【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#40 第2章HSS型HSPの幼少期④
子供時代の不幸な経験は、我々の脳の発達にどう影響するか?
こんにちは~
3か月で傷つきやすい人の凹み、ぶれがなくなる「生きづらさ克服塾」主催
HSS型HSP研究家の時田ひさ子です。
HSS型HSPのドクター・クーパーが書かれた本「Thrill!」を読み進めております。
本日より、第2章「HSP/HSSの幼少期」
そして、ここまでご紹介してきた訳は以下の通りです。
HSP/HSSの仕事についての章
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」訳します(笑)#1 career①回目
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#2 career②回目
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#3 career③回目「共感性はすごい強み!」
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#4career④回目「HSP/HSSは飽きる」
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#5career⑤回目「小プロジェクトをうまく回す
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#6career⑥回目「自由に仕事させてもらう」
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#7career⑦回目「キャリア形成の機会」
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#8career⑧回目「フロー状態」
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#9 career⑨回目「フロー状態」の続き
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#10 career 自分を知ろう!
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#11「仕事の成功と職業の選択について」
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#12「仕事の成功と職業の選択について」の2回目
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#13「仕事の成功と職業の選択ガイドライン①②」
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#14「仕事の成功と職業の選択ガイドライン③④」
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#15「職人的な仕事はどうでしょう?」
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#16「わたしたちの仕事の不安Q&A」①
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#17「わたしたちの仕事の不安Q&A」②自営業になることに不安
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#18「HSP/HSSにとっての仕事」まとめ
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#19HSP/HSSの人生トーク(ジョシュア・前編)
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#20HSP/HSSの人生トーク(ジョシュア・後編)
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#21HSP/HSSの人生トーク(ステファニー)
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#22HSP/HSSの人生トーク(クリスティーヌ)
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#23HSP/HSSの人生トーク(ダニー前半)
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#24HSP/HSSの人生トーク(ダニー中編)
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#25 HSP/HSSの人生トーク(ダニー後編)
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#26 HSP/HSSの人生トーク(ダニーの詩)
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#26 第4章 HSS型HSPの人間関係について①
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#27 第4章 HSS型HSPの人間関係②【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#28第4章HSS型HSPの人間関係③愛着スタイル
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#29第4章HSS型HSPの人間関係④愛ある関係
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#30 第4章HSS型HSPの人間関係⑤選択多め!
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#31 第4章HSS型HSPの人間関係⑥ワイルドさ
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#32 第4章HSS型HSPの人間関係⑦脱抑圧
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#33 第4章HSS型HSPの人間関係⑧性的関係
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#34 第4章HSS型HSPの人間関係⑨アドレナリ
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#35 第4章HSS型HSPの人間関係⑩
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#36 第4章HSS型HSPの人間関係⑪ Q&A
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#37 第2章HSS型HSPの幼少期①
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#38 第2章HSS型HSPの幼少期②
【HSP/HSS研究最前線】「thrill!」#39 第2章HSS型HSPの幼少期③
子供時代のことを覚えていない、、
というご相談者の方はとても多いんです。
わたしもです(笑)
あんまり覚えていません。
みんなそんなもんだろう?
と思っていたのですが、
違いました。
HSS型HSPの方たちの子供時代の忘れっぷりは、
一般とは格段に違います。
おそらくですが、
いつでも必死すぎるのと、
いつでも緊張しているのと、
それと、
トラウマがありすぎて思い出したくない箱の中に過去の出来事をだいぶ閉まってしまっているんだと思います。
覚えていたら生きづらすぎるんだと思います。
ここから本文です!!
