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Joon's blog

どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

『トラック野郎 御意見無用』を観ました。

その他の鑑賞記はマメに綴っていたのに、記念すべき第1作たる本作はまだだったんだよね。気にしている人なんか皆無だけど。

 

全国を股に掛けるトラック野郎の桃次郎=一番星と金造=ジョナサン。

ある日、ドライブインで働く洋子に一目惚れした桃次郎。助手に迎えた千吉を使って思いを伝えようとするが、千吉の勘違いから、女トラック野郎の京子に惚れられてしまう。

様々な出来事を経ながら洋子との仲も親密になってきた桃次郎は告白を決意。しかし洋子は大きな秘密を抱えていて……といったお話。

 

第10作まで続くシリーズの第1作目。

以降のシリーズ作品では似たようなパターンが踏襲されますが、やっぱり本作が面白かった証左なんでしょうね。笑って泣けて熱くなる、まさに娯楽重視の作品です。

深読みや考察なんか無粋、一般的な感情がある人であれば誰でも直感的に分かるストレートさが最高です。

 

数ある横筋とも言える小さなエピソードが集まって大きな縦筋になるという作風も、その後のシリーズでも定番となります。このエピソード群が秀逸なのです。

桃さん&ジョナサン以外の、出番の多い登場キャラそれぞれにドラマがあり、嫌いなキャラであっても最終的には好きになれるのがいいんですよ。

『トラック野郎』ってどんな作品なの?と訊かれれば、人情ドラマであると答えるのが正解ですからね。

 

そんなウザキャラと言えば、ストリップの踊り子に手を出してクビになった千吉。

絵に描いたお調子者で、ゴマを擦って世渡りするようなキャラです。桃さんに社長!とか取り入る姿なんて、確実にイラッとしますからね。

それでも千吉に大きな見せ場というか、しっかり泣けるシーンがあるんだから、荒っぽく見えて実は優しい世界なんですよ。ドライブインに集まったトラック野郎たちが拍手を送るシーンとか、どんだけあったかいんだよ。

個人的に真のウザキャラは松下家に貰われた捨て子の由美。昭和の子役の大根っぷりは目に余るものがありますが(特に東映作品に多い気がする)、この子はその極み。父親に捨てられたショックで感情が欠落してしまったんだと思い込んでもフォローしきれないヒドさは、ある意味においては一見の価値があるかも…。

 

マドンナはシリーズの定番ですが、もう一人の、桃さんの視野に入らないサブ的なマドンナも登場します。

本作で言えばマドンナは洋子、サブマドンナは京子ですね。

そして、中にはサブマドンナの方がいいじゃん?と思わせるキャラもチラホラいて、本作であれば、個人的には洋子より京子の方がいいと思うんだよなぁ。荒っぽく見えて中身は乙女というギャップも可愛らしいじゃないですか。パンを食いながら、京子が千吉に身の上を話すシーンは特にいい。

サブマドンナは庶民感に溢れる女性が多く、気楽に長く付き合えそうなのは明らかだけど、どうも桃さんは自分とは違う世界の、いわば高嶺の花のような人に憧れる傾向があるようですね。

シリーズが10作も続いてくれたのは、桃さんがその辺に気付けないでくれたおかげでもあるんでしょう(笑)。

 

余談ながら、女性ドライバーは現在ではようやく珍しくなくなりつつありますが、トラック野郎シリーズには当たり前のようにトラックを運転する女性キャラが登場します。そして、その多くはトラックに乗らざるを得ない事情を抱えています。

当時=1970年代にもいない事はなかったんだろうけど、極めて稀有な存在だったんじゃないかな? コテコテの男社会の中に女性ドライバーの役を設定したのは巧いですね。

 

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映像特典は予告編のみというショボさ。

まぁ、安定の東映ビデオ品質です。

 

 

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観た、『トラック野郎 御意見無用』

観た、『トラック野郎 爆走一番星』

観た、『トラック野郎 望郷一番星』

観た、『トラック野郎 天下御免』

観た、『トラック野郎 度胸一番星』

観た、『トラック野郎 男一匹桃次郎』

観た、『トラック野郎 突撃一番星』

観た、『トラック野郎 一番星北へ帰る』

観た、『トラック野郎 熱風5000キロ』

観た、『トラック野郎 故郷特急便』

 

『ブルー・イン・ザ・フェイス』を観ました。

 

ブルックリンの街角にあるオーギーのタバコ屋には、今日も顔馴染みの面々がたむろし、他愛もない話に明け暮れている。

ある日、オーナーであるヴィニーが店を売ってしまうという報せを聞いたオーギーは、この店がみんなが集う場所である事を力説するが……といったお話。

 

