2025年度3回目の「大人の休日俱楽部パス」での東日本5日間(11/30~12/4)の旅、2日目からは青森・仙台に泊まる2泊3日の旅だ。まずは、前回のおと休パスで不通で乗れなかった秋田内陸縦貫鉄道と、2027年度末をもって休止(廃線)が予定されている弘南鉄道大鰐線経由で青森に行く。
ただ、天気予報はよくない。前線の通過に伴って日本海側から天気が崩れてきて、秋田、青森県も日中を中心に雨予報。もっとも、この日は観光の予定はないし、雲の切れ間もあるようなので、鉄道旅にはそれほど問題がないだろう。夕方には止みそうだし、ホテルに行く時は傘はいらないだろう。
◎上野7:38→角館10:39 『こまち3号』指定席
E6系『こまち』車両は2+2の1列4人掛けシート。E5系やE2系のような1列5人掛けではないので窓側A席を取っていた。秋田新幹線の場合、A席がいちばん岩木山が見やすい(→冬の北海道鉄道旅①上野→秋田→札幌)。関東ではA席は朝日が眩しいので朝の下りは避けたいが、『こまち』で秋田方面に行くのなら反対側の窓側D席よりもA席の方が好きだ。
南関東は薄曇りだったが、埼玉県北部から青空が広がってくる。JR東日本の車内情報によれば、陸羽東線は大雨らしい。しかし、福島県から宮城県にかけては快晴だ。
乗っていた車両は上野で4、5割の乗車率だったが、大宮で8、9割の乗車率になり、仙台では降りる人より乗る人が多く、満席に近くなる。
宮城県北部になると、朝霧の残りか、地表付近がもやってくる。岩手県に入ると雲行きが怪しくなってきて、盛岡に着いた頃には雨となる。車内盛況のまま盛岡を発車し、田沢湖線(秋田新幹線)に入る。
期待していた岩手山は雨で見えなかったが、数秒きれいな虹が現れ、タイミングよく見る事ができた。雨の中『こまち3号』は奥羽山脈に分け入っていく。山間部はガスと雨。大降りというほどの雨ではない。
仙岩トンネルを抜けて秋田県に入り、志度内信号所で5分停車。『こまち14号』との交換待ち。田沢湖停車で少し乗客が減る。本降りの中、角館到着。2ヶ月前に来た時よりもひどい天気だ(→2025年9月:角館・弘前・青森①)。降りる人は数十人いた。
◎角館11:05→鷹巣13:09 『もりよし2号』運賃1,700円+急行券320円
秋田内陸縦貫鉄道は国鉄時代に建設されて開通していた鷹ノ巣-比立内(ひたちない)間の阿仁合(あにあい)線と、角館-松葉間の角館線に、国鉄赤字で建設凍結中だった比立内-松葉間の開通条件となった国鉄からの分離、全区間第三セクター化により全線(94.2キロ)開通した鉄道だ。
秋田内陸縦貫鉄道への乗り換え時間が26分あるが、雨なので真っすぐにJR線の改札口を出て、右側にある秋田内陸縦貫鉄道の駅舎に行って鷹巣までのきっぷと急行券を買った。
▲秋田内陸縦貫鉄道角館駅阿仁合方向…右はJR線のホーム
『もりよし2号』は紅葉シーズンなどは2両編成で運転される時もあるようだが、この日は1両単行。天気が天気だけに車窓は期待できない。乗客は自分と同じように『こまち3号』からそのまま流れ込んだ十数人に、地元の方が数人の20人弱ぐらい。空席が目立つ。
座席は4人掛けのボックスシートと両サイドのロングシートからなるセミクロスシ-トで、車内にはいっぱい秋田犬の写真が貼られている。早めに並んだのでクロスシートに座れた。
▲角館駅で出発を待つ急行『もりよし2号』
雨の角館を定時に出発。列車には運転手と観光案内をしたり、記念品や名産品を販売するアテンダントの女性が乗車している。車内販売でワゴン車を押して回って来た時に、駅名キーホルダーと名物のチーズ饅頭を買った。
田沢湖線に沿って盛岡方向に1キロほど進んでから左に離れていく。この区間、三大車窓の一つとされる田んぼアートのあるところだが、7~9月上旬が見ごろでこの季節には見られない。窓ガラスを水滴が流れていくので車窓を撮る気にもなれない。
横手盆地北端部の桧木内(ひのきない)川沿いの水田地帯は次第に狭くなっていき、やがてトンネルと橋がいくつもつづく谷間に入っていく。『もりよし2号』はディーゼルエンジンを唸らせながらどんどん上っていく。
いったん止んだかに見えた雨がまた降り出す。黒い雲が上空にあり、標高が上がってきて雨はみぞれになる。標高315mぐらいの通過駅、戸沢は土砂降りだ。
仙北市から北秋田市へ抜ける十二段トンネル(5,697m)内で最高地点を越えると、小降りの打当川沿いの谷筋に出る。すぐに阿仁マタギに停車。旧阿仁町(現北秋田市)には熊猟をするマタギたちの里が点在していたが、山深いこの駅にそのマタギという名が付けられた形だ。近隣には熊だけの動物園、くまくま園もある。
