JR東日本パスファイナル:①新潟~秋田~男鹿 | ☆出かけよう!気のむくままに…☆

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 昨年10月に発売されて好評だった「鉄道開業150年記念 JR東日本パス」。この3月に「鉄道開業150年記念 ファイナル JR東日本パス」(21,150円)として復活した。連続する3日間、新幹線を含めたJR東日本および第三セクターの7社線が乗り放題のきっぷ。この1月の「大人の休日俱楽部パス(東日本)」も含めてJR東日本エリアのパスを利用するのはこれで3回目で、鉄道旅の要領もだいぶ分かってきた感じだ。

 

 出発は晴天の上野駅。パスで4枚使える無料の指定席の1枚目をスタートの上越新幹線に使った。10:22発新潟行『とき315号』に乗車、定時に出発した。12両編成で指定席は6割ぐらいしか埋まっていなかったが、次の大宮でほぼ満席になった。日曜日のこの時間帯でも大きな荷物を持ったスキー・スノボ客が多い。

 次の高崎で少し乗客が減り、上毛高原はほとんど乗り降りがなく、群馬県から新潟県に抜ける大清水トンネルを出たところの越後湯沢でスキー・スノボ客がどどっと降りて、車内は半分ぐらいが空席になった。またトンネルをいくつか抜けて浦佐に着き、そこでもいくらか乗客が降りる。長岡で残りの半分ぐらいの乗客が降りて、燕三条でもさらに乗客が降りる。

 結局、終点の新潟まで乗り通した乗客は1割ぐらいの人だった。新潟駅⑪番線12:24着。このホームは近年整備された在来線乗り換えホームで、在来線の⑤番線とで一つの島式ホームになっている。ホームの中央に、新幹線側と在来線側を仕切るフェンスがあり、前側と後ろ側のホーム上に新幹線改札がフェンスを通り抜ける形である。

新潟駅⑤⑪番線ホーム

▲新潟駅乗り換えホーム:左新幹線⑪番線、右在来線⑤番線

 

 ここですでに入線してしていた特急『いなほ5号』(7輌編成)に乗り換えだが、乗り換え時間は8分。しかし、同じホームでの乗り換えなので、乗り換え改札口から離れた席だったとしても余裕で乗り換えられそうだ。

新潟駅『いなほ5号』前面

 

 『いなほ5号』の乗車率は指定席(パスで2枚目の指定席)で半分足らず。進行方向左側の窓側席は完全に埋まっているが、通路側の席や右側の窓側席は空席が多い。みなさん、日本海の景色を見たいのが分かる。『いなほ5号』は本来は酒田止まりだが、多客期に秋田まで延長運転する。

 12:32定時に新潟出発。新潟車両センターを囲むようにある信越本線と白新線とのデルタ区間の上沼垂(かみぬったり)信号所で信越本線から分かれ、白新線に入る。最初は白い山並みが連なる、ほぼ東の飯豊山地に向かって進む感じだ。新潟の市街地を抜けると新潟平野が開け、まだ何も植えられていない田んぼが目につく。日本の穀倉地帯の一つだ。建物は駅周辺や道路沿いにある。この日は日本海側も快晴で、まだ海は見えないが景色がよい。

 新発田で新津からの羽越本線と合流。ここから秋田までは羽越本線を北上する。最初は北東に進む。米坂線との分岐駅、坂町には13:10着。磐越西線以北の東北横断ルートは、昨年夏の豪雨被害で軒並み分断され、東西の移動がかなり困難になっている。米坂線も例外ではなく、途中の今泉まではバス代行輸送になっていた。

 坂町を過ぎると線路は北に向き、線路の剥がされた側線跡が何本も見える村上駅では③番線に到着。①番線で新潟行の『いなほ8号』が待っていて、同じ島ホームの②番線には酒田行の始発普通が待っていた。羽越本線は単線区間と複線区間が細かく分かれていて、村上の南側は単線、北側は複線区間だ。村上では『いなほ5号』の28分後に発車する普通に乗り換える人もかなりいた。