『スモーク』の続編……いや、続編とはチト違うかな? 世界観は地続きではあるけど、作品としての繋がりはありません。続投する登場キャラも、ほぼいないし。

前作にあったオーギーのタバコ店に集う人々を映すばかりで↑の粗筋なんてないに等しい、会話に重きを置いた舞台劇のような趣の作品です。

 

前作もそうでしたが、ニューヨークのブルックリンの一角を舞台にした、いわば下町の日常ってところですかね。

前作は人情的な風味が強かったですが、今作は普段着のままの生活を見せている感じで、みんな好き放題やっています。

地元の野球チーム(ドジャース)が移転してガッカリだの、亭主が構ってくれないだの、いくらだったら皿いっぱいのクソを食えるかだの(笑)、本当にどうでもいい話ばかりの、“台詞”というより“会話”なんですよ(実際には台詞だけど)。

カメラワークも皆無に等しく、街の人々の様子を定点カメラに収めたドキュメンタリーに近いかも?

 

舞台でもある、ニューヨークのブルックリンという土地も一つの主役です。

常に小さな犯罪と隣り合わせながら、誰もが顔を合わせればフランクに話ができそうな、人見知りな人には不向きな街にも見えます(笑)。

とは言え、所詮は映画という絵空事ですから少なからずの誇張もあるはずです。店先で踊っていたオーギーとヴァイオレットにつられて踊り始める人が続々と集まり、挙げ句には572人もが集まって路上パーティー状態に、なんてのはさすがにないと思うけど。

本作は1995年の作品という事で、そろそろ30年も前の作品。世の中も奇妙な方向に流れていますが、現代のブルックリンは、本作で見る当時とどう変わったんだろう?

 

オーギーの店が自由すぎて楽しそうなんですよ。

常連が常にたむろしている上に、胡散臭い腕時計を売り付けに来たり、突然ギターを弾き始めたり、男女が痴話喧嘩を始めたり、そりゃ万年赤字も仕方ない(笑)。

でも、それらを黙認してくれるオーギーも含めて、この店の大らかさを表しているんですよね。

例えば、もう禁煙するからと最後の1本をオーギーと吸うためにやって来る男とか、店員と客という関係を越えて繋がっている。

そんなみんなの拠り所を売り飛ばしたりしないで!と、お涙頂戴の人情噺にできそうなシチュエーションではあるけど、そうはならず、実にアッケラカンとした結末を迎えます。

 

そんな会話を見て思うのは、もちろん平和であるに越した事はないけど、人間、ある程度の衝突があって良いものだと。

これは実生活でも思う事ですが、話していてつまらない人とは、こちらの言っている事に相槌を打つばかりの人です。さっさとこの時間が終われと思われてるのかもしれないけど(笑)。

逆に、自分の意見を言いつつも他人の意見を聞く、つまり肯定と否定(=衝突)のバランス取りが絶妙な人との会話は楽しいもので、つい長くなってしまいます。本作に登場する人々は総じてそんな感じです。

昨今ではネット上でも人間関係を築く事ができるようになりましたが(コミュニティ上で意見を交換し合うのも立派な人間関係に思える)、言いっぱなしではない、やっぱりお互いの腹の内を知るには顔を合わせての会話が健全なんでしょう。もちろん、その上で相性の良し悪しはあるでしょうが…。

 

そんな感じで、ジャンル的にはコメディになるんでしょうが、Blu-ray版のパッケージ裏、

といった宣伝文句は、ちょっとどころか、かなりズレていますね。別に腹抱えて転げ回るような類の笑いではないと思うんだよ。

ついてに言えば、ヘタクソなコラージュにしか見えないジャケットもイラッとしますね。本編のオーギー=ハーヴェイ・カイテルさんは髭なんか生やしてねぇだろ!

 

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そんなBlu-ray版は、映像特典や吹替すらないド最低限仕様。

…いや、作品のイメージ的に吹き替え版はなくて正解だったかも? 

 

字幕では足りない情報を補填したいという意味で吹替版を観たい人には、

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がオススメです。ずいぶん古いので、新品はもうないけどね。

シナリオ形式で書かれているので、吹替版のシナリオとして解釈しても良いんじゃないかな?

