山背国の賀茂めぐり⑪ ~幸神社と出雲~ | NAVI彦 ~つつがなき神さまめぐり~

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神社めぐりをしています。
その土地ならではのお話も、
さくっとまとめてます。

賀茂めぐり

最後の神社は、
幸神社です。



正式には、
出雲路幸神社
(いずもぢさいのかみやしろ)
というそうです。



その名のとおり、
出雲に関する神社であり、

下鴨(しもがも)神社
ほど近い、
鴨川の西にあります。



かつては、

200メートルほど東の
青龍町にあり、

 

鴨川のほとりに

鎮座していたといいます。

京都御所の北東、

艮(うしとら)の方角、
鬼門にあたるとして、

反対方位の
申=猿を

祀っているそうです。


ですから祭神も
猿田彦(さるたひこ)
なのだそうです。

 

京都御所の

北東角も

「猿ヶ辻(さるがつじ)」といわれ

木彫りの猿がいるといいます。

 

またその方角には、

鬼門封じの比叡山や、

日吉(ひよし)大社があり、

猿が神使とされていました。

 

そしてここ、

幸神社にも

猿が居るといいます。


 

本殿の東側を

まわってゆくと、

こんな目印があるのでした。

 

 

いわれるまま覗いてみると、

 

 

社の側面に、

いらっしゃいました。

 

鬼門封じというけれど、

とても可愛らしい

お猿さんです。

 

とはいえ、

こちらの神社の創建は、

平安時代どころではなく、


神代にまで

さかのぼるといいます。

境内には
古代祭祀のあとともいう
磐座(いわくら)が祀られていました。



これは
石神(いしがみ)さんとも、

御石(おせき)さんとも

いわれていて、

かなりの霊石であるようです。

触ると崇りがあり、
拝むと良縁に恵まれるといいます。

狂言「石神」に登場するのが、

この神石だといいます。



それが

平安時代になると、
鬼門封じとして
道祖神(どうそじん)が

祀られたようです。

 

災厄から守る神であり、

またの名を

塞ノ神(さいのかみ)とも

いいます。

 

つまりもとは、

出雲路塞ノ神社

だったそうです。


災厄を塞(ふさ)ぐ神、
ということですね。

ほかにも

岐の神(くなどのかみ)や

道俣神(ちまたのかみ)など

さまざまに言われますが、

 

どれも

猿田彦に

習合されるようです。




磐座の横にある

こちらの石碑には、

 


大日本最初御降臨旧跡地 猿田彦御神石

とあるようです。

さてさて、

どうなのでしょうか?
 

 

またこの神社は、
歌舞伎の創始者である
出雲の阿国(おくに)が


稚児・巫女として
仕えたといいます。

一般的には、
出雲大社の巫女だった
といわれているようですが、

 

これだと近場すぎて、

印象が変わりますね。

はるばる上京して、

河原興業をはじめたのか、

 

もともと

地元だったのか……

 

ですが、いずれにせよ、

出雲族なのでしょうね。



由緒によると、
相殿には

天御中主(あめのみなかぬし)をはじめ
天照大神(あまてらす)や
瓊瓊杵尊(ににきね)などの
天つ神にならび、

大国主尊(おおくにぬし)
少彦名太神(すくなひこな)
事代主命(ことしろぬし)など
国つ神も祀られているようです。

もちろん、
猿田彦の妻である、
天鈿女命(うずめ)さまの名も

ありました。

なかでも気になったのは、
可美葦牙彦舅尊
(ウマシアヒカビヒコジ)
という方です。

古事記では、
造化3神につづく
4番目の神さまとして
生まれたといいます。

日本書紀では、
国常立尊(くにとこたち)や
国狭槌尊(くにさつち)とともに

最初に生まれた
神だといもいいます。

そんな

偉大な方だというのに、
祀られているのを
ぼくは見たことがありません。

とても珍しい神社
かもしれません。

 



ウマシは
美称であり、

アシは
葦であり、

カビは、
芽が萌える様をいうようです。

国土ができる前、
大地は浮いた脂のようで
クラゲみたいに漂っていたところ、

葦の芽が生えるように、
生まれたのが、
この神様だといいます。

一説には、
古代文字である
龍体文字を

考案した方だともいいます。

気になる方ですね。



さて、

話しを賀茂に戻します。

本殿内の社の前にはに、
立砂(たてすな)がありました。

 



下鴨神社の近くにも

立砂があったのですね。

しかも、
鴨川の西側、
出雲路にです。

賀茂、秦、出雲が
このあたりでは
手を取り合っていたのでしょうか?

さて、
次回はようやく、
賀茂めぐりをまとめます!

 

 

山背国の賀茂めぐり⑫ へ つづく

 

 

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