高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。


私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。

 

 

 

 

37. 閉ざされた実家にどう手紙を届ける?──親に思いを伝えるための現実的な方法

 

「親に会いたいけれど、きょうだいの一人が実家を閉ざしてしまい、中に入れない」

 

──そんな状況に置かれている人が増えています。電話もつながらず、訪問しても玄関先で追い返される。親の安否が心配なのに、どうすることもできない。

 

そんなとき、多くの方が考えるのが「せめて手紙だけでも届けたい」という方法です。

 

しかし、実家が閉ざされていると、ポストに投函しても読んでもらえないのでは? きょうだいに握りつぶされてしまうのでは? という不安もあります。

 

本記事では、公認会計士・税理士として相続や親子トラブルを数多く見てきた立場から、「閉ざされた実家に手紙を届ける現実的な方法」について整理していきます。

 
 

 

 

1. なぜ「手紙」が有効なのか

 

まず、なぜ手紙が有効なのかを確認しておきましょう。

  • 物理的に残る証拠になる
     電話や口頭のやりとりは残りませんが、手紙は相手が受け取った事実や内容が形として残ります。
  • 感情的対立を避けやすい
     直接会おうとすると対立が先に立ちますが、手紙であれば冷静に思いを伝えることが可能です。
  • 親の意思を引き出すきっかけになる
     親が自ら「この手紙を読みたい」「会いたい」と意思表示できれば、囲い込みを揺るがす一歩になります。

 

ただし、問題は「親本人に確実に届くかどうか」です。ここからが具体的な方法の検討になります。

 

 

2. ポスト投函だけで終わらせない工夫

 

もっともシンプルなのは、実家のポストに投函することです。

しかし、きょうだいが先に手紙を抜き取り、親の目に触れない可能性は高いでしょう。そこで工夫が必要です。

 

  • 封筒の表に「お母さんへ 直筆の手紙です」と明記する
     差出人不明の封筒は開封されやすいため、あえて「親宛」と大きく書くことで本人に届けてほしいというメッセージを強調します。
  • 複数回にわけて送る
     一度握りつぶされても、繰り返すことで「子が連絡を取りたがっている」という事実は周囲にも伝わりやすくなります。
  • 記録を残す
     投函した日付や写真を残しておくと、万が一法的手続きに進む際に「意思疎通を試みていた」証拠になります。
 
 
 

 

3. 郵便を利用する方法

 

より確実に「送った」ことを残すには、郵便サービスの活用が有効です。

  • 簡易書留・書留郵便
     郵便局の記録に残り、相手が受け取ったかどうかを追跡できます。親が自ら署名・押印すれば、受け取った証拠になります。
  • 内容証明郵便
     「いつ、どんな内容の文書を送ったか」を公的に証明できます。法律的なニュアンスが強いため、使うときは慎重に。あくまで「面会を望む意思を伝えた」という証拠作りとして有効です。

 

ただし、受取人が「拒否」する可能性もあります。拒否された記録もまた一つの証拠になります。

 

 

4. 第三者を介して届ける

 

「家族同士だと受け取りを拒否される」ケースでは、第三者を介すのも方法の一つです。

  • ケアマネジャーや介護サービス事業者
     親が介護サービスを受けているなら、ケアマネに「本人に伝えてほしい」と依頼することができます。職務上、親の意思を大切にする立場ですから、受け取ってもらえる可能性が高まります。
  • 地域包括支援センター
     親が高齢であれば、包括支援センターの職員が介入できる場合があります。相談を通じて「手紙を本人に渡してもらえないか」とお願いすることも可能です。
  • 弁護士などの専門家
     代理人を立てて手紙を送ると、相手側の態度も変わる場合があります。ただし、家族関係がさらに硬直化するリスクもあるため、最終手段として考えましょう。
 
 

 

5. 手紙の内容で大切なこと

 

