高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。


私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。

 

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75. 「親の写真をSNSにあげることすらできない」現実

 

――はじめに

 

スマホのアルバムに、親の笑顔がいくつも眠っている。けれど、投稿ボタンの手前で指が止まる——そんな夜はありませんか。

 

家族の合意、施設の規約、プライバシーや肖像権、きょうだい間の力関係、そしてなにより「親の尊厳をどう守るか」。

 

理由は一つではありません。専門家としてお伝えしたいのは、「載せられない」ことは臆病さではなく、関係と尊厳に配慮した成熟した選択だということ。

 

そのうえで、写真をあげられない現実とどう折り合い、なお“つながり”を育てていくかをご一緒に考えます。

 

 


1. なぜ“載せない”という選択が苦しいのか

 

私たちは、よい出来事を誰かと分かち合うとき、画像という“証拠”を添えたくなります。

写真は早く、強く、わかりやすく届くからです。

 

だからこそ“載せられない”と、喜びや切なさが行き場を失い、心の内側で渋滞します。

さらに、周囲の「見たい!」という善意が、知らず知らずのうちに圧力にもなります。
 

ここで大切なのは、あなたの躊躇が“過剰反応”ではないと知ること。

高齢の親は体調や表情の変化が大きく、その日の同意が翌日に変わることも珍しくありません。

 

背景に他の入居者や名札が写り込めば個人情報になる。

家族内でトラブルがあれば、画像は“争いの燃料”にもなり得る。

慎重であることには、十分な理由があるのです。

 


2. エピソード①:湯のみ一客がつないだもの(美咲さん・仮名)

 

美咲さんは、母の写真をSNSに載せたくても、同居する兄から「勝手に上げるな」と釘を刺されていました。

議論するほど関係はこじれ、投稿はゼロに。

 

ある日、美咲さんは思い切って、母がいつも使う湯のみだけを撮りました。

日が傾く台所、湯気は映らないけれど、茶渋の輪が柔らかい影を落としている。
キャプションは短く。「きょうも、ここで“おいしいね”と言い合った。」


写真を見た人は、母の顔を知らなくても情景を受け取り、コメントは「あなたとお母さまの時間が伝わるね」と静かな共感で満ちました。

 

数週間後、兄がぽつりと「この写真は、いいな」と言ったそうです。

顔を出さないからこそ、見る人は想像の余白に“敬意”を置ける。

 

美咲さんは、載せないことと共有することが両立する道を見つけました。

 

 


3. エピソード②:手の写真、声のメモ(健一さん・仮名)

 

施設に入る父の写真を、健一さんは撮れませんでした。

規約で他の入居者の写り込みが禁じられ、父自身も「今日は顔がむくんでいるからやめてくれ」と照れてしまう。

 

代わりに彼が撮ったのは、父と自分の手。将棋の駒をつまむ節くれだった指先、盤上の光。

キャプションは「王手までは、まだ遠い」。


さらに、帰り道に車内で30秒だけ父の声をメモに録音し、自分のSNSには文字起こしだけを載せました。

「先に歩いてるだけだ。あせるな。」


顔がなくても、声の色が言葉に滲む。

写真を載せられないから“何もできない”のではなく、別の素材で物語を紡げると知ったとき、健一さんの発信はむしろ温度を増しました。

 


4. 写真の代わりに伝わるもの

 

顔が写っていないと、伝わらない——そう思いがちですが、実は逆のことも起こります。

後ろ姿や手元、愛用の衣類、メガネ越しの空、いつもの食卓、散歩道の影。

 

これらは匿名性を保ちながら、生活の輪郭をくっきり描きます。


言葉もまた、写真の不足を補う素材です。匂い、音、温度、手触り。

たとえば「朝の台所は味噌の湯気とラジオ体操の数え声」で始めれば、読む人はあなたの“居る場所”に連れて行かれます。

 

写真を諦めるのではなく、写真に寄り添う別の感覚を増やす——この発想転換が、発信者としてのあなたを豊かにします。

 

 


5. 合意と尊厳をどう守るか

 

“同意があるなら何を載せてもいい”わけではありません。

高齢者の「今日のOK」は、明日の不快感に変わることがあるからです。

 

