鞍馬・貴船めぐり⑩ ~カグツチとミヅハメ~ | NAVI彦 ~つつがなき神さまめぐり~

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神社めぐりをしています。
その土地ならではのお話も、
さくっとまとめてます。

貴船神社
ミツハメの社
呼ばれるようになったのは、

 



天照大神の孫の
瓊瓊杵尊(ニニキネ)の
世だといいます。

滋賀県高島市で
猿田彦(さるたひこ)

出会い、

三尾(みお)の道
ひらいて
大津にいたり

ミズホ宮
築いたころです。

 



日吉(ひよし)大社で祀られる
オオヤマクイに、

比叡山(ひえいざん)の
山背(やましろ)の
京都盆地の開拓を
命じたときのことです。

ホツマツタヱには
こうありました。


なるかみを
わけてしつむる
かぐつちと
みつはめおうむ
あおいはと
かつらにいせの



雷を別けて鎮め、
火の神カグツチと、
水の神ミヅハメを
産みました。

その2神は
夫婦であり、

葵葉と桂のように
妹背(いせ)の道、
つまり男女の理に
象徴されます。




以前、
カモ氏についての記述

こんなものがありました。


田に鉄棒を刺して
雷を落とし、
土壌を電気分解して、
収穫量を上げていた


もしかすると、
ニニキネ一行は、
これを未開拓の
京都盆地に
行っていたのかもしれません。

荒ぶる雷の力を、
避雷針によって
鎮めるだけでなく、

それを
畑に流すことで、
土壌を活性化させて
いたとしたら……

それは大地に
生命(魂・火)をあたえる
ことにもなります。

またそこへ
灌漑事業によって、
水を効率的に、
田畑に巡らせたならば、

いやもしくは、
雷を爆破装置として
利用し、

川の流れを
変えさせていたとしたら、

それは、
雷を火と水に別けた
ということにも
見えたかもしれません。



カグツチとミヅハメは
ここでは
自然神のことでしょう。

火と水がむすばれて
火水(かみ)、

神(かみ)となります。

それが
男女の道、
妹背の道につながるといい、

その象徴として、
その地に葵と桂を
残したというのです。



とすると――
この記述を超訳すれば、

鞍馬では
カグツチ(火)を祀り、
貴船では
ミヅハメ(水)を祀った


ということにも
なりはしないでしょうか?

 

ですから後年、

ニニキネは、
息子の妻である
豊玉姫を説得する際に、

葵と桂の葉を
持っていったのでは

ないでしょうか?

 

そしてこれが、

神紋の双葉葵や

神木の桂として

残ったのだと思われます。

 



この事業により、
ニニキネは
「別雷神(わけいかずち)」
の称号を賜ったそうです。

これは、
上賀茂(かみがも)神社

祀られる、
賀茂別雷神(わけいかずち)

とも繋がります。



もし、
カグツチが
鞍馬に祀られたとすると、

サナト・クマラ
猿田彦じゃないか説も、

ニニキネ繋がりで
なくはない気がしてきます。

 

鞍馬の

魔王殿(まおうでん)の磐座と

 

貴船の

鏡岩(かがみいわ)の磐座が、

 

それぞれ

祭祀場だったのかも

しれません。



また豊玉姫は、
貴船の地で

身罷ったといいます。

もしかすると、
その磐座が
鏡岩かもしれません。

ここで祀られる
高龗神(たかおかみ)は、

豊玉姫だという説もあります。

海神ハデカミの

娘にして、

難破の憂き目にあったも
渚を自力で渡ったという
猛々しさから、

「猛」と同じ意味の
「高」になり、

 

水の神ミズハノメと、

海神のイメージが

習合して、

 

高龗神という

龍として祀られたという
説もあります。



すると、
貴船大神とは
豊玉姫のことだったのかも
しれません。

ときに縁を結び
ときに縁を切る

そんな豊玉姫さまの
生き生きとした性質
あらわれていたのかも
しれません。



補足ですが、

結社の由緒に従うならば、

 

時間の流れとしては、

ミズハノメが

祀られるより前に、
 

磐長姫(いわながひめ)

この地に

隠れたことになるようです。

貴船神社の

舌氏の歴史にも、

 

吉野に逃れた鬼が

しばらく隠れていたのが、

鏡岩だとあります。

とすると鏡岩は、

磐長姫の聖蹟だった

のかもしれません。





さて、
今日は3月3日の
ひなまつりです。

ホツマツタヱには、

ひな祭りの記述もあります。

しかもこのお祭を、
豊玉姫も

祝ったようなのです。



ひな祭りは、

原初神の
国常立尊(クニトコタチ)
からかぞえて、


4代目のアマカミである
ウビチニ・スビチニの
結婚式にはじまるといいます。

歴代の神で、
はじめて男女として
結ばれた方だといいます。

お神酒や盃、
三々九度が生まれたのも
おふたりによるといいます。



桃に縁故のあるふたりは、
幼いころから、
モモヒナギ・モモヒナミと
いわれていましたが、

新婚初夜、酒を飲み、
燃え上がったふたりは、
3日にわたって

床を共にしたといいます。

そうして3日目の朝、
寒川で身を清めました。

そのとき、
おおいに袖を濡らしたので、
ウ(おおいに)ビチニ(濡らす)、
 

すこし袖を濡らしたので、
ス(すこし)ビチに(濡らす)と
いうようになったといいます。

この話はどこか、
海辺で水を掛けあう
カップルのような趣があります。

この睦まじさが、
ヒナ型となって、
結婚の概念が

広まったといいます。



また後年、
隠居したスクナヒコナは、

カダカキという

三弦琴を鳴らしながら、
このふたりのヒナの祭りを

琵琶法師のように
各地に広めたといいます。



そんな故事にならって、

山幸彦と豊玉姫も
鹿児島の宮での
挙式の
お披露目会では、

おおくの人々が
こんな歌を詠ったといいます。


モモヒナギ
交わい後の
3日の日の
川水浴びて
ウビチニの
上から下ゑ

花婿に水
参らせふ
参らせふ


賑やかですね。


ぼくとしては

宴会のビールかけにも似た
やんちゃで幸福な景色が
浮かびます。



ちなみに、
古くは
月経のことを
「火」といい、

火をおさめる
水をかけることで、
月経が止まる、

つまり
子宝に恵まれる
という

水祝いの儀式も、
伝わっているといいます。

 

 

鞍馬・貴船めぐり ~終~

 

 

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鞍馬・貴船めぐり① ~由岐神社~
鞍馬・貴船めぐり② ~源九郎義経~
鞍馬・貴船めぐり③ ~鞍馬寺と金剛床~
鞍馬・貴船めぐり④ ~護法魔王尊~
鞍馬・貴船めぐり⑤ ~鞍馬山・奥の院~
鞍馬・貴船めぐり⑥ ~貴船神社と牛鬼~
鞍馬・貴船めぐり⑦ ~結社とオロチ~
鞍馬・貴船めぐり⑧ ~奥宮と橋姫~
鞍馬・貴船めぐり⑨ ~豊玉姫と玉依姫~

鞍馬・貴船めぐり⑩ ~カグツチとミヅハメ~

 

 

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