届け方と同じくらい重要なのが「内容」です。せっかく親に届いても、親を不安にさせたり、きょうだいとの対立をあおる内容では逆効果です。

  • 安心を与える表現
     「心配している」「会いたい」という思いを、責める口調ではなく柔らかく伝える。
  • 具体的な提案を入れる
     「○月○日に10分だけでも会いたい」「体調を聞かせてほしい」など、漠然とせず具体性を持たせる。
  • 親の意思を尊重する一文
     「もし会いたくないなら、その気持ちも尊重します。ただ、元気かどうかだけでも知りたい」──こうした一文で、親に選択肢を与えることが大切です。
 

 

6. 心理的な側面──「届かない」苦しみへのケア

 

手紙を出しても届かない、返事がない──その苦しみは想像以上です。「もしかして親が拒絶しているのか」と思い込み、自責感にとらわれる人もいます。

 

ここで大切なのは、「届かないのは自分のせいではない」と理解することです。多くの場合はきょうだいによるブロックが原因であり、親本人の意思ではありません。

 

また、手紙を送ること自体が「親を思い続けている証」になります。返事がなくても、その行動は必ず意味を持ちます。

 

 

 

7. 法的手続きとの関係

 

どうしても会えない状況が続き、安否すら確認できない場合は、家庭裁判所への手続きを検討することもあります。その際、これまでの「手紙送付の記録」は、裁判所に対して「子として努力した証拠」になります。

  • 面会交流調停や審判で「意思疎通の試み」を示せる
  • 将来的な相続や財産管理の場面で「不自然な囲い込み」を主張できる

つまり、手紙は感情の表現であると同時に、法的にも重要な意味を持つのです。

 

 

まとめ

 

閉ざされた実家に手紙を届けるのは簡単ではありません。しかし、工夫次第で「親に届く可能性」を少しでも高めることはできます。

  • ポスト投函に工夫をする
  • 郵便サービスを利用して記録を残す
  • 第三者を介して届ける
  • 手紙の内容は「安心・具体性・尊重」を意識する
  • 届かなくても「自分のせい」とは思わない

親を囲い込まれた状況は、子にとって大きなストレスです。しかし、手紙という形で思いを表すことは、親への愛情を示すと同時に、自分自身の心の支えにもなります。

 

親は家族みんなのもの。あきらめず、冷静に、そして証拠を残しながら「つながり」を模索していきましょう。

 

 

 

 

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36.親と電話で話したい!でも番号を知らないときどうする?

 

高齢の親と久しぶりに声を聞きたい。状況を確かめたい。あるいは施設で暮らしている親と定期的に電話で話したい――。
 

しかし、実際には「電話番号を知らない」「相手の子ども(きょうだい)に教えてもらえない」といった壁にぶつかる方が少なくありません。

 

この記事では、公認会計士・税理士として相続や家族間のトラブルに関わりながら、「高齢親の囲い込み」問題を支援してきた立場から、番号が分からないときにどう行動すべきかを解説します。

 

 

 

1. どうして電話番号を知らない事態が起きるのか

 

本来、親子なのですから電話で自由に話せるのは当然のことです。ところが、現実には次のような理由で「番号が分からない」状態が生まれます。

 

  • 親の携帯電話をきょうだいが管理している
    親がスマホを持っていても、パスコードや契約情報をきょうだいが握っているため、番号を教えてもらえない
  • 施設や病院に入所してから連絡先が変更された
    固定電話はなく、施設が親用に携帯を契約していても、外部には公開しない方針を取る場合がある。
  • 「面会や通話は不要」と一部のきょうだいが判断している
    親を囲い込む子が「親は疲れるから」と理由をつけて番号を隠す。
  • 親自身が操作できない
    認知症や身体の不自由さで、親が自分の番号を伝えられない。

つまり、多くは「情報を誰かに握られている」ために起きています。この状況をどう乗り越えるかが課題です。

 

 

2. まずは冷静に「親の意思」を確認する

 

電話番号を知ることは、あくまで手段であり、目的は「親と話すこと」です。
 

そこで重要なのは、親が電話を望んでいるのかどうか。

  • 親が「声を聞きたい」と思っているのなら、正当な希望として尊重されるべきです。
  • 逆に、親自身が「電話は控えたい」と思っている場合もあり得ます。

ただし、実際には親の意思を直接確認できない状況が多いのも事実です。そこで、親の意思を推測しすぎず、確認のチャンネルを広げることが大切です。

 