また『スモーク』を観ました。

▲違和感が半端じゃないけど、こんなロゴしか見当たらない

 

前回の感想はコチラから。

 

ニューヨークのブルックリンを舞台にした人情話です。

ドギツいセクシー&バイオレンスシーンもない、ほっこりした気持ちになれる地味な良作で好きなんです。

 

毒舌でふてぶてしい言動が目立ちますが、実は最強レベルの人情家であるオーギー・レンのキャラが本作の魅力の大半です。

息を吐くように人を傷付ける雑言がポンポン出てくるような人でありながら、本当に自分を求めてくれる人には婉曲的に優しさを見せる、要は思いやりのあるヘソ曲がりです(笑)。ラストの、クリスマスの話がその極みです。

3年もかけて貯めた全財産をパーにされても怒り散らす事なく、自分を裏切った元妻の相談に乗った上で助けてやるような、金に執着しないところもカッコ良い。

オーギーを演じるのがハーヴェイ・カイテルさんという時点でどうせ悪役だろうと思いがちですが(笑)、その辺にいるチト取っつきにくいオッちゃんくらいの、いつもとは違う役柄が新鮮です。

かと言って、100%の善人でもないところに、ちょっとした安心感があります(笑)。

 

そんなオーギーが、娘の更生のために力を貸して欲しいと懇願する元妻ルビーのためにポンと大金を渡してやりますが、元はと言えば盗まれたお金です。

泥棒が盗んだ金を盗んだラシードが、自分のミスで全財産を失わせてしまったオーギーへの賠償としてこれを払い、オーギーはそれをルビーにくれてやる。その後、泥棒は捕まり、彼らが盗んだお金の行方は分からず終い。

これって、マネーロンダリング成功と言っていいんじゃないでしょうか(笑)?

やろうと思えばお金を追う事もできるんでしょうが、警察が働かないほど人情噺は面白くなるんですよね。

 

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昨今は”殺す”ならまだしも、”死ね”というワードを使っただけで集団リンチに遭うような息苦しい時代ですが、こういう奴には容赦なく死ねと言います。

迷惑メールなんて、たまに一読&一笑して削除するものだから大マジになるのはダサいんですが、今回はチト大人げなくカチンと来ちゃったものでね。

 

詐欺業界(?)は他人を騙して儲けを出すのが仕事ですが、他人の弱味に付け込むどころか窮地を利用してまでお金をむしり取ろうとするのは、マナーどころかルール違反。

あれだけの会見をするような大きな地震が2日続けて起きて間もなく、即座にこういう発想に至れる神経は、もはや外道のそれです。

そして外道とは自ら人の道を踏み外した者であり、その時点で人権なんかないんだから、1ミリの酌量の余地もなく死ねという言葉を向けて良いものだと思うんだ。

 

「日本国際緊急援助委員会という組織が本当にあるかもしれないじゃないか!」と言いたい人は、ドメインに注目して下さい。

普段はそこまで偏見はないけど、こういう時に”cn”という国はさぁ…。

 

 

ところで、俺ッチが住む地域は震度4でしたが、Blu-rayソフトのケースが雪崩を起こすくらいに揺れて、かなりの恐怖を感じました。

3.11以来、心底より地震への恐怖心が強まり、人生の半分も過ぎてここまで怖いと感じるものができてしまったとは。

正直、重力下=地面にへばり付いて生きている以上は対策なんてしようがないけど、いつか起こり得るものだという覚悟を決めながら生きて行くのも辛いよねぇ。

変身ヒーロー系ドラマで好きな作品ベスト3は?と聞かれた際、その日の気分によりコロコロ変動するものの、俺ッチの中で常にランクインしている作品は『世界忍者戦ジライヤ』です。

 

『~ジライヤ』という作品最大の魅力は主人公であるジライヤ=山地闘破。

一般的な変身ヒーローらしく、変身前でもそれなりに強くて人格者でもありますが、どこか完璧にはほど遠いところが人間臭いんですよね。

弟に頼られ、妹にはボロクソ言われ(笑)、父に叱咤されながら成長していく姿は勧善懲悪のヒーロー作品でありながら、どこかファミリードラマっぽさもあるのが好きなんですよ。

ジライヤに変身(正確には装着)後に目が露出しているのも当初は戸惑いましたが、このおかげで変身ヒーローに付きまとう超人性や人外感が薄れ、ジライヤと闘破が同一人物であり、我々と同じ人間である感じが伝わるんです。それ故、第2装着は嫌い。

もうとっくに闘破の歳を追い越しているどころか、父親くらいの歳になった今でも、俺ッチにとって闘破は永遠の兄ちゃんなのです。

 

そして2024年、そんな『~ジライヤ』に新たな展開がっ…!

