観た、『トラック野郎 突撃一番星』 | Joon's blog

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『トラック野郎 突撃一番星』を観ました。

 

UFOや宇宙人との遭遇に憧れる桃次郎の前に、えり子という女性が現れる。えり子を宇宙人を思い込んだ桃次郎は、またも一目惚れ。

その後、桃次郎と金造は、三重県の鳥羽へ向かうフェリーで二人を騙した玉三郎を発見する。以前はトラック野郎だった玉三郎に情けを掛けた金造は、助手として雇ってやる事に。

そんな玉三郎の元に、東京でトラック会社を開業したという嘘を信じた父親から手紙が届く。玉三郎の親孝行のため、トラック仲間の面々は社員の振りをする羽目に。

一方、仲間を出し抜き運賃をダンピングまでして仕事を取ったがために、桃次郎からも突き放された金造は仲間の元を去る。そんな折、ジョナサンはマリーという踊り子と出会い……といったお話。

 

ジョナサンを演じた愛川欽也さんはシリーズを振り返り、第7作である今作が一番好きだと言っていたというのもあり、金造=ジョナサンとマリーとの淡く切ない恋物語こそが今作の見どころに思います。時間は少ないけど、深く印象に残るエピソードです。

ここ数作ではやけに浮気願望が強かったし(笑)、ようやくジョナサンに恋バナがキターッって感じ?

奥さんともお見合い結婚だったそうだし、ジョナサンって恋愛経験に乏しいと思うんですよ。それ故、下手すれば自分の子供くらいに歳が離れてそうな小娘に入れ込んでしまうのも、やはり経験不足ゆえのものなんでしょう。

オジサンと小娘との恋と聞くと、体の関係に直結するのがほとんどなんでしょうが、ジョナサンとマリーの関係はそんなものを超越した、もっとプラトニックなものなんですよね。ストリッパーであるマリーの裸を他の客たちに見せたがらないあたりが純情であり、かなりガチめです(笑)。

でも家族を捨てられないどころか、やっぱり家族を愛しているのがジョナサンの人の好さなんですよね。

確実に両想いだったのにああいう決断をせざるを得なかった、再び孤独になるマリーもまた哀しく切ない…。

 

今作から次々作=9作目まで、三番星=玉三郎というキャラがレギュラー入りします。その名の通り、桃さん&ジョナサンに続くトラック野郎ですね。

…が、個人的にはあまりウェルカム感はありません。

テキトーばかりやってるお調子者で、強い者にはゴマを擦り、陰では悪口を言うようなキャラで、第1作『~御意見無用』に登場した千吉の二代目のような感じ。

演じているせんだみつおさんも、当時のお茶の間では人気者だったようですが、後年になってから観てみるとわざとらしくて苦手です(役者としては長めのセリフをキチンと覚えてくるような真面目さはあったようですが)。

そんなウザキャラな玉三郎であっても、生粋なクズにしないのがトラック野郎シリーズの優しい世界観です。

運送会社の社長になったと言っていたのがウソだったと知ってしまった父親が、気付かぬ振りをしながら宴会で陽気に振る舞うシーンは胸が痛みますね。玉三郎が憎み切れないキャラになっているのは、ああいうシーンがあるからこそなんです。

 

今作でマドンナを演じるのは原田美枝子さん、そして桃さんにフラれるサブマドンナは樹木希林さん。そして今作にはワッパライバルが存在しませんが、それに相当するキャラを川谷拓三さんが演じています。

原田さん演じるえり子らは、イルカや真珠の研究者だったりと、海に関わる職業に就いています。

それ故、泳ぐシーンが少なからずありますが、このお三方(と菅原文太さん)が吹き替えナシに、フツーに海に“飛び込む”芝居を見せるのは驚きです。

役者魂というか、さすが昭和というか、芝居という嘘の中に真実を見せるのは古い作品ならではですね。

 

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Blu-ray版の映像特典は予告編のみ。この頃の、いちいち煽り文句が出てくる予告編は味があっていいですね。

 

 

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