(第18回ショパン国際ピアノコンクールの審査結果詳細が公開) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

ポーランドのワルシャワで開催された、第18回ショパン国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。

その審査結果の詳細(採点表)が公開された。

ちなみに、第18回ショパン国際ピアノコンクールについてのこれまでの記事はこちら。

 

第18回ショパン国際ピアノコンクール 予備予選出場者発表

第18回ショパン国際ピアノコンクールの予備予選が4月から9月へと延期

第18回ショパン国際ピアノコンクール 予備予選免除の出場者発表

第18回ショパン国際ピアノコンクールの予備予選が2021年4月から2021年7月へと延期

予備予選 第1日

予備予選 第2日

予備予選 第3日

予備予選 第4日

予備予選 第5日

予備予選 第6日

予備予選 第7日

予備予選 第8日

予備予選 第9日

予備予選 第10日

予備予選 第11日

予備予選 第12日

1次予選 第1日

1次予選 第2日

1次予選 第3日

1次予選 第4日

1次予選 第5日

2次予選 第1日

2次予選 第2日

2次予選 第3日

2次予選 第4日

3次予選 第1日

3次予選 第2日

3次予選 第3日

ファイナル 第1日

ファイナル 第2日

ファイナル 第3日

まとめ

 

 

 

 

 

審査結果はこちらのサイトで見ることができる。

 

→ 1次予選

→ 2次予選

→ 3次予選

 

ファイナルは協議で決まったため、審査結果詳細の公開はされないようである(協議内容を詳しく公開してほしかった)。

 

 

また、浜松国際ピアノコンクールの審査結果公開方法を参考にして(その記事はこちら)、順位順に並べ替えたものに作り替えてみた。

 

 

【1次予選】

 

 

【2次予選】

 

 

【3次予選】

 

 

見づらいけれど、ご容赦いただけるとありがたい(また、もし間違いがあったらごめんなさい)。

 

 

 

 

 

最初から最後までずっとブルース・シャオユー・リウが1位の評価であり、彼は一度もnoをつけられていない。

その他、ファイナリスト12人の1次予選での順位を見てみると

 

1位:ブルース・シャオユー・リウ 1次では1位

2位:アレクサンデル・ガジェヴ 1次では7位

   反田恭平 1次では17位

3位:マルティン・ガルシア・ガルシア 1次では40位

4位:小林愛実 1次では9位

   ヤクブ・クシュリク 1次では2位

5位:レオノーラ・アルメリーニ 1次では12位

6位:J J ジュン・リ・ブイ 1次では4位

入選:エヴァ・ゲヴォルギアン 1次では3位

   イ・ヒョク 1次では31位

   カミル・パホレツ 1次では15位

   ハオ・ラオ 1次では8位

 

となっている。

12人中8人は、1次の時点ですでに12位以内に入っている。

つまり、審査員の評価は1次予選からファイナルまで大きくは変わらず、1次予選の時点でファイナルの結果までだいたい決まっていたということが分かる。

 

 

なお、比較のため2015年の前回大会も見てみると、

 

1位:チョ・ソンジン 1次では1位

2位:シャルル・リシャール=アムラン 1次では2位

3位:ケイト・リュウ 1次では38位

4位:エリック・ルー 1次では4位

5位:イーケ・トニー・ヤン 1次では5位

6位:ドミトリー・シシキン 1次では37位

7位:小林愛実 1次では8位

8位:ゲオルギス・オソキンス 1次では7位

9位:シモン・ネーリング 1次では19位

10位:アリョーシャ・ユリニッチ 1次では20位

 

となっている。

10人中6人は、1次の時点ですでに10位以内に入っている。

今回大会と同様である。

 

 

 

 

 

とはいえ、前回大会との違いもある。

1次予選でブルース・シャオユー・リウについた点数は、20~25点と幅広かった(満点は25点、合否のボーダーラインは18点)。

2015年の前回大会で、1次予選でチョ・ソンジンについた点数が、22~24点と狭い範囲だったのとは異なっている。

つまり、ブルース・シャオユー・リウには全員がyesをつけたとはいえ、その評価は少し分かれていたことが分かる。

 

 

また今回、各審査員が1次予選で最高点数をつけた人を列挙すると

 