撮影や投稿の前に、その日の体調と表情を見て、「今日はやめておこう」と言えるブレーキを自分の側に置く。

 

公開範囲は必要に応じて絞り、名前や住所以外にも、病名・生活の細部・他者の顔など“未来の本人が望まないかもしれない情報”には慎重であること。


これは自粛ではなく、関係の“余白”を守る営みです。

余白があるから、次に会うとき、また気持ちよくカメラを向けられる。その循環が、長い時間の味方になります。

 

もし周囲から「顔が見たい」と言われたら——
「ありがとう。本人の体調や気持ちをいちばんに考えて、今は言葉と景色でお届けしているよ。」と、感謝と方針をセットに伝えてみてください。

 

説明ではなく宣言にすると、相手も尊重しやすくなります。

 


6. “載せない自由”は、つながりを弱めない

 

SNSが当たり前の時代でも、発信は義務ではありません。

沈黙は、喪失や恥ではなく、関係を静かに育てるための選択です。

 

未公開アルバムに写真を置き、年に一度だけダイジェストをプリントして家族で回覧する。

鍵のかかった小さなコミュニティにだけ共有する。

あるいは、あなた自身だけが読む“家族通信”を文章で残す。
 

外へ向けた発信の量と、家の中で育っている関係の質は、必ずしも比例しません。

おおやけの沈黙が、内側の対話を豊かにする——その逆説を、私たちはもっと信じていいのです。

 


7. おわりに——「見えないから、伝わらない」わけじゃない

 

「親の写真をSNSにあげることすらできない」——その現実は、ときに孤独で、悔しく、胸が痛みます。

でも、あなたがいま守っているのは、親の尊厳と、自分自身の後悔のない歩みです。

 

顔がなくても、物語は届く。
湯のみの輪、将棋盤の光、背中に落ちる午後の影。

 

そこに短い言葉が添えられたとき、見る人は想像の力で“あなたの大切”を受け取り、必要以上に覗き込まなくなります。


そして何より、あなた自身が「今日の一枚(あるいは一段落)」と向き合うことで、関係の温度は保たれていきます。

 

載せないことに後ろめたさを抱えた夜は、どうかこうつぶやいてみてください。
「今日は写真の代わりに、匂いと音を置いておきます。台所の味噌汁、湯気の向こうで小さく笑う人がいます。」
 

その文章は、あなたの手の中で、確かな“共有”に変わります。

写真がなくても、ここにはちゃんと、あなたと親の現在が写っています。

 

 

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74. 「親が元気かどうかさえわからない」不安の正体

 

――はじめに

 

電話は鳴らない、LINEは既読にならない、施設や病院に問い合わせても「ご家族の代表の方から」と繰り返される。

 

たった数行の近況でいいのに、それすら届かない時間が続くと、人は自分の足元が崩れていくような心細さに襲われます。

 

「親が元気かどうかさえわからない」——この状態は、単なる心配を超えて、心の安全基地を失う体験そのものです。

 

専門家としてお伝えしたいのは、あなたが感じている胸のざわめきには理由があり、言葉を使えば確かに扱える、ということです。

 

 


見えない“空白”が心に与えるもの

 

人の心は、関係の“手応え”で落ち着きます。

手応えとは、声の温度、息づかい、短い相槌、たとえ「今日は眠いからまたね」であっても、行き来があること。

 

連絡が途絶えると、心は空白を埋めようとして最悪の想像に走ります。これが不安の正体です。

 

不確実さは、そのままではただの“分からなさ”ですが、長引くと「拒絶されたのでは」「何かを隠されているのでは」といった意味づけが始まり、自分を責めたり、誰かを責めたりする気持ちが膨らんでいきます。

 

さらに厄介なのは、この不安が身体の反応として現れることです。

眠りが浅くなり、通知音に過敏になり、スマホを何度も更新してしまう。

 

こうした反応は弱さではありません。心が「大切な人に異変はないか」と見張りを強めている証拠です。

見張りは短期間なら役に立ちますが、長引けば生活を蝕みます。

 

だからこそ、“今できる小さな確実”を手元に置き直す必要があるのです。

 