 

 

3. 電話番号を知るためのアプローチ

 

番号が不明なとき、現実的に取れる行動にはいくつかの段階があります。

 

(1) 施設や病院に問い合わせる

  • 親が入っている施設や病院に「親と電話で話したい」と伝える。
  • 個人情報の関係で番号を直接教えてもらえないことが多いですが、代わりに「電話を取り次いでもらえる」可能性があります。

ポイントは、感情的にならずに事実だけを伝えること
「娘として母と話したい」「父の様子を知りたい」という気持ちを丁寧に説明すると、施設側も配慮してくれることがあります。

 

(2) ケアマネジャーに相談する

 

介護保険を利用している場合、ケアマネジャーは親の生活全体を把握しています。
直接番号を教えてくれることは難しくても、「ご本人の希望として電話ができるようにしたい」という要望を伝えると、調整してくれることがあります。

 

(3) 法的な代理手段を検討する

 

もしも親の判断能力が低下していて、きょうだいが一方的に情報を独占しているなら、家庭裁判所に申し立てをして「成年後見」や「保佐・補助」といった仕組みを利用できる場合があります。
これは時間も手間もかかりますが、親の権利を守るための正式な手段です。

 

(4) 第三者を介して伝えてもらう

 

共通の知人や親戚を通じて「電話で話したい」という希望を伝えるのも一つの方法です。
ただし、巻き込まれることを嫌がる人もいるため、相手の負担にならないよう配慮が必要です。

 

 

 

4. 注意すべき「やってはいけない行動」

 

焦るあまり、次のような行動に出るのは避けてください。

  • 無断で施設や携帯会社に問い合わせて番号を引き出そうとする
    個人情報保護の観点から、ほとんど不可能であり、逆にトラブルの火種になります。
  • 親の家に押しかけて探す
    不法侵入や迷惑行為とみなされかねません。親にとっても負担になります。
  • きょうだいに強い口調で詰め寄る
    感情的な対立を深めるだけで、親との距離はますます遠くなります。

大切なのは「親のために冷静に行動する」という姿勢です。

 

 

5. 番号を知らなくてもできる工夫

 

もし番号が手に入らない場合でも、親とのつながりを作る方法は残されています。

  • 手紙を書く
    番号がなくても住所は分かる場合が多い。自筆の手紙は親に安心感を与えます。
  • 施設に差し入れと一緒にメッセージを託す
    「電話で声を聞きたい」とメモを添えて渡すと、施設職員が動いてくれることがあります。
  • 録音メッセージを届ける
    親にスマホを操作させるのが難しい場合、音声メッセージを施設に渡し、親に再生してもらう方法もあります。

電話にこだわらず、「声を届ける・聞く」手段を柔軟に考えることが大切です。

 

 

 

6. 心のケアも忘れずに

 

「親に会えない」「電話もできない」状況は、子どもにとって深い無力感や孤独感をもたらします。
 

私のもとにも、「自分だけ置き去りにされたようでつらい」「親が自分を忘れてしまうのでは」と不安を訴える方が多くいます。

 

大切なのは、自分の気持ちを否定せず、信頼できる人に話すことです。カウンセリングや専門家との相談を活用するのも有効です。

 

あなたが抱える苦しみは、「わがまま」でも「過剰反応」でもありません。親を思う自然な気持ちです。

 

 

まとめ

 

親と電話で話したいのに番号が分からない――。
そんなときは、

  1. 施設やケアマネに冷静に問い合わせる
  2. 第三者を介して伝えてもらう
  3. 法的な手段も視野に入れる
  4. 無理な行動は避ける
  5. 電話以外の手段でも声を届ける

この5つを基本に行動してください。

 

最終的なゴールは「番号を知ること」ではなく、親と安心してつながり続けることです。冷静さと柔軟さを持ちながら、一歩ずつ道を探していきましょう。

 

 

 

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はじめに

 

親の囲い込み問題に悩んでいる方の多くが、まず直面するのはコミュニケーションの遮断です。
 

特に現代では、電話よりもLINEなどのメッセージアプリが連絡手段の中心になっています。

 

