こんばんは。

魂響書占   たまゆらしょせん   恵理子です。
 
 

両親の老いについて 

また私が面した老いについて綴っています。

 

 

 

老いを生きる(1)両親の老い

 

老いを生きる(2)老いの容量

 

老いを生きる(3)母の衰え 認知症

 

老いを生きる(4)認知症の対応

 

老いを生きる(5)延命治療

 

老いを生きる(6)死への向かい方

 

老いを生きる(7)老いとの色々な関わり方

 

老いを生きる(8)そのまま認める

 

老いを生きる(9)死の話合い 末期がん

 

老いを生きる(10)凸凹で取れるバランス

 

老いを生きる(11)歩み寄り

 

老いを生きる(12)私が思う認知症

 

老いを生きる(13)みんないい人

 

老いを生きる(14)どう生きたい?

 

老いを生きる(15)父の変化

 

老いを生きる(16)母は最強

 

老いを生きる(17)普通ってなに?

 

老いを生きる(18)母の入院

 

老いを生きる(19) 叔父他界

 

老いを生きる(20)母 再入院

 

老いを生きる(21)医療と薬

 

老いを生きる(22)還す時間

 

老いを生きる(23)認知症は治さないといけないの?

 

老いを生きる(24)実の親 義理の親

 

老いを生きる(25)どう生きていくか どう死んでいくか

 

老いを生きる(26)ラッキーな人

 

老いを生きる(27)危篤

 

老いを生きる(28)認知症は神様からの贈り物

 

老いを生きる(29)介護者もひと休み

 

老いを生きる(30)今ある幸せ

 

老いを生きる(31)純粋に還る

 

老いを生きる(32)受け容れる

 

 
 
 
 
 
先日3月31日
家族みんなが希望していた
 
「母を病院から連れ出してお花見をする」
 
が実行出来ました。
 
 
病院に迎えに行った時 認知症の母は
お花見に行くことを忘れてしまっていたけれど
 
「富士森に行って  桜観て  みんなで美味しいもの食べよう!」
と言ったら
 
「いいね!そうしよう!」と即了解。
 
 
母と仲良しの看護師さんがちょうどいらして
「車の乗せ方 実践してあげるよ」と
車の所まで来てやり方を教えてくださった。
 
去年6月に入院して以来初めての外出で
足腰の立たない母を車に乗せるのも初めてだったので
この申し出にホッと一安心。
 
本当にありがたかった。
 
 
教えていただいた通りに
兄が母を抱え  息子がサポートし 義弟の車に乗せ
 
「美味しいもの 食べといでね!」
 
と言う看護師さんの笑顔に見送られて 出発!
 
 
 
 
この日に合わせてくれたのかのように
富士森公園の桜は満開桜
 
 
 
 
久しぶりの外に母はもちろん 
とにかく父が嬉しそうで。
 
 
 
 
 
団体様御一行。
 
孫たちも一緒に集まれてよかった。
 
 
 
 
「桜を観ながら美味しいもの食べよう!」
 
の言葉通り 母は
 
 

 

 

プリンを食べ
 
 
 
 
クッキーを食べ
 
他にもおせんべいとカステラを食べながらお茶飲んで…
 
 
 
 
去年は父と母が2人で歩いたコースをたどって公園内を散策。

 

 
 
 
去年のことや今の桜の様子を説明する父と
 
「お父さんは色んな事をよく知ってるから勉強になる」という母。
 
すぐ忘れちゃうんだけどね それでいい。
 
 
 
 
それから
 
私が母をもう一度連れて行きたいと思っていた近くのカフェへ。
 
 
 
 
母に好きなケーキを2つ選んでもらった。
 
認知症になってからの方が
母は自分の考えをハッキリ言うようになったんだよね。
 
 
 
 
前は「適当に」が口癖で
「代わりに選んで」とか「いいようにして」と
父や私や周りの人に判断を任せていたけれど
もうその口癖は出なくなった。
 
「今日は抹茶じゃなくてコレがいいポイント
って この時も自分で食べたいケーキを選んでいたし
飲み物を飲ませようとした父に
「もっとケーキを食べるの!」って言っていたし。

 

 
それに 大好きなことはやっぱり覚えているんだね。
 

以前ここに来てすごくケーキが美味しかったこと

 

3年前のことなのに 母はちゃんと思い出していた。
 
 
 
 
「さっき公園でも色々食べたし ケーキはそんなに食べないだろう」
 
という父と私の予想に反し 1個分は確実に食べたよね。
 
 
 
 
もうホント 糖尿病の母にはあるまじき
血糖値完全無視!の甘いものオンパレード。
 
でも私は母が喜ぶなら
数値とかはもうどうでもいいと思っている。
 
数値が悪くても 母の状態がいいならそれでいい。
 
「どうしてこんなに元気でおられるのかわからない」
と主治医の先生も首をひねるほど
医療認識から飛び出している母の病状。
 
急変の可能性があるとずっと言われているそんな母にとって
喜ぶことや楽しいことが薬なんじゃないかって。
 
 
 
母は今までも具合が悪ければ 
美味しいものでも「もういらない」って食べるのをやめていたし
自分でちゃんとわかってる。
 
慎重派の父の意向は優先するようにしているけれど
母の本能と生命力を全面的に信じて
これからも食べたいものを食べさせたい。
 
 
 
 
病院で見送ってくれた仲良しの看護師さんは
以前父が一緒にいた時 こう言ってくださった。
 
「人間いつか必ず死ぬ
 だったら 生きている今 どれだけ楽しめるか
 私は楽しんだ方がいい!っていう考えなの」
 
って。 
 
 
見送りの時に言ってくださった

「美味しいもの 食べといでね!」

って一言も 
私たち家族の想いを知っての言葉だと
私は受け取り それがとても心強かった。

 
食べることが大好きな母が
食べられるように 喜べるように
主治医の先生  
他の看護師さんたちや介護士さんたちも
たくさん応援してくださって
この日を迎えられた。
 
 
約4時間程の外出で  母は

「もうお腹いっぱい! もう食べられない。」

と言うほど
甘くて大好きな美味しいものばっかり食べちゃった。
 
 

病院に戻った時 職員の皆さんが

「良かったね~!」
「美味しかった?」

って声をかけてくださったそう。
 

母はいつも「みーんないい人」と言うけれど
本当に食べてるだけで喜んでくれる人たちに
こんなに囲まれている。
 
 
「美味しい!」って食べられる小さな幸せハート
 
その小さな幸せを喜べることラブ
 
 
 
「受け容れるのがとても上手なお母さん」
「周りの人たちを幸せにしちゃうお母さん」
 
と前にお見舞いに来てくれた親友が言ってくれたけれど
本当にそうだな と思った一日だった。
 
 
 
「久しぶりの外出でさすがに疲れたんじゃないかな」

と思いながら後日病院に行ったら
 
「あのくらいへっちゃらよー」だって。

 
母 むしろ元気になっていた爆  笑
 
 

 

 

「また外に行って 美味しいもの食べようね!」
 
って まだまだこれからも食べそうよてへぺろ

 

 

 

 

老いを生きる(35) 存在で生きる