エピソード①:窓辺の報告書(志穂さん・仮名)

 

志穂さんは、入所先の窓口が一本化されたことで、母の様子がほとんど分からなくなりました。

兄が連絡の主体になってから、「今は忙しい」「落ち着いたら知らせる」とだけ。

 

最初の数週間、志穂さんは怒りと不安で眠れず、夜ごと長文のLINEを打っては下書きのまま消しました。

 

ある晩、彼女は窓辺の小さなノートを開き、こう書きました。

「今日の空は高くて、雲が糸みたい。お母さんは朝ごはん、食べられたかな。」声に出して読み、ノートを閉じる。

 

翌日も、その次の日も、一行か二行だけの“報告書”を重ねました。

 

二週間後、ケアマネから短い電話が来ます。

「この頃、お母さまは食事の前に窓を見上げて、外の空の話をされるんです。」直接の因果はわかりませんが、志穂さんは「私の言葉は届かない」という無力感から、「私の言葉は私を支えている」へと、足場の置き換えに成功しました。

 

以後、連絡が来ない日はノートを開き、来た日は感謝を一文添える。

小さな儀式が、彼女の一日を守る柱になったのです。

 

 


エピソード②:三十秒の現在形(悠人さん・仮名)

 

単身赴任中の悠人さんは、父が一人暮らしを続けることに不安を抱いていました。

週末に電話を試みても、つながらないことが増える。

焦りから矢継ぎ早に質問をぶつけると、父は黙り込み、会話はすぐに途切れました。

 

ある医師の助言で、悠人さんは“最初の三十秒だけ現在形”を意識するようにしました。

 

「今、駅から歩いてる。風が冷たくて気持ちいい。父さんはどんな景色見てる?」

質問よりも、まず自分の状況を短く共有する。

 

情報を取りに行くのではなく、手のひらを見せるように話し始めると、不思議と父の声がほどけました。

 

「今、味噌汁温め直してる。出汁がちょっと薄いかもな。」

以降、連絡がつかない日が続いても、悠人さんは三十秒だけ現在形のメッセージを残し、翌朝に一文の近況をSNSへ。

 

「心配」を「共有」に翻訳し直す癖が、父との連絡そのものを温め直し、悠人さん自身の不眠も軽くしていきました。

 


不安を扱う言葉の置き場所

 

不安は、消そうとするほど濃くなります。

大切なのは、広がりを止める“囲い”を用意すること。囲いとは、言葉・時間・場所の三点です。

 

長文が書けない夜は、一行で良いから“いま”を言う。

たとえば「朝は食欲がなかったかも、と思う自分が怖い。今日はここまで。」時間は、連絡を試みる“窓”を決めて守る。

 

たとえば夕方の二十分だけ連絡を試し、それ以外は携帯から意識的に離れる。

場所は、あなたの心が柔らかくなる定位置。窓辺、台所、駅のベンチ——どこでもいい。

そこでだけ、不安を言葉にしてよい、と決めます。

 

SNSを使うなら、公開の広さを自分で選びましょう。

鍵をかけた小さなスペースでも、匿名のメモでも構いません。

 

ハッシュタグを一つ決めると、時系列が見返しやすくなり、気持ちの波の“地図”ができます。

「#今日はここまで」と結ぶのもよい方法です。終わりを自分で宣言できると、反芻は短くなります。

 

 


伝える相手がいるときの“やわらかい交渉”

 

家族内の調整や施設とのやり取りが必要なとき、攻めの言葉は早く届くようでいて、実は道を狭めます。

 

目的は、相手を変えることではなく、情報の行き来を回復すること。

 

そのためには、相手が動きやすい“幅”を渡します。

「今日の様子を三点だけ、二分で教えてください」「水曜と日曜の夕方に、三十秒だけ電話をお願いできますか」——短く、具体的に、感謝を添える。

 

可否と代案を引き出せる余白を残す。

やり取りの温度が上がれば、あなたの“分からない”は少しずつ“分かる”に変わります。

 


「わからなさ」と共存するための視点

 

ときに、どれほど整えても、情報が来ない日が続きます。

そのとき覚えておきたいのは、関係は連絡だけで出来ているわけではない、という視点です。

 