ところが、送ったLINEが既読になっているのに返事がない──いわゆる「既読スルー」に遭遇することがあります。
 

その瞬間、心の中には「無視された」「敵視されているのではないか」という不安や怒りが湧き上がるものです。

しかし、そこで感情的な反応をしてしまうと、状況がさらに悪化する危険があります。
 

本記事では、「既読スルー」に冷静に対応するための考え方と実践方法を整理していきます。

 

 

 

1. 既読スルーは「敵意」とは限らない

 

まず大前提として知っていただきたいのは、既読スルー=拒絶ではないということです。
 

返事が来ない理由には、実際にはさまざまな可能性があります。

  • 仕事や介護で手が離せなかった
  • 返信内容を考えているうちに時間が経ってしまった
  • 親や第三者の目を気にしてすぐ返せなかった
  • 単純に忘れてしまった

 

私が相談を受けてきたケースでも、「返す気がなかった」よりも「返せなかった」理由の方が圧倒的に多いのです。
それを知らずに「無視された」と解釈して感情的なメッセージを送ってしまうと、かえって関係は硬直化します。

 

 

2. 心理的に揺さぶられる理由

 

それでも既読スルーに強い不安や怒りを感じるのはなぜでしょうか。
背景には、人間の心理的な「不確実性への耐性の弱さ」があります。

 

  • 誰かに無視される=自分の存在を否定されたように感じる
  • 家族との関係に不安を抱えている人ほど、反応に敏感になる
  • 囲い込み問題を抱える方は、連絡が遮断されること自体が大きな恐怖になる

 

このため、LINEの一つ一つの反応に一喜一憂し、メッセージが返ってこないだけで夜も眠れなくなる方も少なくありません。
これは決して「弱いから」ではなく、状況が人の心を過敏にさせているのです。

 

 

 

3. 感情的にならずに待つ工夫

 

既読スルーに遭ったときに大切なのは、「すぐに反応しない」ことです。

 

(1)返信期限を自分で決める

「返事は24時間待つ」とルールを作ると、心の揺れをコントロールしやすくなります。
待つ時間を区切ることで、漠然とした不安が少し和らぎます。

 

(2)メモに書き出して気持ちを外に出す

「なんで返事をくれないのか」「親のことをどうしているのか」など、頭に浮かぶ疑問や怒りをノートに書き出してみましょう。
書くことで気持ちが整理され、相手にそのままぶつけるリスクを減らせます。

 

(3)他の行動で意識を切り替える

不安な気持ちが強いと、スマホを何度も確認してしまいます。
意識的に散歩や運動、読書など「別の活動」を取り入れることで、心のバランスを保ちやすくなります。

 

 

4. 再送するときの工夫

 

もし一定時間が経っても返信がない場合、再送の仕方にも注意が必要です。

 

NGパターン

  • 「なんで返事しないの?」
  • 「無視するつもり?」
  • 「親に会わせろ!」

こうした攻撃的な表現は、相手の防衛心を強めてしまい、ますます返事が来なくなります。

 

おすすめの書き方

  • 「先ほど送った件ですが、確認していただけましたか?」
  • 「忙しいところ失礼しました。ご都合の良いときに教えてください。」

 

事務的・簡潔・相手に負担をかけない文面を意識しましょう。
「親に会いたい」という本題に入る前に、返事をしやすい小さな質問を投げかけるのも有効です。

 

 

 

 

5. どうしても返事がない場合の考え方

 

再送しても連絡が途絶えることがあります。
このときに重要なのは、「LINEだけに頼らない」という発想です。

  • 電話や手紙といった別の連絡手段を試す
  • 親本人や施設職員など、他のルートを探す
  • 必要に応じて第三者(ケアマネジャー、弁護士、家庭裁判所)に相談する

LINEは便利なツールですが、相手がブロックしたり無視したりすれば簡単に遮断されてしまいます。
「LINE=唯一の手段」ではないという認識を持っておくことが、冷静さを保つカギになります。

 

 

