「るろうに剣心最終章 The Final」　★★★～緊急事態宣言に負けるなるろ剣

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2021』の掲載にあたって」

緊急事態宣言に負けるなるろ剣 ★★★

（2021年／日本／138分） 【　脚本・監督　】 大友啓史【　原作　】和月伸宏【　出演　】

佐藤健
武井咲
新田真剣佑
青木崇高
蒼井優
伊勢谷友介
土屋太鳳
三浦涼介
音尾琢真
鶴見辰吾
中原丈雄
北村一輝
有村架純
江口洋介

【あらすじ】

　明治維新後の日本。

　幕末に“人斬り抜刀斎”として恐れられ、不殺の誓いを立てた緋村剣心は、日本転覆を企てた志々雄真実との死闘を終え、神谷薫らと神谷道場で平穏な日々を送っていた。

　そんなある日、上海から来た武器商人・雪代縁が東京中心部を攻撃、再び日本に危険が訪れる。縁は、ある理由から剣心に強烈な恨みを持っており、剣心のほほにある傷と彼の過去に深い関りがあった。

　剣心は自分の過去と再び向き合い、縁との戦いに身を投じていく―

【コメント】

　4/25から三度緊急事態宣言ということで、またもや映画館が休館という事態に。ゴールデンウィークというかき入れ時に飲食、観光、デパート、映画館までもが大打撃という憂き目に遭っていながらも、こんな経済状況で2か月後の東京五輪は開催するというふざけた話。国民は怒り心頭なわけで、今回ばかりはこの緊急事態宣言には僕も言いたいことが山ほどあるわけです。

　そんな緊急事態宣言が直前に出たもんだから各業界も大慌て。僕の行きつけ「立川シネマシティ」も4/25からの対応には間に合わなかったようで、こりゃあ駆け込みで映画を観に行くしかないと休館日直前の4/25に足を運んだ次第。

　鑑賞した映画は、あの大ヒットシリーズ「るろうに剣心」の実に6年振りとなる待望の新作。しかも本作と6月公開の連続公開という前回と同じ手法での公開ということで、確実に興収取りに行ったなという作品。ぶっちゃけるろ剣についてはとりわけ思い入れはない漫画ですが、実写作品は通して面白い作品なので、今回も劇場で鑑賞した次第です。思ったとおり今回も満員御礼のようです。

　うむ、本作もこれまでのシリーズ作品に引けを取らないパワフルなクオリティ。漫画ファンも実写でファンになった人も十分に満足できる完成度に仕上がっていたと思います。十分に楽しめました。

　佐藤健、武井咲、青木崇高、蒼井優、江口洋介といったシリーズお馴染みのキャストも揃っているし、伊勢谷友介、土屋太鳳、神木隆之介の前作からのキャラも登場。何より、雪代縁役の新田真剣祐がとにかくインパクトが強く、ラスボス的な存在として十分な存在感を出していたと思います。

　見せどころのアクションも健在で、アクション監督である谷垣健治の演出が冴えに冴えわたっている。さすがドニー・イェンのもとで鍛えられただけあってアクションの見せ方を心得ているし、サムライアクションとは思えない所狭しと飛び回るアクロバチックなアクションは、カンフーバトルを彷彿とさせています。もうね、これだけでも本作を観る価値は十分にありますね。ドニー・イェンのアクションには及ばないものの、ここまで見せるアクションは邦画ではそうそうないですね。

　本作はThe Finalということで、6月公開はThe Beginningというエピソード0的な話に戻る形の2部作になるわけですが、本作と密接にリンクしたものになると思うので、本作を観たら絶対にThe Beginningを観なくてはと思うこと請け合い。6月にさっそく期待が高まる仕上がりでしたね。