 村上を発車すると直流1,500ボルトから交流20,000ボルトへのデッドセクション。架線に電流の流れていない慣性走行区間を通り抜けると村上トンネル(2,333m)だ。トンネルを抜けるとパッと日本海が広がり、ここでようやく日本海の景色が見られる。正面に粟島が大きく見える。南北10キロぐらいの細長い島だが、本州からおよそ20キロしか離れていないので予想以上に大きく見えた。

越後早川-桑川間

▲越後早川-桑川間

 

 しばらく、羽越本線は海岸沿いを北上していく。山稜が海に迫り、海岸部に平地は少ない。粟島の位置が車窓の左前方から次第に後方に移っていく。鼠ヶ関(ねずがせき)の手前で山形県に入る。小波渡(こばと)を過ぎると線路は内陸に向かい、やがて庄内平野に出る。羽前大山を過ぎると線路は東に向かい、左手に東北の峻峰・鳥海山(2,236m)がきれいな姿を現す。

羽前大山-鶴岡間・鳥海山

 

 やがて、庄内平野南部の主要駅鶴岡に停車。羽黒山や月山(がっさん)への最寄り駅だ。このあたり、右側の窓から月山が見える。『いなほ5号』は米どころの庄内平野を左にカーブすると北上、やがて陸羽西線との分岐駅・余目に着く。陸羽西線は隣接する道路トンネルの工事の影響で、現在全区間バス代替輸送となっている。

 砂越で西に進路を変えると、今度は右手に鳥海山が見える。やがて、日本海や最上川の水運で栄えた酒田に到着。酒田駅は本来の『いなほ5号』の終着駅だ。酒田は①番線に入ったが、③番線には臨時リゾート快速の『海里』が留置されていた。

 ここまでに空席の目立った『いなほ5号』だったが、ここでかなりの人が乗車してきた。12:29から15:30の普通まで秋田行の下りがないので、この14:43発の『いなほ5号』の需要はあるのが分かる。ただ、満席になるほどでもないし、平日はどうなのかということを考えると、常時運用は難しいのかもしれない。

 酒田から再び北上。右側の鳥海山がだんだん大きくなってくる。女鹿-小砂川間で秋田県に入り、松尾芭蕉が訪れた最北の地・象潟(きさかた)に停車。海はあまり見えないが、さらに日本海沿いを北上して仁賀保、羽後本荘と停車、そして右から奥羽本線・秋田新幹線が合流すると、すぐに終点秋田だ。秋田到着16:07でホームは⑥番線だ。羽越本線の景色は素晴らしかった。

 

秋田駅大館方

▲秋田駅⑤番線から見た青森方向

 

 ⑤番線ホームから隣の③④番線ホームを撮っていたら、奥羽本線の新庄からの普通電車が⑤番線に入ってきた。『いなほ5号』の乗客もいなくなっていた⑤⑥番線ホームだが、ここで再び乗客の姿が多少なりとも見られた。一方、列車(電車)の入っていない③④番線ホームには人の姿がない。

秋田駅④⑤番線

 

 橋上駅舎の秋田駅。階段を上って2階の構内通路に出ると、蒸気機関車D51の大きなモデルが展示されていた。追分からの男鹿線も秋田起点に運行されているし、奥羽本線、秋田新幹線、羽越本線と乗り入れる車両は多く、構内通路を人が絶えることはなかった。

 自動改札を出て、同じ2階の東西連絡自由通路(ぽぽろーど)に出る。こちらは地元の人や観光客で賑わっていた。もはや完全にコロナ禍は終わった感じだ。みどりの窓口や観光案内所、いろいろな店舗は絶えず人が出入りしている。通路には人のモニュメントや大きななまはげ、秋田犬の像などが飾られていた。

秋田駅東西自由通路東側

▲秋田駅東西連絡自由通路東側

 

 通路を西口方向に歩いていく。一段下がった右に駅ビルのトピコ(Tópico)があり、その先の左右に下りる階段・エスカレーターが西口になる。自由通路の先は、さらに一段下がって秋田駅前大屋根通りに続いている。

秋田駅東西自由通路西口-大屋根通り

▲秋田駅前大屋根通り

 