6. 法的・実務的な視点

 

既読スルーが続く場合、「親に会わせないための意図的な遮断」の可能性もあります。
この場合には、次のような実務的な準備が役立ちます。

  • 連絡履歴をスクリーンショットなどで記録する
  • 「いつ、どのように連絡を試みたか」をメモしておく
  • 必要に応じて、家庭裁判所の調停や審判で証拠として提出する

こうした記録は、感情の暴発を防ぐだけでなく、後の手続きで「自分は冷静に連絡を試みた」と示す根拠にもなります。

 

 

 

7. 心のケアを忘れない

 

既読スルーは小さな出来事に見えますが、囲い込み問題の文脈では大きなストレス要因となります。
孤独感や無力感が積み重なると、心身に不調をきたすこともあります。

  • 信頼できる友人や支援者に話を聞いてもらう
  • カウンセリングを受ける
  • 日記に感情を書き留める

 

「自分の気持ちを外に出す場」を持つことが、冷静さを取り戻す助けになります。

 

 

まとめ

 

LINEの既読スルーは、決して珍しいことではありません。
 

大切なのは、「すぐに敵意と決めつけない」「感情的に反応しない」「複数の手段を準備する」という姿勢です。

  • 既読スルーは必ずしも拒絶ではない
  • 心理的に不安になるのは自然なこと
  • 冷静に待ち、記録を取り、次の一手を準備する
  • LINE以外の連絡ルートや第三者の力も視野に入れる

 

このように対応することで、無駄な衝突を避けつつ、親との面会や交流を実現する可能性を高めることができます。

「親は家族みんなのもの」です。
 

たとえLINEの画面が冷たく沈黙していても、あなたの思いが途絶えてしまうわけではありません。
冷静に、着実に、一歩ずつ進んでいきましょう。

 

 

 

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私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。

 

 

 

 

はじめに

 

高齢の親が、きょうだいの一人によって自宅や施設で囲い込まれ、他の家族が会えない──。こうした相談が近年増えています。
 

「こんな状況を警察に通報してもいいのだろうか?」
「親に会えないことは、人権侵害ではないのか?」
 

そんな疑問や不安を抱く方は少なくありません。

 

しかし現実には、「警察がすぐに介入してくれる」と考えると、期待と現実のギャップに苦しむことがあります。この記事では、警察相談のメリットと限界、通報によって起こり得るリスク、そして現実的な対応策を整理していきます。

 

 

 

1. 警察はどんなときに動くのか?

 

警察は「刑事事件」や「明らかな犯罪」に関わるときに動きます。
 

例えば、

  • 高齢者への暴力や虐待(身体的虐待)
  • 財産をだまし取る詐欺行為
  • 監禁にあたるような身体拘束

といったケースでは、警察が立ち入り、捜査に進む可能性があります。

 

一方で、「親に会わせてもらえない」「施設で面会を拒まれる」といったトラブルは、すぐに刑事事件として取り扱われにくいのが現実です。これは「家族間の民事的な問題」と位置づけられやすいからです。

 

 

2. 通報したときに期待できること

 

それでも、警察に相談することで得られるメリットもあります。

 

(1) 相談履歴が残る

警察に「生活安全課」や「地域課」で相談すると、その記録が残ります。後に裁判所へ申し立てをするときや、行政機関に支援を求めるときに、「過去に相談実績がある」と示せるのは大きな意味があります。

 

(2) 注意・指導をしてくれる場合がある

ケースによっては、警察が囲い込んでいるきょうだいに「トラブルにならないよう配慮してください」と軽い注意をしてくれることがあります。これは直接的な解決にはならなくても、一定の抑止力となる場合があります。

 

(3) 本人の安全確認

虐待やネグレクトが疑われるときには、警察が「安否確認」の名目で親の状況を確認してくれることもあります。

 

 

 

3. 通報リスクと現実の壁

 

一方で、通報にはリスクや現実的な限界も存在します。

 

(1) 家族関係のさらなる悪化

通報されたきょうだいは「なぜ警察に言ったのか」と反発し、関係が決定的に悪化するケースがあります。親に会う道がさらに閉ざされてしまうこともあるのです。

 

