「Mr.ノーバディ」　★★★★～一味違う“実は強かった系”アクションの佳作

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2021』の掲載にあたって」

一味違う“実は強かった系”アクションの佳作 ★★★★

（2020年／アメリカ／92分／Nobody） 【　監督　】 イリヤ・ナイシュラー【　脚本　】デレク・コルスタッド【　出演　】ボブ・オデンカークコニー・ニールセン RZA

アレクセイ・セレブリャコフ

クリストファー・ロイド

マイケル・アイアンサイド

【あらすじ】

　妻と息子とともに郊外の家に暮らす工場で働くハッチ。家と工場を毎日往復するだけの単調な日々の地味で目立たない男だった。

　そんなある日、ハッチの家に強盗が押し入り、反撃せず逃がしたハッチは、そのことで家族から失望されてしまう。やりきれない怒りが沸々と湧いてきたハッチは、路線バスでチンピラたちを相手に大暴れし、天性の血が騒ぎ始める。ハッチは、実はアメリカの某機関で“会計士”と呼ばれる凄腕のエージェントだった。

　チンピラたちとの格闘が引き金となり、ロシアンマフィアに目をつけられてしまったハッチ。愛する家族を守るため、マフィアに戦いを挑む―

【コメント】

　緊急事態宣言の緩和に伴う映画館の再開により、公開延期となっていた映画が怒涛の如く公開され、映画大好きの僕としては嬉しい悲鳴を上げているわけですが、その中でちょいと楽しみにしていた作品が本作。

　リーアム・ニーソン主演の「96時間」シリーズに端を発した、いわゆる“実はメチャクチャ強かった系”アクションの流れを組む本作。これまでにも様々な作品が作られており、その主人公の無双ぶりが痛快で大好きなジャンルのひとつです。

　とにもかくにも早く観たいぜと、久しぶりに週末の仕事終わりに「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。話題作のようで、結構な客が入っておりましたな。

　面白れぇ！こりゃあ面白れぇぞ！“実はメチャクチャ強かった系”の王道を踏襲しつつも、これまでの類似作品とは一味違うアクションの佳作でしたね！仕事疲れの眠気も吹っ飛ぶくらい楽しませていただきました。

　オープニングから、どこにでもいる冴えないオッサンの月曜日から金曜日までの代わり映えしないルーチンの日々をスピーディーに見せて普通さを植え付け、バスで繰り広げられるチンピラたちとのバトルでの覚醒で一気に引き込んでいく。そこからは怒涛の展開で、さすが「ジョン・ウィック」シリーズの脚本なだけに、“会計士”やら“理髪師”やらの独特な世界観を持った設定が登場、主人公ハッチがみるみるうちに無双のオッサンに変貌していき、ハッチのお父さんも実は・・・という展開もあり、クライマックスは一気に痛快な無双で駆け抜けていく。92分というコンパクトな上映時間で怒涛の如く展開していくからとにかく爽快で楽しめます。

　主演のオデンカークのオッサンぶりもさることながら、あの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のドクでお馴染みクリストファー・ロイドのキャラもとにかく痛快な存在。オッサンや爺さんがこれでもかと暴れ倒す無双ぶりはとにかく爽快で終始ニヤニヤしっぱなしでしたね。

　観終わってふと思ったのが、「これ、「ジョン・ウィック」の世界観と一緒だったら、クロスオーバーできるんじゃね？」ってこと。本作のオデンカーク演じるハッチと、キアヌ・リーヴスのジョン・ウィックがコラボしたらメチャクチャ面白くなるんじゃないかと感じたのは僕だけでしょうか。この独特の世界観を共有し“殺し屋ユニバース”で広げていったら、また新たなアクション映画の世界が広がっていく気がします。

　ともあれ、個人的には本作の続編を大いに期待しますよ！またハッチのオッサン無双を観たいです！

【2021年度 Myランキング】（6/11時点）

　本作は、本年度のベスト10中4位（暫定）にランクイン。

　面白映画の波が来たぞ！

（ベスト）…　★★★☆以上が基準

　　１位：ファーザー ★★★★★

　　２位：すばらしき世界 ★★★★

　　３位：ヤクザと家族 The Family ★★★★

　　４位：Mr.ノーバディ　★★★★

　　５位：ガンズ・アキンボ ★★★★

　　６位：ラスト・フル・メジャー知られざる英雄の真実　★★★★

　　７位：映画賭ケグルイ絶体絶命ロシアンルーレット ★★★★