第2章
HSP/HSSの幼少期④
最初の最初 子供時代
p26
子供時代のトラウマ
「自分は子供時代、サポートされなかった」
HSS型HSPへの調査では50%が強く同意している。
子供時代の不幸な経験は、何度も研究、分析されてきました。
最も優れたもののひとつと思えるのは、ドナ・ナカザワの調査です。
それによると、子供時代の不幸な経験は、我々の脳の発達に影響する。
私たちの脳の発達にどう影響するかというと、以下の7つが挙げられます。
遺伝子の組み換え:
私たちのストレス反応を加減する遺伝子に付着するものが科学的に切り替わるとき、
遺伝子の組み換え(Epigenetic Shifts)が起こる。
脳の大きさと形:
子供時代の不幸な経験は、脳の海馬の領域の大きさに影響するとわかっている。
海馬は記憶と感情とストレス反応のプロセスをつかさどっている。
子供時代の不幸な経験の強度が強い人たちは、
前頭前野をも損なっているかもしれない。
前頭前野影響を与え、
自律的な調整能力と、、脳の恐れ、不安の過程である偏桃体を損ねている可能性もある。
神経の消滅:
ミクリログリア細胞には、不必要な細胞を取り除き、細胞の破片を吸収して脳を掃除する役割がある。
子供時代に不幸な経験をしている人の場合、いつも興奮しやすい神経科学物質を排泄をする代わりに
気分障害を起こしやすく、物事の決定をしづらくし、脳の調整がしづらくなる可能性がある。
テロメアのすり減り:
テロメアとは、DNAの鎖の終点の防護蓋のことです。
子供時代に不幸な経験をしている人たちの中には、この蓋が普通よりかなりすり減って小さくなっている人がいることがわかっている。
それによって早期老化や病気になりやすくなる。
デフォルトモード・ネットワークの不活性化:
神経回路の相互接続した複雑なつながりのことで、与えられた状況で無関係なものや不適切なものを選択せずに、適切な解釈をさせる準備をする神経回路。
子供時代に不幸な経験をしている人たちは、そのつながりに接続性がとぼしく、活発になっていかないという現象が確認できている。
脳と体の回路への影響:
我々の身体は、リンパ経由で炎症性の科学物質が体を巡ることによって、免疫システムが脳と体にいきわたる仕組みになっている。
子供時代に不幸な経験をしている人たちは、病気になりやすくさせる原因となる炎症が慢性的にある。
全体的に身体の炎症は、現在、多くの病気の根本的な原因として関係していることがわかっている。
脳の連携から感情的な反応になりやすくなる:
子供時代に不幸な経験を強くしている人たちはの前頭前皮質と海馬の間のつながり(女性は偏桃体も含まれる)が弱まりやすい。
そのつながりの弱さのせいで、危険や脅威を知覚した時に感情的な反応になりやすくする。
この研究結果はとても恐ろしいですね。
大きな見地から見れば、脳は信じられないくらい柔軟で、
努力して再訓練すれば、セルフケア、感情調整、適切な反応の再構築ができるということです。
子供時代に不幸な経験を持っているとしても、
HSP特性やHSS特性についてよく知っている技能のあるセラピストと一緒にワークをすることがとても役立ちます。
また、薬も、落ち込み、不安、気分不一致の症状を緩和するのに役立ちます。
ですから、
与えられた現状に、悲観的になりすぎず、
自分たちは気分、感情反応の幅が広いということを心にとめておくとよいですね。
そして、なにかしらの介入を必要とする混乱が起こるかもしれないという想定をしておくのもよいでしょう。
まあいずれにしても、HSS型HSPは、どう行動するか予測しづらく、個々は深く複雑なので、それもなかなか難しいのですが。
ここまでお話してきましたが、
子供時代に受けた不幸な経験と子育てについて疑問があるのではないでしょうか。
特に、自分たちが子供時代に不幸な経験に遭遇してきたなら、
その影響が子ども達に及んでしまうのではないかと思いませんか?
不幸な経験をした人の多くは、
最終的に自分の子供を持ち、
子供を不幸な経験をさせずに育ててきています。
うれしいですね。
ただし、私たち自身の幼少期の不幸な経験の影響は、生涯にわたってある程度残る場合があります。
あなたの不幸な体験のレベルを知るには、ACE(子供時代の不幸な経験)のサイトでセルフテストを受けてみるとよいですね。
ご自身の不幸な体験のレベルを知るには
https://www.ncjfcj.org/sites/default/files/Finding%20Your%20ACE%20Score.pdf
などをご参考にしてください