茨城県内のJR線と私鉄・第三セクター線4社が乗り降り自由の『ときわ路パス』で今年の2月に下館と勝田に行ってきた。出発地は常磐線の茨城県南端の取手。ここで『ときわ路パス』を買って関東鉄道常総線で下館へ、下館からJR水戸線で友部へ、そして常磐線で勝田へのルートとなる。同じようなルートで水戸に行き、そこから鹿島臨海鉄道で鹿島神宮へ行ったことが過去にもあるので途中までのルートは『ときわ路パス:1常総線』『ときわ路パス:2下館→水戸』も参考にしていただきたい。
常総線は日中は単行運転が主体で、複線区間の取手-水海道間がおおむね1時間に3本で水海道行と下館行が交互に発車し、単線区間の水海道-下館間は1時間当たり2本の運行になっている。
日曜日の昼下がり、取手12:30⑦番線からの下館行1両単行の気動車で出発。コロナ禍以前は日中でも下館行快速というものがあったが、現在は朝夕に数本残るのみで、各駅停車での1時間28分の移動となる。車内はロングシートの座席にゆとりをもって乗客が座り、幾人かが立つという感じだ。
取手から8駅目のつくばエクスプレスとの乗換駅・守谷まででは南守谷-守谷間がいちばん混んだ。立ち客だけで20人以上はいたが、守谷では全乗客の7割ぐらいが降りてしまった。しかし、守谷は乗車する人も多くて、結局また10人ぐらい立ち客が出た。
乗務員の交代をして守谷を出発。その後は次第に乗客が減っていくが、極端にガラガラになることはなかった。5分ほど停車の水海道は改札口に面した①番線に入る。すぐに、取手行となる単行の回送列車(気動車)が後ろからきて、②番線ホームに入った。
▲水海道駅①番線から見た下館方向
20人ぐらいの乗客を乗せて13:06水海道発車。茨城県西部の農村地帯を下館に向かって北進していく。駅周辺部や道路沿いに人家はまとまっているが、駅と駅の間には農地が広がるエリアも多く、右手には筑波山が目立つ。関東平野のこの辺りは鬼怒川の沖積平野で、日光連山からの土砂がこの辺りを豊かにしている。
水海道から3つ目の三妻で上り取手行と交換。さらに5駅先の下妻で再び取手行と交換する。下妻では半分がらいの乗客が降りて、数人の乗車。空席が増えた。取手行の方も10人ぐらい降りた感じだ。あとから来た上りが先に発車してからこちらも発車。
次の大宝で2人降りたので残った乗客を数えたらちょうど10人だった。黒子で2人降り、太田郷で水海道行と最後の交換。1人降り、2人乗る。9人の乗客を乗せて、終点・下館には13:58到着。
▲下館駅常総線ホームから見た水海道・小山方面
常総線のホームから水戸線側のホームを見ると、①番線に真岡鐵道の茂木(もてぎ)行が入線していた。
▲下館駅のモオカ14形気動車
跨線橋を渡って①②番線ホームに移動した。②番線は改札口に面した水戸線の友部方面(下り)のホームで、途中までしかない切り欠けホームの①番線は真岡鐵道の専用ホームになっている。①番線と②番線の間には仕切りが設けられていて、ホームの一角で係員がきっぷをチェックしたりしていた。
特に時間を調べずに家を出てここまで来たので、係員に列車(気動車)の出発時刻を尋ねたらまだ30分以上あった。その列車で茂木まで行って戻ってきたら16:59になる。次の目的地がこの日のメインなので、真岡鐵道は今回も諦めた。
▲JR水戸線とは仕切られたホームの真岡鐵道下館駅ホーム
真岡鐵道の倍ぐらいの長さがある水戸線②番線ホームに戻る。友部行もだいぶ時間がある。
▲下館駅②番線の水戸線下りホームから見た小山方面
自動改札を通って、いったん駅の外に出る。下館駅の北口になる。
▲北口改札口越しに見える③④番線ホーム
天気がよくて、2月だというのに全く寒さを感じない。しかし、駅前は人影もまばらで車もほとんど来ず、とても静かだ。
▲下館駅北口前
こじんまりした北口駅前ロータリーから南北自由通路になっている跨線橋に上がって駅舎を見下ろす。
▲跨線橋から見た下館駅駅舎
北口と南口を結ぶ跨線橋は両側に高いボード柵があり、下の景色を見ることができない。ただ、この日はモニター(ディスプレー)の角度を自由に変えられるミラーレス一眼カメラを持っていたので、頭上にカメラを上げたら柵越しに構内の様子も撮れた。
▲跨線橋から見た下館駅の②③番線小山方向
▲同じく水戸線④番線と常総線の短い島ホーム、駅舎
水戸線の友部方向、線路の右側には加波山も見える。筑波山は加波山のさらに右側になる。
▲下館駅の友部方向…右側に加波山が見える
駅構内に戻って14:29発の5両編成の電車で友部に向かう。日曜日の午後にしては意外と乗客が乗っていたが、先頭車両は比較的空席があり余裕で座れた。ガラガラだった下館駅はそれまでどこに人がいたのかという感じで、乗る人も降りる人もかなりいた。水戸線はこの時間帯、1時間に1本の運転なので、利用者が多いのかもしれない。
単線の水戸線、岩瀬での上下電車交換(行き違い)が多い。この電車も岩瀬で交換待ちとなり、小山行を待つ。発車も友部行の方が早い。筑波山・加波山山系を西側から回り込むように進む水戸線は、岩瀬あたりから東に向きを変え緩やかに上っていく。羽黒-福原間で標高80メートルほどの峠を越えて、今度は友部に向かって緩やかな下り。
笠間、宍戸と友部に向かって乗客は少しずつ増えていき、先頭車両も席は埋まってくる。15:13終点・友部④番線着。他の乗客と一緒に跨線橋を渡って下り常磐線ホームの②番線に移動。勿論、上りの①番線に向かう人や改札口に向かう人もいる。
大勢の人が待つ中、勝田行の5両編成がホームに入ってきた。15:19友部出発。さすがにこの時間だと5両編成の車内に立っている人は多い。
▲友部駅②番線に到着する普通勝田行
水戸でほとんどの乗客が降りた(勝田以遠に行く乗客も水戸始発のいわき行に乗り換える人が多い)が、勝田で降りるので自分はそのまま乗車。15:39勝田着。この後は歩いて勝田車両センターに向かう。
以下つづく→2024年2月:勝田車両センターへ