「明日への地図を探して」　★★★～タイムループ＋ラブストーリー

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2021』の掲載にあたって」

タイムループ＋ラブストーリー ★★★

（2020年／アメリカ／99分／The Map of Tiny Perfect Things） 【　監督　】 イアン・サミュエルズ【　出演　】キャスリン・ニュートンカイル・アレンアル・マドリガルジャーメイン・ハリスアンナ・ミカミジョシュ・ハミルトンクレオ・フレイザー

ジョージャ・フォックス

【あらすじ】

　目が覚めるたび同じ1日を繰り返している青年マーク。そこから抜け出す方法が分からないまま、平凡な日常を過ごしていた。

　そんなある日、マークと同じくタイムループを繰り返している女の子マーガレットと出会い、街で起こる小さな奇跡を見つけながらともに行動するうち、互いに惹かれ合っていく。

　しかしマーガレットには、同じ時刻にくる秘密のメールがあり、マークをやきもきさせる。そして、それがタイムループから抜け出すカギとなる―

【コメント】

　コロナの影響により、僕の勤めている会社でもテレワークが開始されまして、ローテーションで出社とテレワークの使い分けをしておるわけですが、当初、自宅で仕事なんて集中できるのかね～なんて思っていたのが、これが意外と捗りまくり。コミュニケーションの煩わしさが無い分、資料作成なんかに集中できるし、平日はめったに観られないワイドショーなんか見ながらリラックスして仕事に励める。通勤のめんどくささもなく、早く次のローテーション回ってこねーかなーと、大いにテレワークを堪能しているわけです。

　テレワークの仕事も終わり、ゆっくり映画でも観るかな～と、今回は動画配信で公開されている本作を鑑賞。昨今、SF設定でよく見られるようになったタイムループもののようで、ちょいと面白そうだったので、せっかくのAmazonプライムを活用しようと観てみた次第です。

　うむ、なるほど。昨今使い倒されているタイムループものに甘酸っぱい青春を絡めた、タイムループ＋ラブストーリーという今までなかったシチュエーションでしたね。なかなかに面白かったです。

　同じ1日を永遠に繰り返すというSF設定は、漫画・アニメ・映画でも数多くの作品がありますが、冒頭からもうこのループに慣れちゃったぜ～というところから始まるのは新しいところ。しかも、自分のほかにもう一人同じ症状がある人間と出会うというこれまた斬新な展開と、その二人があろうことか恋に落ちるという、タイムループものに新たな息吹を吹き込んだと言っても過言ではないでしょう。クライマックスのループからの脱出の鍵についても、いかにも青春ラブストーリーらしい設定が盛り込まれていて、映画自体は小粒な感じはしますが、なかなかどうして、ラブストーリー苦手な僕でも全然楽しめましたね。

　ゾンビものも、ドラマチックな泣けるゾンビとかアクションとかラブストーリーとか、プラスアルファの設定を混ぜ込んで、色んな切り口で楽しませようとしているわけですが、このタイムループものも、これから色んな設定が登場していくんじゃないでしょうか。そういった意味でも、本作はタイムループに新たな一面を切り開いた作品だと思います。