(2) 介入できないと言われる可能性

警察から「それは民事問題なので対応できません」とあっさり返されることも少なくありません。その場合、期待したような助けを得られず、むしろ虚しさが残る可能性があります。

 

(3) 親への心理的影響

高齢の親にとって、突然警察が訪ねてきたり、家族間の争いを耳にしたりすることは大きなストレスになります。結果的に親の体調や心に負担をかけることになりかねません。

 

 

4. 実際に相談する際のポイント

 

では、「警察に相談してみたい」と思ったとき、どんな点に注意すべきでしょうか。

 

(1) 感情的にならず事実を整理する

「きょうだいが親を囲い込んでいる!」と訴えるだけでは、警察は動きにくいものです。

  • いつ、どのように面会を拒まれたのか
  • 施設や自宅での対応はどうだったか
  • 親の安否や健康に懸念がある具体的理由

こうした事実をメモや記録として持参すると、相談はスムーズに進みます。

 

(2) 生活安全課を頼る

交番よりも、警察署の「生活安全課」の窓口が適切です。家庭内のトラブルや高齢者虐待の相談窓口として設けられているため、対応に慣れています。

 

(3) 「安否確認」を依頼する

親の健康状態が不明で心配なときは、「会わせてもらえないこと」よりも「安否確認」を依頼する形で伝えると、動いてもらいやすいです。

 
 

 

5. 警察以外に頼れる機関

 

警察だけに頼るのではなく、他の機関と組み合わせて動くことが大切です。

  • 地域包括支援センター:高齢者の福祉や虐待に関する総合窓口。介護サービスや行政機関につなげてもらえる。
  • 家庭裁判所:面会交流や財産管理の問題については、調停や審判の場で解決を図れる。
  • 弁護士・司法書士:法的な手続きを検討する際の相談先。
  • ケアマネジャー・介護職員:親の日常の様子を把握しており、外部機関へのつなぎ役になり得る。

複数の窓口を活用することで、孤立せずに進められます。

 

 

6. 感情面のケアも忘れずに

 

警察への通報を考える状況にある人は、多くの場合、心が疲れ切っています。
 

「どうして自分だけが会えないのか」
「親を助けたいのに、手段がない」
 

そうした無力感や怒りは、精神的な消耗を招きます。

 

心理的に追い込まれると、冷静な判断や適切な行動が難しくなります。信頼できる相談者(専門家・友人・カウンセラー)に気持ちを話し、感情の整理をしていくことも大切です。

 

 

 

まとめ

 

親の囲い込みに直面したとき、警察への通報は「万能の解決策」ではありません。

  • 警察は主に刑事事件に対応する
  • 相談履歴や注意喚起はメリットになる
  • 一方で、家族関係の悪化や「民事不介入」の壁もある
  • 事実を整理し、安否確認など具体的依頼をすることが大切
  • 警察以外の機関とも並行して動く

そして何より、自分の心を守ること。冷静さを失わずに、段階を踏んで行動することが、親と再びつながる道を開く力になります。

 

 

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33.自宅囲い込み時の訪問アプローチの注意点

 

高齢の親がきょうだいの一人に「囲い込まれ」、自宅に滞在しているにもかかわらず、他の家族が会わせてもらえない──こうした相談は年々増えています。

 

施設に入所している場合と異なり、自宅での囲い込みは「家の玄関口」で拒否されるケースが多く、訪問の仕方を誤ると、余計に関係がこじれてしまうリスクがあります。今回は、自宅囲い込みに直面した際の訪問アプローチについて、注意すべきポイントを整理します。

 

 

 

1.なぜ「自宅囲い込み」が起こるのか

 

まず理解しておきたいのは、なぜ子どもの一人が親を自宅に囲い込むのかという背景です。代表的な要因としては、

  • 親の財産や生活費を自分が管理したいという経済的動機
  • 親の判断力が落ちていることを理由に、他のきょうだいを遠ざけたい心理
  • 「自分が一番親を世話している」という優越感や支配欲
  • 家族間の過去の確執や不信感

