観た、『トラック野郎 望郷一番星』 | Joon's blog

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『トラック野郎 望郷一番星』を観ました。

 

桃次郎はマイホームを夢見る金造と共に、仕事が多そうな北海道へ向かう。

桃次郎は、その道中で出会った亜希子に一目惚れ。亜希子が競走馬を生産する牧場のオーナーと知った桃次郎は、苦手な馬について猛勉強を始める。

北海道のトラック野郎カムチャッカとの対決、運転手に荷を斡旋する水屋の話に乗る金造、運転手仲間の死を経ながら、桃次郎の熱意は亜希子に徐々に伝わってゆく。

そんな中、水屋の話を持ち掛けてきた鮫田に金を持ち逃げされた金造は、運転手仲間から責任を追及される。金造の窮地を救うため、40トンの荷を乗せた桃次郎は命懸けで突っ走るが……といったお話。

 

シリーズ第3弾という事で、いよいよやってる事がパターン化してきましたが、それはあくまで大筋の話。

数編の小さなエピソードが寄り集まった作風ですが(それ故にシーン間の繋がりが全くない事もしばしば)、笑いあり涙ありのそれらがいいんです。

 

今作での桃次郎&金造の仕事場は北海道。

そんなアウェーの地での大爆走がクライマックスとなりますが、カムチャッカを初めとする地元のトラック運転手たちが一丸となり、命懸けで突っ走る桃次郎を手助けする姿は胸が熱くなりますね。

どうにか時間内に到着したものの、桃次郎の一番星号はクラッシュしてしまいます。

その後、自走できなくなった一番星号を、金造のジョナサン号が牽引する姿がほっこりするんですよ。

ちなみに一番星号は10トン車、ジョナサン号は4トン車。自分の倍以上もある車体を引っ張っていく姿は、まさに桃次郎と金造の関係を表したかのようです。

 

相変わらず一目惚れ癖が抜けない桃次郎。今回は牧場のオーナーである亜希子に入れ込みますが、実は桃次郎は馬が大の苦手。

…だったものの、亜希子が競走馬の生産者であるのを知った途端、馬について猛勉強を開始。一番星号のキャビンに設置された本棚(笑)を馬に関する本で埋め尽くすくらい。

ここで女子の皆さん、趣味や嗜好を勉強してまで自分を理解しようと努力する男っていじらしいと思いませんか?

だいぶコミカルに描かれているものの、そこが桃次郎の魅力なんですよね。薬殺されそうな仔馬を救うエピソードとか。

そこまでやっておきながらも終いにはフラれて終わるんですが(笑)、「亜希子さん……おめでとう!」と、自分が愛した女性の決断をハッキリと祝福できる姿も潔いですよね。

当て馬にだってカッコ良い瞬間があるんだよ!

 

今作のワッパライバルはカムチャッカの熊。

梅宮辰夫さんのパワフルさも加わり、歴代ワッパライバルの中でも最強に近いんじゃないでしょうか?

市場での、トラックと野次馬(200人くらいいそう?)に囲まれた決闘場はまるで西部劇のようで、今作の見どころの一つです。

ここで決着も着き、桃次郎はカムチャッカに拍手を送りますが、トラック野郎シリーズにおける決闘は憎悪の感情から始まるものではないんですよね。

喧嘩両成敗どころか、両者とも後腐れのない終わり方が爽やかでいいんです。

 

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以前、本作が東京MXテレビで放送された際は、とあるシーンが丸々カットされたそうで、そのせいなのか↑のBlu-ray版も今作だけが異常な価格に高騰していますね。

まぁ、“作品のオリジナリティを尊重して云々”なんて免罪符が効かないシーンなんてゴロゴロあるけど(笑)。

令和においては実に害毒性の強い作品なので、デリケートな感性をお持ちの、もしくはしょっちゅうテレビ局にクレームを入れちゃうような方々には不向きな作品ゆえ、見なくていいですよ。

 

 

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