【作品#0766】007/オクトパシー(1983) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

007/オクトパシー(原題:Octopussy)

【概要】

1983年のイギリス映画
上映時間は131分

【あらすじ】

英国諜報員009が殺された宝石密輸事件を追うボンドは「レディの卵」のオークション会場でインドの王族カーンが怪しいと睨み接近する。

【スタッフ】

監督はジョン・グレン
音楽はジョン・バリー
撮影はアラン・ヒューム

【キャスト】

ロジャー・ムーア(ジェームズ・ボンド)
モード・アダムス(オクトパシー)
ルイ・ジュールダン(カマル・カーン)
スティーヴン・バーコフ(オルロフ将軍)

【感想】

ジョン・グレンが続投し、ジョン・バリーが音楽に復帰したシリーズ13作目は、1983年の興収ランキングで「スター・ウォーズ/ジェダイの帰還(1983)」に次ぐ2位を記録した。一時はジェームズ・ブローリン(ジョシュ・ブローリンの父親)がボンド役を演じるためにオーディションまで受けていたが、同時期にショーン・コネリーが「サンダーボール作戦(1965)」のリメイク「ネバーセイ・ネバーアゲイン(1983)」でジェームズ・ボンド役を再演することが決まりロジャー・ムーアが続投することになった。また、本作のボンドガールを演じたモード・アダムスは「007/黄金銃を持つ男(1974)」にも出演していた女優である。

Wikipediaの本作のページによると、本作はシリアス路線に戻ったシリーズが再びコミカルな路線に戻ったと記されている。こちらも出典のない記載なのでページ作成者ならびに編集者の感想なのだろうが、はっきり言って本作は前作と大して変わらんぞ。

まずはシリーズ通して感じていることだが、途中から完全に間延びしている。そこそこテンポよく進んだ前半で映画の推進力はすっかり低下し、核弾頭の話が出てくる本題に入っていく中盤からは完全に物語を進める力はない。前半の宝石を奪ったり奪われたりする展開が用意されているが、あの宝石は核弾頭にすり替えるためだけに用意されたものらしい。宝石関連の話を完全になしにして核弾頭の話だけで映画を進められなかったか。そうすれば本作で131分も上映時間を割かずに済んだはずである。しかも、核弾頭の話よりもまだ宝石の話の方がマシだったぞ。

終盤の危機的状況に対してボンドはサーカス一座の車両に乗り込みピエロに扮する。これは冒頭のシークエンスで殺された009がしていた変装と同じであり、その復讐という意味合いもあるのは分かるが、一刻を争う状況でボンドがピエロに扮するために顔を白塗りにしていたんだなぁと思うと醒めてしまう。また同時にピエロに扮することでまるでボンドが客寄せの空しい役者にも見えてくる。

ボンドを演じるロジャー・ムーアの年齢が上がれば上がるほど、年下のボンドガールとの色恋は違和感を生じてくる。と言っても一昔前のハリウッド映画はオードリー・ヘプバーンに父親位年上の男性の相手をさせていた。そこで本作用意されたボンドガールは40歳手前のモード・アダムスである。色恋は必然の要素らしいのだが、無理しているようにしか見えない。

 

【関連作品】

 

007/ドクター・ノオ(1962)」…シリーズ1作目
007/ロシアより愛をこめて(1963)」…シリーズ2作目
007/ゴールドフィンガー(1964)」…シリーズ3作目
007/サンダーボール作戦(1965)」…シリーズ4作目
007は二度死ぬ(1967)」…シリーズ5作目
女王陛下の007(1969)」…シリーズ6作目
007/ダイヤモンドは永遠に(1971)」…シリーズ7作目
007/死ぬのは奴らだ(1973)」…シリーズ8作目
007/黄金銃を持つ男(1974)」…シリーズ9作目
007/私を愛したスパイ(1977)」…シリーズ10作目
007/ムーンレイカー(1979)」…シリーズ11作目
007/ユア・アイズ・オンリー(1981)」…シリーズ12作目
「007/オクトパシー(1983)」…シリーズ13作目
007/美しき獲物たち(1985)」…シリーズ14作目
007/リビング・デイライツ(1987)」…シリーズ15作目
007/消されたライセンス(1989)」…シリーズ16作目
007/ゴールデン・アイ(1995)」…シリーズ17作目
007/トゥモロー・ネバー・ダイ(1997)」…シリーズ18作目
007/ワールド・イズ・ノット・イナフ(1999)」…シリーズ19作目
007/ダイ・アナザー・デイ(2002)」…シリーズ20作目
007/カジノ・ロワイヤル(2006)」…シリーズ21作目
007/慰めの報酬(2008)」…シリーズ22作目
007/スカイフォール(2012)」…シリーズ23作目
007/スペクター(2015)」…シリーズ24作目
007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2021)」…シリーズ25作目
「007/カジノ・ロワイヤル(1967)」…本シリーズのパロディ
ネバーセイ・ネバーアゲイン(1983)」…「007/サンダーボール作戦」のリメイク
ジェームズ・ボンドとして(2021)」…ダニエル・クレイグに焦点を当てたドキュメンタリー

サウンド・オブ・007(2022)」…本シリーズの音楽/主題歌に関するドキュメンタリー



取り上げた作品の一覧はこちら




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├日本語吹き替え
音声特典
├ジョン・グレン(監督)による音声解説
├ロジャー・ムーア卿(出演)による音声解説
映像特典(Disc2)
├MI6:機密書類保管庫
├秘密任務
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├007プロパガンダ
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