高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。


私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。

 

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67 「親は長男と住みたいと言っている」の真意とは?
――言葉の裏に隠れた“本当の気持ち”を探る――
 

こんにちは。
 

親の介護や生活の場をめぐる話し合いで、こんな言葉が出てくることがあります。
 

「親は長男と住みたいと言っている」
一見するとシンプルな希望のようですが、実際にはこの言葉がきょうだい間の対立を生みやすい火種になります。
 

今回は、この言葉の「真意」を多面的に考えながら、どう受け止めていけばよいかを整理していきます。

 


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1. 本当に「親の意思」なのか?
 

「親は○○と言っている」という表現は、実際には “誰かを通した言葉” であることが多いです。


•    長男自身が「親はそう思っているはず」と解釈している
•    同居している子が「親にそう言わせている」
•    親が一時的な感情で口にした言葉を、きょうだいが強調している

つまり、「親がそう言った」=「親の確固たる意思」とは限らないのです。


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2. 親がそう言いやすい背景
 

① 昔からの家族文化
「長男が家を継ぐ」「長男が親の面倒を見る」という価値観が強い家庭では、親自身も無意識にその言葉を口にしやすくなります。

② 遠慮や気遣い
「本当は娘のそばが安心だけど、負担をかけたくない」と思い、表向きは“長男と住みたい”と言う場合もあります。

③ 依存や安心感
同居している子に頼り切っている場合、「この子がいないと不安」という気持ちから自然にそう口にすることもあります。

④ 認知症などの影響
判断力が低下すると、その場の雰囲気や周囲の誘導で言葉が変わることがあります。
「言わされた言葉」の可能性も考えなくてはいけません。



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3. その言葉が家族に与える影響
 

•    長男以外のきょうだいが疎外感を持つ
•    「親の意思だから仕方ない」と口を閉ざす人が出る
•    「本当にそうなの?」と疑心暗鬼が強まる
 

こうして「親のため」という建前が、実際にはきょうだい間の分断を深める結果につながります。
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4. 真意を確かめるためにできること
 

① 親本人に丁寧に聞く
•    「どうして長男と住みたいと思ったの?」
•    「ほかの子と住むのはどう?」
理由や背景を聞くことで、本音に近づけます。
 

② できれば第三者の同席を
ケアマネジャーや施設職員など、中立の人が一緒に聞くと、言葉の信頼性が高まります。
 

③ 書面や録音で残す
親が繰り返し同じ意思を表明するのか、一時的なのかを確認するためにも、記録は役立ちます。

 


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5. 「親の希望」と「現実的な生活」を分けて考える
 

たとえ「長男と住みたい」という言葉が親の真意だとしても、
•    長男の生活状況
•    経済的な負担
•    他のきょうだいの協力体制
 

といった 現実的な条件を考慮しなければ、親も家族も幸せにはなれません。
 

「親の希望」と「家族全体の現実」を両立できる形を探すことが大切です。
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6. まとめ ― 言葉を“そのまま”受け取らない
 

•    「親は長男と住みたい」は必ずしも純粋な意思ではなく、背景や影響を受けている
 

•    文化、遠慮、依存、病気など、多様な要因で言いやすい言葉
 

•    本当の真意は「なぜそう思うのか」を丁寧に聞くことで見えてくる
 

•    親の言葉を盾にきょうだいが対立するのではなく、「親が安心できる生活」を軸に考えることが大切
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もし今、あなたがこの言葉に心を乱されているなら――
 

「本当にそうなのか?」と疑う気持ちも自然ですし、
「自分は必要とされていないのでは」と傷つく気持ちもまた正しい感情です。
 

けれど、親の本心は一言で語り尽くせるほど単純ではないのです。
どうかその言葉だけに振り回されず、親の背景や想いを丁寧に見つめ直す視点を持ってみてください。


 

 

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