 今日の旅はまだ続く。明るいうちに男鹿線を往復する。自由通路をうろついていたら、乗車予定の男鹿線の発車時刻が迫っていた。急いで②番線ホームに行く。通常は2両編成だが、日曜日の帰宅時間帯という事もあってか、4両編成のEV電車(交流用蓄電池電車)がホームに待っていた。階段近くの前側の車両の着席率は8割程度で立っている人もいたが、後ろの方の車両にいったら余裕で座れた。

 一般の社会人や秋田で買い物や遊びからの帰りという感じの若い人たちを乗せた車両は、16:30の定時に秋田を発車した。4つ先の追分までは奥羽本線を走る。2駅目の土崎で半分ぐらいの乗客が降りた。3駅目の上飯島までは住宅も多く、秋田都市圏の印象だ。追分でさら半分ぐらいの乗客が降り、男鹿線に入るころには乗車率20%ぐらいになった。

 奥羽本線から左に分かれて、日本海に突き出た男鹿半島に向かう。追分までは複線電化区間だったが、ここからは全区間単線非電化。沿線の景色は林や荒野、点在する住宅、太陽電池パネルという感じだ。最近はどこでも太陽電池パネルを見かける。

 上二田駅の周辺は田畑や住宅、二田駅の周辺は住宅が多い。天王-船越間で八郎潟の水門が右に見えた。水門からの八郎目川を渡るが、左側少し先に日本海が見える。船越でまた半分ぐらいの乗客が降りて、車内は5人ぐらいになった。

 田畑の広がる脇本駅で上りの2両編成普通と交換。周辺にうねった丘陵と田畑が目立つ羽立駅で2人降り、車内は3人になった。前の方の車両も同じような感じだろう。終点男鹿は17:25着。島式1面2線のホームと使われていない側線があった。

男鹿駅秋田方

▲男鹿駅ホームからの秋田方向

 

 乗ってきたEV電車は①番線ホームにのみ張られた架線から充電中だ。②番線ホームには架線がないので普段は使われていないのだろうか。それとも、奥羽本線内の充電で男鹿線内を往復できるという事か。なお、男鹿線は2021年3月のダイヤ改正で、全車両EV車両化されている。

男鹿駅ホーム

 

 ホームの外れの新しい駅舎にはSuica用の改札機も自動改札機もないので、駅員にパスを見せて外に出た。駅の西側にあたる駅前は広々として平屋の建物が一軒と、寄せ集められてまだ解けていない雪の大きな塊が一ヶ所あるのみだ。沈みかけた西日は弱々しい。

 道路を挟んだ正面に道の駅おが「オガーレ」が広い駐車場を備えてあったが、もう時間も遅いせいかほとんど車も停まっていなかった。

男鹿駅駅舎

▲男鹿駅駅舎

 

 オガーレの先に津波避難用の「まじゃらぐタワーアガーレ」が見えたが、遠目にも中に入れそうもなかったし、南側に見える日本海も簡単には海辺に行けそうもなかったので、オガーレの駐車場でUターンした。

道の駅おがオガーレ

▲駐車場から見た道の駅オガーレとNTT東日本の電波塔

 

 オガーレの中はほとんど店仕舞いしていたが、明かりのついているところもあった。そこでなにやら勉強している学生の姿も見える。どうやら、休憩スペースは24時間利用可の様だ。

 駅側の休憩スペースで買ってあったサンドイッチを食べたが、コーヒーが飲みたくなったので、そこの自販機で販売していた缶飲料ではなく、唯一開いていたレストランでコーヒーだけ頼んだ。18時オーダーストップとのことだったが、とりあえず10分ぐらい余裕はあった。Suicaは使えなかった。

 その後駅に戻って、乗ってきたEV電車の折り返し運転で秋田駅に戻った。男鹿は18:05発で、秋田は18:56着だった。車中で暗くなったのは言うまでもない。

 秋田駅では連絡自由通路の蕎麦屋に入り、食べ足りなかった夕食分をコロッケそばで満たしてから、予約していたホテルに向かった。ホテルは前回のキャンセルしたところはバツが悪いので別のところを予約していた。西口、駅から3、4分というところ。

 

 長くなったので、以下つづく…。

 

JR東日本パスファイナル:②秋田~大曲