同じ空を見上げる、相手の好きだった音楽を流す、食卓に一皿分をよける。

これらは未練ではなく、関係の“現在形”を保つ営みです。

 

わからなさの中にも、できる関わりがある。

そう気づくと、あなたの一日は、再びあなた自身の手に戻ってきます。

 


おわりに

 

「親が元気かどうかさえわからない」——この言葉の重さは、あなたが親を大切に思ってきた歴史そのものです。

 

不安は、愛情の裏返し。だからこそ、飲み込まず、言葉にして置き場所を与えましょう。

 

ノートの一行でも、三十秒の音声でも、静かなSNSの投稿でもいい。

あなたが今日交わした小さな現在形が、やがて連絡の道をもう一度あたためます。

 

もしよかったら、今この瞬間のあなたの言葉を一文だけ。
 

「今日はここにいるよ。あなたのことを、ちゃんと考えているよ。」
その一文が、あなたの夜を少し穏やかにしますように。

 

 

 

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 73. 親に会いたい その気持ちを言葉にしよう

 

――はじめに


ふとした拍子に胸の奥から湧き上がる「親に会いたい」という衝動。

電話をかければいい、LINEを送ればいい——頭ではわかっていても、事情が絡み合うと、手は止まり、言葉はほどけません。

 

距離、介護、家族内の意見の違い、仕事や子育ての慌ただしさ。

理由はさまざまでも、根っこにあるのはとても素朴な願いです。

 

専門家の視点からお伝えしたいのは、会えなくてつらいあなたが、まず「言葉」を持つことの大切さ。

発信者としてSNSに小さな一文を置くことは、関係を動かし、あなた自身を支える確かな一歩になります。

 

 


1. 「会いたい」を飲み込むと、心はどこへ行くのか

 

言葉にならない気持ちは、身体のどこかに溜まります。

眠りの浅さ、胸の圧迫感、ため息の増加、返信を先延ばしにする癖——その多くは“未表明の思い”の出口のなさから生まれます。

 

私たちの心は、痛みが小さいうちに名前をつければつけるほど、扱いやすくなる。

逆に、名前のない塊は想像を肥大させ、現実よりも大きな影を落とします。

 

SNSはしばしば「拡散」や「炎上」と結びつけられ、慎重になって当然です。

けれど、発信とは“世界に向かって叫ぶこと”だけではありません。“自分の心に印をつけること”でもあります。

 

たとえ反応がなくても、一行の投稿は、今日のあなたを肯定する控えめな宣言になるのです。

 


2. エピソード①:窓越しの季節を共有する

 

里奈さん(仮名)は、母が入所する施設の事情もあって、思うように面会できません。

最初の数カ月、里奈さんは「会わせてもらえない」と怒りに飲み込まれ、何度も長文を書いては消しました。

 

ある夜、彼女はふと短く書いてみます。「#親に会いたい 今夜は月が丸いね。お母さんにも見せたい。」

 

それだけの投稿に、同じ境遇の見知らぬ人から静かな♡が並びました。

次第に里奈さんの文は、季節のしるしを運ぶ手紙のように育ちます。

「#親に会いたい 沈丁花の香り。あなたが好きだった匂い。」


数週間後、施設の職員さんが電話で「お母さま、最近よく空を見上げていらして」と教えてくれました。

 

直接の因果はわかりません。

ただ、里奈さんは「会えない時間に関係が痩せていく」のではなく、「言葉で温度を保てる」実感を手に入れたのです。

 

彼女の投稿は攻撃ではなく、世界への小さな共有として機能し、周囲との会話も柔らかくしていきました。

 

 


3. エピソード②:遠距離の息子、三行の儀式

 

広志さん(仮名)は海外勤務。

時差と仕事で、父への連絡は「落ち着いたら」と後回しになりがちでした。

そんな彼が始めたのは“毎晩の三行”。
 

「#親に会いたい 今日の出来事を一行」
「いまの気持ちを一行」
「父への呼びかけを一行」
 

たとえば、「#親に会いたい 地下鉄で迷って汗だくになった。情けないけど、少し成長した気がする。父さん、今度会えたら笑って聞いてくれ。」
この三行は、長文の立派な近況報告よりも続きました。