 

闘破を演じていた筒井巧さんのブログをたまたま読んでいたところ、先頃、筒井さんはブラジルのイベントに招聘されていたそうで、そこで初めて知ったようですが、あちらで『~ジライヤ』の漫画が発売されるとの事。

ぅおっ……何コレ、超カッコいいじゃない! 

画風も思いっきり日本の漫画を意識していますね。↑の“ザン”という効果音(=オノマトペ?)の脇に小さく“ZAH”とかルビが振ってあるので、日本の漫画っぽさがあるあちら向けの作品なんでしょう。

毒斎を倒してから20年。自らの地位を取り戻そうと暗躍を始める世界忍者たちと闘うジライヤだが、彼の手元に磁光真空剣はなく……といったお話のようです。おおお、これだけで妄想が広がるっ…!

 

そして、ブラジルで超人気と言えば『巨獣特装ジャスピオン』ですが、こちらも漫画版があるようです。

タイトルは『ジャスピオンの帰還』というそうな。おお、ギャラクシー…!

 

負のエネルギーにより甦ったギルマーザはジャスピオンへの復讐に燃え、マッドギャランやサタンゴースの復活を目論む。アンリやミーヤ、そしてブーメラン(おおっ…)たちと共にジャスピオンの戦いが再び始まる!といったお話のようです。こっちも熱いな!

 

ウン10年前に日本で放送していた変身ヒーロー作品が、今という時代に海外で人気があるという話はよく聞きますが、人気に乗じて漫画化するなんてのも今っぽい商法ですよね。

「原作へのリスペクトが~」なんてウゼぇ日本語も通じてないだろうし(笑)、異国人の解釈や想像力でどこまで自由なお話が創られているのかスゲー気になります。

マーベル系コミックよろしく、こっちも日本語版として発売して欲しい!

そういえば、今年になってからガンプラを買ってないんですよ。

バンダイの商法に嫌気が差しているところに、2割から1割に、挙げ句に割引き自体がなくなったのも相まって、ガンプラへの興味が一気に失せたものでね。興味が失せたどころか、総じてキットの造形が悪く見えるようにもなってしまいました。他メーカーのキットを見てしまうと、ダルいエッジとか肉抜きがひどくみっともなくてね。

なので、最近買うバンダイのプラモデル=バンプラと言えば、30MMシリーズと『境界戦機』という(笑)。

 

そんな心境なので、ガンプラを買う事はしばらくなさそうだから、バカみたいに買い込んで積み上がったプラモの消化に務めようとしているんですよ。

▲ムダにぼかしたけど、ガンプラバカの諸君には一目瞭然でしょう(笑)

 

…が、ここでちょっとした問題が浮かび上がりまして。

積みプラを崩すのはいいけど……どれから手を出せばいいんだろうと迷ってしまう人、いませんか?

 

前にもチト綴ったんですが、ガンプラは新製品だけでなく再販されるものも数多くあります。

自分が持っているキットが再販され、それを狙っていたけど買えなかった人をツイッター等で見知りしてしまうと、袋を開けた瞬間にこのキットの価値がなくなってしまうと思い込んでしまい、作るのが勿体なく感じちゃうんですよ。

別にその人に売るつもりもないんだから端から順に作ってきゃいいじゃん?とも思うんですが、現にMGは処分を検討しているし、もしかしたらHGも要らなくなるかもしれない、その時は高く売りたいじゃん?という貧乏性な妄想が止まらなくて(笑)。

 

やっぱガンダム系は人気があるからプレミア価格も高騰しがちですが、再販すれば値段も下がってくるんでしょう。

となると、あまり再販が望めなさそうなnotガンダム系のキットは手を付けない方がいいのかな? 今はナメられている『境界~』キット(笑)も10年後、いや20年後には大化けしたりして…? 

 

…とまぁ、再販ガンプラを狙っている人にとっては贅沢に聞こえてしまいそうな悩みでした。

けど、よい子のみんなは分かってるよね、これは無計画にバカスカ買った後で困っているバカな大人を嘲笑う記事なんだって…。

映画『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』を観てきました。

どうでもいい話ながら、本作のタイトルには”映画”とか“劇場版”の一言がないんですね。

▲ライダーたちの変身前が映っていない所にこだわりを感じる

 

突如として現れたドレッドルーパーの大群を迎え討つ宝太郎=仮面ライダーガッチャードたち。どうやら、この大群は未来のグリオンにより送り込まれたもののようだ。

ケミーと錬金アカデミーの面々の協力により、20年後の未来に向かった宝太郎とりんね。そこで見たのはグリオンにより崩壊させられた世界と、たった一人で戦う仮面ライダーガッチャードデイブレイク。そして、その正体は未来の宝太郎だった。

