「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。
これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。
【 原作 】
吉田修一
藤原竜也
竹内涼真
ハン・ヒョジュ
ピョン・ヨハン
市原隼人
南沙良
日向亘
加藤清史郎
横田栄司
翁華栄
八木アリサ
勝野洋
宮崎美子
鶴見辰吾
佐藤浩市
【あらすじ】
表向きは小さなニュース配信会社、裏では企業の機密情報を取り扱う組織AN通信。AN通信に属するエージェントは心臓に爆弾が埋め込まれ、24時間毎に報告をしないと組織を裏切ったと判断され爆弾が爆発し死に至るという仕組みになっていた。
腕利きのエージェント鷹野は、新米の田岡とともに、全人類の未来を決める次世代エネルギーの極秘情報をめぐり、世界各国を飛び回りながら、命がけの争奪戦を繰り広げる―
【コメント】
さて、今回劇場鑑賞したのは、藤原竜也&竹内涼真のW主演による、邦画では珍しい本格アクションである本作。もともと昨年のGWに公開する予定だったものの、新型コロナの影響により公開延期となっていた作品で、まさに満を持しての公開といったところでしょう。
かくいう僕も、本作はちょいと面白そうだなと注目しており、公開延期中にレンタルされていた前日譚であるドラマシリーズ「太陽は動かない-ECLIPSE-」を鑑賞済み。前情報も頭に入ったことだし、さっそく「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。
(C)吉田修一/幻冬舎 (C)2020「太陽は動かない」製作委員会
う~ん・・・なんかビミョー。本格的なアクション映画にしたいのか、主人公・鷹野の人間像に迫るドラマ映画にしたいのか。なんか揺れ動いたまま、結局どっちつかずの中途半端な印象に思えましたね。おそらくは、日本版「007」か日本版「ミッション・インポッシブル」のようなスパイアクション映画を目指したんでしょうし、あわよくば藤原&竹内の代表作としての気合も十分に感じます。しかしながら、やっぱり日本に本格アクション映画はムリなんだなということが分かってしまった気がしますね。
AN通信という秘密組織、人類の未来を担う次世代エネルギーの争奪戦というスケールのデカさ、暗躍するスパイたちと超大金持ちの鬼気迫る頭脳戦。世界各国に飛び回るスケールの大きさはもはや完全に007やミッション・インポッシブルと同じ世界観で、日本でもやってやんぜ!という気合は十分に感じ取れます。
だけどね、やっぱり007やミッション・インポッシブルには敵わない。見劣りも甚だしい。何が違うって、やっぱり金の掛け方が全然違うし、これまで培ってきたアクション映画としての見せ方やテクニックのノウハウが全然違う。敵うわけがない。
本作は確かに世界各国に飛び回ってロケをしており、藤原竜也も竹内涼真も体を張ってアクションして頑張っているのですが、いまいち派手さに欠ける。やっぱりアクション映画は派手さが命。クライマックスは途中で予算尽きたのか?と感じるくらいのあっけなさで、沈没していく船からただただ藤原が涼真君を助けようとするだけの展開。アクション的な派手さがないから、主人公・鷹野の過去を交錯させながらドラマ部分で何とか埋めましたという印象。それがなかなかの長さなので、どっちつかずの作品となってしまった感が否めなかったです。
(C)吉田修一/幻冬舎 (C)2020「太陽は動かない」製作委員会
カイジのイメージが強い藤原竜也の、カイジ払拭のための作品だったのかもしれません。何とかモノにして、日本発のスパイアクション映画としてシリーズ化も視野に入っていたのかもしれません。
もしそれならばお金はケチらないほうが良い。アクションのノウハウを熟知している海外のプロデューサーでもなんでも雇って本格的にアクションしたほうが絶対に良い。もしシリーズ化を目論んでいるならば、大きく軌道修正しなくてはいけないと思いますよ。
【2021年度 Myランキング】(3/6時点)
本作は、本年度のワースト3中2位(暫定)にランクイン。
もはやコロナ慣れ。
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:すばらしき世界 ★★★★
4位:哀愁しんでれら ★★★☆
7位:
8位:
9位:
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
2位:太陽は動かない ★★☆
3位:
<その他ランク外一覧>
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