 

やがて出張で帰国できたとき、父はこう言いました。

「お前の“会いたい”を毎晩、寝る前に思ってた。」

 

SNSアカウントを持たない父でしたが、広志さん自身が“言葉にして整える”習慣を通じて、対話の姿勢を取り戻していたのです。

 


4. なぜハッシュタグが助けになるのか

 

「#親に会いたい」は合図です。叫びでも弁明でもなく、心の位置情報。

 

タグは同じ痛みの人同士をゆるやかに繋ぎ、過剰な説明なしに思いを共有できます。

しかも、タグの効用は“他者との接続”だけにとどまりません。

 

あなた自身がタイムラインを遡るとき、季節や気分の変化とともに、“会いたい”の輪郭が見えてくる。これはセルフケアの記録であり、次の一歩を考える地図になります。

 

もちろん、公開に抵抗があるなら、鍵アカウントや非公開メモで構いません。

 

重要なのは、あなたが“名づける側”に戻ること。

状況や誰かの都合が、あなたの気持ちの名づけ親になってしまうと、心はたちまち身動きできなくなります。

 

 


5. ことばにするときの配慮——関係を壊さず守るために

 

会いたさは、時に怒りを伴います。

誰かの段取りや判断が阻んでいるように見えると、苛立ちが言葉の端々に滲みます。

 

ただ、あなたの本当の願いは“会うこと”であって、“裁くこと”ではないはず。

ここで役立つのが、「内面の事実」を主語にする書き方です。


「連絡をもらえず困っている」よりも、「連絡がない夜、私は不安で眠れない」。
「会わせてもらえない」よりも、「会える日まで、私の“会いたい”を形にして残したい」。


主語を自分に戻すだけで、文章は柔らかさを取り戻し、読み手も防御を下ろしやすくなります。

万一、家族内の対立がある場合でも、SNS上の言葉がさらに火種になるのを防げます。

 


6. “書けない夜”のための言葉のレシピ

 

どうしても指が動かない日があります。そんなときは、形式に頼ってみましょう。
最初の一行は「事実」、二行目は「感情」、三行目は「小さな願い」。


例:「#親に会いたい 今日は雨。駅前の花屋に紫陽花。胸が少しきゅっとした。次に会えたら、写真を一緒に撮りたい。」
 

形式が支えてくれると、感情は安全に外へ出られます。

長文にしようと背伸びしないことが、継続のいちばんのコツです。

 


7. 言葉が橋になるとき——周囲との協力を生む

 

やさしい言葉は、実務を動かす力にもなります。

ケアマネや施設職員、きょうだいなど、連絡を取り合う人たちは、攻撃の矢面に立つのを恐れています。

 

あなたが発信で示すのが“感謝と具体”であれば、協力の輪は広がりやすい。


「今日は電話で様子を30秒だけ教えていただけて助かりました。次は日曜の夕方に連絡しても良いでしょうか。」このように、短く、礼を添え、希望は具体に。

 

SNSでのふるまいとオフラインの実務が呼応すると、関係の温度が上がり、会える可能性も少しずつ高まります。

 

 


8. 「会えない時間」にできる、ささやかな同時体験

 

会えない時間は、ただの空白ではありません。

同じ空を見上げる、同じ音楽を聴く、同じメニューを作る——離れていても“同時体験”は作れます。


「#親に会いたい 今日はあなたの味噌汁を真似した。少し薄かったけど、台所があなたの匂いになった。」
 

この種の投稿は、離れている二人の間に“同じ時間の帯”を通します。

関係は、会うことだけでなく、“一緒に感じること”でも深まるのです。

 


9. 終わりに——「言い続けられる言葉」を、自分に渡す

 

「#親に会いたい」は、弱音でも、要求でもありません。

あなたの生の芯を確かめる、静かな祈りです。

 

会える日が来るなら、その日までの灯として。

もし残念ながら会えない事情が続くなら、あなたの生を支える柱として。

 

言葉は、状況の奴隷ではなく、あなたの伴走者でいられます。

 

