせはまずはメールで release.advisor@gmail.com

 


 

~ 他ブログのご紹介 ~

 

当ブログ主宰 しらいわ は他のブログも作成しています。併せてご覧ください。
 

ー 更新中 ー

1.  高齢親の囲い込み 解放アドバイザー  ~ 介護が必要になった高齢親が自分以外のきょうだいに囲い込まれて会えなくなった方へ~

2. きょうだいモラハラ ~大人になっても兄弟姉妹からいじめ、嫌がらせを受けていませんか?
3. リフレーミングの魔法 ~ 生きることが24倍軽くなる考え方のこつ ~ 出来事を変えずに“見方”をそっと入れ替え、心の自由度を高めるブログ。

4. ごみ拾い日記 Toshi Shiraiwa【静岡】~週に1~2回、ひとり or グループで静岡市内のごみ拾いをしています。その様子、心境など


ー 休止中ー
1. 自己愛性ハラスメント対策室  ~ 感情的な人に振り回されている方向け~

2. 家族心理学・家族療法スクール オンライン ~ 家族関係に悩む方や支援職のための学びの場。家族との距離の取り方や関係性の見直しに役立つ知恵を、心理学の視点から発信

3. あなたのメンタルを守りたい (休止中)~心が少し軽くなるメンタルケアの情報を発信中~

4. インナーチャイルド解放コーチ しらいわとしまさ (休止中)幼少期の心の傷が未処理のため大人になっても生きづらさを感じる方へ

5. 感情の地図 〜EQナビゲーターが届ける“心の航海術”(休止中)~感情と向き合う「心の航海術」を発信中

「親は、全財産を私に譲ると言っています。遺言書も作成済みです」

 

高齢親の囲い込みが最終段階に入ると、しばしば「遺言」という言葉が登場します。しかし、その遺言が、外部との接触を断たれた「密室」のような環境で作られたものである場合、そこには大きな疑問が残ります。

 

今回は、囲い込みと遺言の関係、そしてその背後にある問題について考えます。

 

 

「自由な意思」に基づいているか

 

遺言が法的に有効であるためには、作成者に「遺言能力(自分の行為の結果を理解する能力)」があること、そして「自由な意思」に基づいて作成されていることが不可欠です。

 

しかし、囲い込みの状態にある親は、特定の家族に生活のすべてを依存しています。その家族から「他の兄弟はあなたのことを悪く言っている」「私に財産をくれないなら、もう面倒は見られない」といった言葉を日常的に聞かされていたとしたらどうでしょうか。

 

また、外部からの客観的な情報が入らない中で、その家族の言い分だけを信じ込まされていたとしたら。それは果たして「自由な意思」と言えるのでしょうか。

 

 

密室化する作成過程

 

囲い込みを行っている家族が、親を連れて公証役場に行き、公正証書遺言を作成するケースは少なくありません。公証人は遺言能力の有無を確認しますが、その短時間の面談だけで、日常的な心理的支配や情報の偏りまでを見抜くことは非常に困難です。

 

 

作成当時、親は財産の内容を理解していたのか。

医師の診断書や介護記録はどうなっているのか。

作成当時、他の家族との面会や連絡は遮断されていなかったか。

 

これらの事情は、遺言の有効性や相続紛争だけでなく、高齢親の囲い込みの構造を考えるうえでも重要です。

 

 

遺言は、単なる相続の書類ではありません。親の最終的な意思を示すものです。だからこそ、その意思がどのような環境で作られたのかが問われます。

 

 

遺言をめぐる沈黙

 

囲い込みがある場面では、遺言の存在や内容が他の家族に知らされないことがあります。

 

「遺言があるらしい」

「誰かに全部残す内容らしい」

「いつ作られたのか分からない」

「本人が本当に理解していたのか分からない」

 

このような状態では、不信が深まるのは当然です。遺言は本人の意思を尊重するための制度であるはずです。

 

しかし、その作成過程が密室化し、一部の家族だけに有利な結果をもたらす場合、他の家族から見れば、親の意思が利用されたのではないかという疑念が生じます。この疑念を消すには、説明と記録が必要です。

 

 

 

争う前に整理すること

 

遺言に疑問を感じた場合、まず整理すべきことがあります。

 

遺言が作成された日。

その時点の親の健康状態、認知機能、介護認定、医療記録。誰が手続に関与したのか。

遺言内容がそれ以前の親の考え方や家族関係と整合しているのか。

その前後に、通帳、印鑑、不動産、施設入所、面会制限などの動きがなかったか。

 

 

これらを時系列に並べることで、見えてくるものがあります。

公正証書遺言そのものをすぐに否定するのではなく、作成過程を検証する。それが大切です。

 

高齢親の囲い込みと遺言の問題は、相続だけの話ではありません。

 

親本人の意思が、誰かの管理下で作られていなかったか。

親の最終意思が、本当に自由なものだったのか。

 

その問いを、社会全体で考える必要があります。

 

 


プロフィール

 

高齢親の囲い込み解放コンサルタント 白岩俊正

白岩会計事務所 代表/公認会計士・税理士/株式会社みらい 代表取締役

〒422-8005 静岡市駿河区池田616-2パレス葵102

お問い合わせはまずはメールで release.advisor@gmail.com

 


 

~ 他ブログのご紹介 ~

 

当ブログ主宰 しらいわ は他のブログも作成しています。併せてご覧ください。
 

ー 更新中 ー

1.  高齢親の囲い込み 解放アドバイザー  ~ 介護が必要になった高齢親が自分以外のきょうだいに囲い込まれて会えなくなった方へ~

2. きょうだいモラハラ ~大人になっても兄弟姉妹からいじめ、嫌がらせを受けていませんか?
3. リフレーミングの魔法 ~ 生きることが24倍軽くなる考え方のこつ ~ 出来事を変えずに“見方”をそっと入れ替え、心の自由度を高めるブログ。

4. ごみ拾い日記 Toshi Shiraiwa【静岡】~週に1~2回、ひとり or グループで静岡市内のごみ拾いをしています。その様子、心境など


ー 休止中ー
1. 自己愛性ハラスメント対策室  ~ 感情的な人に振り回されている方向け~

2. 家族心理学・家族療法スクール オンライン ~ 家族関係に悩む方や支援職のための学びの場。家族との距離の取り方や関係性の見直しに役立つ知恵を、心理学の視点から発信

3. あなたのメンタルを守りたい (休止中)~心が少し軽くなるメンタルケアの情報を発信中~

4. インナーチャイルド解放コーチ しらいわとしまさ (休止中)幼少期の心の傷が未処理のため大人になっても生きづらさを感じる方へ

5. 感情の地図 〜EQナビゲーターが届ける“心の航海術”(休止中)~感情と向き合う「心の航海術」を発信中