深い谷、狭い河岸段丘、そこに点在する人家という打当川沿いの景色の中を下っていく。奥阿仁を通過して、打当川が阿仁川になる。打当川、阿仁川は能代市に河口を持つ米代川水系の川で、秋田市に河口を持つ雄物川水系の桧木内川とは、十二段峠(十二段トンネル)で流域を分けている。
比立内で下り普通列車と交換。『もりよし2号』が1両なのに対して、下りの角館行普通列車は2両編成だ。ちなみに、秋田内陸縦貫鉄道の下りは鷹巣から角館方向だ。これは最初に開通したのが鷹巣側だったからだと思われる。
秋田内陸縦貫鉄道の3大車窓の二つ目は、笑内(わらいない)-萱草間の大又川橋梁だ。列車が徐行してゆっくりと景色を見せる演出。雨粒の付いている窓越しに撮影してみた。雨で濁った阿仁川は水量が多くて流れが速い。
▲大又川橋梁から見た雨の阿仁川…高架橋は国道105号
▲大又川橋梁反対側の阿仁川下流方向(笑内-萱草間)
橋を渡ると再び列車は加速、阿仁川沿いにどんどん下っていく。1986年に閉山したが、金・銀・銅などが産出した阿仁鉱山で発展してきた町の駅・阿仁合には、角館から1時間10分で到着。駅近くには鉱山に関連する異人館・伝承館がある。上空には黒い雲もあるが、雨は上がっている。
駅周辺には冬の田んぼと疎らに広がる人家のエリア。ここまで乗客はほぼ鉄道旅好きのおと休パスの方だったと思うが、ここで新たに7、8人が乗ってきて、1人降りる。列車の運転手が交代。アテンダントの方は代わらずに乗車つづける。
▲阿仁合駅鷹巣方向
阿仁合は秋田内陸縦貫鉄道の車両基地がある中心駅。車庫や留置線があり、側線に留置されている車両が何両も目につく。ホームは1面2線の狭い島ホームがあるだけ。
▲阿仁合駅の側線に留置された車両群
『もりよし2号』が1両単行なので移動距離が短く、短い時間でホームの両側の写真が撮れた。
▲阿仁合駅の『もりよし2号』後面
2分停車で阿仁合を出発。まもなく、真っ黒い雲に覆われてまた激しい雨(みぞれ)となる。景色もよく見えないほどだ。阿仁前田温泉はクウィンス森吉という温泉付き駅舎。宿泊もできるようだが、毎月第1、第3火曜日が休館。観光客か地元の方か、1人ずつ乗り降りがある。
蛇行する阿仁川に沿って、平坦地が少しずつ広がってくる。田んぼや林、住宅地が混じり合う。鷹巣盆地の外れの米内沢に着くと雨も上がり、地元のおばあちゃんが降りる。
米内沢ー上杉間には三大車窓の最後の一つ、線路の両側から樹木がトンネルのように伸びている緑のトンネルがあるが、他の乗客が運転席の方に集まってしまったので自分は座席に座っていた。後方から遠ざかる景色を撮ることも考えたが、車両後部はトイレでスペースが狭くなっているうえに車内販売の台車まであったので諦めた。
合川でこの列車2度目の交換。対向列車の普通阿仁合行は単行。3分ほど停車時間があったので、ホームで写真を撮る。側線に冬に備えた除雪車が留置していた。
▲合川駅の鷹巣方向
▲合川駅の側線に留置されている除雪車
平坦な田園、樹木に覆われた丘陵地をうねうねと北に向かって進み、秋田自動車道の上を越えたところで縄文小ヶ田に停車。米代川を渡って奥羽本線に合流すると500mほどで終点の鷹巣だ。雨は降っていないが、上空はどんよりとした雲に覆われている。
JR奥羽本線と秋田内陸縦貫鉄道の「たかのす」駅は、元からあるJRは鷹ノ巣と表記し、第三セクターとして再出発した秋田内陸縦貫鉄道は鷹巣と表記する。非電化の秋田内陸縦貫鉄道と電化の奥羽本線を同じ視野で見ると、縦貫鉄道の線路の上がすっきりしている。
▲奥羽本線鷹ノ巣駅①番線から見た東能代・阿仁合方向
奥羽本線①番線の上りホームの西側が秋田内陸縦貫鉄道と一つのホームになっていて、縦貫鉄道の車止めの先に秋田内陸縦貫鉄道の独立した駅舎・改札口がある。JRの駅舎・改札口はその東側に並ぶ。
▲秋田内陸縦貫鉄道の鷹巣駅ホームは駅舎の手前で途切れる
▲鷹巣駅の秋田内陸縦貫鉄道駅舎・改札口
『もりよし2号』から下りた乗客のほとんどは奥羽本線への乗り換え客で、大半が②③番線の下りホームに橋を渡って移動する。鷹ノ巣駅は利用者が少ない感じで、改札口もホームも閑散としている。
▲奥羽本線鷹ノ巣駅②番線から見た弘前方向
▲鷹ノ巣駅①番線にあるJRの改札口
◎鷹ノ巣13:15→大鰐温泉14:08
③番線に秋田発弘前行の普通2両編成の電車が到着。前側の車両に乗ったが、半分ぐらい空席だ。4分停車の大館でほとんどの乗客が降り、連絡している花輪線に乗り換える人が意外に多い。1両目の乗客を数えたら自分を入れて6人だった。車掌が降りてワンマン列車となって大館発車。
碇ヶ関(いかりがせき)で地元の方4人乗車。雲が薄くなってきて天気が良くなりそうだ。次の長峰で1人乗る。
弘南鉄道に乗り換える大鰐温泉で下りるが、自分の他にも数人降りた。
以下つづく。