最後に、いまここで三行だけ、心の中でつぶやいてみてください。
 

「#親に会いたい 今日はどんな空? 私はここにいるよ。」
その小さな宣言が、あなたの明日をすこしだけ柔らかくしてくれますように。

 

 

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72. 「あの時の“またね”が最後になるとは思わなかった」

 

――はじめに


別れを意図していなかった言葉ほど、あとから胸を刺すことはありません。

「またね」は、次の再会を約束する日常の合図。

 

だからこそ、不意にその言葉が最終回になったと知る瞬間、人は時間の流れからふっと置き去りにされます。

 

専門家として喪失に向き合う方々を支援してきた経験からお伝えしたいのは、あなたが抱える「言わずに終わってしまったこと」の痛みは、決して弱さでも未熟さでもなく、深い愛着の証だということです。

 

 

 

――予期せぬ最終回は、いつも日常の顔をしてやってくる


別れは、ドラマのように前置きもBGMもありません。

 

たいていは、スーパーの袋を提げ、明日の予定を口にし、洗濯機が回る音の中で起きます。

だからこそ「最後の言葉が“またね”だった」という事実が、心に長い影を落とすのです。

 

心は出来事を整えるために、何度もその場面を巻き戻し、「あのとき、もっと言葉がけができたはずだ」と自分を責めます。

 

けれど、それは“後悔”という名の自己罰ではなく、“関係を続けたい”という人間の自然な運動です。

 

 

――エピソード①:病室のドアの外で


智子さん(仮名)は、母のリハビリ病院を出るとき、手すりにもたれた母に「またね、来週」と言いました。

母は小さく笑い、指先で空を撫でるように手を振りました。

 

翌朝、容体が急変。看護師からの電話に、智子さんは靴を手に持ったまま玄関に座り込みました。

 

葬儀のあと、智子さんは「“またね”で終わった自分は親不孝者なのでは」と夜ごとに泣き、SNSに言葉を出すことさえできませんでした。

 

数週間後、彼女は小さく一文だけ投稿します。「お母さん、今日はオムライスを作ったよ。あなたの味に、まだ届かない。」

 

その日から、智子さんの“またね”は「今日も話すね」という現在形に変わりました。

彼女は誰かの評価ではなく、自分の声に合わせて関係を続ける方法を見つけたのです。

 

 

 

――エピソード②:駅の改札で


健太さん(仮名)は友人の昇と改札で別れるとき、いつものように手を上げ「またな」と言いました。

 

翌週、昇は事故で帰らぬ人に。

健太さんは最後のLINEを開けずにいましたが、ある夜、震える手で通知を開くと、そこには「今日も遅くまで頑張るわ。お前も無理すんな」という一文。

 

健太さんは、昇がいつも彼の“明日”を案じてくれていたことに気づき、スマホのメモにこう打ちました。

 

「お前の“またな”は、俺にとって“ちゃんと休めよ”だったんだな。」

 

それを投稿すると、見知らぬ誰かが静かな「いいね」を置いていきます。

確認の押印のような反応が、彼の罪悪感を少しずつ解いていきました。

 

 

――なぜ“またね”が刺さるのか


“またね”は「未完」を内包する言葉です。

未完は本来、未来への余白でした。

 

しかし死や絶縁という“再会不能”に触れたとき、余白は空白に変わります。

脳は空白を嫌い、意味づけで埋めようとします。

 

「自分が冷たかったから」「あの一言が足りなかったから」と、原因を自分に引き寄せるのは、その空白を自分の輪郭で囲い込む防衛反応です。

 

ここで大切なのは、後悔を消そうとせず、用途を変えること。

後悔は時間を巻き戻す装置にはなりませんが、次の言葉選びを丁寧にする灯にはなります。

 

 

 

――SNSに言葉を置くという、やさしい儀式


発信は、喪失を“他者と分有可能な体験”へと変える作業です。

壮大な物語に仕立てる必要はありません。

 

