高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。


私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。

 

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70 「親を預かったからには口出すな」と言われたら?

――“任せた=すべて従う”ではない――

 

こんにちは。
 

親の介護や生活をめぐって、兄弟姉妹の誰かがこう言うことがあります。

 

「親を預かったのはこっちなんだから、口出ししないで」

一見すると筋が通っているように聞こえますが、この言葉には危うさが隠れています。
 

「預かる」という表現は、親を“物”のように扱ってしまうニュアンスを含み、また「任された側が絶対権を持つ」という誤解を生みやすいのです。

 

今回は、この状況にどう向き合えばいいのかを整理してみましょう。

 

 


1. 「親のため」と「支配」の境界線

 

「預かったから口出すな」という言葉は、

  • 自分の負担が大きいから他に干渉されたくない
  • 管理権を握ることで安心したい
  • 兄弟間の主導権争い

といった背景から出てくることが多いです。

しかし、介護や生活の決定権は 「親本人の意思」 を軸にすべきであり、誰か一人が“独占”するものではありません。

 


2. 本当に大切なのは「親の意思」

  • 親はどんな暮らしを望んでいるのか
  • 誰と会いたいのか、どこで過ごしたいのか
  • 医療や介護サービスについてどう考えているのか

これらは「預かった子」だけでなく、親自身と家族全体で尊重すべきことです。
「口出すな」と言われたときこそ、「では親はどう考えているのか?」を問い直す視点が大切になります。

 

 


3. 「口出しする権利」は兄弟にもある

 

法律的にも、親が判断能力を失っていない限り、親の意思決定が最優先です。
 

また、裁判例でも「きょうだいが親と会うこと・関わること」は法的に守られる利益であるとされています。

 

つまり、「預かっているから他の兄弟は関われない」というのは誤った理解です。


介護や生活に直接関わる人が中心になるのは自然ですが、他のきょうだいにも「親を思う権利」「意見を伝える権利」があるのです。

 


4. 感情的に対抗せず「仕組み」で伝える

 

「そんな言い方はおかしい!」と真っ向から反論すると、対立は深まります。
冷静に、次のような工夫をしてみましょう。

  • 事実と希望を分けて伝える
     「お金の流れが不透明で不安です」
     「母が私とも会いたいと言っていたので面会を希望します」
     
  • 第三者を介す
     ケアマネジャー、包括支援センター、弁護士、調停などを通して話すと、個人攻撃になりにくいです。
     
  • 記録を残す
     メール・LINE・書面でやり取りを残すと、後々の誤解や争いを防げます。


5. 自分の心を守る

 

「口出すな」と突き放されると、罪悪感や無力感でいっぱいになることもあります。
でもそれは、あなたが“親を思う心”を持っている証拠。

  • 「私は親を大切に思っている。その気持ちは間違いではない」と自分に言う
  • 信頼できる人に感情を話す
  • 親と直接会える機会があるなら、短時間でも心を込めて向き合う

あなたの思いは、たとえ否定されても確かに存在し、価値があります。

 


6. まとめ ― 「預かった=独占」ではない

  • 「親を預かったから口出すな」という言葉の裏には、負担感や支配欲が潜んでいる
     
  • 親の生活や介護の主役は、あくまで 親本人の意思
     
  • きょうだい全員に「関わる権利」はあり、独占は法的にも正当化されない
     
  • 感情でぶつからず、仕組み・記録・第三者を通して冷静に伝える
     
  • 否定されても、親を思う気持ちは揺るがない

もし今、きょうだいに「口出すな」と突き放されて心が痛んでいるなら――
どうかその気持ちを押し殺さないでください。
 

あなたが親を思う心は、誰にも奪えない大切なものです。

 

 

 

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