「地獄の花園」　★★★☆～ちょっと詰め込み過ぎ

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2021』の掲載にあたって」

ちょっと詰め込み過ぎ ★★★☆

（2021年／日本／102分） 【　監督　】 関和亮【　脚本　】バカリズム【　出演　】

永野芽郁
広瀬アリス
菜々緒
川栄李奈
大島美幸
勝村政信
松尾諭
丸山智己
遠藤憲一
小池栄子

室井滋

【あらすじ】

　ごく普通のOL生活を送っている田中直子。しかし、その裏では社内の派閥争いをかけたOLたちが日々ケンカに明け暮れ、さらには企業同士でもOLの派閥抗争が繰り広げられていた。

　ある日、尚子の会社に中途採用として来た北条蘭は、あっという間に社内最強のOLとして君臨、その噂は他の企業にも流れ、史上最強のOLを巡る一大抗争に発展していく―

【コメント】

　緊急事態宣言の再延長でますます政府と都政への不満が増している今日この頃。まったく、どいつもこいつも同じようなことしか言わず、分析結果というものを全く示さない。庶民をバカにし過ぎである。

　未だ続く都内映画館の休業の中、前々から楽しみにしていたのが本作。お笑い芸人バカリズム脚本によるヤンキー＋OLというぶっ飛んだ設定と、予告編で観た映像が面白そうだったので、ヤンキーもの好きの僕としては非常に楽しみにしていた作品です。

　折しも都内の映画館が休業中のため、公開も延期されるだろうな～と思っていたのが予定どおり公開ということで、こりゃまた越県鑑賞せねばと、今回は初となる「MOVIX橋本」に足を運んだ次第です。

　いや～さすがマンガ好きのバカリズム。往年のヤンキー漫画のストーリーをなぞったかのような展開と、その抗争が各企業のOLで繰り広げられるという奇抜な設定。ヤンキー漫画のパロディか、それともオマージュかはさておいて、バカ映画としては十分面白い。ヤンキー漫画で育った僕としてはとても楽しめる作品でした。しかしながら言いたいことは山ほどあって、一言でいうとちょっと詰め込み過ぎだったかな～と感じましたね。続編十分に行けそうなストーリーだったのにもったいない。

　先にも言ったとおり、OL同士の抗争でありながら、展開は往年のヤンキー漫画そのもの。ザックリいうと以下のとおり。

　１．会社内OL派閥抗争編

　２．OL企業抗争編

　３．史上最強OL頂上決戦編

　４．直子VS蘭友情編

　この４編で構成されています。これが100分ちょいの上映時間でテンポよく進んでいくので間延びすることはないんですが、ヤンキー漫画で行くと１巻から最終巻（２０巻くらいか？）を一気に見せた感じなので、展開早すぎ感は否めない。１の会社内の派閥抗争なんか初っ端の１０分くらいで終わってしまうし、伝説のOLとの戦いもさほど長引くことなく決着がつく。まあそもそも続編なんて考えていなかったんだろうから、一気に見せたんでしょう。でもちょっともったいなかったな～と感じます。

　しかしながら、それぞれのキャラは十分にインパクトがあって立ちまくっている。普通のOLと思わせて史上最強の永野芽郁や一匹狼風OLの広瀬アリス、菜々緒や森三中・大島、川栄、そして史上最強OLの小池栄子などなど、とにかくキャラがピッタリ過ぎて、キャスティングの素晴らしさは見どころですね。

　バカリズムとしては、ヤンキー漫画へのオマージュを込めたコメディものとしたかったんでしょうが、僕は普通にヤンキーものとして楽しんじゃいましたね。実際、要所要所にちりばめられているお笑いについてはスベっていましたし。笑いをもっと充実させつつ、もっとバカに振り切ったほうが本作はもっと面白くなったと思いますね。

【2021年度 Myランキング】（5/23時点）

　本作は、本年度のベスト10中10位（暫定）にランクイン。

　緊急事態宣言再延長とかいい加減にしろよ！

（ベスト）…　★★★☆以上が基準

　　１位：ファーザー ★★★★★

　　２位：すばらしき世界 ★★★★

　　３位：ヤクザと家族 The Family ★★★★

　　４位：ガンズ・アキンボ ★★★★

　　５位：ラスト・フル・メジャー知られざる英雄の真実 ★★★★

　　６位：哀愁しんでれら ★★★☆

　　７位：騙し絵の牙 ★★★☆

　　８位：新感染半島ファイナル・ステージ ★★★☆