1996年のイギリスで制作された映画「エマ」。コメディタッチの恋愛にまつわるストーリー。
グウィネス・パルトローが初主演し、世界中から注目を浴びた作品です。
原作は、現代女性にも絶大な人気を誇るジェーン・オースティンが、1815年に当時のイギリス貴族の若い女性の日常を描いたもの。
主役のパルトローのドレス姿と背景の自然が、まるでワンカットごとに絵画の中のような美しさです。
映画の中では、ハイキングに行く時やボートに乗るカジュアルな場面も、ドレス姿なのが衝撃的でした。普段着もドレス...というのはある意味、女性にとって永遠の夢と憧れですね(笑)
下の画像↓↓右側のエンパイア・ドレスのパフスリーブが可愛すぎて、どういう構造になっているのか研究を重ねたことがあります。
一般的に、日本ではパフスリーブ=可愛すぎる(幼いデザイン)と思われがちですが、この映画を見てから、その概念が外れました。
映画の中の数々のパフスリーブは、とても洗練されたエレガントで、様々なバリエーションがあります。
多くの人は、パフスリーブ=ちょうちん袖=垢抜けないイメージ という先入観が張り付いてしまっているのですね。
下の画像のパフスリーブは、よく見ると多面的な構造をしています。
右側は、小さな袖の上にギャザーやタックのないタイトな袖が重なっていて、甘さを抑えているのが特徴。肩の周りにはギャザーを作らない分レースやリボンをたたき、パーティにふさわしい装飾をしています。
左側(エマ)のドレスのパフスリーブは、ふんわりと丸い形のパフスリーブになっていますが、腕の外側が短いデザインになっていて、重さを感じさせない軽やかな印象に仕上げています。
また映画の中のドレスは、前の正面からの襟ぐりがぐっと開いたスクエアネックやラウンドネックのものが多いのですが、背中はあまり開けずに控えめな襟ぐりになっています。
当時の女性たちは、寒くてもコートを着ることがなくファーのケープを羽織ったり腕に筒状のマフをつけるくらいで、女性たちは痩せ我慢をしてドレスを着ていたそうですから、背中を開けないデザインは寒さ対策だった名残りかも知れません。
映画のクライマックスで行われる「エマとナイトリーの結婚式」のシーンは、感動的な美しさで、フォトウェディングのお手本にしたいくらいです。
そんな素敵な映画「エマ」に登場した数多くのエンパイアドレスに憧れて制作したのがこちらのドレス。
エマに登場するドレスはほとんどがバスト下からくびれを作らないストンとしたデザインですが、あえて、女性らしいウエストのシェイプをなだらかに加え着痩せ効果も期待できます。
エンパイアドレスは、太って見えるとか、マタニティーに間違えられそうと心配な花嫁のお悩みも解消できるデザインです。
ナチュラルなシルエットながらも、女性らしい曲線美を大切にしたウェディングドレスです。上のパフスリーブは、エマが着ていたドレスを研究してたどり着いたもの。
世の中には本当に多くのウェディングドレスが溢れていますが、派手さや奇抜なものよりも、クラシカルな美しさを追求したデザインのドレスに心惹かれます。
そしてどこかに遊び心があって楽しくなるモード感も大切にしています。
素敵な映画や本物のプリンセスのドレスは、探求しているとワクワクした高揚感があります。
そして、それは時代が移ろっても変わらぬ魅力があることも改めて感じています。
私たちの生み出すウェディングドレスも、そんな魅力にあふれたものでありますように、祈りを込めて制作しています。
今日もブログを読んでくださってありがとうございました。
ルーチェクラッシカ・光田みどり
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