かつてデイブレイクに救われた恩がある宝太郎は共に戦おうとするが、未来の宝太郎はこれを拒絶。未来の宝太郎が抱える辛い過去とは……といったお話。

観ている最中、観終えた直後にはピンと来なかったけど、そこから時間が経つほど割とハードなお話だったんだなとジワジワ来るようになりました。大局的にはハッピーエンドに見えるけど、実はそうでもないんですよね。
これまで共に戦ってきた錬金アカデミーの面々は次々と倒れ、未来の宝太郎は苦境に立たされています。生き残っているのはアトロポスとクロトくらいで、険が取れているとは言え、味方と呼ぶにはややビミョーな感じ(ある意味、クロトがいれば百人力ですが…)。
協力者はいるけど心より気を許せる友もなく、満身創痍になりながらも戦い続ける――これって哀しみを背負いながらたった一人で戦うという、特に初代『仮面ライダー』大好きオジサンが喜びそうなシチュエーションじゃないですか? 未来の宝太郎は眼帯を着けていますが、わざわざ目を潰されるシーンを描くとか、割とハードな事もやってるしね。
ちなみに、俺ッチには『仮面ライダー』に漂っていたと言われる哀しみとやらはあまり理解できません。どの辺がそうだったのか具体的に教えておくれよ。

今や女性が仮面ライダーに変身するのが当たり前になってきた昨今、本作における仮面ライダーマジェードは女性初の2号ライダーとして、ちょっとだけ話題です。個人的には2号ライダーというより、1号の相棒くらいのポジションだと思っていますがね。
1号が男、2号が女、しかも同世代の学生という事で、宝太郎とりんねはいつくっつくんだろうと期待している人もいるんでしょうが、しょーもない色恋ネタを見せる気配が全くないのが本作のいい所です。二人の間にあるお互いの認識が”友情”には違いないけど、"仲間"と呼ぶ方がしっくり来るんですよ。

にしても、九堂りんねを演じる松本麗世さんは役柄と共に成長している感じで、当初はこんな華奢な子に世界が守れるのかと心配したものですが(笑)、ずいぶん良くなりましたね。変身後の声が力強くなってきたのがいいんですよ。

特に目元、フロント常連になる前の若かりし西野七瀬さんに似ていませんか?と同意を得ようとしているのは、いつまで経っても当ブログだけのようです…。

 

似てると言えば、本作ではお笑い芸人ゲスト枠(?)として小島よしおさんが出演していますが(海パンに白衣というファッションが最高)、できればロッチの中岡創一さんを呼んで欲しかったんだよね。加治木とのツーショットはニーズがあると思うんだよ(笑)。


宝太郎が最も信頼を寄せているりんねが、未来には存在していないというのが切ないですね。りんねの存在がなくなる前の時代に行って未来を変えよう!なんて能天気な話にもならない、かなりヘビーで苦しいお話です。

タイムトラベル要素はあるものの、オチから察するに、過去を変えても未来は変わらないようなので、いわゆるタイムパラドックスが生じず、別の世界線が並行している。つまり、本作に登場する未来の宝太郎とは、我々がテレビ版本編として知る宝太郎が20年間生き続けた姿=同一個体ではないんじゃないかと。
いわゆるマルチバースとでもいうんですかね、本編たる『仮面ライダーガッチャード』には"仮面ライダーガッチャード’(ダッシュ)"とも呼べる作品が同時進行していて、本編と”~’(ダッシュ)”がガッチャンコする話なんだと解釈しています。
この辺、大マジに考えながら見てると混乱した挙げ句につまんなくなるので、話半分で聞き流すのがいいですよ(笑)。

本編ではスポット参戦だった鳳桜・カグヤ・クォーツも登場します。
このカグヤが変身する仮面ライダーレジェンドは、その名の通りレジェンドライダー=過去に登場した仮面ライダーを出現させたり、自らもそれらに近い能力を使えたりと、ベルトのアナウンス音声も含め、仮面ライダーディケイドを意識しているのが見て取れます。
やってる事が同じ、もしくは似てるのならディケイドで良くない?

