淡海国の野洲めぐり⑤ ~新川神社~ | NAVI彦 ~つつがなき神さまめぐり~

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神社めぐりをしています。
その土地ならではのお話も、
さくっとまとめてます。

三上山(みかみやま)
ふもとには
野洲川(やすがわ)が
流れていますが、

 

ホツマツタヱによれば
ここは、

ワカヒメさまと
オモイカネさまが

新居を築いた
『ヤスカワ』だといいます。



ワカヒメは
天照大神(アマテル)の姉で、

丹生都比売(にうつひめ)神社
西宮(にしのみや)神社
生田(いくた)神社
越木岩(こしきいわ)神社
祀られています。

斎名をヒルコといい、

記紀では
生まれてすぐに
川に流されてそれきりですが、

ホツマツタヱでは
すぐに拾われて

住吉(すみよし)大神ともいわれる
カナサキ翁に育てられます。

 



そのワカヒメさまが
一目惚れしたのが、
オモイカネです。


天岩戸(あまのいわと)

お隠れになった天照大神を

 

「ナガサキ」という公演をうって

誘いだしたという

日本最古の演出家です。

夫婦になったふたりは
ヤスカワで、

天照大神と
瀬織津姫(せおりつひめ)
子・オシホミミを
養育していたといいます。

しかし、その

ヤスカワの宮があった場所は
まだ特定されていないといいます。


そこでぼくも

想いを馳せてみようと、


御上(みかみ)神社からほどちかい
新川(にいかわ)神社へ
行ってみました。

 



御上神社から

北西に2キロほど、

 

野洲川からもちかく、

三上山もよく観えそうです。



鳥居の扁額には、

『新川大神社』とありました。

 

 

旧社格は

郷社だそうですが、

 

式内社の

上新川(かみにいかわ)神社に

比定されるといいますから、

 

本来は格式の高い

神社なのかもしれません。

 


参道には、
変わった注連(しめ)飾りが
ありました。

これは、
『勧請吊(かんじょうつり)』という
災厄除けだそうです。


琵琶湖の東では
よくみられるといいますが、

ぼくははじめて観ました。

 

呪術的で

とても気になります。



本殿は

東向きのようです。

野洲川を
向いているのでしょうか?



祭神は
素戔嗚尊(ソサノヲ)で、

配神として
 

妻の奇稲田姫命

(くしいなだひめ)と
 

子の大物主命

(おおものぬし)を
祀っていました。



ソサノヲといえば、
野洲川は
記紀にのこる
『天安河(あめのやすかわ)』とも

いわれていて、


天照大神とソサノヲが
誓約(うけい)をした川に

比定されているといいます。

以前、
生田神社と八社めぐり②~誓約(うけい)~
に書きましたが、


ホツマツタヱでは、
ここヤスカワで
ソサノヲとワカヒメが
誓約をしています。

ホツマツタヱとの
こうした一致も
旅の醍醐味です。

 

 

さらに面白いのは、

 

記紀では

天安川をはさんで

向かいあったとされていますが、

新川神社も、

野洲川をはさんで

向かい合っているのでした。

 

野洲市の

新川神社と、

 

守山市の

新川神社があって、

 

どちらも式内社の

上新川神社に

比定されているといいます。

 



守山市の
新川神社では、

小楯比売命(おだてひめ)
を祀っているといいます。

物部(もののべ)氏に嫁いだ

三上祝(みかみのほうり)

娘だといいますが、

よくわかっていません。

 

また、
野洲川をくだった
琵琶湖のちかくには

下新川(しもにいかわ)神社が
あるといいますが、

こちらでも、小楯姫命を

祀っているといいます。

 

この一帯には、

 

物部氏の

大新川命(おおにいかわ)が

進出していたといいますが、

 

とすると、

野洲の新川神社には

なぜ小楯姫の名がないのかが

逆に気になってきます。

 

やはり、

ワカヒメさまや

ホツマツタヱに関係する

神社だからでしょうか?爆  笑

 

 

伊勢(いせ)神宮の

内宮末社にも

新川神社があるといいます。

 

そこでは

新川比売命(にいかわひめ)という

水の神様が

祀られているそうです。

 

 

ワカヒメさまと

オモイカネさまの

夫婦の新宮を

探しもとめて、

 

ソサノヲさまと

クシイナダヒメさまの

夫婦のお社に

たどり着いただけでも

 

なにか縁を感じますが、

こうして「姫」の名がでてくると

いよいよ楽しくなってきます。

 

 

さてでは、

末社に目を向けてみます。

 

まずは

右境内社の

多賀(たが)神社

大神(おおみわ)宮です。

 

 

ワカヒメとオモイカネが

あずかったオシホミミは、


多賀若宮とも

いわれていたようです。

 

また、オモイカネが
亡くなられたあとは、

高皇産霊(たかみむすび)の
高木神(タカギ)が継いで、
ヤスカワに
今(いま)宮を築いたといいます。

「今(いま)」は

「新(いま)」とも書きますから、
ここがその
今宮だったのかもしれません。

 

 

左境内社には、

若宮(わかみや)神社と

日吉(ひよし)神社

ありました。

 

ソサノオは誓約ののち、
男が産まれたので
自分は潔白だといいながら、
 

ふたたびヤスカワを訪れ、

怒ったワカヒメに

追い返されたといいます。

 

そのときに生まれた子を

若宮神社で祀っているのでしょうか?

 



そして、

厳島神社です。

 

琵琶湖もちかいですから、

沖島(おきしま)や

竹生島(ちくぶしま)

オキツシマ姫かもしれません。


 

またさらに、

新川(にいかわ)は

丹生川(にうかわ)の

転化だとすれば、

 

丹生都比売の名をもつ

ワカヒメさまからすると

可能性が広がります。

 


一説には、

ここは洪水で流された

遷座地であり、

 

旧座地は
すこし離れた

野洲川河川公園だった

とも言われているようです。

 

しかしそうなると、

三上山と

御上神社と

新川神社が

 

一直線に並ぶことになり、

ますますおもしろくなるのでした。

 

 

ワカヒメさまと

オモイカネさまも、

 

オシホミミさまや

タチカラヲさまをつれて

 

三上山に

登られたのでしょうか?

 

こうしてまた悠久へと、

想いを旅立たせてゆきます。

 

 

淡海国の野洲めぐり ~終~

 

 

☆野洲めぐり全記事リスト☆

淡海国の野洲めぐり① ~御上神社~
淡海国の野洲めぐり② ~悠紀斎田~
淡海国の野洲めぐり③ ~近江天保一揆~
淡海国の野洲めぐり④ ~三上山~
淡海国の野洲めぐり⑤ ~新川神社~

 

 

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