たとえば、事実を一行、感情を一行、そして相手への呼びかけを一行——この程度で十分です。


「最後に交わした言葉は“またね”でした。胸がきゅっとします。あなたの好きだった曲を、今夜は小さく流しています。」
 

この短さが、読む人の心に“安全な距離”を保ち、同時にあなた自身の呼吸も守ります。

反応が来なくても構いません。

投稿は、世界への通知であると同時に、あなたの心へ刻印する小さな儀式でもあるからです。

 

 

――境界線と配慮:自分も、読み手も傷つけないために


喪失の語りは、時に誰かの責任追及や衝突を招きがちです。

けれど、あなたの目的は誰かを断罪することではなく、関係を弔い、続けること。

 

実名や詳細を避け、「私に起きた内面の出来事」を中心に書くほど、文章は普遍性を獲得します。

また、書いた直後は通知を切り、温かい飲み物を一杯。

 

感情は波です。押し寄せたら受け止め、引いたら休む。オンラインの向こうにいる人々を信頼しながらも、あなたの夜の静けさを最優先してください。

 

 

 

――“続いている関係”という見方


心理学には「継続する絆(continuing bonds)」という考えがあります。

 

別れたあとも、私たちは心のなかで相手と関わり続ける。

食卓で一口分をよけること、季節の匂いに相手の好きだった花を重ねること、ふとした拍子に呼びかけること——それらは未練ではなく、関係の再構築です。

 

あなたの“またね”は、いつでも言い直すことができます。

「今日はここにいるよ」「今日はこんな失敗をしたよ」と、現在形のメッセージに姿を変えて。

 

 

――言えなかった言葉の扱い方


言えなかった「ありがとう」「ごめんね」「大好きだよ」は、心の底に沈めるほど重くなります。

紙に書き、声に出し、写真の前でそっと結ぶ。

 

もし気が向けば、SNSに一片だけ置いてください。

「今日は言えなかった“ありがとう”を練習しています。」その公開性が、あなたの誠実さを支え、誰かの未完をもやわらげます。

 

発信者としてのあなたは、物語の主人公であると同時に、見知らぬ誰かの“言い直し”を手伝う伴走者でもあるのです。

 

 

――専門家としての小さな提案


日々の投稿のどこかに、関係を温める“合図”を忍ばせてみてください。

 

たとえば、空の写真と一緒に「今日の雲、あなたにも見せたかった」と書く。

これは追憶だけでなく、現在のあなたの生と結びついた呼びかけです。

 

また、節目の日(誕生日や命日)には、長文でなくてもいいので、静かな一段落を。

年を重ねるほど、言葉は骨格を持ち、あなたの生き方に輪郭を与えてくれます。

 

 

――おわりに


「あの時の“またね”が最後になるとは思わなかった。」

この一文は、あなたが丁寧に生きてきた証拠です。

約束を守れなかったのではありません。約束は、かたちを変えて続いていきます。

 

今日、あなたが誰かの夕暮れを思い、短い言葉を世界に置くとき、その“続き”は確かに書き継がれます。

 

もしよかったら、今この瞬間のあなたの言葉を一行だけ——心の中でも、ここでも——つぶやいてみてください。
「——またね。今日は、ここにいるよ。」

 

 

自己紹介など

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ブログ主宰 しらいわ は以下のブログも作成しています。併せてご覧ください。

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4. ごみ拾い日記 Toshi Shiraiwa【静岡】~ごみ拾いが好きで2015年から近所のごみ拾いを粛々を行っています。2020/8~はグリーンバード静岡というごみ拾いグループのリーダーもしています。

 

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高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。


私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。

 

自己紹介 ⇒ 白岩俊正について

 

 

 71. 「親の声が聞きたいだけなのに」

 

「いま、元気?」——ただその一言を交わしたいだけなのに、電話はつながらず、LINEは既読にならず、施設の窓口では「ご家族の代表の方を通してください」と繰り返される。

 

あなたのその胸の痛みは、わがままでも執着でもありません。

家族としてまっとうな願いであり、心の安定を取り戻すための、ごく自然な欲求です。

 

専門家として多くのご相談を受けてきた立場からも、「声を聞きたい」は人が尊厳を保つうえで大切な“権利に近い感情”だとお伝えしたいのです。

 

 

 

ある女性(りかさん・仮名)は、数年来、母の声を電話越しに聞けていません。

母と同居するきょうだいが窓口を独占しているからです。

 

