オーダーウェディングドレスのルーチェクラッシカ

デザイナーの光田みどりです。

 

「シンプルで、着心地が良く、無駄がない」

 

 

老舗ブランドシャネルの創始者

ココ・シャネル(1883〜1971)が、まだ20代の頃目指していた

ファッションを作り上げるための指針となっていた言葉。

 

当時パリで流行していたファッションは

巨大な帽子に大きな羽飾り、果物などを乗せたもの。

 

 

ドレスもコルセットでぎゅうぎゅうにしぼり上げ

ずるずると裾をひきずりながら、よちよち歩く、というもの。

 

そんな華美な装飾が当たり前だった時代から

モードの革命とともに、女性の生き方までに大きな影響を与え

ほぼ現代のファッションの源を作ったココ・シャネル。

 

黒のワンピース

セーラーカラー

プリーツスカート

ツィード

ジャージー

パンタロン

イミテーションジュエリー

ショルダーバック

リップスティック

etc...

 

それまでは、普段着に取り入れならなかったものを

ココ・シャネルのアイディアから一般的に広まったものたち

 

「粋に装うということは、いかに不要なものを脱ぎ捨てるかである

シンプルであることが、何を身につけるかよりもはるかに大切」

 

というフレンチシックの概念を植え付けたのもシャネルからの影響。

 

 

一方 、あの才能あふれるデザイナーの

クリスチャン・ディオール(1905〜1957)が

「われわれ全員の師」と呼んでいたのが

 

クリストバル・バレンシアガ(1895〜1972)

老舗ブランド「バレンシアガ」の創始者。

 

先日のロイヤル・ウェディングで、

ハリー王子のお妃さまとなったメーガンマークルさんの

ウェディングドレスのデザインを担当した「ジバンシィ」の創始者

 

ユベール・ド・ジバンシィ(1927〜2018)が一生大切にした言葉

 

「デザインとは、ここに花をあそこに不必要なディテールを付け足すことではない

一本のラインから完璧にシンプルなドレスを作り出すこと

それが素晴らしいデザインだ」

 

という言葉をジバンシィに送ったのも 

実は、クリストバドル・バレンシアガ(1895〜1972)だったのです。

 

 

シンプルである美しさを追求したデザイナーの信念が

革命的にファッションを変え、100年以上経っても

通用する現代のファッションの礎を築きました。

 

 

流行が変化しても、簡素で単純であることが

時代や国を超えた普遍的な美しさにつながるのだと感じています。

 

 

 

私が20代の頃通った東京立体裁断研究所の近藤れん子先生は

 

あのジバンシィが憧れ、懇願していたにもかかわらず、入ることが出来なかったという「バレンシアガ」のオートクチュールのアトリエで、1960年代に縫製の経験を持っていました。

 

バレンシアガが提唱したシンプルであることの美しさや美意識を間接的にではあるけれど、近藤れん子先生から受け継ぐことができたことが私の中の誇りです。

 

 

ひとりの人の信念や言葉が、時代を超えて人々の生活や美意識を変え

その信念が様々な人に広がり生き続けること

 

そのことにも改めて心打たれます。

 

 

 

 

「一瞬は永遠をまとう」

 

この幸せな一瞬が、永遠に続いていきますように

 

という花嫁の無垢な気持ちが、ウェディングドレスという形になって

結婚式を飾り、そしてその後の人生をも輝かせ

 

時代を超えても失わない美しさを、私たちの手から紡ぎ出すことができますように。

 

 

 

 

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