コロコロと形態が変わるばかりで戦闘シーンがつまらないだけでなく、昔のライダーをいっぱい登場させて、もはや着ぐるみショー感が否めません。召喚するライダーにも支離滅裂だし(強いて言うなら田崎竜太監督との縁が深いくらいか)。

何にせよ、たまにはジオウさんの事も思い出してあげて下さい…。


グリオンの手下である冥黒のデスマスクという連中も登場し、それぞれスパナ、ミナト、ラケシスの顔も持っているんですが、人選も含めて意味不明です。仮面ライダーレジェンドを狙っていたハンドレッドという組織の3人で良かったのに。
本編のみならず、映画やスピンオフ作品にまで付き合わなきゃならないんだから、近頃のライダー役者は拘束時間がかなり長そうで大変、というより気の毒だな…。

そして夏映画の恒例、新ライダー=仮面ライダーガヴの登場も欠かせません。
ここで新鮮なのは主人公の変身シーンがあるのって、実は本作が初じゃないですか? 変身を解いて正体を見せるシーンはあったけど。
実験を始めそうな変身ベルトには失笑しましたが、バックルの中にいるモンスターが実にバタ臭いというか、外国のお菓子のCMみたいに思えてね(笑)。
にしても、ガヴに変身するショウマのあの服、そのバックルどこから出してるの?という仮面ライダーシリーズの一つの謎に対するアンサーとして理にかなっているなぁ。

 

そしてお馴染み、劇場プログラム。

本編ラストカットが載っている点で資料性が高く感じます。あれを劇場で全部読めた人、いるのかな?

『蒼き流星SPTレイズナー』、テレビ放映版は観終えましたが、真にお話の決着が付くOVA版を観ました。

 

まずは『ACT.Ⅰ エイジ1996』、エイジとの出会いからグラドス艦隊との最終決戦までを描いた、いわば第1部の総集編です。

総集編と言えば、1話からウン話までの重要ポイントを順番通りにツギハギするものですが、そんなセオリーを無視した編集やら構成が実に大胆。各話にあった戦闘を1回分としてまとめたり、時系列が入れ替わっていたりとかね。

このシーンはあるのにあのシーンはないんだ?というものも多く、カットされたエピソードは全編中において大して重要じゃなかったのかと新たな発見も見い出せます。

ただ、ゴステロの登場シーンを全カット(!)する潔さには驚きです。ただでさえ『~レイズナー』という作品には敵のレギュラー(パイロット)が少ないのに…。

 

『ACT.Ⅱ ル・カイン1999』は第2部の総集編。

本編の印象があれだけ大きく印象が変わる前作に対し、こちらは一般的なツギハギ編集に始終しています。個人的に、本作の白眉とも言えるアンナの告白シーンをカットしたのは残念、というより勿体ないなぁと感じます。
 
そしてOVA版最大の目玉である『ACT.Ⅲ 刻印2000』。
テレビ版は全38話で、37話と38話間の連続性が飛躍しすぎていたため、本作はその間を繋ぐ37.5話とも呼べる作品……と思いながら観ていましたが、これはもう一つの38話ですね。
というのも、38話のものにシーンを追加して補完されている箇所もあれば、シーン自体がカットされたり差し替えられたりしている箇所も散見されます。
それはともかく、本作は打ち切り故に不自然な終わり方をしました。
一般的な打ち切り作品は「本当の戦いはこれからだ!」といった感じで中途半端に終わり、人気や余力があれば別メディアで真の最終回を展開するものです。
…が、本作の場合は最終回直前の話をすっ飛ばしてまで最終回を見せるという手法が斬新、かつ真摯です。
打ち切りという、唐突に完結を余儀なくされながらも、最終回はキチンと見せなければならないという義務感や使命感が伝わってきます。
 
まぁ、37話まで見ている人であれば、38話or『ACT.Ⅲ~』がどんな内容になるかはある程度の予測はできたと思います。
ただ、エリザベスの乱心は想定外すぎました。完結までもう時間がないのに、何を今さら言い出してんのよアンタ…(笑)。
 
あれだけド強気だったル・カインが弱々しい姿を晒すのは見どころの一つです。
父グレスコに甘やかされながら生きてきたものの、そんな後ろ盾を自らの手でなくしてしまった事でル・カインの心に変化が現れます。
ジュリアだけでなく、あれだけ見下していた地球人も優秀であればこちら側に迎えるようになったんですからル・カインも大人になりました。大人になるとは、妥協という言葉を言い換えたものでもありますからね。
 
支配は力、力は悪。支配者とは悪に徹する事でもあると説くグレスコの言葉は深いですね。自分がやっている事が正しいと信じ切っているル・カインとは対極的で、実に達観的。
自らを悪だと割り切るグレスコの真意に100%の悪意はないんですよ。
 
