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設定無視、キャラ崩壊などご注意を。
それでもよろしければどうぞ。
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土方√、始まります。
左之さん、ほとんど出てこないと思われます…。多分。ご了承を。
振り返れば、そこには思わず強張ってしまうほどの剣幕の土方さんがいて。
「総司!てめぇ…!!」
「あははは!!土方さんも入れてあげましょうか?」
「高橋!来い」
沖田くんを睨みつけながら私の腕をグッと引っ張った土方さん。
引き寄せられた私はバランスを崩しながら土方さんの胸にトンとぶつかって、
そのままお姫様抱っこされてしまった。
「ひっ!?土方さん!下ろして!!」
「てめぇは黙ってろ」
「は…はい…」
じろりと上から睨まれた私はその迫力に押し黙った。
なるべく部員の皆に見られないようにと願いながら、
俯いて土方さんのポロシャツの胸元辺りをぎゅっと握った。
玄関についても土方さんは私を下ろすことなく、ずんずんと廊下を進んでいく。
「土方さん!シャツも濡れちゃうし、廊下も雫で濡れ…」
「廊下なんざ総司に拭かせりゃいい」
「…」
遮られた言葉に視線を上げれば、真っ直ぐを見る土方さんの表情。
そこまで怒られることなのかなと頭の隅っこで思いながらも大人しくお姫様抱っこされていた。
まずこの状況が恥ずかしくて…。
冷たい川の水で濡れたからか、やけに土方さんの体温を感じる。
てっきり私の部屋に運んでくれるのかと思っていたら、着いた先は土方さんの部屋で。
部屋に入ってから私を下ろした。
「待ってろ」
「はい…」
目の前にあるのは姿見。
鏡の中の自分を見ながら『随分と濡れたな』なんて思いながら
ふと視線をずらせば、ブラが透けてることに気付く。
しまった、今日白のTシャツで…っ!
あっという間に自分を羞恥が襲う。
思わず両腕を腕を組むようにして胸元を隠す。
1人脳内で慌てふためいてると視界を遮る白いものが頭から被せられた。
「わっ!!」
「ったく。お前ってやつは…」
呆れたような土方さんの声が聞こえてきて、頭を勢いよくガシガシと拭かれる。
少しの煙草の匂いがした。
「あの!拭くぐらい自分で…っ」
「黙ってろ」
「はい…」
抵抗するのを止めた私にフッと土方さんが小さく笑ったような声が聞こえた。
されるがままの状態で髪を拭いてもらって。
土方さんの手が止まったから終わったみたい。
バスタオルは被せられたまま開いた視界から視線を上げれば
土方さんの瞳と視線が絡まった。
どこか切なげな表情が私を見下ろしていて。
お礼を伝えようとするより早く、土方さんが口を開いた。
「ガキどもの前でそんな姿見せるんじゃねぇ…。…そんな顔するな…」
「…え…?」
「好きだ」
思考が止まる。
「…好きだった」
土方さんと視線は絡んだままで。
土方さんの瞳が揺れていた。
驚きのあまり、伝えられた言葉は宙に浮かんだまま、
私の胸には降りてこずにただ呆然としていた。
土方さんの顔が近づいてくるのにも気付かずにいれば。
勢いよくバッと離れた土方さんがドアの方に向けて舌打ちした。
私が頭に被っていたバスタオルを下ろして、胸元を隠すように肩にかけてくれる。
「総司たちが帰って来たな」
そう呟いた土方さんにスッと手を取られて部屋を出る。
触れた淡い熱ですら、意識をしてしまう。
「俺は玄関へ行って来るから、着替えて来い」
小さく頷いた私に口元にそっと笑みを浮かべた土方さんは踵を返して玄関へと向かっていく。
その背中を少し見送って、…多分ゆっくり歩きながら部屋に着いたんだと思う。
部屋に入って壁にもたれる様にしながらペタリと座り込む。
「…うそぉ…」
さっき伝えられた土方さんの言葉を、表情を、伝わってきた体温を
頭の中でずっと繰り返していた。
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土方√入りました~!!!!!
とりあえずほっと胸を撫で下ろしてます。
マイペースにぼちぼち行きたいと思います。
みふゆ