高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。


私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。

 

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62 兄弟間で温度差があるときの対応法

―「同じ家族なのに、なぜわかり合えないの?」に寄り添って―

 

こんにちは。
きょうだいで親の介護や看取りに向き合うとき、「温度差」を感じる場面は少なくありません。
 

ある人は「親を支えたい」と全力で走り、ある人は「自分の生活を守るのが精一杯」と距離を置く。
 

また、「親とよく話したい」「最期まで一緒にいたい」と思うきょうだいがいる一方で、「もう任せたい」「関わると辛すぎる」と背を向けるきょうだいもいます。

 

この記事では、その「温度差」がなぜ生まれるのか、そしてどう向き合えばいいのかを、優しくひも解いていきます。

 

あなたが少しでも心を軽くできるようなヒントをお届けします。

 

 


1. 温度差は“親への愛情の差”ではない

 

まず大前提として覚えておきたいのは、
「温度差 = 愛情の差」ではないということです。

  • 仕事や子育てで余裕がない
  • 過去に親との関係で傷ついた経験がある
  • 介護そのものに強い不安や恐怖がある
  • 経済的・身体的にできることが限られている

こうした事情から、関わりの度合いが変わるのは自然なことです。
「自分ばかり頑張っている」「あの子は冷たい」と感じたときも、背景にある事情を想像すると、少し見方が柔らかくなることがあります。

 


2. 温度差が生じやすい“きっかけ”とは?

  1. 介護の負担が偏っているとき
     日常的に親を支える人は「なぜ手伝わないの?」と思いがち。
     離れて暮らす人は「細かいことはわからない」と距離を感じがちです。
     
  2. 財産や相続の不安が絡むとき
     「費用は誰が出すのか」「親の通帳を誰が管理するのか」が曖昧だと、互いの疑念が強まり、温度差が“対立”に変わりやすくなります。
     
  3. 過去のきょうだい関係が再燃するとき
     子どもの頃の「不公平感」「比較された記憶」が蘇り、「結局いつも私ばかり」といった感情を呼び起こします。


     

3. 温度差がしんどいときのセルフケア

  • 「私はこう感じている」と整理する
     「なぜあの子はやらないの?」と相手にフォーカスすると苦しくなります。
     自分の気持ちを「私は不安」「私は疲れている」と書き出してみましょう。
     
  • “全部は無理”を自分に許す
     「全部背負わなければ」と思うと燃え尽きやすいです。
     「私ができる範囲をやる」で十分。親も本当は、無理をして倒れる姿を望んでいないはずです。
     
  • 小さな喜びを見逃さない
     親の笑顔、介護職員の一言、自分の休憩時間――。
     温度差に振り回される日々の中でも、心を守る“小さな灯り”を見つけましょう。
     

4. きょうだい間でできる工夫

 

① 「事実」と「感情」を分けて伝える

  • NG:「あなたは何もしてない」
  • OK:「週3回通院に付き添っていると、体力的に大変に感じる」

感情をのせず事実を伝えることで、相手は受け止めやすくなります。
 

② “役割分担”を細かくする

「介護=同居している人が全部」ではなく、

  • 遠方のきょうだいは費用分担や書類作成
  • 時間のあるきょうだいは買い物や掃除
  • ITに強い人は情報共有フォルダ作り

など、得意や状況に応じて分担する発想が助けになります。
 

③ 合意は“書き残す”

「誰が・いつまでに・何をする」をメモやLINEに残す。
記録があるだけで「言った・言わない」の摩擦を減らせます。



 


5. 第三者の力を借りる勇気も大切

 

家族だけで話し合うと感情が先立ち、平行線になりがちです。
そんなときは

  • ケアマネジャー
  • 地域包括支援センター
  • 家族会やカウンセラー
  • 弁護士や調停

といった第三者の視点を入れることで、温度差を和らげる糸口が見つかります。

 


6. 「違っていていい」と思えるようになるために

 

きょうだいは、同じ親から生まれても、育った環境・体験・性格は一人ひとり違います。
だからこそ“温度差”が生まれるのは自然なこと。

 

大事なのは「同じ温度になること」ではなく、
「違いを前提にして、どう関係を整えるか」 です。

 

「あなたはそう感じているんだね」「私はこうしたいと思っているよ」――。
 

その相互承認の一歩が、温度差のつらさを和らげ、家族の絆をゆるやかに守ってくれます。

 


まとめ

  • 兄弟間の温度差は、愛情不足ではなく“事情の違い”から生じやすい
  • 背景には介護負担・財産不安・過去の関係性が絡んでいる
  • セルフケアと小さな工夫で「自分の心を守る」ことが大切
  • 第三者を交えれば、温度差を調整する方法が見つかることもある
  • 「違っていていい」と認めることで、家族は壊れずに済む

もし今、あなたが「どうして私ばかり」と心細く感じていたら――。
それはあなたが“親を思う優しさ”を持っている証拠です。
 

完璧に分かり合うことを目指さなくても大丈夫。
違いを抱えながらも、少しずつ歩み寄る道を探すことが、きょうだい関係を守る大切な力になります。

 

 

 

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