1961年の映画「ティファニーで朝食を」でオードリー・ヘップバーンが着用したドレス。

 

2020年の現在でも、このドレスの美しさが目に焼き付いて離れないという方は多いのではないでしょうか。

 

 

1999年の5月に新宿の伊勢丹美術館で開催された「ザ・ウェディングドレス展」では、ユベール・ド・ジバンシィが、ヘップバーンのためにデザインしたこのドレスが出展され、日本でも多くの話題を呼びました。

 

その後2006年にロンドンでオークションにかけられ、予想されていた金額の6倍以上の約8,500万円で落札されたそう。

 

映画の公開からオークションまでは、すでに45年という月日が流れていたのに、いかにヘップバーンの魅力がタイムレスで国境を越えた人々から愛されていたかが伺えるエピソード。ジバンシィがヘップバーンに対する想いと繋がりにも感銘を受けます。

 

スタイリッシュなドレスはもちろん、ロンググローブやアクセサリー、ヘアスタイルなどの完璧なコーディネートが今でも輝きを失っていません。

 

 

ジバンシィがドレス作りにおいて最も大事にしていたこと

 

「洋服というのは欠かせないものだが、それは同時にフォルムであり、素材である。女性の体に沿って動く必要があり、素材に逆らうような不自然さがあってはならない」。

 

そんなジバンシィとヘップバーンの才能にリスペクトして製作したのがこちらのウェディングドレス。

 

ヘアスタイルは、映画の中でのヘップバーンのように高い位置にシニヨンを作り、前髪は流すような撫でつけのスタイルにしています。

 

大きなパフスリーブでも子供っぽくならないように肩先はふくらまず、ドロップした位置にポイントを持ってきているデザイン。

 

素材も上質なシルクサテンとシルクサテンオーガンジーを重ねていて透明感と品格をあらわし、大人の気品が出るドレスに仕上げました。

 

 

ジバンシィのポリシーと同じく、私たちのアトリエでも素材とフォルムを大切に不自然なラインにならない自然界にあるような美しさを追求しています。

 

あえて膝下丈にして軽やかさを出したスカートは、ウェディングドレスは引きずるものという概念を外して、ご自分らしさにこだわりたい花嫁にぴったりです。

 

 

物語の中から飛び出してきたようなウェディングドレスを着て、思い切りヒロイン気分を味わってみてください。

 

 

最後に、ユベール・ド・ジバンシィが、ヘップバーンに贈ったことばを綴ります。

 

オードリー・ヘップバーンに捧ぐ

 

オードリー・ヘップバーンを知る人なら誰もが、今からわたしが彼女について語ることと全く同じことを口にするに違いない...。

 

彼女は唯一無二の人だった。そしてこれからもそうあり続けるだろう。

 

オードリーは彼女独自のスタイルを持っていた。

 

彼女のスタイルは、モードの世界に常に存在し、モードが移りゆくとも、存在し続ける。

 

唯一無二の、この言葉こそ彼女にふさわしい。素晴らしい才能、比類なきエレガンス。

 

真摯な姿勢、誠実さ、寛容さ、優しい心、そして美しく清らかな精神。

 

オードリーとはそういう人なのだ!

 

私たちは最初の出会いで友となり、それは彼女がこの世を去る日まで変わることがなかった。一瞬たりとも影の落ちることなく、雲の影ることない友情...。

 

優雅さ、繊細さ、気取りのなさ、それが彼女だった。

 

そして他の誰よりも、自分のあるべき姿を心得ていたオードリー。

 

彼女のイマージュは、今ここに確かな形で存在し、そしてそれは永遠に消えることはない。

 

ユベール・ド・ジバンシィ 1999年3月 パリにて

 

 

ユベール・ド・ジバンシィ

 

 

 

 

 

 

今日も読んでくださってありがとうございました。

ルーチェ クラッシカ・光田 みどり

 

 

 

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ウェディングドレスへのこだわり

 

◎自分なりのこだわりについて綴った

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◎憧れのヘップバーンのウェディングドレスについて綴った

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