38話では明確に描かれていませんでしたが、『ACT.Ⅲ~』ではエイジとアンナが結ばれてお話は終わります。
本作も含め、そういえば『装甲騎兵ボトムズ』も『機甲界ガリアン』も、戦いが終わればヒーローとヒロインが結ばれ、その後も共に生きてゆくと感じさせるという綺麗な終わり方は高橋良輔さん作品のお約束なんですね。
 

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例えば合わせ目消しの際、ちゃんと消えているかどうかを確認する際にサーフェイサーを吹く事がままあります。

消えていなければ再び処理&吹くのを繰り返す、いわば捨てサフってやつですね。俺ッチの場合、この捨てサフには缶のサーフェイサーを使っています。

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整形処理の確認程度なら、手間を考えれば缶サフの方が楽ですしね。

 

――で、本題。

缶サフの残った中身ってどうしてますか?と。

 

つるセコパワーに磨きをかけている俺ッチの場合、エア(ガス)切れ確認後に金切りばさみで真っ二つにし、余った塗料瓶に移し替えます。

エアがなくなっても中に残ってるサフの量って、かなりあるんですよね。

これを溶剤で溶いてエアブラシで使おうという魂胆……だったんですが、そうは行かずにチト困った事に。

使ったのはガイアノーツのラッカー溶剤なんですがね、ちゃんと混ざってくんないんですよ。

グルグルかき回して、一見すると混ざっているように見えるんですが、よ~く見てみると、ちょうどメタリック系塗料の金属粒子が泳いでいるような感じになってキチンと溶けてくれません。

エアブラシで吹けない事はないですが、食い付きはまぁ良いとして、表面がザラザラで砂っぽくなるような感じ。

ラッカー系のサフならラッカーの溶剤も使えるでしょ!と思いきや、そう上手く事は運ばずにガッカリ。

 

 

…以上、せっかく使えるものを余らせたまま捨てちゃうのが勿体ないと感じる、しみったれた記事でした。溶剤が揮発してカチカチになった塗料を、わざわざ新品を買わずに溶媒液を使ってまで復活させようとする人には刺さる内容だと思うんですが(笑)。

サフではない、一般的な塗料も同様なのかなぁ。

 

 

☆ 追記 ☆

このところの日本の夏は酷暑が当たり前になりましたが、缶スプレーの保管にも気を付けたいところ。

部屋の温度が高くなりすぎるとスプレー缶が破裂しちゃうよと、何年か前にクレオスが注意喚起をしていましたよね。浸透したのか忘れてるのか、最近は言ってないけど(笑)。

熱中症対策がどうこうなんて話は聞き飽きて耳タコ状態ですが、こっちに関して、プラモを嗜む我々は頭の片隅に入れておこうぜ!

このまま気温の上昇が続けば、塗料に限らず、屋内で缶スプレーが破裂するなんて事が多発するのかなぁ。

『爆上戦隊ブンブンジャー 劇場BOON!プロミス・ザ・サーキット』を観てきました。

 

ハシリヤンに狙われていた少女を救った爆上戦隊ブンブンジャー。
少女の正体は、ハシリヤンの侵略を受けた惑星トリクルの王女ニコーラ。国王の命により星を脱出、地球まで逃げ延びてきたという。
そんなニコーラを追ってきたハシリヤンの捕物隊長デイモンサンダーは、惑星大破壊大ミサイルを地球に向ける。デイモンサンダーの要求を飲み、ニコーラを引き渡そうとするISA=国際宇宙対策機構の決定に納得できない調[シラベ]はブンブンジャーに協力を要請。ニコーラと地球を守るため、ブンブンジャーはデイモンサンダーに挑む……といったお話。

この世とはかけ離れた場所からやって来た、やんごとなき地位にある女子(多くは姫)を救うお話という事で、ひと昔ふた昔前のTHEスーパー戦隊の夏映画です。知っているだけでなく懐かしさを感じる人は、かなり年季の入ったスーパー戦隊ファンですね。
そんな女子を演じるのはまぁまぁ旬の女優で、本作では伊礼姫奈さんを起用しているのが個人的にツボ。
おとなしめなキャラで髪の色はサーモンピンク、エンディングではダンスも披露してくれるんだから、こりゃ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』がチラついても仕方ないでしょ(笑)。
劇場プログラムには伊礼さんのインタビューもあり、その脇にちょっとしたプロフィールがありますが、『推し武道』を載せとかないでどうすんだバカヤロー!

