伊勢国の神宮めぐり⑦ ~宇治神社と足神さん~ | NAVI彦 ~つつがなき神さまめぐり~

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神社めぐりをしています。
その土地ならではのお話も、
さくっとまとめてます。

宇治橋(うじばし)のたもと
市営駐車場のまわりにも
たくさんの神社があります。

駐車場の南にある
宇治(うじ)神社は、


鳥居前町である『宇治』の

氏神(うじがみ)だといいます。


ちいさな丘のうえにあり
大山祇神(おおやまつみ)を
祀っているようです。

 



ホツマツタヱによれば、

オオヤマツミは
「大山を統べるもの」という

役職名であり、

神奈川の大山(おおやま)が
オオヤマツミ一族の

本拠地だといいます。

 



初代・オオヤマツミは
サクラウチという方で、

天照大神(あまてらすおおみかみ)
左大臣だったようです。

天照大神の正后・
瀬織津姫(せおりつひめ)
父であり、

瓊瓊杵尊(ににきね)の正后・
木花開耶媛(このはなさくやひめ)
曾祖父であり、

左近の桜(さこんのさくら)も
このかたによるといいます。



伊勢の宇治は、
『サコクシロウチ』から

『ウチ』をとって
『宇治』になったようですが、

京都の宇治はこの
『サクラウチ』から

『ウチ』をとって
『宇治』になったのでは?
という話も書いたりしました。

 

内宮の境内でも

祀られていましたから

 

オオヤマズミ一族は

皇室とふかい関係にあるようです。

 



しかしながら、伊勢の

宇治神社に祀られているのは
大山祇神だけではありません。

 

そのほかあわせて
25座いらっしゃるといいます。

 

これは、明治時代の

廃仏毀釈によって

 

近隣の数十社が

合祀されたことによるといいます。


たくさんの神名がならび
とてもおもしろいのですが、

なかでも
宇麻志阿斯訶備比古遅神
(うましあしかびひこじ)は

足神(あしがみ)として
親しまれているといいます。



古事記によると

ウマシアシカビヒコジは
世界で4番目に生まれた神
だといいます。

「カビ」という名から

「黴(かび)」に転じて、
微生物の神ともいうようです。

また、
「良し悪し(ウマシアシ)」も
『葦(よし・あし)』ですから
葦の神ともいうようです。

この、
葦(あし)の神が転じて
足(あし)の神となって
 

足神として

祀られているようです。

 



伝承によれば、

足を怪我して亡くなった老狐を
この地に手厚く葬ったのが

はじまりだといいます。

以来、
お伊勢参りでくたびれた
参拝者の足を癒すとされ、

 

足の神徳があることで

ひろまったといいます。


マラソンの

野口みずき選手も

この地に参ったあと

五輪で金メダルをとったそうです。

 



ところで、
『葦』といえば

葦原を人間にたとえて
『青草人(あおくさひと)』というように

ウマシアシカビヒコジとは
原初の人間の塑像だった

のかもしれませんね。

 



『ホツマツタヱ』とおなじく

神代のヲシテ文字でかかれた
『ミカサフミ』という

史書があるのですが、

 

ミカサフミによると


このかみは
はらわたいのち
みけおもる
うましあしかい
ひこちかみ


とあり、

ウマシアシカイヒコチ神は
内臓と生命と食をまもる神
とされているようです。



さらに、ミカサフミによれば
ウマシアシカイヒコチ神は

5臓と方位をつかさどる
ヰクラ神(キ・ツ・ヲ・サ・ネ)と

6腑をつかさどる
ムワタ神(ア・ミ・ヤ・シ・ナ・ウ)が

天界(サコクシロ)へ還ったあとの
合計11神の総称だといいます。

ちょっと難解で、ぼくも

いまいちよくわかりませんてへぺろ

 

ぼくにとってもミカサフミは

まだまだこれから、ですね。

 



ところで、この
『ミカサフミ』を編纂したのは
大鹿島命(おおかしま)といわれ


この方は
伊勢内宮の神官である
荒木田(あらきだ)氏の

祖先だといいます。



また、境内には
蓬莱(ほうらい)稲荷神社も
あるのですが、

こちらの『蓬莱』も
伊勢内宮の社家だといい、

蓬莱家で祀られていた
お稲荷さんを祀っているようです。

 

 

鳥居前町ですから

内宮とふかい関わりが

あるようですね。

 

けれども、

宇治神社は内宮の

摂社や末社ではないようです。

 

伊勢神宮の

式年遷宮にあわせて

 

宇治神社でも

遷宮を行っているといいますが

 

あくまで氏神さま

ということでしょうか?

 

 

一説によれば、

 

ここにはかつて内宮末社・

那自賣(なじめ)神社が

あったとか、

 

足を怪我した老狐を祀った

という内宮末社の

葦立弖社(あしだてしゃ)が

あったとか、


神路山の小祠が

流れついたとかいうようですが、

 

江戸以前ことは

よくわからないといいます。

 

いずれにせよ

ここで祭祀がおこなわれていた

のはちがいないようで、

 

重要なのは

神社や社殿ではなく

 

この丘そのもの

かもしれません。

 

 

のぼりのうしろには

丘(小山?)を埋め尽くすように

磐がごろごろとしています。

 

 

これらの社はすべて

丘や磐座をまもるために

あるのかもしれませんね。


それくらいここは、
エネルギッシュな場所でした。

 

伊勢参拝のさいには

ぜひぜひあわせて

お参りしたい神社さんです爆  笑



ちなみに、こちらが

25座の神々です。

 

大山祇神(おおやまつみ)
宇麻志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢ)
宇迦之御魂神(うかのみたま)
玉移良比賣神(たまいひめ)[地主神]
御裳須曽姫神(みもすそひめ)[五十鈴川の守護神]

豊玉比賣神(とよたまひめ)
素戔嗚尊(すさのお)
天兒屋根命(あまのこやね)
速秋津日子神(はやあきつひこ)
速秋津比女神(はやあきつひめ)
新川比賣神(にいかわひめ)
火産霊神(ほむすび)
水波賣神(みずはのめ)
★神名不詳一座
応神(おうじん)天皇
天見通命(あめのみとおし)
大職冠鎌足神霊(たいしょくかんかまたりしんれい)[中臣鎌足]
和気清麿神霊(わけのきよまろ)
菅原道真神霊(すがわらのみちざね)
楠正成神霊(くすのきまさしげ)
彌武彦神(やたけひこ)[荒木田氏]
羽倉東麿神霊(はくらあずまろ)[荷田春満(かだのあずままろ)]
岡部真淵神霊(おかべまぶち)[賀茂真淵(かものまぶち)]
本居宣長神霊(もとおりのりなが)
平田篤胤神霊(ひらたあつたね)

 

 

神名不詳一座は、

川上にある磐座の

鏡石(かがみいし)に祀られていた

石津賀神社の神さまだといいます。

 

鏡石というように、

かつては鏡面に磨かれていて

姿をうつすことができたといいます。

 

内宮にある神器の

八咫鏡(やたのかがみ)や

 

ホツマツタヱにのこる

マフツの鏡とも通じそうですね。

 

 

また、

おはらい町のなかにある

楓(かえで)神社は、

 

宇治神社への合祀以前に

大山祇神を祀っていたという

宇治山神社の跡地だといいます。

 

 

 

伊勢国の神宮めぐり⑧ へ つづく

 

 

 

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