山背国の賀茂めぐり⑩ ~神紋・二葉葵~ | NAVI彦 ~つつがなき神さまめぐり~

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神社めぐりをしています。
その土地ならではのお話も、
さくっとまとめてます。

神社には、
家紋のように、

神社をあらわす紋章として
神紋(しんもん)があります。



家紋とおなじく、
平安時代から
使われはじめたといいます。

今回の
賀茂めぐりでは、
どこへいっても

二葉葵(ふたばあおい)が
使われていました。

これらは
賀茂葵(かもあおい)とも
呼ばれているようです。

面白いのは、
どこも少しばかり
デザインが違うことです。

これらのデザインを
巧妙に違えたデザイナーが
いらっしゃるのでしょうか?

そこにもまた、

意味があるのでしょうか?


拡大ですので、
画質が荒いのは、
ご容赦くださいませ。

まずは
下鴨(しもがも)神社から
ゆきます。



二葉葵は、
ハート形の葉が

対になって生え、

 

そのあいだに

淡い紫色の花を

一輪だけ咲かせるそうです。

 

幾何学的な

ラインを描く葉脈は

ほぼ実物どおりの

形をしているようです。

 

葉脈のせいか、
肉厚にぶくぶくと

膨らんでみえますから、

 

そこに

神秘性を感じることも

できるでしょう。


つづいては、
上賀茂(かみがも)神社

神紋です。

 



似ているようで、
別の紋ですね。

 

茎のねじれ方や、

花の形が違います。

それに葉も、

白黒反転しています。


つぎに

近隣の神社の紋を

観て行きましょう。


糺(ただす)の森
河合(かわい)神社

こちらです。

 

下鴨神社に似ていますが、

葉が上下を向いています。


さらに、
下鴨神社内の
井上(いのうえ)社

こちらです。



立ちました。

花も右側に

出ています。


ところが今度は、
下鴨神社の
境外摂社である
賀茂波爾(かもはに)神社

なりますと……

 

 

寝ました。

 

真横を向いています。

 

中心に置かれた花も
緻密なデザインに

なっています。


さてそこで、
上賀茂神社の裏手にある
二葉稲荷(ふたばひめいなり)

みてみますと……

 

花が咲き誇っています。

 

なんて

自信と威厳に満ちた花でしょう。

まだまだパターンは

別れます。

 


上賀茂神社の
境外摂社である
久我(くが)神社では

こうなっていました。

 

 

茎が

クロスしています。
 

花もクロスして

右へ突き出ており

躍動感や

柔軟性があります。

 


また
久我神社のすぐ近く、
紫竹貴船(しちくきふね)神社にも

二葉葵の神紋がありました。

 

 

久我神社と

似ていますが、

花が星型です。


さらに、
神山(こうやま)の麓の
柊野貴船(ひらぎのきふね)神社は……


 

ポップ体のような

太いラインになり、

 

丸みをおびて

はんなりとしていました。

 

花の先からは

雄しべが出ているようです。



かつては

貴船神社だったのでは?

という疑いのある、

大将軍(たいしょうぐん)神社にも

二葉葵紋がありました。

 

チューリップのように

主張のつよい花が

ど真ん中に伸びています。

 

左側の葉の根が、

別れているのも

気になりますね。

 

 

さて、

今回の賀茂めぐりでは

これくらいしか

見つけられませんでしたが、

 

各地にはまだまだ

あるようです。

 

たとえば、
鞍馬(くらま)の貴船神社
このようになっていました。
 

 

賽銭箱の中央に、

二葉葵のレリーフが

取りつけられています。

 

 

また、

嵐山(あらしやま)の

松尾(まつお)大社にもありました。

 

 

茎が切れているのが

特徴でしょうか。

 

踊っているようにも

みえます。

 

 

最後は、

近江(おうみ)の

日吉(ひよし)大社です。

 

 

茎から

なにか別の茎や葉が

生えようとしているようです。

 

この生え方は、

どこか

徳川家の三つ葉葵を

思わせます。

 

これだけ

多様性を持たせながら、

 

賀茂氏に関連のある神社で

いまでも使用されている、

という事実がまた

とても面白いです。

 

一説には、

秦(はた)氏の神社ともいわれる

木嶋坐天照御魂神社

(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)でも

二葉葵が使われているといいます。

 

そちらにも

いずれ行ってみたいと

思っています。

 

 

山背国の賀茂めぐり⑪ へ つづく

 

 

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