これと逆に、ガッカリなキャスティングと言えばHIKAKINという、いわゆるユーチューバーな人ですね。
巷ではずいぶん人気がある人のようで、劇場プログラムにあるキャストのインタビューでは共演できて光栄だと口を揃えて喜んでいますが、俺ッチの認識ではユーチューバーとは反社と紙一重の人種くらいにしか思っていないので(ユーチューバーが見出しになる数々のニュースがそれを裏付ける)チト複雑です(笑)。
あとは、マンネリの象徴ともいうべき関智一さん。
もうね、真っ先に「またかよ」という言葉しか出てきません。芝居の巧拙云々なんかより、とっくに聞き飽きてウンザリなんだよ。…あ、関さん自体に罪はないんですよ、問題なのはキャスティングするスタッフの手抜きっぷりなのです。

ちなみに、岸祐二さんもスパ戦では声優としての参加が多いですが、放送開始の時から呼んで欲しいと連絡していたようです。ご存知の通り、岸さんは車(系)戦隊OBの一人ですし、できればマッハ全開な人に次いで本編にも登場して欲しいところですがね。

ここ数年の夏映画における、巨大ロボが出ないという傾向は喜ばしいですね。
夏映画におけるスーパー戦隊映画はいつまで経っても30分前後で、残念ながら仮面ライダー映画の前座から覆る事はもうないでしょう。いや、ありません。

なら、真っ先に省くべきは大したドラマが生まれないロボ戦ですよね。いい歳こいたオモチャバカは怒るでしょうが(笑)。
まぁ本作の場合、ブンちゃんとビュンディーは巨大ロボに近い存在だし、アクションシーンにも出番があるからそれでヨシとしましょうや。
…ところで、ブンブンカー遊び(笑)に熱中するのはいいけど、ブンブンスーパーカーの立体化を熱望する大人はいないのか?と。

放送開始前に公開されたキービジュアルで一番目を引いたのはコレなんですよ。レトロ感もあってカッコイイし、プラモとして発売してくれないかなぁと。
タミヤはどことなく結びつかないし、アオシマやフジミは高くなりそうなので(笑)、ハセガワあたりが空気を読んで"光岡自動車 ロックスター"としてプラモ化してくれると嬉しいんだけどなぁ。
バットモービルあたりの延長でバンダイがブンブンスーパーカーを作ってくれるのが一番現実的かな? ボンネットは固定でエッジはキンキン&要接着剤の、ガンプラ小僧に媚びないスケールモデル、たまにはやってみない? やらないな…。

デイモンサンダーに狙われるニコーラを護ろうと奮闘するブンブンジャー。どうしてそこまで自分のために命や体を張れるのかというニコーラの問いに対するブンブンジャーの回答は、”やりたいからやる”"したいからする"、それだけです。
この手の変身ヒーロー作品=勧善懲悪モノの作風として、困ってる人を救うのは当たり前すぎる暗黙の了解なんだけど、まぁ答えになってないよね(笑)。本能的にいい人ってのは見てりゃ分かるじゃん?とも思うけど、もう少し行動原理になる思いを言葉にした方がいいと思うんですよ。
明らかに高年齢に向けた作風で複雑だった去年の("前作"とは言わない)『王様戦隊キングオージャー』に対し、今年の『爆上戦隊ブンブンジャー』は一見すると明快で分かりやすくなっているように見えますが、実はそうでもないんです。

自分のハンドルが云々ってのも婉曲的な言い方で、直感的に響きにくいと感じるんだけど、それはさておき。
未来[ミラ]は”自分のハンドル”という、迷走している自分の生き方を変えたワードを使ってニコーラを諭します。それは大也[タイヤ]の受け売りではなく、未来はとっくにこれに準じて行動=ブンブンジャーをやっているからこそ説得力がある。本作は密かに未来のフィーチャー回と言ってもいい話なんですね。
未来と言えば、本作ではニコーラを乗せてブンブンスーパーカーをガンガン走らせますが、そういえば未来って”運転屋”としてブンブンジャーになったのを忘れてたよ。何しろ、現在放送中の本編ではバイトにかまけてばかりで完全にペーパードライバー状態だし(笑)。
ところで、ブンブンジャーの面々には得意分野の肩書として"○○屋"と呼ばれますが、これは必殺シリーズから来たものなんですね。唯一、“警察屋”ってのは強引すぎな気がしますが(笑)。

 

毎度の繰り言ですが、相変わらず劇場プログラムは情報が濃密な上に割と安い(800円)ので、マストバイな一品です。