りかさんは責める言葉を重ねたくないので、毎月一回、短い留守電だけを残します。

 

「お母さん、今日は少し寒いね。足もと温かくしてる?」その五十秒に、季節の話題と「大好きだよ」をそっと忍ばせる。

折り返しはありません。

 

けれど、通話記録に“自分の声が母に届く道筋を残した”という手触りがあるとき、彼女はようやく眠れます。

 

それは報われない努力ではなく、愛情のかたちを自分の手に取り戻す行為です。

 

「声」は、記憶と安心をつなぐ糸です。

顔を見ることが叶わなくても、音の高低、間の取り方、ため息の混じり方——それらが一瞬で、長い年月に編まれた親子の履歴を呼び起こします。

 

だからこそ遮られると、人は「自分の居場所が消えていく」ような不安に襲われるのです。

怒りや罪悪感が波のように押し寄せるのは当然で、あなたが弱いからではありません。

心は、関係の音信で整うからです。

 

 

 

もう一人、健さん(仮名)の話を紹介します。

彼は父の入所する施設名を知っていますが、受付でいつも「本日のご面会は難しくて……」と立ち止められます。

 

ある日、施設の自販機の前で、健さんはスマホのメモに父への“声の手紙”を書きました。

 

「父さん、今日は青空だよ。いつもの散歩コース、彼岸花が咲いてた。今度、一緒に歩こう。」それを音読し、録音して自分のメールに送る。

 

届先は自分自身なのに、読み終えた瞬間、彼の表情は少し緩みました。

 

後日、ケアマネを介して数分の電話が実現したとき、父はこう言いました。

「お前の声は、胸に染みるね。」

 

実際には音源は渡っていませんでしたが、“声に出して言葉を整える”ことが、健さんの態度と言い回しを変え、交渉の空気を温かくしたのです。

 

 

「それでも、どうしても連絡が閉ざされる」——そんな夜のために、心がほどける小さな作法を三つだけ置いておきます。

 

まず、あなた専用の“声のノート”をつくること。

日付と天気、今日伝えたい一言を書いて、静かに音読して閉じる。

 

次に、施設や関係者へは短く中立的な言葉で伝えること。

「親の安否と今日の様子だけ、30秒で教えてください。感謝しています。」事実確認の枠を先に示すと、相手は動きやすくなります。

 

最後に、既読がつかない夜は深呼吸を三回してから、「明日また連絡するね」と自分に言うこと。

行動の約束は、不安の反芻を止めるブレーキになります。

 

 

 

あなたが願っているのは、支配でも、誰かをやり込めることでもありません。

 

季節の移ろいを、親の声と一緒に確かめたいだけ。

その当たり前の希望を、どうか疑わないでください。

 

もし誰かから「忙しい」「一括窓口だから」と遮られても、あなたが丁寧に書いた一通の手紙、穏やかな声かけ、誠実な確認のメールの積み重ねは、見えないところで必ず効いてきます。

 

周囲の人も、“責められている”と感じると硬くなりますが、“安心を共有したい”というメッセージには心が動きます。

 

そして、もしあなたがSNSで発信をしているなら、今日の投稿は立派な結論でなくてかまいません。

 

「母さん、今日は風が強いよ。洗濯物、室内に入れてね。」——その一行を世界に置くことで、同じ痛みを抱える見知らぬ誰かが、「自分も書いていいんだ」と思えます。

 

体験を“きれいにまとめない”誠実さは、フォロワーの心を守る灯になります。

発信が、あなたの焦りを鎮め、関係者への言葉を整えるリハーサルにもなるはずです。

 

 

「親の声が聞きたいだけなのに」。

この短い文章には、あなたが紡いできた人生の厚みが宿っています。

 

大げさに戦わなくていい。

ただ、今日もあなたの言葉を一つ、世界に、そしていつか必ず届く親御さんの心に向けて放ってください。

あなたの声が、あなた自身を支えます。

 

もしよかったら、最後に一行だけ、ここに書いてみてください。

「お父さん(お母さん)、——」。その続きは、あなたのやさしさが知っています。

 

 

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