1. アレクセーエフ:Chao WANG

2. サ・チェン:欠席

3. ダン・タイソン:クシュリク、ホジャイノフ、Yuchong WU、沢田蒼梧

4. 海老彰子:ガジェヴ

5. ジュジアーノ:ガジェヴ、小林愛実、イ・ヒョク

6. ゲルナー:ガジェヴ

7. ハラシェヴィチ:Boao ZHANG

8. ヤブウォンスキ:ヴェルチンスキ

9. ケナー:J J ジュン・リ・ブイ、Yuchong WU

10. モレイラ・リマ:ブルース・リウ

11. オレイニチャク:ブルース・リウ、ゲヴォルギアン、京増修史

12. パレチニ:ブルース・リウ

13. ポブウォツカ:ブルース・リウ

14. ポポヴァ=ズィドロン:進藤実優、Yuchong WU

15. リンク:ガルシア・ガルシア

16. シヴィタワ:ブルース・リウ、ガルシア・ガルシア、ゲヴォルギアン

17. ヨッフェ:ガジェヴ、反田恭平、小林愛実、アルメリーニ、角野隼斗

 

となる。

1次の時点で、ブルース・シャオユー・リウの優勝を考えた審査員は16人中5人。

 

 

比較のため2015年の前回大会も見てみると、

 

1. アレクセーエフ:チョ・ソンジン、エリック・ルー、オソキンス、クリントン、ガリーナ・チスティアコーワ、ジュリアン・ジア

2. アルゲリッチ:チョ・ソンジン、イーケ・トニー・ヤン、小林愛実、ネーリング、クリントン、コジャク、チェン・ザン、ムーザ

3. ダン・タイソン:チョ・ソンジン、シシキン、小林愛実、オソキンス

4. 海老彰子:チョ・ソンジン、イーケ・トニー・ヤン、チェン・ザン、ムーザ

5. アントルモン:リシャール=アムラン、イーケ・トニー・ヤン、シェワモヴァ

6. ゲルナー:チョ・ソンジン、イーケ・トニー・ヤン、クリントン、チェン・ザン

7. ハラシェヴィチ:チョ・ソンジン、チューハン・ザン

8. ヤシンスキ:チョ・ソンジン、エリック・ルー、小林愛実、ヴェルチンスキ、チェン・ザン

9. オールソン:ユリニッチ

10. オレイニチャク:リシャール=アムラン、エリック・ルー

11. パレチニ:チョ・ソンジン、リシャール=アムラン、エリック・ルー

12. ポブウォツカ:イーケ・トニー・ヤン

13. ポポヴァ=ズィドロン:チョ・ソンジン、リシャール=アムラン、ハン・チーホー、カローチャ、チェン・ザン、パク・ジンユン、チー・コン

14. リンク:オソキンス、クリントン、ウルマン

15. シヴィタワ:チョ・ソンジン、リシャール=アムラン、エリック・ルー、ハン・チーホー、ノヴァク

16. ヨッフェ:チョ・ソンジン、イーケ・トニー・ヤン、オソキンス、タラセヴィチ=ニコラーエフ

17. ユンディ・リ:チョ・ソンジン、小林愛実、クリントン、ムーザ、ジュリアン・ジア

 

となる。

1次の時点で、チョ・ソンジンの優勝を考えた審査員は17人中12人にものぼる。

 

 

こうしてみると、今回優勝者のブルース・シャオユー・リウは、一見1次予選の時点から満場一致で優勝候補だったようでいて、実は初めからそう考えていた審査員は少なく、どちらかというと「今回の審査員17人の好みの最大公約数」的な選ばれ方をしていったことが分かる。

これは、今回コンクールを聴いていった中で私が受けた印象にも合致する。

 

 

 

 

 

その他、反田恭平の評価が意外と分かれていたことなど(ガルシア・ガルシアやイ・ヒョクの評価が分かれていたのは予想通りだが)、細かく見ていくと色々と面白い。

ところで、3次での小林愛実は、順位としては5位だったが、yes/no関係なしに得点だけで比べると、なんと2位であった。

noをつけた審査員が何人かいた一方、満点である25点をつけた審査員が3人もいた(ちなみに1位のブルース・シャオユー・リウに25点をつけた審査員は2人だった)。

小林愛実の3次のあの凄まじいマズルカや前奏曲集に衝撃を受けた審査員が何人かいたようであるのは、嬉しかった。

 

 

 

 

 

 


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