国立市にあるアトリエ ルーチェ クラッシカのデザイナー・光田みどりです。
オートクチュールの「巨匠」クリストバル・バレンシアガ(1895-1972年)は、20世紀で最も革新的で影響力のあるデザイナーの一人。
ココ・シャネルが「彼だけが、デザイン・パターン(型紙)・裁断・縫い上げるという全工程を一人で出来る本物のクチュリエ」と称賛しました。
クリスチャン・ディオールが「われわれ全員の師」と呼び慕っていたことからも多くの同時代の若いデザイナーから多くの尊敬を集めていたのかがうかがえます。
イヴ・サンローランの華々しいデビュー当時(1958年)トラペーズラインのドレスが大きな話題となりましたが、これもまた1957年にバレンシアガが発表したトラペーズラインのドレスに多大な影響を受けたシルエットのように思えます。
1957年にバレンシアガが発表したマリエ(ウエディングドレス)。
顧客にはマレーネ・ディートリッヒやエリザベス・テイラーといった女優やジャクリーン・ケネディ、各国の王女や女王など誰もが憧れる人々が多かったそう。
バレンシアガは空想からデザイン画を描くのではなく、布のもつ特徴・構成・質感・動きに応じてデザインを練り上げ彫刻のようなドレスを作り上げました。
「女性のドレスは見せることよりも隠すことのほうが重要」という言葉には彫刻のように立体的に計算され尽くした構築的なドレスだからこそ成り立つ言葉だと感じられました。
ドレスでは見せることで美しくできると思いがちですが、私自身も実際に数多くの立体裁断を手がけてきて、隠すことで美しく見せるテクニックは思いの外効果的だということを肌で感じていましたから、大いに腑に落ちる名言でした。
「私の服を着るのに完璧も、美しさも必要ない。私の服が着る人を完璧にし、美しくする」と話すバレンシアガ。ここまで言い切れるのはその才能と努力の賜物だとしか言いようがありません。
シンプルで無駄のない洗練されたデザインやシルエットは現代でも色褪せることのない美しさをたたえています。
ものづくりへのこだわりの強さと完璧を目指すあまり、ほとんど表舞台や社交界には顔を出さずに謎めいていたバレンシアガ。
自分の服は機械化のビジネスには向かないと判断し時代の流れとともにオートクチュールのアトリエを1968年に閉鎖しました。
東京立体裁断研究所の近藤れん子先生は、1967年からアトリエ閉鎖までの約一年間パリでバレンシアガのオートクチュールのアトリエで制作の経験をされていらっしゃいます。
当時ファッションを目指す人々の間では世界最高峰の憧れのアトリエ。あのジヴァンシーでさえも、若い頃バレンシアガのアトリエで働く夢が叶えられなかったことが悔しいと自伝で語っています。
れん子先生もパリでいくつか門を叩いた中で、願ってもないバレンシアガのアトリエで働くことができた当時のことを立体裁断のテキストにも印象深い言葉で語られていて今読んでもその高揚感が伝わってきます。
「洋服(デザイン)は絵空事では考えないこと。布という現実があり人の体があって機能性を兼ね備えて初めて存在するのだから」と口をすっぱくして厳しく指導されたのは、れん子先生の中にバレンシアガの魂が込められていたのだと思うと感慨深い思いです。
バレンシアガの信念を受け継いだ近藤れん子先生から直接手ほどきを受けられ、たくさんのお客様に喜んでいただけるドレス作りを仕事をさせていただけることに感謝の気持ちが尽きません。
そしてバレンシアガのアトリエでの経験を積まれたれん子先生が研究され仕立てられたお洋服の数々を袖を通して試すことができた研究所時代が懐かしく思い出されます。
れん子先生は当時70代でしたが堂々たる大きな声でお話をされるので、てっきり体つきも大きいイメージがあったのですが、パリ時代に作られたお洋服はまるでシンデレラのように私の狭い肩幅にピッタリと合って、次から次へと試着してはその着心地の良さとエレガントさに大興奮していた私をニコニコしながらご覧くださっていたのがついこの前のように感じます。
素晴らしい出会いや学び、そして思い出に感謝して、女性を美しく見せるドレスをこれからも追求していきます!
今日もブログを読んでくださってありがとうございました。
皆さんにとって素敵な週末でありますように*
私たちのアトリエではウェディングドレスの制作の経験を活かし、着物リメイクをスタートしました。眠っている着物をとっておきの一着にしませんか。
人やものとの繋がりを大切にすることで未来と繋がる。
守られているような安心感や生きる力が湧いてくる。
本当に好きなもの、捨てたくないもの、長持ちするもの。
そんなものづくりを目指しています。
想う気持ちを形に・・・着物リメイクを始めるきっかけになったこと
和とフレンチの融合・・・大島紬をドレスワンピースに
目に見えない力を感じた着物リメイク・・・小紋と羽織りが引き寄せた偶然とパワー
ふりかえり・2022・・・駆け抜けた撮影までの道のりと自分の変化
思い出いろいろ・・・浴衣地をメンズシャツに
お守りのような存在・・・長襦袢をアロハシャツに
未来とツナガル・・・着物リメイク料金のご案内について
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私たちのアトリエでは
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をテーマに自分らしさにこだわり表現するフォトウェディングをご提供しています。
心豊かになるようなウェディングフォトを残して、この先の人生をさらに豊かに喜びあふれるものにしてみませんか。
お二人やご家族の皆様にとって心に残る最高のお写真をご提供しています。
フォトウェディングでご提供しているウェディングドレスは、厳選された素材とこだわりのデザインのものをオートクチュール仕立てで仕上げた一点もの。
男性用の衣装は上質な日本製とイタリア製のウールをシンプルなデザインで老舗テーラード屋さんが仕立てた上質なロングタキシードです。
洗練されたヘアメイキャップアーティストによるヘアメイク、感性豊かなフラワーデザイナーによる生花のブーケなど、クオリティの高いお仕事をモットーにお客様の個性に合わせてご用意しています。
お手元にデータが残るだけではなく、撮影の当日も素敵な思い出に残るお時間になりますように、ドレス作りと同様心を込めて準備を重ねています。
ご縁のあるお客様との出会いを心から楽しみにスタッフ一同お待ちしています。
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「100年経っても色褪せない結婚写真」
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◎自分なりのこだわりについて綴った
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◎イヴ・サンローラン☆アトリエ時代のお仕事のこだわりを綴った
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◎ティファニーで朝食をのヘップバーンドレス
ジバンシィのドレスとへップバーンへの思い
◎ドラマ「逃げ恥」新垣結衣さんのドレス考察
◎グィネス・パルトローの初主演作
◎憧れのヘップバーンのウェディングドレスについて綴った