高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。
私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。
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(期間: 2025/8/21~2025/9/19 ー 30日間)
62 兄弟間で温度差があるときの対応法
―「同じ家族なのに、なぜわかり合えないの?」に寄り添って―
こんにちは。
きょうだいで親の介護や看取りに向き合うとき、「温度差」を感じる場面は少なくありません。
ある人は「親を支えたい」と全力で走り、ある人は「自分の生活を守るのが精一杯」と距離を置く。
また、「親とよく話したい」「最期まで一緒にいたい」と思うきょうだいがいる一方で、「もう任せたい」「関わると辛すぎる」と背を向けるきょうだいもいます。
この記事では、その「温度差」がなぜ生まれるのか、そしてどう向き合えばいいのかを、優しくひも解いていきます。
あなたが少しでも心を軽くできるようなヒントをお届けします。
1. 温度差は“親への愛情の差”ではない
まず大前提として覚えておきたいのは、
「温度差 = 愛情の差」ではないということです。
- 仕事や子育てで余裕がない
- 過去に親との関係で傷ついた経験がある
- 介護そのものに強い不安や恐怖がある
- 経済的・身体的にできることが限られている
こうした事情から、関わりの度合いが変わるのは自然なことです。
「自分ばかり頑張っている」「あの子は冷たい」と感じたときも、背景にある事情を想像すると、少し見方が柔らかくなることがあります。
2. 温度差が生じやすい“きっかけ”とは?
- 介護の負担が偏っているとき
日常的に親を支える人は「なぜ手伝わないの?」と思いがち。
離れて暮らす人は「細かいことはわからない」と距離を感じがちです。
- 財産や相続の不安が絡むとき
「費用は誰が出すのか」「親の通帳を誰が管理するのか」が曖昧だと、互いの疑念が強まり、温度差が“対立”に変わりやすくなります。
- 過去のきょうだい関係が再燃するとき
子どもの頃の「不公平感」「比較された記憶」が蘇り、「結局いつも私ばかり」といった感情を呼び起こします。
3. 温度差がしんどいときのセルフケア
- 「私はこう感じている」と整理する
「なぜあの子はやらないの?」と相手にフォーカスすると苦しくなります。
自分の気持ちを「私は不安」「私は疲れている」と書き出してみましょう。
- “全部は無理”を自分に許す
「全部背負わなければ」と思うと燃え尽きやすいです。
「私ができる範囲をやる」で十分。親も本当は、無理をして倒れる姿を望んでいないはずです。
- 小さな喜びを見逃さない
親の笑顔、介護職員の一言、自分の休憩時間――。
温度差に振り回される日々の中でも、心を守る“小さな灯り”を見つけましょう。
4. きょうだい間でできる工夫
① 「事実」と「感情」を分けて伝える
- NG:「あなたは何もしてない」
- OK:「週3回通院に付き添っていると、体力的に大変に感じる」
感情をのせず事実を伝えることで、相手は受け止めやすくなります。
② “役割分担”を細かくする
「介護=同居している人が全部」ではなく、
- 遠方のきょうだいは費用分担や書類作成
- 時間のあるきょうだいは買い物や掃除
- ITに強い人は情報共有フォルダ作り
など、得意や状況に応じて分担する発想が助けになります。
③ 合意は“書き残す”
「誰が・いつまでに・何をする」をメモやLINEに残す。
記録があるだけで「言った・言わない」の摩擦を減らせます。
5. 第三者の力を借りる勇気も大切
家族だけで話し合うと感情が先立ち、平行線になりがちです。
そんなときは
- ケアマネジャー
- 地域包括支援センター
- 家族会やカウンセラー
- 弁護士や調停
といった第三者の視点を入れることで、温度差を和らげる糸口が見つかります。
6. 「違っていていい」と思えるようになるために
きょうだいは、同じ親から生まれても、育った環境・体験・性格は一人ひとり違います。
だからこそ“温度差”が生まれるのは自然なこと。
大事なのは「同じ温度になること」ではなく、
「違いを前提にして、どう関係を整えるか」 です。
「あなたはそう感じているんだね」「私はこうしたいと思っているよ」――。
その相互承認の一歩が、温度差のつらさを和らげ、家族の絆をゆるやかに守ってくれます。
まとめ
- 兄弟間の温度差は、愛情不足ではなく“事情の違い”から生じやすい
- 背景には介護負担・財産不安・過去の関係性が絡んでいる
- セルフケアと小さな工夫で「自分の心を守る」ことが大切
- 第三者を交えれば、温度差を調整する方法が見つかることもある
- 「違っていていい」と認めることで、家族は壊れずに済む
もし今、あなたが「どうして私ばかり」と心細く感じていたら――。
それはあなたが“親を思う優しさ”を持っている証拠です。
完璧に分かり合うことを目指さなくても大丈夫。
違いを抱えながらも、少しずつ歩み寄る道を探すことが、きょうだい関係を守る大切な力になります。
自己紹介など
1. 自己紹介
https://www.ameba.jp/profile/general/release-advisor/
2.高齢親の囲い込み問題について体系的な説明(ChatGPT DeepResearchより)
https://ameblo.jp/release-advisor/entry-12919635429.html
3.出版済の電子書籍キンドルリストはこちら
https://ameblo.jp/release-advisor/entry-12920372756.html
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ブログのご紹介
ブログ主宰 しらいわ は以下のブログも作成しています。併せてご覧ください。
1. 自己愛性ハラスメント対策室 ~ 感情的な人に振り回されている方向け~
2. 高齢親の囲い込み 解放アドバイザー ~ 介護が必要になった高齢親が自分以外のきょうだいに囲い込まれて会えなくなった方へ~
3. 家族心理学・家族療法スクール オンライン ~ 家族関係に悩む方や支援職のための学びの場。家族との距離の取り方や関係性の見直しに役立つ知恵を、心理学の視点から発信
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