といったものがあります。
 

つまり、親のためというよりは「自分のため」の要素が強く、訪問する側がいくら「会いたい」と訴えても、正面突破では壁に跳ね返されることが多いのです。

 

 

2.訪問前に準備すべきこと

 

自宅に直接訪ねる前に、いくつかの準備をしておくことが肝心です。

 

(1) 記録を残す

訪問した日時、対応した人、会えたかどうか、どんな会話があったかをノートに記録しておきましょう。これらは後に家庭裁判所や弁護士に相談する際の重要な証拠になります。

 

(2) 事前に連絡を入れるかどうか

突然の訪問は警戒を招きやすく、「押しかけられた」と非難されるリスクもあります。一方で、事前連絡を入れると「来るな」と言われる可能性も高い。どちらを選ぶかは状況によりますが、親に直接電話がつながるなら、まずは親の意思を確認することが優先です。

 

(3) 第三者に同行を依頼できるか

ケアマネジャーや地域包括支援センターの職員など、中立的な立場の第三者に同行を依頼できる場合があります。これにより「きょうだい同士の私闘」と見られるのを避けやすくなります。

 

 

 

3.訪問時のアプローチの注意点

 

(1) 感情的にならない

玄関口で拒否されたとき、つい「親に会わせてくれ!」と声を荒らげてしまう人もいます。しかし、それは相手の思う壺です。「騒ぎを起こす人だから、会わせられない」と正当化されてしまうからです。冷静な態度を崩さないことが最も大切です。

 

(2) 事実だけを伝える

「お母さんの体調を心配しているので、顔を見たい」
「先週も電話がつながらなかったので、直接様子を確かめたい」
といった具合に、客観的でシンプルな理由を述べましょう。相手の人格を攻撃するような言葉は避けます。

 

(3) 親に直接声を届けられるか試みる

玄関先で遮られても、親が奥の部屋にいるなら声を届ける方法があります。
「お母さん、元気? ちょっと顔を見せて」
と優しい声で呼びかけるだけでも、親に「会いたい」という意思があると示せます。ただし、怒鳴り声は逆効果です。

 

(4) 滞在時間は短く

長時間の押し問答は双方のストレスを高め、関係悪化を招きます。数分で区切りをつけ、拒否が続く場合は一旦引き下がりましょう。その代わり、訪問を繰り返すことで「会いたい気持ちは継続している」と示せます。

 

 

4.法的トラブルに発展させないために

 

訪問アプローチには「境界線」があります。無理やり家に入ろうとすると、不法侵入や迷惑行為とみなされかねません。相手が警察を呼んだ場合、こちらが不利になることもあります。

 

ですから、あくまで「冷静に・短時間で・記録を残す」を徹底してください。もし拒否が続き、親の安否が本当に心配な場合には、家庭裁判所への審判申立や地域包括支援センターへの相談など、制度的な手段に進むことを検討する必要があります。

 

 

 

5.心理的なダメージに備える

 

自宅を訪ねて門前払いされる経験は、とてもつらいものです。親に会いたいだけなのに、拒絶される。しかも拒否しているのはきょうだいである。これは心に大きな傷を残します。

 

そのため、

  • 訪問後に気持ちを整理する時間を持つ
  • 信頼できる友人やカウンセラーに心情を吐き出す
  • 「自分のせいで会えない」と思い込まない

ことが大切です。囲い込みの構造自体が理不尽なのですから、自己否定につなげないでください。

 

 

6.まとめ

 

自宅での囲い込みに対して訪問する際は、

  1. 事前の準備(記録・第三者の検討)
  2. 訪問時の冷静さと事実に基づいた説明
  3. 親への直接的な声がけの工夫
  4. 無理な突破はせず、短時間で切り上げる
  5. 継続して訪問することで意思を示す
  6. 心理的なケアも忘れない

という点が重要です。

 

「親に会いたい」という思いは自然で正当なものです。しかし、アプローチを誤ると、逆に「会わせられない理由」を相手に与えてしまいかねません。冷静さと粘り強さを両立させながら、必要に応じて専門家や制度の力も借りていきましょう。

 

 

 

 

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