【タイトル】
007/ダイヤモンドは永遠に(原題:Diamonds Are Forever)
【概要】
1971年のイギリス/アメリカ合作映画
上映時間は120分
【あらすじ】
ボンドは大量のダイヤモンドが焼失した事件の捜査を命じられ、アムステルダムへ向かう。
【スタッフ】
監督はガイ・ハミルトン
音楽はジョン・バリー
撮影はテッド・ムーア
【キャスト】
ショーン・コネリー(ジェームズ・ボンド)
ジル・セント・ジョン(ティファニー・ケイス)
チャールズ・グレイ(ブロフェルド)
【感想】
「007は二度死ぬ(1967)」で一度はジェームズ・ボンド役を降板したショーン・コネリーが破格のギャラで復帰した作品。また一方でショーン・コネリーが正規のシリーズで最後にジェームズ・ボンドを演じた作品ともなった。
あまりにメリハリのない作品。基本的にずっと退屈という感じ。鑑賞直後でさえも映画全体がボヤッとしか思い出せない。マイナス点があれもこれも出てくる映画よりも印象に残らない映画の方が罪深いと思える。
事件の捜査をしていくと黒幕がブロフェルドだといういつもの展開になっていき、ブロフェルドの企む悪事がいまいち想像しにくいというのも相変わらずだ。大量のダイヤモンドを搭載した衛星を打ち上げてそのダイヤモンドの反射を利用したレーザー光線を各地に浴びせるって子供が考えたアイデアなのかと思ってしまう。
終盤のボンドとブロフェルドの戦いはなかなかコミカルである。クレーンで吊るされたブロフェルドの乗る船をボンドが何度もぶつけまくるというもの。偽の字幕と笑い声を足せばバラエティ番組になるレベル。割とマジで他にアイデアなかったのか。
ちゃんと敵をやっつけきらなくて良いのか。前作「女王陛下の007(1969)」では、ラストで敵にとどめを刺しておかなかったために愛する女性を殺されてしまった。なのに今作でもブロフェルドの行く末も描くことはないし、船がそれなりのダメージを受けたと判断するとボンドが海に飛び込んでエピローグへジャンプカットする。あれですべて解決したとは思えないぞ。
案の定、豪華客船でボンドがティファニーと旅に出ると、敵の生き残っていたゲイのカップルが立ちはだかる。そこであっさりボンドがやっつけたからいいものの、そこでティファニーが殺されでもしていたら前作の二の舞だ。その匙加減は原作のチョイスや脚本家や製作陣次第ではあるが、たとえボンドを演じる俳優が変わったとしてもまるでボンドが成長していないように見える。
せっかく大金積んでショーン・コネリーに戻ってきてもらったというのにこのクオリティではなぁ。ショーン・コネリーは次回作に本作のギャラを上回る天文学的なオファーを受けたそうだが断り、彼のお墨付きで彼よりも3歳年上のロジャー・ムーアに引き継がれることになっていく。
【関連作品】
「007/ドクター・ノオ(1962)」…シリーズ1作目
「007/ロシアより愛をこめて(1963)」…シリーズ2作目
「007/ゴールドフィンガー(1964)」…シリーズ3作目
「007/サンダーボール作戦(1965)」…シリーズ4作目
「007は二度死ぬ(1967)」…シリーズ5作目
「女王陛下の007(1969)」…シリーズ6作目
「007/ダイヤモンドは永遠に(1971)」…シリーズ7作目
「007/死ぬのは奴らだ(1973)」…シリーズ8作目
「007/黄金銃を持つ男(1974)」…シリーズ9作目
「007/私を愛したスパイ(1977)」…シリーズ10作目
「007/ムーンレイカー(1979)」…シリーズ11作目
「007/ユア・アイズ・オンリー(1981)」…シリーズ12作目
「007/オクトパシー(1983)」…シリーズ13作目
「007/美しき獲物たち(1985)」…シリーズ14作目
「007/リビング・デイライツ(1987)」…シリーズ15作目
「007/消されたライセンス(1989)」…シリーズ16作目
「007/ゴールデン・アイ(1995)」…シリーズ17作目
「007/トゥモロー・ネバー・ダイ(1997)」…シリーズ18作目
「007/ワールド・イズ・ノット・イナフ(1999)」…シリーズ19作目
「007/ダイ・アナザー・デイ(2002)」…シリーズ20作目
「007/カジノ・ロワイヤル(2006)」…シリーズ21作目
「007/慰めの報酬(2008)」…シリーズ22作目
「007/スカイフォール(2012)」…シリーズ23作目
「007/スペクター(2015)」…シリーズ24作目
「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2021)」…シリーズ25作目
「007/カジノ・ロワイヤル(1967)」…本シリーズのパロディ
「ネバーセイ・ネバーアゲイン(1983)」…「007/サンダーボール作戦」のリメイク
「ジェームズ・ボンドとして(2021)」…ダニエル・クレイグに焦点を当てたドキュメンタリー
「サウンド・オブ・007(2022)」…本シリーズの音楽/主題歌に関するドキュメンタリー
取り上げた作品の一覧はこちら
【配信関連】
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(英語/ドイツ語)
<Amazon Prime Video>
言語
├日本語吹き替え
【ソフト関連】
<DVD(2枚組/アルティメット・エディション)>
言語
├オリジナル(英語/ドイツ語)
├日本語吹き替え
音声特典
├ガイ・ハミルトン監督と製作スタッフ、キャストによる音声解説
映像特典(Disc2)
├MI6:機密書類保管庫:
├ショーン・コネリー:1971年BBCインタビュー
├エレベータでの格闘スタント指導
├石油掘削施設襲撃の未公開シーン
├衛星シーンのテスト映像
├爆発シーンのテスト映像
├未公開アングル・シーン集(5シーン)
├未公開シーン集(6シーン中2シーンは新規追加)
├クレジット
├秘密任務:
├007の履歴書
├ボンド・ガール
├味方
├敵
├アクション・マニュアル
├Qの秘密兵器
├魅力的なロケ地
├任務遂行レポート:
├メイキング・オブ・『ダイヤモンドは永遠に』
├ドキュメンタリー:“ボンドを創り出した男”
├007プロパガンダ:
├オリジナル劇場予告編集(2種)
├TVスポット集(5種)
├ラジオ・スポット集(3種)
├イメージ・データベース:1971年『ダイヤモンドは永遠に』公開当時のフォト・ギャラリー
<BD>
言語
├オリジナル(英語/ドイツ語)
├日本語吹き替え
【書籍関連】
<死ぬのは奴らだ>
形式
├紙
出版社
├東京創元社
著者
├イアン・フレミング
翻訳者
├井上 一夫
長さ
├300ページ